オギー、学校くるってよ ☆5点
アメリカで2012年に発行され全世界で800万部以上のベストセラーとなったR・J・パラシオによる小説「ワンダー」を原作に、「ウォールフラワー」の原作者で監督でもあるスティーブン・チョボスキーが映画化。
主演はジュリア・ロバーツと『ルーム』の子役ジェイコブ・トレンブレイ
予告編
映画データ
本作は2018年6月15日(金)公開で、全国245館での公開です。
アメリカでの配給はライオンズゲート、日本ではキノフィルムズです。
劇場での予告編はよく目にしました。
予告編を見たときから「いい映画なんだろうなぁ」と思っていた作品で、観に行こうと決めていました。
監督はスティーブン・チョボスキー
日本では2013年に公開された『ウォールフラワー』の原作者であり監督なんですが、監督は3作目で基本的には製作か脚本を手掛けてるようです。
2017年に大ヒットした『美女と野獣』の脚本も手掛けてます。
主演にジュリア・ロバーツ
近作は『シークレット・アイズ』『マネーモンスター』を観てます。
主演にジェイコブ・トレンブレイ
『ルーム』の子役の子ですね。
共演にオーウェン・ウィルソン
近作は『グランド・ブダペスト・ホテル』『インヒアレント・ヴァイス』を観てます。
共演にノア・ジュプ
先月観た『サバービコン 仮面を被った街』の子役の子でした。
他に共演と配役は以下の通りです。
イザベル・プルマン: ジュリア・ロバーツ
オーガスト(オギー)・プルマン: ジェイコブ・トレンブレイ
ネート・プルマン: オーウェン・ウィルソン
オリヴィア(ヴィア)・プルマン: イザベラ・ヴィドヴィッチ
トゥシュマン校長: マンディ・パティンキン
ブラウン先生: ダヴィード・ディグス
ミランダ: ダニエル・ローズ・ラッセル
ジャスティン: ナジ・ジーター
ジャック・ウィル: ノア・ジュプ
サマー: ミリー・デイヴィス
ジュリアン: ブライス・ガイザー
シャーロット: エル・マッキノン
ジュリアンの母親: クリスタル・ロウ
ミセス・プルマン: ソニア・ブラガ
ミズ・ペトサ: アリ・リーバート
マイルズ: カイル・ハリソン・ブライトコフ
エディ: ウィリアム・ディッキンソン
ヘンリー: ジェームズ・ヒューズ
エイモス: タイ・コンシリオ
あらすじ
・オギーは10歳、普通の子じゃない
10歳のオギー・プルマン(ジェイコブ・トレンブレイ)は、普通の子には見えない。遺伝子の疾患(トリーチャーコリンズ症候群)で、人とは違う顔で生まれてきたのだ。27回もの手術を受けたせいで、一度も学校へ通わずに自宅学習を続けてきたオギーだが、母親のイザベル(ジュリア・ロバーツ)は夫のネート(オーウェン・ウィルソン)の「まだ早い」という反対を押し切って、オギーを5年生の初日から学校に行かせようと決意する。
夏休みの間に、オギーはイザベルに連れられて、校長先生に会いに行く。先生の名前はトゥシュマン(マンディ・パティンキン)、「おケツ校長だ」と自己紹介されて、少し緊張がほぐれるオギー。だが、「生徒が学校を案内するよ」と言われたオギーは動揺する。
紹介されたのは、ジャック・ウィル(ノア・ジュプ)、ジュリアン(ブライス・カイザー)、シャーロット(エル・マッキノン)の3人。いかにもお金持ちの子のジュリアンはオギーに、「その顔は?」と聞いてきた。オギーは毅然とした態度をとるが、帰宅してからは元気がなかった。だが、イヤならやめてもいいと言いかけるイザベルに、「大丈夫、僕は行きたい」と答えるのだった。・学校というまだ見ぬ宇宙へ
初登校の日、両親と姉のヴィア(イザベラ・ヴィドヴィッチ)に校門まで送られるオギー。ネートは息子の頭から宇宙飛行士のヘルメットを外すと、「孤立してもお前は一人じゃない」と励ます。だが、生徒たちはオギーを遠巻きにしながらジロジロと眺め、ランチタイムでは誰もオギーのテーブルに座らない。それどころか、ジュリアンに食べ方がおかしいと指摘され、『スター・ウォーズ』のパダワンを真似た三つ編みを「ダサいぜ」とバカにされる。
