アメリカン・アサシン 評価と感想/容赦ない殺傷描写は見どころあり

アメリカン・アサシン 評価と感想
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ミッチ・ラップシリーズ1作目で終わりそう ☆3点

作家ヴィンス・フリンによる1999年から続くCIA秘密工作員の活躍を描いたミッチ・ラップシリーズ初の映画化で、2010年に刊行された第11作目の同名小説を映画化。
物語としては一番最初となるミッチ・ラップ誕生を描いた作品。
監督はマイケル・クエスタ、主演はディラン・オブライエン、共演はマイケル・キートン

予告編

映画データ

アメリカン・アサシン : 作品情報 - 映画.com
アメリカン・アサシンの作品情報。上映スケジュール、映画レビュー、予告動画。「メイズ・ランナー」シリーズのディラン・オブライエンと「スパイダーマン ホームカミング」のマイケル・キートンが共演...

本作は2018年6月29日(金)公開で、全国68館での公開です。
今後順次公開されて、最終的には73館での公開となるようです。

アメリカでの公開は2017年9月15日(金)と日本での公開より半年以上前ですね。
アメリカでの製作はライオンズゲートで配給はCBSフィルムズです。
日本での配給はキノフィルムズです。

久しぶりのCBSフィルムズ、日本公開作は『クーパー家の晩餐会』と『パトリオット・デイ』以来かな。

予告編はTOHOシネマズの日比谷、日本橋、新宿、六本木ヒルズで2~3か月くらい前から流れてたんで、たまに目にしてました。

アメリカでは8週間くらい頑張って上映してたみたいなんですけど、3300万ドルの製作費に対し、北米での興収は3600万ドル(全世界だと6600万ドル)なんでプロモーション費用入れると失敗作なんじゃないかと思います。

監督はマイケル・クエスタ
初めましての監督さんです。
テレビシリーズの「デクスター 警察官は殺人鬼」の製作総指揮とか手掛けてるようです。
長編映画も本作で6作目みたいですが、日本公開は初めてみたいです。

主演はディラン・オブライエン
『メイズ・ランナー』シリーズの主演の人みたいですが、見たこと無いので初めましてです、と思ったら『バーニング・オーシャン』の若い作業員役で出てました。

共演にマイケル・キートン
近作は『ロボコップ(2014年版)』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『スポットライト 世紀のスクープ』『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』『スパイダーマン:ホームカミング』を観てます。

共演にテイラー・キッチュ
近作は『ローン・サバイバー』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

ミッチ・ラップ: ディラン・オブライエン
スタン・ハーリー: マイケル・キートン
ゴースト: テイラー・キッチュ
アイリーン・ケネディCIA副長官: サナ・レイサン
スタンスフィールド: デヴィッド・スーシェ
アニカ: シヴァ・ネガー
ベフーズ: ナヴィド・ネガーバン
ヴィクター: スコット・アドキンス
カトリーナ: シャルロット・ヴェガ
アル・マンスール: シャヒッド・アーメド

あらすじ

スペインのイビサ島でバカンスを満喫中のアメリカ人青年ミッチ・ラップ(ディラン・オブライエン)は、今まさに人生の最も輝かしい瞬間を迎えていた。「君を誰よりも愛している。結婚してくれ」。陽光まばゆいビーチでそう告げて指輪を差し出すと、恋人のカトリーナ(シャルロット・ヴェガ)は感激の面持ちで彼のプロポーズを受け入れた。ところがミッチが飲み物を買うためにその場を離れた直後、複数の武装テロリストが浜辺に乱入し、大勢の観光客への無差別乱射を開始。阿鼻叫喚のパニックのさなか、ミッチは必死にカトリーナのもとへ走るが、非情な凶弾を浴びた彼女はミッチの目の前で絶命した。

18ヵ月後。最愛の女性との未来をテロリストに奪われたミッチは復讐に燃え、イスラム過激派組織へのコンタクトを試みていた。すべてをなげうってアラビア語を習得し、格闘技や銃撃の鍛錬に没頭してきた彼の望みは、イビサ島のテロの首謀者アル・マンスール(シャヒッド・アーメド)を自らの手で葬ること。長い月日を費やして敵を欺いたミッチは、テロリスト志願者を装ってリビアのトリポリにある組織のアジトに潜入する。そして憎きマンスールとの対面を果たすが、突然アジトを襲撃した米軍がテロリスト全員を射殺。ミッチのあらゆる行動はCIAに監視されていたのだ。

テロ対策担当の女性幹部ケネディ(サナ・レイサン)は、CIAの情報網でも捕捉できなかったマンスールの居場所を突き止めたミッチに類い希なスパイの資質を見出し、彼を極秘ミッション遂行チーム“オライオン”に加えようとする。テロリストへの私怨を晴らすためにオファーを受け入れたミッチは、バージニア州の人里離れた山奥の施設へ。そこでは元ネイビー・シールズの鬼教官スタン・ハーリー(マイケル・キートン)の指導のもと、CIA工作員の養成プログラムが行われていた。過酷なトレーニング・キャンプに身を投じたミッチは、対テロ戦のさまざまなシチュエーションを想定した特訓をこなし、並外れた潜在力を開花させていく。

折しも、ロシアの核施設から大量のプルトニウムが盗まれる大事件が発生。テロリストがそれを核兵器に転用する最悪の事態を懸念したケネディは、ハーリーのチームに出動を要請する。ミッチを同行させるよう命じられたハーリーは、彼のスパイとしての力量を認めつつも不安定な精神面を問題視し、「何があろうと個人的な感情は捨てろ」と厳しく言い聞かせるのだった。

