EDのことでは無いよ ☆3点
2013年より「グランドジャンプ」に連載されている宮月新原作・神崎裕也作画の同名漫画の実写映画化で、監督は『貞子vs伽椰子』の白石晃士
主演に松坂桃李と沢尻エリカ、共演に新田真剣佑と間宮祥太朗
予告編
映画データ
本作は2018年2月1日(木)公開で、全国295館での公開です。
カンテレ制作、配給ショウゲートとなっています。
1月は日比谷周辺のTOHOシネマズで鑑賞してたので、予告編はあまり目にしませんでしたね。
漫画原作未読でdTVとカンテレのドラマ版も未見ですが、漫画もドラマも第1話は無料で見れるようです。
監督は白石晃士さん
近作は『ある優しき殺人者の記録』『殺人ワークショップ』『貞子vs伽椰子』を観てます。
元々は偶然映画館で観た『ノロイ』で知った監督さんで、ブレアウィッチ的なモキュメンタリーで面白いと思いましたね、なぜかブレイク直後のアンガールズが出てたり。
『戦慄怪奇ファイル』シリーズは見てなくて、その後に観たのが『ある優しき殺人者の記録』だったのですが、86分をワンカットで撮ってて凄いと思いました。
『貞子vs伽椰子』は自ら手を挙げたことから監督することになった作品で、初めてのメジャー配給(KADOKAWA)だと思うんですが、興収10億円のヒットとなりました。
どうやら呪怨ザファイナルの最後に貞子vs伽倻子という予告がくっついてるらしいですね。果たして既に撮られている映像なのか…いずれにしろ特報が作られているということは監督も決まっているか…。もし決まってないなら私、やります!やらせて下さい!マジでコンタクト取ってみよう!
— 白石晃士 (@shiraishikouji) 2015年6月20日
主演に松坂桃李さん
近作は『日本のいちばん長い日』『劇場版 MOZU』『人生の約束』『湯を沸かすほどの熱い愛』『ユリゴコロ』『彼女がその名を知らない鳥たち』を観てます。
主演に沢尻エリカさん
近作は『新宿スワン』を観てます。
共演に新田真剣佑さん
近作は『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』『ピーチガール』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』を観てます。
共演に間宮祥太朗さん
近作は『帝一の國』『全員死刑』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
宇相吹正: 松坂桃李
多田友子: 沢尻エリカ
百々瀬麻雄: 新田真剣佑
川端タケル: 間宮祥太朗
赤井芳樹: テット・ワダ
若松亮平: 菅谷哲也
前川夏海: 岡崎紗絵
木村優: 真野恵里菜
羽根田健: 忍成修吾
木島功: 水上剣星
羽根田桃香: 水上京香
櫻井俊雄: 今野浩喜
西冴子: 堀田茜
夢原理沙: 芦名星
夜目美冬: 矢田亜希子
河津村宏: 安田顕
鳥森広志: 小林稔侍
あらすじ
「・・・愚かだね、人間は」
都会のど真ん中で、次々と起きる変死事件。
現場では、必ず黒スーツの男が目撃される。
男の名は宇相吹正(松坂桃李)、ある電話ボックスに殺してほしい理由と連絡先を残すと、“願い”を叶えてくれる男だ。
ただし、依頼人の殺意が純粋でないと、恐ろしい事態を招くという。
さらに、ターゲットは確実に死に至るのだが、その死因は病死や自殺に事故 ─ そう、宇相吹の犯行は、〈見つめるだけで相手を死に追いやる〉ため、罪には問われない〈不能犯〉なのだ。果たして、その手口とは ─ ?CASE.1
TARGET:木島功/金融会社社長
「人生、終わりにしたくなかったら用意しとけ!」。真昼のカフェで、金を返さない客に向かって、携帯電話で木島(水上剣星)。そこへ宇相吹が近付き、ガムシロップを注いだグラスの水をいきなり木島の顔にぶっかける。いきり立つ木島だが、ニタァと笑う宇相吹の赤く光る目に魅入られ・・・・・・。
