ゲティ家の身代金 評価と感想/孤立するヒロイン、舞台はイタリア

ゲティ家の身代金 評価と感想 映画感想
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ハンニバルの既視感が ☆3.5点

1973年に実際にローマで起きた石油王ジャン・ポール・ゲティの孫の誘拐事件をリドリー・スコット監督で映画化。
原作は1995年にジョン・ピアースンが出版したノンフィクション。
主演はミシェル・ウィリアムズ、共演にクリストファー・プラマー、マーク・ウォールバーグ

予告編

映画『ゲティ家の身代金』予告編

映画データ

ゲティ家の身代金|映画情報のぴあ映画生活
『ゲティ家の身代金』は2017年の映画。『ゲティ家の身代金』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2018年5月25日(金)公開で、全国146館での公開です。
地方によっては6月や7月の公開のところもあるみたいで、最終的には160館弱での公開となるようです。

予告編はTOHOシネマズ日比谷や新宿に行ったときに、たまに目にしました。
実際の事件は知らず、ジャン・ポール・ゲティの名前にもピンときませんでしたが、面白そうと思って観に行きました。

監督はリドリー・スコット
近作は『オデッセイ』を観てます。
今までに見たことあるのが『エイリアン』『ブレードランナー』『ブラック・レイン』『テルマー&ルイーズ』『グラディエーター』『ハンニバル』『ブラックホークダウン』『プロメテウス』『悪の法則』で『ブラック・レイン』と『悪の法則』が圧倒的に好きですね。

主演はミシェル・ウィリアムズ
近作は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『グレイテスト・ショーマン』『ワンダーストラック』を観てます。

共演にクリストファー・プラマー
近作は『手紙は憶えている』を観てます。

共演にマーク・ウォールバーグ
近作は『テッド』『ローン・サバイバー』『テッド2』『バーニング・オーシャン』『パトリオット・デイ』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

アビゲイル・ハリス: ミシェル・ウィリアムズ
ジャン・ポール・ゲティ: クリストファー・プラマー
フレッチャー・チェイス: マーク・ウォールバーグ
ジョン・ポール・ゲティ3世: チャーリー・プラマー
ジョン・ポール・ゲティ3世(7歳時): チャーリー・ショットウェル
チンクアンタ: ロマン・デュリス
オズワルド・ヒンジ: ティモシー・ハットン
ジョン・ポール・ゲティ2世: アンドリュー・バカン
ラコヴォーニ:ジュゼッペ・ボニファティ
マーク・ゲティ(4歳時): キット・クランストン

あらすじ

“世界中のすべての金を手にした”といわれる大富豪ゲティ。孫ポールが誘拐され1700万ドルという破格の身代金を要求されたゲティは、支払いを断固拒否。彼は大富豪であると同時に稀代の守銭奴だったのだ。離婚によりゲティ家を離れていたポールの母ゲイルに支払いは不可能。息子を救い出すため、ゲイルは事あるごとに脅迫してくる犯人だけでなく、断固として支払いを拒否する【世界一の大富豪】とも戦うことになる。警察に狂言誘拐を疑われ、マスコミに追い回され、疲弊していくゲイル。一方、一向に身代金が払われる様子がないことに犯人は痺れを切らし、ポールの身に危険が迫っていた・・・。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

実際の事件は全然知りませんでした。
仰天ニュースでもアンビリバボーでもやってないのかな?

ビル・ゲイツ以前の大富豪といえばロスチャイルド、ロックフェラー、カーネギーくらいしか思い浮かばなくてジャン・ポール・ゲティは知らなかったんですけど、この誘拐された孫の弟がゲッティイメージズの創業者なんですね。

誘拐事件の方はウィキペディアのジャン・ポール・ゲティとジョン・ポール・ゲティ3世の項目が詳しいです。
ジャン・ポール・ゲティ
ジョン・ポール・ゲティ3世
見る前は1700万ドルと当時としても桁違いの身代金なので、狂言誘拐なのかな?と思ったんですけどそうではありませんでした。

しかし1700万ドルってインパクトありますよね。
『ダイ・ハード』で額面6億ドルの債権を強奪する、っていうくらいのインパクトがあります。

映画では1700万ドルを要求してきたグループは、早々にジャン・ポール・ゲティが会見を開いて「身代金は払わん」と言うので当てが外れます。
犯人たちは結構頭が悪くて、覆面被ってるのにすぐ顔を見られちゃったりするんですが、誘拐が長引いてくると疑心暗鬼になり仲間割れをしてしまいます。
その際に犯人の1人が死んでしまい、黒焦げの状態で海辺で見つかるんですが、警察は誘拐されたゲティ3世と勘違いして母親であるアビゲイルに身元確認を頼みます。
アビゲイルは黒焦げの遺体を見て即座に「息子では無い」と言います。
付き添いで来てるフレッチャーも一目見て「中年男性の遺体じゃないか」と怒ります。

警察が改めて遺体の身元を洗い直すと、前科のある人間だということが分かります。
そして、つるんでいる連中を突き止めると、警察はアジトに急襲します。
警察は犯人グループと銃撃戦となり、全員を射殺しますがゲティ3世の姿はありません。
警察が虫の息である犯人の1人に聞くと、人質をマフィアに売ったとのことで、この誘拐事件は振り出しに戻ります。

