大橋トリオの曲が素晴らしい ☆3.5点
村上淳や三浦誠己らが所属する芸能事務所ディケイドが設立25周年を記念して企画・製作したオリジナル作品。
ディケイド所属俳優総出演で学生時代の映画研究会の同窓会を描く。監督は村本大志
予告編
映画データ
本作は2017年9月30日(土)公開でまだテアトル新宿のみでの公開です。
今後、大阪・神戸・京都と公開されるようです。
テアトル新宿行くたびに予告編は目にしてまして、予告編で流れる曲がいいなと思いまして観に行った次第です。
監督は村本大志さん
東北新社出身で数多くのCMを撮られ、劇場用映画は12年ぶり3本目です。
晩年の相米慎二監督に師事していたようです。
主演は三浦誠己さん
近作は『彼女について知ることのすべて』『さよなら渓谷』『海を感じる時』『まほろ駅前狂騒曲』『Zアイランド』『木屋町DARUMA』『団地』『ディストラクション・ベイビーズ』『関ヶ原』を観てます。
共演に渋川清彦さん
近作は『ジョーカー・ゲーム』『俺物語!!』『下衆の愛』『テラフォーマーズ』『追憶』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
朝田: 三浦誠己
飯田: 渋川清彦
直子: 中村優子
岡本: 山本浩司
五島: 松浦祐也
木塚: テイ龍進
美帆: 石橋けい
川崎: 大西信満
20年前の朝田圭一: 白戸達也
本庄エミ: 柿木アミナ
20年前の飯田収: 福島綱紀
20年前の飯田直子: 高橋綾沙
20年前の岡本亮介: 藤江琢磨
20年前の五島春樹: 野川雄大
20年前の木塚修司: 宮本和武
20年前の安藤美帆: 芋生悠
20年前の川崎洋: 諫早幸作
近藤勝男: 飯田芳
森聡: 小山燿
松木美香子: 澁谷麻美
アリサ: 浦浜アリサ
長谷部瞬也: 村上虹郎
大橋トリオ: 大橋トリオ
香田文: 渡辺真起子
戸倉五郎: 村上淳
あらすじ
映画研究会の仲間9人。その中のファムファタル的な存在だったエミ(柿木アミナ)がある日突然彼らの人生からいなくなって20年。
彼女の命日に久しぶりに集まったのは、パン屋を営む朝田(三浦誠己)、無農薬野菜をつくる飯田と直子(渋川清彦、中村優子)、売れない俳優岡本(山本浩司)、キャリアウーマンの美帆(石橋けい)、 介護士の五島(松浦祐也)、IT会社を経営する木塚(テイ龍進)。
「わたし本当は知ってるの、エミが死んだ理由。ずっとみんなに言いたかった」突然の直子の言葉に、それぞれの中で止まっていた時間が動き出す。
そしてそこに訪れる、招かれざる客、川崎(大西信満)。
彼が現れた理由は、朝田にとって思いもよらないものだった。
かつて同じ夢を見て、同じ夢に破れた。
20年後、僕たちはようやく本当に語るべきことを語り合える。
生きること、死ぬこと、そしてまた生き続けること。
エミが最後に言いたかった言葉を探す、ある一夜の物語。(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
予告編には20年ぶりの同窓会って出てくるんですけど、みんなで集まるのは久しぶりで各々は時々、このバー、サムタイムに来ていたようです。
直子がみんなを集める時に「エミが自殺する前に一番最後に会ったのは私だと思う」と連絡したことから、久々に全員集まります。
直子が知ってるエミが自殺した理由は、朝田とエミが付き合ってるのは皆知ってましたが、エミは川崎とも付き合っていて、そのどちらか分からない子を妊娠したと打ち明けられたことでした。
直子の夫の飯田はこの話を事前に聞かされていて、直子1人で抱えるには大きな問題なので皆に話すことにしたと言います。
そしてこのことに向き合うべきは朝田だと言います。
朝田は皆に監督として期待されていましたが、エミの自殺以降気が抜けたようになって映画も止めてしまいました。
木塚は一見羽振りがよさそうでしたが、怪しげな投資話を持ち掛けてきます。