■依頼人:のちに意外な人物と判明CASE.2
TARGET:鳥森広志/町内会会長
■依頼人:羽根田健/鳥森の近隣に住む会社員
羽根田(忍成修吾)は怒りに震えていた。部屋を覗いたり、ゴミ袋の中を確認したりするなど、異常な行動を重ねていた町内会会長の鳥森(小林稔侍)が、妻の桃香(水上京香)に乱暴したのだ。羽根田は警察に通報すると鳥森に詰め寄るが、いったい何のことなのか、警察に全部しゃべるぞと脅される。恐怖を抱いた羽根田は、宇相吹に殺人を依頼する。CASE.3
TARGET:夜目美冬/多田刑事の上司
警察はようやく宇相吹の身柄を確保し、ベテラン刑事の夜目(矢田亜希子)が任意で取り調べる。「僕は、やってません」という宇相吹の言葉にピクリと反応する夜目。以前、夜目は電車で痴漢した高校生を現行犯逮捕したのだが、彼は無実を主張した末に、留置所で自殺してしまっていた・・・・・・。
■ 依頼人:河津村宏/鑑識官CASE.4
TARGET:夢原理沙/ジュエリーデザイナー
■ 依頼人:木村優/離れて暮らす理沙の妹
「絶対、許さない。お願い、こいつを!」と、風俗で働く優(真野恵里菜)は、両親の離婚が原因で別々に育った姉の理沙(芦名星)への嫉妬と憎悪を宇相吹にぶつける。父親の借金返済に苦しんだ自分と違って、母親に引き取られて幸せに育った姉は、もうすぐ大病院の院長候補の男と結婚するのだ。そして優は宇相吹に抹殺よりももっと恐ろしい依頼をする。連続爆破事件
多田友子刑事(沢尻エリカ)が自ら更生させた元不良少年・タケル(間宮祥太郎)が料理人を務める店で飲んでいると、TVから公園での大爆発のニュースが流れる。去年の暮れに起きた神社での爆破事件と手口が酷似していた。多田は悪の撲滅にあらためて闘志を燃やし、部下で新人の百々瀬麻雄(新田真剣佑)と共に捜査を進めるが、何の手掛かりもつかめぬまま、3度目の爆発が起こり、またしても犠牲者が出てしまう。だが、この時、彼女は思いもしなかった。まさか連続爆破事件と宇相吹の事件が繋がり、壮大な事件へと発展するとは──。そして遂に、2人の壮絶な対決の時がやって来る!(公式サイトhttp://funohan.jp/story.htmlより引用)
ネタバレ感想
最初に何かでタイトルを聞いたときはインポテンツのことかと思いました。
つらたんでしたがそうではありませんでした。
【不能犯】
ある罪を犯そうとする意思で行為をなしたが、その行為の性質上、犯罪の結果を生む可能性がなく、未遂犯にもあたらないとされる行為。呪術 (じゅじゅつ) によって人を殺そうとすることなど。(goo国語辞書より引用)
だそうで、判例もあるようです。
映画の冒頭にも不能犯の説明字幕が出ます。
タダで読める漫画のやつ見ていただくと分かるんですが、漫画の第1話に映画のCASE1とCASE3が少し入ってる感じです。
CASE1は漫画では毒入りのアイスティーですが、映画では宇相吹が木島にガムシロ入りの水を掛けて、スズメバチの好物なんだよなぁと言って大量のスズメバチを放つと死んでしまいます。
多田たちが調べると顔は刺されたように腫れあがってますが、死因は心不全でスズメバチの毒も検出されません。
防犯カメラの映像を見ても黒いスーツの男がコップの水を掛けたあと、木島は何かを手で払うようにした後に倒れて絶命するのが映ってるだけでした。
CASE2は羽根田夫妻の話です。
夫の健が仕事から帰ってきて妻の桃香と抱き合ってると、妻が町会長の鳥森が覗いてると言います。
翌日、健が出勤しようとすると鳥森が家のゴミを漁ってるので注意しますが、鳥森は今日は燃えるゴミの日ですよと言って分別されてないペットボトルを出すと、奥さんに注意して下さいと言います。