帰宅するなり三つ編みをはさみで切り、夕食の席でヘルメットをかぶったまま黙りこくるオギー。たしなめるイザベルにオギーは、「なぜ僕は醜いの?」と涙ながら訴える。イザベルは「顔は人の過去を示す地図」だから、「あなたは絶対に醜くないわ」とキッパリと答えるのだった。・オギーという太陽の周りの、家族という惑星
その日は、ヴィアの高校の初日でもあった。数週間前から、幼なじみで大親友のミランダ(ダニエル・ローズ・ラッセル)からの連絡が途絶え、ようやく学校で顔を合わせたら、髪を派手に染めて変身し、新しい友達を作っていた。ショックで涙ぐんでいると、演劇クラスのジャスティン(ナジ・ジーター)という魅力的な男の子から声をかけられる。
だが、両親から“世界一手のかからない子”と呼ばれているヴィアは、心配をかけるようなことは何一つ話さない。本当は自分にも注目してほしいけれど、絵本のイラストレーターと美術の先生になる夢を封印している母に、甘えることなどできなかった。そんなヴィアの心の支えは、最大の理解者のおばあちゃん(ソニア・ブラガ)だった。でも、「お前は私の宝物なの」と言ってくれたおばあちゃんも、今では天国の住人だ。・オギーによって変わり始めた世界
一方、オギーは触れたらペストがうつると噂されて増々孤立していくが、得意な理科の授業で目覚ましい才能を発揮する。ある日、ジャックに理科の小テストの答えをこっそり教えてあげたことをきっかけに、二人は意気投合する。オギーの自宅に招かれたジャックは、息子の初めての友達を大歓迎する家族とも仲よくなっていく。
そして、オギーが心待ちにしていたハロウィンがやって来る。ジャックに約束していた『スター・ウォーズ』のボバ・フェットの衣装を愛犬のデイジーに汚されたオギーは、『スクリーム』のゴースト・フェイスで登校したので誰もオギーと気付かない。ウキウキしながら教室へ行くと、ジャックがジュリアンに耳を疑う“本音”を打ち明けていた。
でも、オギーはもう一人じゃない。頭がよくて面白くて、前向きで優しいオギーの魅力に気付く生徒たちが現れ始めたのだ。オギーの存在の大きさに気付いたジャックとも劇的な仲直りを果たすが、理科研究大会に野外学習、ヴィアの演劇発表会とイベントの度に騒動が巻き起こる。
オギーと彼に関わるすべての人にとって、忘れ難い1年が終わろうとしていた。そして修了式の日、一生忘れられない出来事が彼らを待っていた─。(公式サイトhttp://wonder-movie.jp/story/より引用)
ネタバレ感想
もう最初の5分位でウルウルきて、その後もずっとウルウルしっぱなしで、最近の映画では一番泣いた気がするんですけど(笑)単純な難病モノのお涙頂戴話じゃなくて、オギーとオギーを取り巻く少年少女たちの悩みにも寄り添っていて、映画の構成としても上手かったですし、邦題の「君は太陽」ってうまいこと付けたなぁとも思いました。
具体的には本作の構成は『桐島、部活やめるってよ』みたいに複数の視点で描かれていて、まず最初はオギーの独白に始まり、次は姉のヴィアの視点、友達になったジャックの告白、幼馴染のミランダの懺悔といった感じで展開していきます。
やっぱりこういう病気を生まれ持ってきたんで生活の中心はどうしたってオギー中心になるんですが、そのオギーを太陽に見立ててそれぞれが惑星で周囲を回ってる感じです。
オギーは10歳になるまで学校に行かず自宅で母親のイザベルが勉強を教えてたんですね。
イザベルは元々は絵本のイラストレーターと美術教員になろうとしていて論文も書いてたインテリなんですけど、オギーが生まれて中断してる経緯があります。
