探偵物語inススキノ ☆4.5点
東直己の推理小説シリーズ『ススキノ探偵シリーズ』の映画化でシリーズ3作目の本作は設定だけ原作から引用した古沢良太によるオリジナル脚本。監督は1,2作目から変わって吉田照幸、主演に大泉洋と松田龍平、ヒロインに北川景子
予告編
映画データ
本作は2017年12月1日(金)公開で全国334館での上映です。
2011年のシリーズ第1作目が251スクリーン、2013年の第2作目が305スクリーンと徐々に増えていき、本作が334スクリーンと、この冬の東映大作となってます。
監督は吉田照幸さん
2013年までHNKのディレクターで、2013年からNHKエンタープライズ所属になってます。
映画はNHK時代に『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』を監督していて、NHKエンタープライズに移ってからは昨年公開された『疾風ロンド』を監督されてます。
1,2作目を監督した橋本一さんから変わったのは、今年は単純に『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』が公開されてるからかな?と思ったのですが、2013年は『相棒シリーズ X DAY』と『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』が公開されてますね。
ただ本作の撮影が2月で、相棒の公開も2月なのでプロモーションを考えると橋本監督がやるのは厳しいと思います。
主演は大泉洋さん
近作は『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』『アイアムアヒーロー』『東京喰種 トーキョーグール』を観てます。
主演は松田龍平さん
近作は『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』『麦子さんと』『まほろ駅前狂騒曲』『モヒカン故郷に帰る』『殿、利息でござる!』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『散歩する侵略者』を観てます。
共演に北川景子さん
近作は『の・ようなもの のようなもの』『破門 ふたりのヤクビョーガミ』『君の膵臓をたべたい』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
探偵: 大泉洋
高田: 松田龍平
マリ: 北川景子
諏訪麗子: 前田敦子
モンロー: 鈴木砂羽
北城仁也: リリー・フランキー
松尾: 田口トモロヲ
源: マギー
峰子: 安藤玉恵
波留: 志尊淳
教頭先生: 正名僕蔵
フローラ: 篠井英介
相田: 松重豊
モデル事務所マネージャー: 野間口徹
椿秀雄: 坂田聡
ブッチョ: 土平ドンペイ
工藤啓吉: 斎藤歩
原田誠: 前原滉
北城の手下: 天山広吉
桐原: 片桐竜次
あらすじ
「恋人の麗子が失踪した」。高田の後輩からのありふれた依頼を安易に引き受けた探偵。早速調査に乗り出すと、探偵は麗子がアルバイトをしていたモデル事務所のオーナー・マリと出会い、かすかな既視感を覚える。しかし周囲を嗅ぎまわる探偵はマリの手下に襲われ、これまで無敗を誇った高田も倒されてしまう。次第に麗子の失踪の陰に、裏社会で暗躍する札幌経済界のホープ・北城グループの殺人事件が見え隠れする。マリはグループの代表・北城の愛人だった。そんな中、何かを思い出す探偵。なじみの元娼婦・モンローがかわいがっていた、今にも死にそうに震えていた女――「あれか…?あれがマリか…?」
緊張が走る裏社会、巨額の薬物取引、2つの殺人事件――。すべてはマリによる、北城をも欺く作戦であった。そしてマリは、探偵に最後の依頼を託す。その時、探偵と高田の別れへのカウントダウンが始まっていた。(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
映画は冒頭、毛ガニを運ぶトラックの運転手が射殺されるシーンから始まります。
運転手も拳銃を持っていることからカタギではないのが分かります。
トラックの助手席には、後で行方不明で人探しを依頼される諏訪麗子が乗ってます。
場面変わって探偵がいるキャバクラ。
店内の電気が消えた15秒程の間にホステスの胸が揉まれた事件を推理してます。
手に付いたケチャップから教頭先生の犯行と見抜く探偵で、ここまでが導入部です。