ある日、健が仕事から帰ってくると妻の服が乱れて肩口を怪我してます。
(強姦されているイメージの映像が挟まれて)妻が鳥森に乱暴されたと言うので、鳥森の家に行って警察に通報しますよと言いいますが、逆に「通報して困るのはそちらじゃないですか?」と言われます。
妻はこのことは忘れると言って警察には通報しないと言うんですが、観てる自分としてはありえなくない?と思いました。
普通、警察に通報するでしょと。
夫の健は何をしたかというと、都市伝説となっている黒いスーツの男に鳥森殺害を依頼しようとして、公衆電話の台の下に依頼のメモを貼り付けます。
すると黒いスーツの男(宇相吹)から電話がかかってきて会うことになります。
殺意が純粋であるかの最終確認をされると実行に移されます。
宇相吹はベンチの椅子に座ってタバコを探してる鳥森の前に現れます。
鳥森が脇に置いたままで気づかずにいるタバコを渡すと鳥森が吸います。
すると宇相吹は眼を赤く光らせて、そのタバコにはぶっ飛ぶ成分が入ってると言います。
鳥森は宇相吹が何者であるか気づいたようで抵抗するようにペットボトルの水を口にしますが、ペットボトルには大量の吸い殻が入っていて飲んだのはニコチン抽出液でした。
宇相吹は健に鳥森殺害を報告します。
すると健は喜んで安心して仕事の出張に出かけようとしますが、宇相吹はこんな時こそ仕事を休んで早く帰ってあげるべきだと言います。
健が家に帰ると、女2人が下着姿でじゃれ合ってて、奥のソファでは妻の桃香が知らない男とドラッグでラリってました。
桃香はクラブで知り合った人たちだと言い、バレないようにイランイランなどのアロマを炊いてたと言います。
鳥森が覗きやゴミを漁ってたのは桃香がドラッグをしてたのを知ってたからで、あの日はドラッグをやめさせようと説得に来たのを桃香が襲われたと嘘をついたのでした。
健にも一緒にやらないと言う桃香にキレると、健は男と女たちをガラスの灰皿でめった打ちにして殺します。
桃香が包丁で健を刺すと、健も灰皿で桃香を殺し羽根田家には5人の死体が転がります。
健役の忍成修吾さんが灰皿でバッコンバッコン殴るところは、白石監督の面目躍如でした。
多田たちは5人死亡の現場、羽根田家の捜査にあたります。
5人の死因は撲殺と刺殺なので不審な点はありませんでしたが、隣の家の町会長・鳥森が近所のベンチで心不全で亡くなり黒いスーツの男が目撃されていたのを知ります。
現場検証中、野次馬の中に黒いスーツの男を見つけた多田と上司の夜目は、任意同行で署に引っ張ってくるとCASE3となります。
事情聴取をすると黒いスーツの男は宇相吹正(うそぶきただし)と名乗りましたが、多田たちはそんな人物は存在しないと言います。
3か所の不審死の現場で宇相吹が写ってる写真を見せますが、「僕はやってません」と繰り返し言うと夜目を見て目を赤く光らせます。
すると夜目は目の前の宇相吹が以前、痴漢で逮捕した高校生に見えます。
その少年は「僕はやってません」を繰り返し、「父を呼んでもらえれば分かる」と言ったのですが、夜目は「お父さんも正直に言いなさいと言ってた」と嘘を言うと、その少年は身の潔白を主張して留置所で自殺したのでした。
宇相吹は任意だから帰りますと言うと帰り際に夜目の右腕を舐めますが、宇相吹が帰るとみるみるうちに腫れあがるのでした。
また、多田は夜目のそんな過去を知りませんでしたが、その少年の父が鑑識の河津村であることを同僚から知らされます。
夜目が自宅に帰って風呂に入ってると、宇相吹に舐められたところが人面瘡のように浮き上がり、自殺した少年の顔になります。
パニックになった夜目は人面瘡をカミソリで傷付けるとリストカットのようになり失血死してしまいます。
多田たちが現場検証してもリストカットによる自殺と判断されました。