なのでオギーの教育には熱心で学校に行ってなくても同学年の子より勉強が出来ます。
ただ、勉強が出来ても社会性が身に付かなければどうしようもないってことで、ちょうど中学年に上がるタイミングで学校に入れようとしてて、このお母さんすごい考えてて、思慮深くて頭いいんですね。
演じてたジュリア・ロバーツもすごく役に合ってましたね。
夏休み明けの最初の登校の日、家族で校門のところまでオギーを見送って、姉のヴィアはそのまま学校に、夫のネートもそのまま仕事に行って、イザベルは家に帰ってくるんですけど、いつもオギーと向き合って勉強を教えてた机ががらんとしてて、もうここでウルウルしてしまいました。
オギーの方は学校に行って好奇の目にさらされるのは織り込み済みで、母親からもそんなときは楽しいことを想像しなさいと言われてます。
スター・ウォーズが大好きなオギーは、「学校にチューバッカが現れたら自分だって好奇の目で見るよな」と想像して納得するんで、この親子すごいなって思います。
それでも初日の学校生活は辛いです。
ランチタイムは独りぼっち。
夏休み中の学校見学で校長から仲良くしてねと言われていたジャック、ジュリアン、シャーロットも寄ってきません。
ジュリアンに至っては、オギーに「食べ方がおかしい」とバカにする始末。
まぁジュリアンに関しては夏休みの最初に会った日の夜に、オギーはイザベルに「大人の前では態度が違うタイプ」と報告済みです。
それから体育のドッジボールの時間は地獄です。
合法的にボールをぶつけられるんで、オギーは集中的にぶつけられます。
覚悟を持って登校したものの、すっかり気落ちしてオギーは帰ってきます。
帰って来てからはヘルメットを被りっぱなしで食事の席でも脱がないオギーにイザベルが怒ると、オギーはぷいっと部屋に行ってしまいます。
イザベルが部屋に行くと、ヘルメットを脱いでうなだれてるオギーが「ごめんなさい」と言うので、ここでまたウルウル。
そして続けて「どうして僕は醜いの?」と畳み掛けてくるので、ここで涙腺崩壊します。
いや、もう、みにくいアヒルの子かよって思います。
そして、この映画、このままオギーの視点で話が進むのかと思いきや、姉のヴィアの視点になります。
ヴィアはオギーの初登校を見送ると、自身も新学期初日の高校へ向かいますが、その中で家族の中での自分の立ち位置やオギーを中心として家族が回ってることが語られます。
高校に着くと、夏休み前(アメリカの学校の夏休み長いですからね)は大親友だった幼馴染のミランダが赤毛にしてたり、イケてるグループに加わっててなんかよそよそしいんです。
いわゆる夏休みデビューとか高校デビューとかそんな感じです。
なのでヴィアも高校では独りぼっちになりかけたんですけど、ジャスティンという演劇部の男の子に声をかけられ仲良くなります。
しかしヴィアは弟の存在を明かせず、一人っ子と言ってしまいます。
オギーは相変わらず学校では一人ぼっちでしたが、理科の授業中に抜き打ちの小テストがあり、ジャックにカンニングさせてあげたことから仲良くなります。
ランチも一緒に摂るようになり、奨学生であるジャックのために理科の勉強をオギーの家で教えてあげることになります。
放課後、迎えに来たイザベルにジャックを紹介して、「家に連れてってもいいでしょ?」とオギーが聞いたときの、イザベルの嬉しそうな顔にまた涙です。
そんな感じで新学期から2か月もするとハロウィンになります。
オギーは学校に行く前は宇宙飛行士のヘルメットを被ってることが多かったので、仮装して自分の顔が隠せるハロウィンは昔から楽しみにしてました。
しかしオギーが教室に入るとジャックがジュリアンに「校長先生に言われたから仲良くしてるだけだ」「自分だったら自殺してるね」と話してるのを聞いてしまいます。
ショックを受けたオギーは教室を飛び出すと学校で吐いてしまいます。