探偵は高田の後輩の大学生・原田誠から恋人の諏訪麗子が3日前から連絡が付かなく探して欲しいと依頼され、原田が持ってる合鍵で麗子のアパートを調べます。
麗子は女子大生にしてはいい部屋に住んでいて、部屋には好きなアイドルグループの写真がびっしりと貼られています。
引き出しにあった通帳を見るとピュアハートというところから定期的に20万円単位の振り込みがあり、女子大生のいけないバイトと考えた探偵は、ソープランド「英雄好色」の客引き・源ちゃんに聞くもピュアハートなる店の存在は知らないと言われます。
しかし源ちゃんによると、先日探偵がキャバクラでお触りしてるのを懲らしめた教頭が表裏含めて風俗王だと言います。
探偵が教頭に聞くと一発で分かり、表向きはモデル事務所だがその裏は高級会員制の売春クラブとのことで、教頭に紹介してもらい事務所を訪ねます。
事務所のマネージャーに写真を見せてもらうも麗子の写真は無く、逆に麗子の写真を出して「この娘はいないか?」と聞く探偵ですが、マネージャーはアルバムの中からお選び下さいと答えるのみです。
探偵はトイレを借りるふりして事務所の奥に行くと「北城」の文字の社章がありますが、どう見てもヤクザの事務所です。
探偵が更に奥に進もうとすると、「関係者以外立ち入り禁止ですよ」と美女に声を掛けられます。
「トイレに行くつもりが極度の方向音痴で」と言い訳する探偵に、素敵なネクタイですねと声をかける美女に既視感を覚える探偵ですが、また改めて来ると言って事務所をあとにします。
ススキノで高田と合流すると暴力団に襲われます。
空手の師範である高田まで倒され、探偵がアイスピックでお尻を刺されていると「工藤、止めなさい」の声が。
その声はピュアハートで会った美女で差し出された名刺を見るとピュアハートのオーナーで岬マリと言いました。
マリは自分たちも麗子を探していて何か分かったら教えて欲しいと言います。
探偵は、尻に穴が開けられたということでゲイバーのママ・フローラに手当てしてもらってると、経緯を聞かれピュアハートを調べてたと言います。
するとフローラは、ピュアハートは花岡組傘下の北城グループの売春組織だと言います。
飲食事業で急成長している北城仁也という男の裏の顔とのことでした。
探偵は、ヤクザのことはヤクザに聞けと、旧知の桐原組の若頭・相田に話を聞きに行くと、警告代わりに真冬の海の船上でパンツ一丁で括り付けられて酷い目に会いますが、これはこの映画のお約束です。
北条グループのことを相田に聞くと、毛ガニに絡んだ殺人事件があったことを教えられます。
毛ガニはロシアからの密輸のヤクザ利権でしたが、北条グループが運んでいた毛ガニが奪われ運転手が殺されていました。
ただ相田は腑に落ちない点があるといいます。
花岡組と対立したくない桐原組はもちろんこの事件には関わって無いと言います。
それと殺された運転手が北城の右腕で常務の椿秀雄というのも、毛ガニを運ぶドライバーにしては不釣り合いで何か裏があるのではないかと言うのでした。
探偵は、事件のことは新聞社に聞けということで、旧知の北海道日報の記者・松尾に聞くと花岡組の中で北城グループが伸びてるのは覚醒剤を扱っていて毛ガニ取引に偽装してるらしいということを聞くのでした。
探偵は麗子がピュアハートに在籍してることを調べるために事務所に忍び込んでパソコンを調べます。
するとVIP顧客用の中に麗子の写真を見つけます。
そこには顧客リストも有り、麗子の最後の客が椿秀雄で殺人事件の前日に会っていたことが分かるのでした。
探偵は、気軽に引き受けた麗子探しの背景に殺人事件が関わってそうなことに躊躇しますが、どこか見覚えのあるマリにも興味を惹かれ、モデル事務所を張り込みます。
事務所から出てきたマリを尾行すると食材を大量に買い込みアパートを訪れますが、アパートから出てきたのは麗子でした。
食材を渡すだけで帰ったマリを見届けると、管理会社だと言ってインターホンを鳴らしますが応答がありません。
探偵が、麗子が好きなアイドルグループのチケットがあると言うと麗子は出てきます。
部屋に上がり話を聞くと、麗子は事件の前日に椿から、港の食堂に美味しいウニいくら丼があると誘われ、ついて行ったら事件に巻き込まれたとのことでしたが、幸い犯人に気づかれずに済んだと言います。
探偵は原田誠が心配してるから帰ろうと言いますが、麗子はまだ帰れないから誠に上手く言っといてと言います。
探偵が理由を聞くと、麗子はこういうことと言ってマリと工藤が現れ、麗子もグルであることに気づく探偵でした。