岡本は社長兼マネージャーである香田を呼び寄せ、仕事の打ち合わせをするふりをして、売れてる俳優のように見せかけますが、大きな声で話すのでバレバレでした。
皆それぞれに見栄を張ってましたが、招かざれる客、川崎が現れたことによって綻びを見せます。
川崎はタイで撮影のコーディネーターの仕事をしていて、誰も川崎の連絡先を知りませんでした。
そのため今回の集まりにも声を掛けていなかったのですが、川崎はたまたま東京で仕事があり、エミの命日であることからバーに来れば誰かいるのではないかと思って来たとのことでした。
川崎が来ると朝田はエミと付き合っていたのかと迫りますが、川崎はなんのことか分かりません。
川崎が正直にエミに告白してフラれたことを話すと、疑惑の目は直子に向かい「昔っから嘘つきだったよな」と岡本が言います。
壊れる直子。
夫の飯田が代わりに謝ります。
飯田夫妻の農業は無農薬にこだわるあまり上手くいってませんでした。
赤字を補填するため直子が食堂をやってましたがそちらの方も赤字でヒステリックになっていました。
飯田はしばらく直子を休ませてから帰ると言います。
美帆もエミと最後に会ったと打ち明けます。
美帆は学生時代、朝田のことが好きで、女優として能力のないエミが朝田の枷になってると本人に言ってました。
そして朝田も真実を打ち明けます。
美帆とエミが会う直前まで、朝田はエミと撮影してましたが、エミは朝田の自分への入れ込みように戸惑っていました。
エミは自分に女優としての才能が無いのは分かっていて、自分がそばにいることで朝田の成長を妨げていると感じてました。
エミは朝田に「shoot」と言って消えたのでした。
朝田は結局shootを決められないまま20年を過ごしてしまっていたのでした。
すると川崎が東京に来たもう一つの目的を言います。
川崎はタイでがむしゃらに仕事を頑張ってある程度の蓄えが出来たことから、この皆で映画を撮ろうと言います。
岡本や五島は映画を撮って誰が見るんだよと言いますが、川崎は20年前の俺たちはそんなことを考えて撮っていたか?と言うと皆がやる気になりますが、そこに木塚の借金取りである戸倉が入ってきます。
木塚は皆に土下座して金を借りるのでした。
そこに大橋トリオが遅れて現れます。
大橋トリオはバー・サムタイムのピアノ弾きでしたが今は売れっ子になっててこの前にブルーノートで弾いてきたのでした。
皆、演奏を聴きながら20年前の自分たちに思いを馳せると、朝になって皆それぞれ帰って行き映画は終わります。
本作はクラウドファンディングしてたみたいで知らなかったんですが、そのときは『AFTER-PARTY』のタイトルだったんですね。
夢は叶う人もいれば叶わない人もいると思うんですが、圧倒的に叶わなかった人の方が多いと思うんですが、そんな人たちにそれでもいいんだよって寄り添ってくれるような映画なんだと思います。
映画はなんとなくいい感じに終わり、映画の中の登場人物、特に朝田は20年前のエミの死に決着を付けて生きていけると思うんですが、木塚と飯田夫妻には厳しい現実が待ってるんだろうなぁと思うんですが、そういうこと言っちゃうと身も蓋もないか。
脚本や設定が舞台劇向きなので、そちらの方が胸に刺さったり感動すると思うのですが、ある程度の年齢を重ねた人には過去の思い出を刺激されると思います。
映画好きな方にはところどころ出てくる映画ネタにニヤリと出来ると思いますし、衣装や小物も凝ってるようですのでそういうのを見つける楽しみもある映画となっています。
鑑賞データ
テアトル新宿 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2017年 165作品目 累計175800円 1作品単価1065円
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