期待値が高かったので厳しめで ☆3.5点
2011年に発行されたアーネスト・クライン著「ゲームウォーズ」の実写映画化で、劇中に1980年代以降のゲームやアニメのキャラクターが数多く登場するクロスオーバー作品。
監督はスティーヴン・スピルバーグ、主演はタイ・シェリダン、共演にオリヴィア・クック、マーク・ライランス、サイモン・ペグ
予告編
映画データ
本作は2018年4月20日(金)公開で、全国347館での公開です。
今年観た映画の中では一番予告編を見ましたね。
劇場での予告編は、昨年から流れていたので、プロモーションには物凄く力を入れてたんじゃないかと思います。
製作費自体は1億7500万ドルらしいですが、プロモーション費用などを含めると世界興収で4億4000万ドル以上いくとペイできるようです。
原作は例によって未読での鑑賞です。
監督はスティーヴン・スピルバーグ
初の1兆円監督だそうです。
近作は公開中の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を観てます。
主演はタイ・シェリダン
『X-MEN』シリーズのサイクロップス役の方だそうですが、シリーズ見てないので知りませんでした。
近作は『ダーク・プレイス』を観てます。
共演にオリヴィア・クック
初めましての方です。
毎年ヒューマントラストシネマ渋谷で開催されている「未体験ゾーンの映画たち 2018」で今年の作品の中で評判よさそうで見たい(今年1本しか観てない…)と思っていた、『切り裂き魔ゴーレム』に出演してたようです。
共演にベン・メンデルソーン
近作は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を観てます。
共演にサイモン・ペッグ
近作は『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『スター・トレック BEYOND』を観てます。
共演にマーク・ライランス
近作は『ダンケルク』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
パーシヴァル/ウェイド: タイ・シェリダン
アルテミス/サマンサ: オリヴィア・クック
ソレント: ベン・メンデルソーン
エイチ/ヘレン: リナ・ウェイス
オグデン・モロー: サイモン・ペッグ
ジェームズ・ハリデー: マーク・ライランス
ショウ/ゾウ: フィリプチャオ
ダイトウ/トシロウ: 森崎ウィン
フナーレ・ザンダー: ハナ・ジョン=カーメン
T・J・ミラー
あらすじ
2045年。多くの人々は荒廃した街に暮らす現実を送っていたが、若者たちには希望があった。
それはVRの世界、「オアシス」。
そこに入れば、誰もが理想の人生を楽しむことができる。ある日、そのオアシスの創設者、ジェームズ・ハリデーが亡くなり、彼の遺言が発表された。
“全世界に告ぐ。オアシスに眠る3つの謎を解いた者に全財産56兆円と、この世界のすべてを授けよう”。
突然の宣告に世界中が湧き立ち、莫大な遺産を懸けた壮大な争奪戦が始まった。
現実でパッとしない日常を送り、オアシスに自分の世界を求めていた17歳のウェイドもまた参加者の一人だ。オアシスで出会った仲間たち、そして謎めいた美女アルテミスと協力し、争奪戦を勝ち残ろうとするウェイド。
しかしそこに世界支配のため、すべてを手に入れようとする巨大企業、IOI社も出現して…。
3つの謎に隠されたメッセージの秘密とは?
アルテミスとの恋の運命や仲間との絆も試されるウェイドは、謎を解き、IOI社の陰謀を阻止することができるのか?
現実の世界とオアシス。その両方で繰り広げられる冒険は、信じがたい次元へと発展していく―。
想像を超えた戦いの先に勝利を手にするのは一体誰だ!?(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
日本では動員も興収も2位スタート(コナン君が強すぎる)ですが、フィルマークス4.2、ヤフー映画4.15(2018/4/25現在)と評判のよい本作ですが、個人的にはお金かけた(版権にお金かかったのかな?)割にはイマイチかなぁと思いました。
一応、世界興収(2018/3/28公開)でも5億ドルを超えてきていて損益分岐点はクリアしてるみたいなんですが、北米では(2018/4/23現在)1億3千万ドル弱なんで、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(4億ドル)なんかに比べるとプロモーションのわりにはヒットしてないのかなぁという気がします。
ただ中国ではバカ当たりしていて2億ドルに迫ろうかという勢いなんで、スピルバーグの名前は海外の方が通用するのかもしれません。
興収1千万ドル以上の国が、イギリス、韓国、フランス、ロシア、台湾なんで、登場するキャラクターのせいもあると思いますがアジアの方がウケてる気がします。
本作はブログで感想を書く方がたくさんいると思うので、詳細なあらすじや登場するキャラクターは割愛して、思いついたことをつらつら書いていきたいと思います。
まず冒頭のウェイドの住んでるトレーラーハウス。
降りるのはいんですけど、どうやって昇るんでしょうかね?