トルコのイスタンブールで現地協力員の若い女性アニカ(シヴァ・ネガー)と合流したチームは、プルトニウムを入手した謎の白人テロリスト“ゴースト”(テイラー・キッチュ)と、核の起爆装置を売りさばこうとする武器商人の取引を阻止しようとするが、それを鋭く察知したゴーストを取り逃がしてしまう。続いてローマに飛んだチームはゴーストに雇われた物理学者を尾行するが、またしてもゴーストに作戦を見破られ、ミッチは危ういところをハーリーに救われる。実は神出鬼没のゴーストの正体はハーリーの元教え子で、かつて自分を見捨てたハーリーとアメリカ政府に対して尋常ならざる怨念を抱いていた。

やがてハーリーがゴーストに拉致される非常事態が勃発し、ケネディから帰国するよう言い渡されたミッチは、その命令を無視して猛然とハーリーの救出に向かう。しかしその頃、ついに核兵器を完成させたゴーストは、ミッチとハーリーを嘲笑うようにして恐るべきテロ計画を実行しようとしていた……。

(公式サイトhttp://american-assassin.jp/about.htmlより引用)

ネタバレ感想

冒頭はラブラブなカップルが浜辺でイチャイチャしてるシーンから始まり、男が彼女にプロポーズします。
そして男が海の家のバーに飲み物を取りに行くと、突然テロリストが現れ銃を乱射し始めます。
一瞬でパニックになり人々は逃げ惑いますが、水着で肌の露出が多い所に銃を乱射するんで、殺傷描写がエグいんです。

本作は映倫区分R15+で映倫の公式サイトによると

テロリストに婚約者を殺されてしまい、復讐を果たすために独自訓練をしていた男が、CIAにスカウトされる。スパイスリラー。刺激の強い銃器、刀剣による殺傷・出血並びに拷問の描写がみられ、標記区分に指定します。(1時間52分)

とあり、冒頭を見ただけでもなるほどなと思います。

その後も、米軍の襲撃により死亡したマンスールを自身の手で葬れなかったと言って、死体をナイフでグサグサ刺したり、終盤のシーンでは教官のハーリーがゴーストの拷問によって生爪剥がされたり逆にハーリーがゴーストの耳を食いちぎったり、車がやっと一台通れる狭いトンネルで待ち構えるテロリストをミッチが轢き殺したりと容赦ない殺傷描写が続きます。

また劇中は、ずっと『ボーダーライン』の劇伴みたいのがかかってて、緊張感を煽るんですが、そういえば『ボーダーライン』もライオンズゲートでした。

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ただ殺傷描写もエグく、劇伴からも緊張を強いられるんですけど、なんかメリハリが無いんで眠くなってくるんです…。

ストーリー的にもロシアから盗まれたプルトニウムがイランに売り渡されようとしてて、イランの大臣とかも出てきて話が広がりそうに感じさせるんですけど、仲介してるのがゴーストで、ミッチ的には誰?ってなってるんですが、ハーリー含めて観客には元教え子っていうのが分かってるので、元教え子vs教え子になるっていう流れが読めちゃうんですよね。

結局、最終的にはイデオロギーとか関係なく私怨に帰結しちゃうんで、話としてはこじんまりとしてしまいます。
ただ、それでいて完成した核爆弾は爆発させてしまうので、「フィクションとしても何たる暴挙(笑)」と思ってしまったのですが、それまでスパイ映画にありがちなガジェットなどを登場させることなく、格闘シーンなども含めてリアリスティックに描いてたと思うんで、何ともバランスが悪いんですよね。
最後だけ、むちゃくちゃスケールを大きく描こうとして、逆にB級感を増幅させてしまってアンバランスな映画になってしまったと思います。

本作の原作者ヴィンス・フリンは2013年に47歳の若さで亡くなってしまったんですが、日本では馴染みの無い、このミッチ・ラップシリーズは1999年から刊行されていて、2作目の「謀略国家」と3作目の「強権国家」だけは日本でも翻訳されています。

本シリーズの映画化は元々、2008年にCBSフィルムズが6作目の「Consent to Kill」から始めようとしたみたいなんですが、結局は流れます。
しかし2010年に11作目となる「アメリカン・アサシン」が発表され、ストーリー的にもシリーズの最初の話になったことから、本作の企画が動き出したようです。

この映画化の流れを見ると、どうしてもロバート・ラドラム原作の「ボーンシリーズ」を思い浮かべてしまうのですが、ユニバーサルによる映画化第1弾の『ボーン・アイデンティティー』は6000万ドルの製作費に対し北米興収1億2千万ドル、世界興収2億1千万ドルとヒットし、その後4本作られることになります(1本も見たこと無いですが)

きっとCBSフィルムズも「ボーンシリーズ」を意識したと思うんですけど、最初に書いたように、3300万ドルの製作費に対し、北米興収3600万ドル、世界興収6600万ドルに留まってしまったので、おそらく続編は作られないんだろうと思います。

アクションシーンでは、敵の左腕を開放骨折させて飛び出た骨で心臓を刺して殺すなど、斬新なことをやってるんですが、スクリーンでは速すぎて追えないことも多く、多分にマニア的でもあるため、そういうのが好きな人たちで集まってDVDで一時停止しながらワイワイ見るのが正しい作品な気もします。

鑑賞データ

TOHOシネマズ六本木ヒルズ シネマイレージデイ 1400円
2018年 112作品目 累計107200円 1作品単価957円

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