犯人グループがマフィアに移ると身代金の減額に応じます。
アビゲイルは犯人と更なる減額の交渉をしつつ、ゲティにも払ってくれるよう説得に当たります。
しかし、そうこうしてるうちにゲティ3世の耳が切り取られ写真と共に新聞社に送られてきます。
新聞社は掲載料を払って耳の写真を載せさせて欲しいと言うと、アビゲイルは掲載料分だけ記事を載せた新聞をゲティの元に届けて欲しいと言います。
ゲティは孫の耳が切り取られた新聞記事を見て身代金を支払うことに決めます。

その間にゲティ3世は一度隙を見て監禁先から逃げ出して、交番で保護してもらってアビゲイルに電話をかけるんですが、お巡りさんにはマフィアの息が掛かってて連れ戻されてしまいます。

アビゲイルは交渉の末、身代金を320万ドルまで減額してましたが、ゲティは220万ドルまでしか支払わないと言います。
その金額まで所得から控除できるというのが理由です。

アビゲイルはとりあえず犯人に身代金を用意出来たと伝えると、残りはゲティ3世が子供の頃にゲティからプレゼントされた美術品のブロンズ像を売って100万ドルを用立てることにします。
しかし、アビゲイルがサザビーズに持ってくと価値が無いと言われ、教えられた博物館に行くとお土産として売られているものでした。

切羽詰まったアビゲイルが再びゲティと交渉に当たると、ゲティ3世の親権を父親であるゲティ2世に戻すことを条件に4%の利子を付けて貸してくれると言います。
アビゲイルはゲティ2世の不貞に起因する離婚にあたり、財産分与を求めず親権だけを手にしていましたが、ゆくゆくはゲティ3世に跡を継がせたいゲティによって親権も奪われてしまいます。
ゲティは1円も損することなく親権を手に入れるのでした。

お金が用意出来たアビゲイルはフレッチャーと共に身代金の受け渡しに向かいます。
受け渡しは無事に成功し、犯人たちは身代金を手にし、ゲティ3世も解放されます。

しかし警察の捜査の手が迫っていることに気づいた犯人は解放したゲティ3世を探し殺そうとします。
アビゲイルたちも解放されたゲティ3世を探すと、マフィアに見つかる寸前でゲティ3世を確保するのでした。
警察は犯人グループを逮捕し、誘拐事件は解決します。

結局、ゲティはこの誘拐事件の3年後に死去し、アビゲイルはゲティ3世の後見人としてゲティ財団に入って映画は終わります。

 

劇中ではウィキペディアにも載ってるゲティのドケチぶりがいくつも登場します。

・自宅の豪邸には公衆電話を置いて、アビゲイルもそこから電話をかけさせられています。
・ホテルではルームサービスを使わず、ワイシャツなどの洗濯は自分でしています。
・身代金は支払わないのに高額な美術品を購入しています。
・ゲティ3世にプレゼントしたブロンズ像は価値を知らない古物商から安く手に入れたもので、100万ドルは下らないと言っていましたがただの土産物です。
・身代金の支払いさえ節税に利用します。

とまぁ、かなりのドケチぶりが描かれるんですが、思い出したのは『マルサの女』の権藤(山崎努)です。
コップの水の例え話をするんですが、金持ちは往々にしてケチですよね。

「コップの水」を飲む人は、富裕層になれない 「みっともなく生きる」習慣が大事 | プレジデントオンライン
富裕層になれるかなれないか。それは「生活習慣」次第。喉が渇いたからとコップの水を飲み干してはいけない。ポタポタ垂れる水を飲むのだ―…

ところで本作を観てて思ったのは『ハンニバル』とかなり共通するなぁということです。

孤立無援のアビゲイルはクラリス・スターリングと共通しますし、ゲティの富豪ぶりはメイスン・ヴァージャー。
ローマとフィレンツェ、イタリア南部カラブリア州のマフィアは豚を用意したコルシカ島の連中。
それから本作がR15+なのは、耳を削ぎ落とすシーンを見せるからなんですが、ここはポール・クレンドラーの脳みそです。

本作は公開を目前に控えてのゲティ役のケヴィン・スペイシーのセクハラ降板、代役をクリストファー・プラマー(結構、出演シーン多いです)に決めてから再撮影終了までが約2週間というスピード撮影。
追加撮影のギャラが9日間でミシェル・ウィリアムズが1000ドルだったのに対し、マーク・ウォールバーグが150万ドルという格差と、内容以外のところでかなり話題になりました。

ただ追加撮影分を素早くこなせたのは『ハンニバル』での経験や撮影テンプレ的なものによるものなのかなぁとも思いまして、余計にハンニバル感を感じましたね。

全体的な印象でいえば巨匠リドリー・スコットにしてはやや物足りなかったかなぁという気がしました。
クリント・イーストウッド監督なんかの方がもうちょっと上手く撮れたんじゃないか?という気はしました。

それから、元CIAの交渉人チェイスは物語に必要だったのかなぁ?と思います。
殆ど役に立っていませんでしたよね。
実際にああいう立場の人がいたのかは分かりませんが、製作会社が映画的役割のために用意した役のようにも思えました。
結果的に製作会社も足元見られて追加撮影分のギャラを吊り上げられているわけですし…。
マーク・ウォールバーグに「片腕立て伏せ」をさせるためだけだったら、随分高い買い物だったなと思いました。

鑑賞データ

TOHOシネマズ日比谷 シネマイレージデイ 1400円
2018年 90作品目 累計82200円 1作品単価913円

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