なんか紐みたいの手すりに結んでましたけど、昇るところも見たかった気がします。
あと寝床が洗濯機の上って嫌ですね(笑)
ずっと内臓が揺さぶられてダメージ受けそう。
ウェイドはヒモ男と一緒に住んでる叔母?伯母?さんの家に居候させてもらってる訳ですが、学校行くのに下に降りるのかな?と思ったら、またトレーラーハウス入っていくじゃないですか。
あれゲーム部屋ってことなのかしら?(誰の所有物?)あそこで寝るって選択肢は無いのかな?
もう世界が荒廃しちゃってるんで学校は無いんですかね?
ウェイドがゲーム部屋に入ってヘッドマウントディスプレイを装着すると、ジェームズ・ハリデーの遺言が説明されるんですが、あれってまんま『ONE PIECE』のオープニングと入れ替えても、全く問題ない(笑)
富・名声・力。
この世のすべてを手に入れた男、海賊王ゴールド・ロジャー。
彼の死に際に放った一言は、人々を海へ駆り立てた。
「おれの財宝か?欲しけりゃくれてやる。探せ!この世のすべてをそこに置いてきた!」男達は、グランドラインを目指し、夢を追い続ける。
世はまさに、大海賊時代!
冒頭はヴァン・ヘイレンのジャンプで始まりますし。
それで、あのジミー・ペイジみたいなジェームズ・ハリデー、誰がやってんだろ?と思って観てまして、最後の方になって「そういえばマーク・ライランス出てたはずだよな」と思い出して、まじまじと見たらマーク・ライランスで最後の方で気付きました(笑)
(あのやる気のない声が特徴だよな)
あとウェイドのアバターであるパーシヴァルって誰がモデルなんでしょう?
トシロウのアバターであるダイトウのモデルは大東駿介三船敏郎みたいですけど、パーシヴァルはずっとジョン・ボン・ジョヴィと思って観てました。
それで第一の鍵の『キャノンボール』みたいなレースです。
マリオカートと言った方がいいのか。
いや、あれパーシヴァルとアルテミスがあと1歩のところまで迫りますけど、クリア出来ないじゃですか。
コングが邪魔して。
あれ観たとき、5年かけても解けないって言ってたんで、攻略できないクソゲーだと思いましたよ。
ハリデーはクソゲー残していったと思ったんです。
「たけしの挑戦状」ならぬ「ハリデーの挑戦状」ですよ。
そしたらあーた、最近は見向きもされなくなったハリデー図書館(アノラック年鑑)にヒントを探りに行ったらあっさり分かるって。
しかもその方法が、スタート直後に逆走してワープするというモノ。
ゲーマーならすぐに思いつきそうじゃないですか?
マリオのワープっていいますか、ドンキーコングの見えないはしごみたいなの。
ズッコケましたね。
次にあのIOIって会社がよく分からなかったんですけど、オアシスに次ぐ世界第二位のゲーム会社ってことでいいんですかね。
それで課金厨で払えなくなったやつを『闇金ウシジマくん』みたいにきっちりカタにハメてソープに沈めるガンターにして、仮想通貨でいうところのマイニングみたいなことさせるっていう認識であってるでしょうか。
ただよく分からないのは、いくらブラック企業だからって、立体トレーラーハウス破壊して、叔母?伯母?さん死んだじゃないですか(死んでますよね?)
一企業にそんな無双が許されるのかと思ったんですけど、最後、警察出てきて逮捕されるんで、世界観がよく分かりませんでしたね。
警察は今まで何してたの?と。
あとサマンサがいたレジスタンスみたいのもよく分からなかったなぁ。
第一の鍵をパーシヴァルが手にすると、ハリデー図書館がヒントになったって、また人が集まり始めるじゃないですか。
現金だなって思います。
捜査は現場百回っていうじゃないですかねぇ。
第二の鍵は、本作を鑑賞した人たちがシャイニング、シャイニング言うから、何でかな?と思ったんですが、確かに完コピしてました。
原作者のスティーヴン・キングがスタンリー・キューブリック版を気に入ってないというコメントまで添えて(笑)
キューブリック版の『シャイニング』は大好きで何回も見てるんですけど、ドラマ版の方は見てないなぁ。
でも、完コピは確かにスゲーと思うんですけど、それだけ?とも思います。
特にスピルバーグって巨匠じゃないですか、それが同じように巨匠のキューブリックの完コピする?って思います。
劇中、社長のソレントがインカム使ってオタクぶるところありますが、なんかあのシーン、スピルバーグ自身に思えてしまったんですよね。
聞けば原作には、『E.T.』のエイリアンや『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』のインディ・ジョーンズが出てくるらしいじゃないですか。
でも映画では使われてなくて、その理由が「自惚れによるものだと批判されることを回避するため」らしいんですが、大事なのはそこじゃなくて観客が喜ぶかどうかじゃないですか?