その頃自宅ではヴィアがイザベルと母娘水入らずの時間を過ごしてました。
前日にヴィアが祖母との思い出の場所であるコニーアイランドに行って寂しさを紛らわせてたのを知ったイザベルが気を利かせたのでした。
会話の中で、イザベルが「最近、ミランダが遊びに来ないね?」という話になり、ヴィアが「実は…」と打ち明けようとしたところ、学校からオギーが吐いたと電話があり、母娘水入らずの時間は終わってしまいます。
イザベルがオギーを迎えに行って帰ってくると、家族で行くハロウィンパレードにも行きたくないと落ち込んだオギーは、部屋に閉じこもってしまいます。
ヴィアは落ち込むオギーをパレードに行こうと誘います。
理由を聞くとジャックに酷いことを言われたと言います。
ヴィアはジャックはいい友達に見えたけど、誰だって心変わりするし上手くいかないときもあると言います。
そして、自身は最近ミランダに避けられてることを話します。
ミランダはオギーにとっても、もう1人の姉のような存在でした。
ヴィアは「お互い孤独な者同士、友達でしょ」と言うと、オギーの機嫌も直りパレードに出かけます。
翌日、ジャックはオギーが登校するといつも通り声を掛けますが、無視されるとジャックの視点になります。
ジャックは奨学金をもらって学校に通ってました。
夏休みにオギーを案内することになった際に、校長から3人の中に選ばれたことを母親は名誉に思ってましたが、ジャックは内心面倒に思ってました。
というのもジャックは以前に母親とアイスを買いに行った際にオギーを見ていて、学校に来たらいじめられるのが目に見えていたからでした。
またジャックは以前からジュリアンのことを嫌っていましたが、学校に多大な寄付をしている金持ちの息子であることから、表面上は上手くやっていくしかありませんでした。
しかし、ジャックは夏休みにオギーを案内した際、意地悪な質問をしてバカにするジュリアンに対して、言い間違いを指摘するオギーの頭のよさやユーモアに惹かれていました。
ジャックは、実際、顔はしばらくしたら慣れると言い、カンニングさせてくれたオギーと仲良くなると、当初は校長から頼まれていたからですが、オギーと過ごすのが何よりも楽しくなっていました。
しかし、オギーが急に自分を避けるようになったため戸惑いを感じます。
ランチタイムはまた独りぼっちになるオギー。
女子グループからもペスト菌がうつる、オギー菌がうつると陰口を言われます。
おそらく前日に学校で吐いてしまったからだと思うんですが、小学生の頃って吐いたり、お漏らししたり、給食の残り腐らせたりすると、何々菌ってあだ名付けられますよね。
洋の東西を問わずなんだなと思いました。
するとジャックがオギーと一緒にランチを摂ろうとやってきますが、オギーはジャックにあっち行けと明確に拒否します。
そんな様子を悪口ばかり言う女子グループの中で辟易してたサマーという女の子が見ていて、オギーのテーブルにやってくるとランチを一緒に摂ろうとします。
サマーは友達になろうとしてるのに、自分のことを卑下するオギーをたしなめると、握手をしてオギーと仲良くなります。
サマーはオギーに「ジャックと何かあったの?」と聞きます。
オギーは秘密にすることを条件に、サマーだけにハロウィンでのことを話すのでした。
演劇部に入っていたヴィアはクリスマスが近づいてくるとジャスティンから告白されます。
弟のことを隠していることに後ろめたさを感じたヴィアは自宅に招待して母と弟に合わせます。
嘘を付いていたことをジャスティンに謝ると2人は付き合うことになります。
ただミランダとは相変わらず疎遠でした。
ヴィアとジャスティンがラブラブで演劇部の部室に入ってくると、それを見たミランダの視点になります。
ミランダは毎年クリスマスをヴィアの家族と過ごしていました。
