『ルーム』評価と感想/祝・アカデミー主演女優賞受賞

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面白いんですがやや御都合主義な部分も  ☆4点

予告編はこんな感じです


映画データはこちらからどうぞ
映画『ルーム』の作品情報:エマ・ドナヒューの小説「部屋」を、『FRANK −フランク−』などのレニー・アブラハムソン監督が映画化。7年間も密室に監禁された女性が、そこで生まれ育った5歳の息子のため命懸けで脱出に挑み、長い間世間から隔絶されていた彼らが社会に適応していく過程を描く。
『ルーム』は2015年の映画。『ルーム』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。
この作品は昨年末から今年にかけて、一番映画館で予告編を見た気がします。

昨年くらいに予告を見た時は、スルーするタイプの映画かなぁと思っていたのですが、アカデミー賞が近づくにつれて前哨戦を制したり、アカデミー賞では主演女優賞を獲得するなどしたので、見逃せない映画になりました。

実際、予告編を見ただけではどんな映画か分からなくて、メッセージ性のある(エンタメ系じゃなくて)監禁脱出モノというのは分かりましたが、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の『カスパー・ハウザーの謎』みたいな映画かなぁと思っていました。


公開が近づくにつれて、誘拐された監禁モノであること。
母親の女性は7年前に監禁されて、5歳になる子供がいること。
脱出してからの生活が描かれていること、というあらすじを知った上で鑑賞しました。

でも、もう、この、”7年前に監禁されて5歳の子がいる”という設定は、レイプされた犯人の子、ということが容易に想像付くので、見る前からどんよりした気分になりました。

映画は母ジョイ(ブリー・ラーソン)と子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)の演技が見事なので、グイグイと魅せてくれますが、状況が状況なだけに胃がキリキリもしました。
ずっと緊張感を強いられる映画とでもいいましょうか。

映画は前半30分くらいで今置かれている監禁状況を説明し、その後30分くらいかけて脱出のくだり。
後半1時間くらいが実社会での生活という配分だと思います。

ただこの映画、前半の30分が非現実的といいますか「ルームの中に閉じ込められた世界」になっていて、外に出る(或いは、外に出たい、という希望)ということが描かれていないので、脱出シーンの現実となると、あれほどの犯人が簡単に信用するか?という疑問等、やや御都合主義な感じもしなくはありません。

それから、やっぱり実社会に出てからの生活の描き方ですかね。
アメリカには『ランボー』という映画がありましたけど、PTSDという言葉を忘れたのかと。


あれだけの監禁生活を強いられたにしては、病院でケアされる時間が短い点が気になりまして、リアリティの部分でやや疑問が残りました。

ただ、やっとの思いで脱出して、ジジ、ババに会えても、既に両親は離婚(誘拐された時点で両親は離婚してたかもしれませんが)してたり、加熱する報道合戦やテレビ局のインタビューなどは、現実のアメリカらしいなとも思いました。
事件の被害者と報道の関わりという点で『ゴーン・ガール』や『さよなら渓谷』を思い浮かべました。

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それでこの映画見ながら、どういうことが言いたいのか考えてたんですけど、前半の方で犯人が、もう半年も失業しているみたいなこと言ってて、ジョイ(ブリー・ラーソン)も鬼嫁みたいな感じで「何やってるの早く仕事見つけて!」みたいなことを言ってて、ちょっと分からなくなったんですよね。

犯人は犯罪者なんですけど、実社会と関わりを持ってて外で仕事をしてお金を稼いで、ボロいですけど、住む所と食べる物は与えている。

一方のジョイは自由は無いですけど、住む所と食べる物は保証されていて、自分の子供ともじっくりと向き合って生活できる。

ちょっと待機児童の問題とかも考えたりしたんですよね。
子供が小さいうちはやっぱり母親でも父親でも子供と長い時間一緒に居られた方がいいでしょうが、実際の現実は生活するために早くから共働きをせざるを得ないのですが、ジョイはそれが出来ている、とか。

実社会は自由があって物も満たされてるけど、自由過ぎるがゆえに歯止めが利かなくなっていて、逆に生き辛いみたいな描写もあって、例えば狭いルームに対して、両親の家は新築で広くて綺麗なんだけど、広すぎるから逆に母親と身を寄せ合って生活することができなかったり、色んな美味しそうな食事も持ってくるんですが、ババの再婚相手のレオと心通わせるシーンは、長年食べ慣れたシリアルだったりとか。
あと、スマホのゲームをさせたくないというシーンとかもありましたね。

まあ、この辺の描写は、人(犯人)へでは無くて、場所へのストックホルム症候群みたいなものなのかな?とも考えられるのですが、どうもあのルームに戻りたいみたいな描写もあったので分からなくなりました。

ただ映画全編を通して見るとそういう所には帰結してなくて、何となく想像が付く通りに、子供の方は変化に柔軟に対応し、大人の方は立ち直るのに時間がかかるけれど、最後は実社会に適応した感じでハッピーエンド。

監禁されてた納屋を見に行って、こんなに狭かったっけ?と思うジャック。
トイレやタンスにさよならを言って、ちゃんとそういうノスタルジックな思いは断って、やっぱりああいう管理された共産主義じゃなくて、資本主義・新自由主義を選択した?という解釈でいいのかなぁとか思ったりしました。

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