探偵と高田はマリたちに拉致され、この件には関わるなと探偵だけが痛めつけられると、田舎道で解放されます。
探偵は田舎道を歩いてると昔を思い出し、旧知のススキノの伝説の娼婦モンローから頼まれ、行き倒れていたマリを助けていたのを思い出すのでした。
探偵はモンローが在籍していたSMクラブを訪ねると、言葉責めされるのと引き換えにモンローの居場所を聞き出します。
モンローは結婚し漁港の食堂の女将に収まっているとのことで訪ねると、久しぶりの再会を喜ぶ2人でした。
モンローにマリのことを聞くと、マリは牧場を経営してた家に生まれましたが、親が経営資金を闇金から借りたことから一家心中し、ススキノの風俗に流れついたとのことでした。
途中、マリは彼氏との間に子供が出来、モンローは母子手帳も見せてもらって幸せそうだったと言います。
モンローは予定日が2月18日と書かれていたのもはっきりと覚えていると言います。
しかし、次にマリに会ったときにはお腹は引っ込んでいて自暴自棄になっていたと言います。
客のどんな要望にも応え、心身ともに荒んでいたときに倒れていたマリを助けたのが探偵でした。
探偵はマリを助けたあとモンローと3人で飲んだのを思い出し、「生きてさえいれば、何か命燃やすものが見つかる」と話したのを思い出します。
モンローによるとそれからマリは変わっていったと言います。
風俗嬢の間ではサディストとして有名だった北城の指名を受けるようになり、愛人になっていったというのでした。
探偵がススキノに戻るとまた事件が起きていて、工藤が拳銃自殺をしていました。
探偵は再び松尾に事件のことを聞くと、椿殺害事件の現場にはブーツの足跡が残されていて、それによると大柄の男と推察され、その足跡と一致するブーツが自殺した工藤の部屋から出てきたとのことでした。
しかし足跡が大きいわりに歩幅が小さく不自然だと言うのでした。
探偵がススキノの街中を歩いてるとマリから声を掛けられます。
探偵はモデル事務所で最初に会ったときにネクタイを褒められたことに引っかかっていたと言い、あのときのマリなのかと尋ねると、マリは思い出してくれたんだねと嬉しそうに言い、遊ぼうよと誘ってくるのでした。
危険な匂いのするマリですがその魅力には抗えず探偵は行動を共にします。
2人は観覧車に乗ると、探偵は事件の推理を話し始めます。
椿を殺害したのはマリで麗子もグルだということ。
工藤のブーツを履いて犯行に及び、追い詰められた工藤を自殺に見せかけて殺したと。
しかし、覚醒剤を奪う動機が分からないと言います。
マリは北城の愛人と言っても自由になる金は少ないと言います。
北城はケチなため、覚醒剤を使って取引をすることを考えていて、探偵さんは私の依頼も受けてくれるかなと言います。
観覧車を降りるとマリは探偵を飲みに誘います。
「誰かと一緒に祝いたい、もうすぐ誕生日なの」と言い、探偵が誰の?と尋ねますがそれには無言でした。
そのあと探偵は酔った勢いで自宅でマリと一夜を共にしてしまいます。
夜中に目が覚めた探偵がマリのバッグを見ると、モルヒネの錠剤が処方されていました。
探偵が朝起きるとすでにマリの姿は無く、冷蔵庫に依頼お願いねと覚醒剤のパケと依頼金が置いてありました。
慌てた探偵は高田に電話して呼び出すと、暫くして呼び鈴が鳴ります。
高田だと思って出ると北城の手下たちでした。
手下たちに部屋を調べられると、部屋のあちこちから覚醒剤のパケが出てきて、探偵は北城の経営するクラブに連れていかれます。
高田が着くと部屋は荒らされていて探偵の姿はなく救出に向かいます。
高田はクラブの裏口から入ると店の従業員に「社長が来たときは、言われなくても人数分のコーヒーを出さなきゃダメじゃないか」と言い、手下の人数を把握します。
探偵が北城の前に出されるとマリも捕まっています。
サディストな北城はロシアンルーレットで探偵を弄びます。
立て続けに3回引き金を引き探偵の肝を冷やしますが、そのタイミングで高田が現れます。
乱闘中にマリが北城から拳銃を奪うと立て続けに2回引き金を引き、あんたがいつも6発目に仕込むのを知ってると言い、北城を盾に3人は逃げます。
クラブのエレベーターで北城を解放し3人は逃げますが手下たちが追ってきます。
高田は逃げる途中に電話をかけ、ビルの屋上に逃げます。
手下たちも追ってきて万事休すも、下を見ると雪を積んだトラックが停まっていて、3人は飛び降ります。
トラックには相田が乗っていて高田が手配してたのでした。