ミランダの両親は離婚して父親は再婚し、母親が鬱だったためですが、ヴィアの家族はミランダにとって理想の家族でした。
オギーに宇宙飛行士のヘルメットをプレゼントしたのもミランダで弟のように思っていました。
自分に何も無かったミランダは高校入学前のサマースクールで、ヴィアの家族のことを自分の家族のことのように周囲に話すと思わぬ注目を浴び、話の輪の中心になるとそのまま新学期を迎えてしまったのでした。
新学期を迎えてもそのまま輪の中心にいたミランダは、ヴィアと顔を合わすとバツも悪くそっけない態度をとってしまったのでした。
クリスマスの日、寂しくなったミランダは久しぶりにオギーに電話するのでした。
クリスマスと新年が明け、冬休みも終わるとオギーはサマーを中心に他の生徒とも少しずつ仲良くなっていきます。
そんなサマーを羨ましそうに見つめるジャックは、サマーなら理由を知っているのではないか?と思い尋ねると、サマーは知っていると答えますが、オギーと約束してるから明かせないと言います。
しかしサマーもジャックとオギーが仲直りすることを望んでいたので、ジャックにヒントを出します。
「ハロウィン、ゴースト・フェイス」と言うと、ジャックはジュリアンと話を合わせるために、オギーの悪口を言ったのを思い出します。
そしてその時に教室の入り口にゴースト・フェイスが立っていたのを思い出しました。
ジャックは理科の授業中に取り返しのつかないことを言ってしまったと後悔してると、理科研究発表会が開かれることになり、隣同士ペアを組むことになります。
ジュリアンはジャックを入れて3人で組むと先生に言いますが、ジャックはルール通り隣の席のオギーと組むと言います。
しかし理科の授業が終わるとジュリアンはジャックに対し「なんであんなフリーク(奇形)と」とオギーの悪口を言ってきます。
ジュリアンの暴言にとうとう頭に来たジャックは、ジュリアンと取っ組み合いの喧嘩をして殴ってしまいます。
ジャックは校長から殴った理由を聞かれても答えず、2日間の停学を言い渡されますが、校長も理由は分かっていました。
オギーは停学中のジャックとオンラインゲームで繋がると、ジャックから謝罪を受け仲直りするのでした。
オギーの周りにはジャック、サマー、シャーロットと人が集まり始めます。
ヴィアは両親に演劇部の出し物でミランダの代役になったことを伝えます。
代役だから観に来なくていいというヴィアにイザベルは家族で観に行くといって揉めます。
翌日になるとイザベルは演目が大人向けだから観劇はやめたとオギーに伝えますが、自分だけ仲間外れにされたと感じたオギーは「醜い弟に観に来られるのが嫌なの」と怒ると部屋に籠ります。
しかしそのタイミングで飼い犬のデイジーが苦しそうに鳴き声をあげます。
ヴィアはすぐにオギーのところに行くと、機嫌を取りにきたと勘違いしたオギーがすねますが、ヴィアは「いつでもあんた中心に世界が回ってるんじゃないよ、デイジーが」と言うと、イザベルがタクシーで急いでデイジーを病院に連れて行くのでした。
しかしデイジーは助からずイザベルとネートが首輪を持って帰ってきます。
その日の夜、キッチンで独りデイジーの死を悲しむネートをオギーが慰めます。
オギーは「手術から帰ってくるたびいつもデイジーは迎えてくれた」「デイジーは親友だ」と言うんで、ここでも泣けてしまいます。
少年と動物ってずるいよなぁ。
結局、演劇部の出し物は家族皆で観に行きます。
ジャスティンからヴィアの家族が観に来ていることを知らされたミランダは、顧問の先生にお腹が痛いと言って舞台に立てないと言います。
代役のヴィアが台詞も全て覚えてるから、代役で進行するように頼むと舞台が開きます。
ミランダが主役に立つと思っていたヴィアの家族はヴィアの主役に驚きますが、ヴィアは最後まで立派に演じるとスタンディングオベーションを受けるのでした。
