おもしれえぇぇぇ! ☆5点
予告編
映画データ
今年はナチ物を見るのは、これで3本目になります。
『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』
『帰ってきたヒトラー』
と本作です。
あらすじ
最愛の妻ルースが死んだ。だが、90歳のゼヴはそれすら覚えていられない程、もの忘れがひどくなった。ある日彼は友人のマックスから1通の手紙を託される。「覚えているか?ルース亡きあと誓ったことを。君が忘れても大丈夫なように、全てを手紙に書いた。その約束を果たしてほしい―」2人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、70年前に大切な家族をナチスの兵士に殺されていた。そしてその兵士は身分を偽り、今も生きているという。犯人の名は“ルディ・コランダー”。容疑者は4名まで絞り込まれていた。体が不自由なマックスに代わり、ゼヴはたった1人での復讐を決意し、託された手紙と、かすかな記憶だけを頼りに旅立つ。だが、彼を待ち受けていたのは人生を覆すほどの衝撃の真実だった―
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
本作はエゴヤン監督にしては分かりやすくて、きっちりエンタメミステリーに仕上がってました。
前に劇場で予告編を見たときは『メメント』と『ゆきゆきて、神軍』を合わせたような感じかな?と予想していましたが、当たらずとも遠からずで大オチは『エンゼル・ハート』でした。
おじいちゃんが、もうまだらボケ始まってて、目覚めるたびに奥さんの名前呼んでたのが切なかったですね。
老人ホームの友人マックスが手紙やその他諸々でお膳立てしてくれてたとはいえ、ゼヴおじいちゃんの行動がスムーズに行き過ぎた感じはありますが、そこは映画的ということでご愛嬌。
この映画よかったのは、ゼヴおじいちゃんのちょっとしたロードムービーになってるんですが、会う人会う人みな親切。
色々わーっとおじいちゃんに説明してあげるんですけど、おじいちゃんが理解出来てないのを察して、案内してくれたりして、みんな親切で気持ちいい。
あと、ゼヴおじいちゃんの記憶がおぼろげになる描写がすごくよかった。
3人目のルディ・コランダー探しにいくとき泊まったホテルの受付のそばに、窓ガラスに水が流れるアクアウォールっていうんですかね、ウォータースクリーンに手を伸ばすじゃないですか、あの、こう、記憶が流れ落ちるみたいな描写、切なかったなぁ。
ブルーノ・ガンツが一人目のコランダーとは気づきませんでした。
で、二人目のゲイのコランダーがユルゲン・プロホノフ。
おじいちゃん過ぎて分からん。
三人目は死んでて息子役が、『ブレイキング・バッド』のハンク(ディーン・ノリス)。
この人好きなんですよねー、ブルース・ウィリスに似てて。
で、この息子も父ちゃんの友人が訪ねて来てくれたと勘違いして、凄くいい人。
父ちゃんの思い出話しようって言って、何でも見ていいよーって言って、すごくフランク。
で、ユダヤ人と知ったら、あの豹変するさまが見事でした。
あのまくし立てる演技上手いなぁー。
最後のコランダーは見たことある顔だなぁと思ったのですが、かなり老けメイクしてたので、誰だか分からず。
ウィキペディア見たらハインツ・リーフェンって方みたいですけど、ググって画像探したらヴェネチア映画祭の時の写真出てきたので見たら、これ2番目のコランダーですね。ゲイの。
最後のコランダーがユルゲン・プロホノフでどうりで見た顔だなと納得した次第であります。
そんなに政治的メッセージがある映画ではないですが、ナチの犯罪や反ユダヤ主義の団体を監視しているサイモン・ウィーゼンタール・センターというのを知ること(欧米人にはポピュラーなんでしょうね。日本でいう原爆資料館みたいな)が出来ましたし、何より復讐のバックボーンに、これほど説得力ある設定は無い訳で、凄く面白いエンタメミステリー作品でした。
95分という上映時間もよいです。
あと子供たちがかわいい。
鑑賞データ
TOHOシネマズシャンテ シネマイレージデイ 1400円
2016年 124作品目 累計139500円 1作品単価1125円
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