3人はバー=ケラー・オオハタに向かいます。
バーに着くとマリは末端価格5億円の覚醒剤を1億円で北城に買い取らせるといいます。
北城は最終的にはビジネスマンで取引に乗ると言います。
しかし犯罪の片棒を担ぐ気は無い探偵は断ります。
するとマリは銃を向けて「やるしかないのよ」と脅してきます。
探偵は「どうしていつもそういうやり方しかできないんだ!」と怒りをぶつけバーを出ていこうとすると、マリは助けて欲しいと泣きついてきます。
美女の涙に弱い探偵は断り切れず手伝うことにします。
マリは市内のショッピングモールで開かれる、札幌市長と日本ハムファイターズ栗山英樹監督とのトークイベントの場を取引場所に指定します。
人が多い中では北城も迂闊に手を出してこないという判断でした。
取引場所に向かう探偵と高田ですが、探偵は高田にこの事件から降りろと言いクビにします。
高田がニュージーランドに留学をすることを知った探偵の配慮でした。
探偵とマリは取引場所に向かい北城と会うと覚醒剤と金を交換します。
持ってきたカバンに金を詰め替えさせると取引は終わります。
会場を離れるときが危険だということを承知してる2人は慎重にその場を離れますが、ショッピングモールを出る寸前で金の入ったバッグを探偵に預けると、マリは拳銃を取り出し発砲しながら北城に向かっていき会場は騒然となります。
警察が駆け付けマリが取り押さえられるのを横目に探偵が逃げると手下たちが追ってきます。
すると高田が現れ、手下は任せて逃げろと言います。
手下を倒した高田は、最初に対峙したときに倒された波留と再び対決します。
倒されて以降、トレーニングを積んでいた高田は、スウェットを履いている波留のズボンを降ろして足の自由を奪うとライダーキックを浴びせ勝利するのでした。
会場を離れ逃げていた探偵でしたが手下に追いつかれカバンを奪われてしまいます。
カバンはすでに会場を離れ車に乗っていた北城の元に届けられますが、北城が中身を確認すると雑誌の束でした。
探偵はイベント会場に源ちゃんを待機させ、逃げる時にカバンを入れ替えていました。
テレビではショッピングモールの発砲事件でマリが逮捕されたことが報道されています。
また北城グループにも覚せい剤取締法違反の容疑で捜査の手が入り、北城仁也が逮捕されたことが報じられていました。
銀行への就職が決まっている原田との結婚を望んでいる麗子は、田舎の親友が病気で看病してて携帯も壊れてて連絡できなかったと嘘をついて原田の元へ戻ります。
探偵は病院にいます。
探偵はマリにカバンを託されたときに、コートのポケットの中に手紙を入れられていました。
それには1億円を「里美ちゃんを救う会」に全額寄付して欲しいことが書かれていました。
里美ちゃんの病室を訪れるとカレンダーの2月18日のところには誕生日と書き込まれていました。
探偵が里美ちゃんを見てると母親らしき女性に「娘に何か」と声をかけられます。
探偵は2月18日が誕生日ですかと聞き、実の娘さんですよねと言います。
病室のテレビでは逮捕されたマリのニュースをやっていて、母親がこんな恐ろしいことをする人には見えなかったと口にするのを聞くと全てを悟り病院を後にします。
マリが処方してもらってる病気で入院したとき、生まれるはずだった実の子と同じ誕生日だったのが、偶然知り合った難病に苦しむ里美ちゃんでした。
探偵は自分が酔ったついでに口にした「生きてさえいれば、何か命燃やすものが見つかる」を真に受けて、里美ちゃんを救うことに命をかけたマリに涙するのでした。
バーに戻った探偵は高田と共にマリにグラスを捧げます。
探偵はニュージーランドの酪農を学ぶ高田に餞別を渡し、「またいつかどこかで」と言って別れると映画はエンドロールに入ります。
エンドロール後
高田は札幌の隣の江別市の牧場でニュージーランド人から酪農を教わっていて探偵が現れます。
ニュージーランド留学のつもりで餞別を渡したんだから返せと言います。
高田は札幌競馬場でスッたから無いといいます。
探偵は札幌に来てるじゃねぇかとツッコんで映画は終わります。
前作鑑賞時の感想はこちらです。
全国252館で公開された1作目が興収12.2億円とスマッシュヒットなったため作られた2作目ですが、内容的には1作目のヒットを受けたお祭り映画だった気がします。
アクションなどのスケールは大きくなりましたが、1作目にあった久々に見る劇場映画でのハードボイルド感はどこへやら?でこれじゃない感が強かったのですが、本作では1作目のハードボイルド感が戻り、北川景子さんのファムファタル感も相まってシリーズ随一のハードボイルドに仕上がっていたと思います。