劇の打ち上げでヴィアの家に集まるとミランダとジャスティンもいて以前の関係に戻るのでした。
オギーのクラスでも理科研究発表会が始まります。
オギーとジャックの工作は人が入れる大きなカメラの原理装置で先生から賞をもらうのでした。
一方、ジュリアンの工作は火山模型でしたが失敗に終わるとクラスの皆から笑われます。
するとそれを境にジュリアンのオギーへのいじめはますますひどくなり、先生の目にも余るようになります。
ジュリアンは両親と一緒に校長に呼び出されると、自分がしたことを全て認めますが、両親はうちの子は悪くないと言ってオギーの見た目を非難するのでした。
校長はオギーは見た目を変えられないが、私たちが見方を変えることは出来ると言いますが、ジュリアンの両親には馬の耳に念仏で、「こんな学校に居られない、転校する」と怒って出て行きます。
ジュリアンは転校したくないと泣きますが、両親は意に介さず、ジュリアンもこの両親の被害者なのでした。
ジュリアンが転校したあとの学校は、しばらくすると林間学校になります。
ここでは他校の生徒にオギーがからかわれますが、今までジュリアンの取り巻きだった連中が助けてくれ、クラス全員でオギーを守ってくれるようになるのでした。
林間学校が終わると学年の修了式を迎えます。
修了式ではその年で一番優秀だった生徒に校長からメダルが授与されます。
校長はその生徒が周囲に好影響をもたらしことを誇りに思うと話すと、オギーの名前が上げられます。
オギーは周囲からの祝福を受け壇上に上がると大きな拍手を浴びて映画は終わります。
鑑賞中はずっと『エレファント・マン』を思い浮かべてたんですけど、思い出したら相乗効果で余計に泣けちゃってダメでしたね。
そして本作を観てて思ったのは「認知されること」って大事だよなぁと思いました。
イザベルはオギーがいつまでもヘルメットの中に逃げないように、早くから学校という社会に出しますが、それってより多くの人にオギーという人物を認知させることで、学校の中で認知されたらいじめは無くなり、その代わり林間学校でオギーを知らない学校の生徒に出会うといじめられます。
人間って本能的に異質なものを排除しようとすると思うんで、あらかじめ認知してれば対応も変わってくると思うんですよね。
この映画を観た人もトリーチャーコリンズ症候群という病気を認知するんで、実際に会っても驚かないと思いますし、オギーの場合、より多くの人に認知されることで偏見が無くなるんだろうな、と思いました。
個人的に「認知されること」で思い浮かんだのは乙武洋匡さんなんですけど、乙武さんの場合「五体不満足」がベストセラーになって、日本の多くの人に認知されたじゃないですか(日本人で知らない人いるのかな?)
単純に先天性の四肢欠損でも、大変な苦労がありながらも、ああやってしっかり生きていけるということを世間は認知した訳ですよね。
それと同時に世間は勝手に障害者だからって聖人君子なイメージを持ったと思うんですけど、歌舞伎町なんかで遊んでると昔から乙武さんのキャバクラ通いとかは有名で全然そんな人じゃないと認知してたんですけど、世間の人はそう認知してないから週刊新潮に不倫をスッパ抜かれると一斉に叩かれました。
でも文春をはじめ他の週刊誌は以前から乙武さんがそういう人だと認知してたから大きなスキャンダルになると思わなかったんですよね。
だから「認知されること」で、これだけ対応が変わってきますし、与える影響も大きく変わってくるんで、本作を観てどこまでも考えさせられたのは「認知されること」でした。
鑑賞データ
TOHOシネマズ上野 シネマイレージウィーク 1100円
2018年 105作品目 累計98700円 1作品単価940円
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