ただ夜目の利き腕は右手なのに左手で切ったことを不思議に思います。
また傷口も浅く通常なら失血死する量ではありませんでしたが、風呂のお湯がみるみる赤くなったことによって大量の血液が流れたと思いショック死したのだろうとの見立てでした。
河津村は宇相吹と話をしています。
夜目が死んで喜んでる河津村はいい人のフリをしてたと言います。
息子を自殺に追い込まれて許せるはずが無いだろうと言います。
おまけに夜目は準キャリアだからってノンキャリアの自分を見下しやがってと言います。
純粋でない動機が明らかになると、そこは警察署内で同僚たちの前で独り言を言ってたのでした。
同僚たちがどういうことですか?と詰め寄ると河津村は逃げだし、階段を踏み外して死んでしまいます。
ここでは階段の踊り場まで落ちるだけですから死ななそうですが、河津村を演じる安田顕さんの関節はあらぬ方向に曲がってて(ネオン・デーモン方式)、ここも白石監督の面目躍如で、思わず手を叩きそうになりました(笑)
このCASE3は殆どがタダで読める漫画の第1話に描かれてる感じですね。
ただ惜しいのは夜目を演じる矢田亜希子さんの入浴シーンがキターーーと思ったのですが、肌の露出が少ないんですよね。
普通はお風呂の中で死んでて、それをバシャバシャ撮る鑑識の画があると思うんですが、本作では鑑識が現場検証してるときはすでに遺体収納袋に収められているんです。
河津村の「同僚に裸見られてざまぁみろだ」のセリフまであるのに…。
漫画だと宇相吹とバックでいたすシーンまであるので、映画でも是非やっていただきたかったのですが残念です。
気を取り直して先に進みます。
この辺までくると多田の周辺が描かれます。
まず、多田には宇相吹の赤い目の攻撃が効かないのが明らかになります。
夜目と多田で宇相吹に事情聴取してたときに夜目だけに効いて、多田には効かなかったことから宇相吹が気付きます。
宇相吹は、タケルが勤務する料理屋で飲んだ帰りにタクシーを途中下車して吐いてる多田(1人で飲んでたんでそんな吐くほど飲まなくていいと思いますが)に接触してきて、自分を止めたかったら殺せと言い、居場所を書いたメモを渡します。
また多田の部下の百々瀬は大学時代に心理学を専攻していて、宇相吹の手口は一種のマインドコントロールでプラセボ効果によるものじゃないかと言います。
なので不能犯だから逮捕出来ないんじゃないかという流れになります。
そんな矢先に世間を騒がしている連続爆破テロに百々瀬が巻き込まれて意識不明の重体に陥り病院に運び込まれます。
CASE4いきます。
池袋近辺のデリヘルに勤務する真野ちゃん、もとい、木村優は、両親が離婚して父親に引き取られたために、父親の借金を背負い風俗嬢をしています。
一方、母親に引き取られた姉の夢原理沙はジュエリーデザイナーとして成功し、病院の御曹司との結婚も決まってます。
優は自分の窮状を訴えた手紙を理沙に出しましたが、無視されたことから宇相吹に殺害を依頼します。
宇相吹は仕事帰りの理沙の前に現れると、一番身近な人から依頼を受けたと言って赤目攻撃すると、理沙の運転する車が制御不能になり事故を起こします。
幸い怪我で済んだ理沙は婚約者の病院に入院します。
理沙の事故の原因が宇相吹によるものだと判明した多田と若松は理沙に事情を聴くため病院を訪れます。
ハンドルにはエンジンオイルが付き、ブレーキも効かなかったと理沙は証言しますが、婚約者はオイルなど付いてなく、ブレーキも故障してないと警察が調べたことと同じことを言って理沙を否定します。
多田は宇相吹に何を言われたかと聴くと、理沙は身近な人物から依頼を受けたと言われたと話すのでした。
事情聴取を終えた多田は若松を帰すと、同じ病院に入院してる百々瀬を見舞いますが意識不明のままでした。