本作は映画3作目にして初めて12作ある『ススキノ探偵シリーズ』の原作によらないオリジナル脚本となったわけですが、まず大まかなストーリーがいいですね。
今年公開された『ナイスガイズ!』なんかもそうですが、まず女性を探してくれというもの。
そして女性を探していくとポルノ産業や売春組織に突き当たるというもの。
そしてその背後にある組織。
それから官との癒着があったりするのが定番なんですが、本作は官との癒着はありませんがそんな感じです。
そして1作目では魅力的だったサブキャラの復活。
峰子なんかは1作目はとても面白かったんですが、2作目なんかは演じてる安藤玉恵さんが「あまちゃん」でブレイクしてるときだったのに存在感薄くて、それだけでも物足りなかったのですが、本作ではきっちりと面白かったです。
源ちゃんも重要な役割を果たしますし、前作から出てる篠井英介さん演じるフローラも魅力的でした。
篠井英介さんの女装演技、好きなんですよね。
レイチェル・ダムールさん感あって。
そしてこれ、監督が橋本一さんから変わったからなのかは分かりませんが、1作目よりすごく「探偵物語」感がありました。
ストーリーなんかも映画版の『探偵物語』に似てますよね。
映画版の探偵物語でも、事件の真相は坂上味和さん演じる女子大生が売春クラブに属していたためでした。
本作は探偵と高田の役割分担もきっちりしていたと思います。
高田は事件の元となる依頼人を連れてくるだけで、推理は探偵が行い高田は完全な助っ人に徹しています。
高田があまりストーリーに絡んでこないため前2作に比べると寂しいですが、その分アクションシーンでは高田に比重が置かれてます。
高田にスポットを当てるため少し変わったスローモーションになってたのもよかったと思います。
『ジャスティス・リーグ』でのフラッシュみたいな感じかな。
アクションは高田で、ストーリーはその分、探偵とマリとの物語になってハードボイルド感が増したと思います。
北川景子さんの美しさも特筆モノだと思います。
今この30歳前後の女優さんで一番美しいんじゃないでしょうか。
やっぱりこういうハードボイルドにはとっておきの美女が必要でキム・ベイシンガー感ありました。
脚本の進め方もいいと思います。
まず観客には事件の核となる事件を見せますが、この時点では探偵はまだ何も知りません。
鮮血が飛び散る雪道に横たわる死体を上空から撮るビジュアルもいいと思います。
キャバクラのお触りは、話のまくらとして機能してます。
女子大生探しが、ヤクザの相田と記者の松尾への聞き込みから、冒頭の事件に繋がるのは上手いなぁと思います。
麗子探しを引っ張り過ぎないのもよかったと思います。
麗子はファムファタルには成り得なくコメディリリーフ的存在ですので。
ただマリの動機が弱かったかな?と思います。
闇金からの一家心中が北城に結びついてくるかと思いましたがそこまでには至りませんでした。
またマリの刹那を理解するため、もう少し病気の説明があってもよいと思いましたが、概ね満足です。
ヤフー映画の評価点も(2017年12月7日現在)1作目が3.63点、2作目が3.31点で、本作が4.18点と4点越えは順当だと思います。
今後も4点前後で推移してくんじゃないでしょうか。
制作陣のハードボイルドへの愛が感じられおすすめです。
そういえば2017年11月4日(土)にオープンしてから約1か月のTOHOシネマズ上野に初めて行きました。
スクリーン3で一番広いとこだったんですけど、前席との間隔が広めで快適でしたね。
スタジアム形式で前席の背もたれの圧迫感もなくどの席からもスクリーンが見やすいと思いました。
TOHOシネマズも以前は六本木ヒルズが旗艦店で平日でも結構混んでいたのですが、新宿が出来たらかなり分散され、平日の六本木ヒルズは結構空くようになって快適になりました。
そのあと日本橋、今回の上野と東京の東側がかなり増えたので、新宿に比べると空いてる気がします。
東京だと東映系列の作品を見るのが厳しいので、本作のようにTOHOシネマズでもどんどん上映してほしいと思います。
鑑賞データ
TOHOシネマズ上野 シネマイレージデイ 1400円
2017年 199作品目 累計214200円 1作品単価1076円
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