シャイニングを完コピするくらいなら、自作のキャラ出した方がよっぽどいいと思うけどなぁ。
第三の鍵はゲームの中に初めて隠し要素を盛り込んだとされるアタリ2600の「アドベンチャー」というゲームの中にあるんですが、このゲームは知らなかったですね。
ただ、あれですよね、IOIの正社員の研究職の人たちは優秀な人が揃ってるんでしょうけど、全然使えないですよね。
あれだけ研究してて17歳の少年に、コロッと解かれちゃうんですから。
でもゲームをクリアしないでドットを探すってなんだ(笑)
あとそういえば、ソレントのパスワードが椅子に貼ってありましたけど、あの伏線って回収されましたっけ?
ウェイドたちがソレントに現実と仮想世界を勘違いさせるのに使われたのかな。
ただ、頑張ってテクノロジーの世界の最初のイースターエッグ「アドベンチャー」を作品の鍵に盛り込んだのに、たぶん本作の制作中でしょうが、それより前のが発見されるって…。
しかも、40年もかかって…。
それに、手順激ムズ…。
オアシスの謎、簡単…。
日本人には評判のいいガンダムとメカゴジラですが、あそこも「俺はガンダムで行く」じゃなくて「ガンダム、行きまーす」か「ダイトウ、ガンダム、行きます」だよなぁと。
ただあれですね、『太陽の帝国』のガッツ石松といい、日本人がスピルバーグ作品に出演するには、漢字とカタカナの組み合わせの名前が鉄板ですな。
それにしても、オアシスの世界に入る最初の方で、「マックス・ヘッドルーム出ないのかなぁ?」と思ってたんですけど、原作ではウェイドの執務で出てくるみたいなんですが、本作には必須な気がするんですけど、許可取れなかったのかなぁ。
ハリデー図書館の司書、オグデン・モローのアバターにぴったりだと思うんだけどなぁ。
色々書いてきましたが、全体的な感想はこのワイアードの記事と同じ感じですね。
ストーリーはすごく子供っぽいのに、扱ってるキャラクターは80年代中心なんで、完全に40代オーバーのおっさん向けじゃないですか。
自分もおっさんなんで、キャラとかギャグは分かるんですけど、大人が鑑賞するにはストーリーは物足りないですし、子供にはストーリーはちょうどいいと思うんですけど、キャラとかギャグは分からないじゃないですか。
だからどの辺に向けて作られてるのかな?とは思います。
あと本作のオアシスの仮想世界を見てて、セカンドライフを思い浮かべてたんですけど、56兆円っていうニンジンがぶら下がってるから流行ってるだけで、そんな上手くいくかな?って思ったんですよね。
それから本作で世界が荒廃しているのは、環境汚染や気候変動、政治の機能不全等で人々が諦めちゃってるからじゃないですか。
それで現実を忘れるために人々は仮想世界に入り浸ってるんですが、働けよって思いまして。
それで自分はスマホゲームって殆どやらないんですね。
まぁパズドラとかツムツムはちょっとやりましたけど、すぐに飽きちゃいまして。
(終わりのあるゲームはまだいいと思うんです)
それで、今テレビCM見れば、元気あるのはスマホゲームの会社とかで、電車や街中でも見れば人々はスマホゲームばっかりやってるじゃないですか。
ポケモンGOも最近盛り返してきた感じがしますし。
でもコンビニやファーストフード店行くと日本人全然働いてなくて、日本人ゲームばっかりやってて大丈夫なのかな?と思ってしまって、本作で描く仮想現実に入り浸ってる世界が好きじゃないってことも評価を低くしてる要因かもしれません。
あ、でも自分がオタクじゃないってことが一番の要因な気がします。
上映時間140分ありましけど、眠くならなかったですし、つまらなかったわけでは無いですけど、自分的には、去年からお金かけて宣伝して、これぐらいかぁっていう作品でした。
鑑賞データ
丸の内ピカデリー SMTメンバーズ割引クーポン 1200円
2018年 67作品目 累計58800円 1作品単価878円
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