その頃理沙に食事が運ばれますが、看護婦がいなくなると宇相吹が現れ、食事には毒が入っていると言います。
真っ黒な食事に驚いた理沙はナースコールを呼びますが、看護婦からは毒など入って無いと言われます。
その看護婦は婚約者のお気に入りだったことから、2人して自分を精神異常者にして排除しようとしてると思い込みます。
廊下に出た際に婚約者と看護婦がキスしてる幻影を見た理沙はメスを使って婚約者を殺害するのでした。
騒ぎに駆け付けた多田は理沙を取り押さえます。
デリヘルで接客中だった優は、宇相吹から理沙が婚約者を殺害したことを知らされると喜びます。
優の依頼は理沙が婚約者を殺害するという変則的なものでした。
気分がいい優はキモ客にサービスしちゃうねと言います。
宇相吹と会った優は、理沙の車のダッシュボードにあったいう手紙を渡されます。
優が家に帰って開けると、結婚式の招待状で手紙が添えられていました。
手紙には優の手紙を受け取ったあと、優が会いに来てくれたのに心の整理が付かず無視してしまったことを詫びていて、今の仕事が辛かったら理沙の店で働けることが書いてありました。
取り返しのつかないことに気づいた優は、部屋で首吊り自殺します。
CASE2とかCASE4とか宇相吹は喪黒福造っぽいですな。
「ドーン!!!!」と赤目が似た感じです。
CASE4では気分のいい真野ちゃんに、もとい、優に抱きつかれるキモ客役のエキストラみたいな役者さんが羨ましかったです。
理沙は優が自殺したことを知らされると落ち込みます。
多田は理沙を精神鑑定するため病院に護送しますが、理沙の診察中に廊下で若松と、宇相吹が接触してきたことを話し、自分は宇相吹の術が効かなくて唯一対抗できる人間と言いますが、その話を理沙が聞いてました。
宇相吹に憎悪の思いを募らせる理沙は、診察中に花瓶を割るとガラスを凶器にして若松の首を刺し人質にして、多田に宇相吹の元へ案内させるのでした。
宇相吹が暮らす廃墟に着くと、理沙は多田に宇相吹を殺すよう命じますが、多田は躊躇します。
理沙は多田が呼んだ応援が近づいてるのが分かると、自ら宇相吹を殺そうとしますが、逆に赤目で操られると自ら喉を掻っ切って死んでしまいます。
しかし、最後の抵抗としてナイフを宇相吹に握らせると、宇相吹が刺したように偽装して、多田に証言するように言い残して死んでいくのでした。
宇相吹は駆け付けた応援に逮捕され署に連行されます。
宇相吹の犯行は多田の証言が頼りでしたが、多田は本当のことを言うと宇相吹は釈放されるのでした。
多田が百々瀬を病院に見舞うと意識を取り戻します。
病室を出るとタケルが来ていて様子を見に来て弁当を作ってきたとの事でした。
多田が弁当を食べると気を失います。
気付くと百々瀬の病室の上の空き部屋に連れ込まれていました。
多田がどうしてそんなことをするのかと聞くと、タケルは連続爆破事件の犯人で、自分が更生したと思い込んでる多田に絶望を味あわせたかったと言います。
多田がタケルの店を訪れたときに聞いた百々瀬行きつけのラーメン屋に爆弾を仕掛けたのも百々瀬を狙ったと言うのでした。
タケルは近くの保育園と百々瀬の病室の2つに爆弾を仕掛けていて、どちらか選べと言います。
10分以内にどちらか選べば片方は見逃すと言い、選べなければ両方爆破すると言うと、宇相吹が現れます。
タケルは宇相吹が現れると「あんたの出番じゃない」と言って、前から知ってるようでした。
実は木島の殺害を依頼したのはタケルで、爆弾作りに金がかかり木島から借金したのを踏み倒すためでした。
宇相吹は赤目攻撃でタケルを殺そうとしますが、多田が宇相吹を刺して倒します。
その隙にタケルにも手錠をかけてパイプに繋ぐと、2台の起爆装置の携帯電話を壊して応援を呼びます。
タイムリミットは残り6分で保育園も病院も避難を始めます。
