溺れるナイフ 評価と感想/なぜか観てるこちらが恥ずかしくなる不思議な映画

溺れるナイフ 評価と感想
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普通に撮りたくないのは分かるけど… ☆2点

予告編

映画データ

溺れるナイフ (2016):作品情報|シネマトゥデイ
映画『溺れるナイフ』のあらすじ・キャスト・評価・動画など作品情報:映画化もされた「平凡ポンチ」「ピース オブ ケイク」などのジョージ朝倉の人気コミックを映画化した型破りなラブストーリー。
http://cinema.pia.co.jp/title/168798/

あらすじ

15歳の夏。東京から遠く離れた浮雲町に越してきた、人気モデルの望月夏芽(小松菜奈)。退屈でウンザリするようなこの町で、夏芽は体を貫くような“閃光”と出会ってしまう。それは、コウと呼ばれる少年・長谷川航一朗(菅田将暉)だった。傲慢なほどに激しく自由なコウに、反発しながらも、どうしようもなく惹かれてゆく夏芽。コウもまた、夏芽の美しさに対等な力を感じ、やがてふたりは付き合いはじめる。「一緒にいれば無敵!」という予感に満たされるふたり。しかし浮雲の夏祭りの夜、全てを変える事件が起きるのだった―。失われた全能感、途切れてしまった絆。傷ついたふたりは、再び輝きを取り戻すことができるのか。未来への一歩を踏み出すために、いま、ふたりがくだす決断とは―。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

こういうスイーツ系の映画って基本見ないんですが、どこかの映画サイトで映画全体としては粗削りだが、30,40代の男性にも刺さるみたいなことが書いてありまして、また、原作者もこれまで映画化を断ってきたらしいのですが、今回、新人の女性監督が原作大好きで直接原作者に手紙を送り、その熱意にほだされて映画になったらしいことが書いてありまして、それならばと観てまいりました。

もちろん漫画原作は未読で、その漫画の存在すら知らなかったです。
原作者のジョージ朝倉先生の名前も、ジョージ秋山先生と勘違いするくらいの音痴っぷりです(街の名前が浮雲町なのもそこからきてるんですかね?)

漫画原作が全部で何巻あるのか知らないのですが、やっぱりそれを2時間以内に収めようと思うと無理がある訳で、きっと原作好きな人から見れば色々端折られてるのでしょうけど、まぁそれは仕方ないかなと思うんですが、なんか、もう少しオーソドックスに撮って欲しいといいますか。

まず、あの終始流れてる音楽が、なんなんですかね?
なんかわざとミスマッチさせてる感じで全然合ってなくて、でもそれも分かってやってるんでしょうけど、なんか耳障りで物語に集中できません。

それから小松菜奈ちゃんに、子供が地団駄踏んだときにやるような手足バタバタさせる演技とかさせたり、いまどきそんな演技付けるか?と思って、見てるこちら側が恥ずかしくなりましたが、少女漫画とかではそういう描写がありますから、それをそのまんまやったのかもしれないんですけど、そうすると、この映画のメインである「アイドルにストーカーしてレイプする」という重さと全く釣り合ってないんです。

なんと言いますか、この映画は全体的にそういうアンバランスといいますか、例えば演技にしても、出てる役者さん皆さんがそんなに演技下手なはずじゃないと思うんですけど、この映画ではひどい大根っぷりのトコがあったり、そうかと思えばわりと普通のトコがあったりと、演技にもムラがあるんですよね。

映像に関しても、光るところもあるんですけど、なんか無駄なところがあったりと、バラつきが多い気がします。

まぁ、それが粗削りな新人監督の魅力というか勢いに惹かれる人もいるんでしょうが、自分はノレませんでした。

また、テーマからして厨二的といいますか、まあ実際、中高生向けの漫画なので仕方ない(自分も昔、そういう漫画に夢中になった)んですが、自意識過剰であんまりノレないんですよねぇ。

「お前なら遠くに行ける」とか、まぁ、そういう枠に収まりたくないのは分かります。
でも、そのテーマを実際に二十歳を過ぎた監督がこの映画の演出でもやらなくていいような気がしました。

「ここはロングで長回しで撮ってやるぜ」とか、「ここはカット短めにつないでカメラでズームしてやるぜ」みたいな、なんか普通に撮りたくないというのが透けて見えちゃうんです。
なので、観てるこちらが恥ずかしいという映画館では珍しい体験もしました。

監督はきっと原作が好きで、情熱をもって映画にあたられたことも分かるんですが、それなら物語もこんな端折る感じじゃなくて、上映時間3時間くらいになっても、もう少し丁寧に描いて頂きたかったと思いました。

『ちはやふる』(未見ですが)みたいに2部作で、というのは新人監督には厳しいでしょうが、せめて3時間くらいの上映時間は、製作や配給と戦って勝ち取って欲しかった。
向くべきベクトルはそっちだと思うんですよね。
111分に無理矢理収めるより、最低限、物語として分かるように収めて頂きかったなぁと思いました。

あと、カメラマン役のドレスコーズの人、気持ち悪かったなぁ(ファンの人、すみません)
何であんな薄ら笑い浮かべてるような演技付けたのか、全く理解できませんでした。

あの表情で「君ならもっと遠くへ行けると思った」とか言われても、ヘアヌードやAVに墜とすスカウトマンの手口にしか見えなかったのが残念でした。

鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ有楽町 TCGメンバーズカード ハッピーフライデー鑑賞 1000円
2016年 126作品目 累計141600円 1作品単価1124円

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