多田は百々瀬の病室にあった爆弾を抱えると屋上に走ります。
タケルはパイプから手錠を外すと病院内の公衆電話に向かい百々瀬の部屋の爆弾を起動させようとしますが、多田が間一髪で屋上で爆発させると、保育園の爆弾を起動させようとします。
すると倒れて意識を失っていた宇相吹が目を覚まし、タケルを襲います。
タケルには爆発したはずの百々瀬の部屋の爆弾が見え、爆死するのでした。
宇相吹がタケルを殺したのは依頼されていたからで、依頼したのは同じ料理屋の先輩の櫻井俊雄でした。
後から入ってきた少年院上がりのタケルに先を越されたのが理由でした。
多田が宇相吹と会うと「愚かだねー、人間は」と言って映画は終わります。
うーん、全体を通して観ると、相変わらずの白石節なんですけど、インディーズだと許せるストーリー展開も、メジャーだとどうしても引っかかってしまいます。
特に最初の羽根田妻の警察に届けない展開とか。
結果的には警察に届けられない理由があった訳ですが、あの時点では隣の町会長は変質者にしか見えないので、警察に届けないで直接文句を言いに行くというのは凄く不自然でした。
たぶん出てる役者さんもマイナーだと、そういうところもスルーできると思うのですが、名のある役者さんがやるとどうしても不自然で目についてしまいます。
それとインディーズだとそういった小さなことはR15+のバイオレンス描写などの勢いで押し切れると思うんですが、メジャーだとなかなかそうした勢いで押し切れない部分もあって、今回はそれが出た気もします。
展開的にも身近な人が勘違いから妬んで殺害を依頼するというものでワンパターンです。
宇相吹の正体が分かってしまうと「笑ゥせぇるすまん」のような1話完結のエピソードを繋げたようにしか見えず、映画として1本繋がったような感じがしませんでした。
宇相吹の正体に関しても言及されなさ過ぎて、警察がいる意味があまり分かりませんでした。
もう少し署内全体だったり、その上の部署だったりで議論されてもいいのにと思いました。
あと沢尻エリカさんが、デキる女刑事に見えなかったですねー。
沢尻さんはドラマなんかを見ても滑舌がよくてセリフも聞きやすいので好きなんですけど、本作では変に甘ったるい演技になるときがあってノレませんでした。
百々瀬とタケルに対して妙にお姉さん感を出そうとしてるといいましょうか?
なんかもっと普通でいいのになぁと思いました。
あと、やたらと署内の喫煙ルームで会話させたのも、何か他に無かったかな?と思います。
対照的に松坂桃李さんの宇相吹はよかったですね。
表情や声のトーンや佇まいなどの全てが役になりきってたと思います。
本作は白石監督史上、最高に豪華な俳優陣を殺してると思うのですが、有名な役者さんがこれだけ殺される映画も珍しいんじゃないかと思います(笑)
水上剣聖さん、小林稔侍さん、忍成修吾さん、矢田亜希子さん、安田顕さん、真野恵里菜さん、芦名星さん、間宮祥太朗さんと、戦争映画や戦国時代を描いた映画でもない限り、なかなかこうはいかないと思いますので、ここら辺はお見事だと思います。
都市伝説的な題材は白石監督の十八番だと思いますし、宇相吹の目が赤く光るのは貞子の目(『リング』)な感じもします。
赤目を見るとらせん状の映像が流れるのは『らせん』な気もして、ならば鈴木光司さんの一連のシリーズの方が深いじゃんと思ってしまったのも、それほどノレなかった要因かもしれません。
鑑賞データ
シネリーブル池袋 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2018年 24作品目 累計12800円 1作品単価533円
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