ダイアン・レインのカンヌ映画祭、アフター ☆3.5点
フランシス・フォード・コッポラ監督の妻エレノア・コッポラによる80歳にして長編映画初監督作品。
映画プロデューサーの妻が夫の友人とカンヌからパリまで戻る一泊二日の寄り道旅を描く。主演はダイアン・レイン
予告編
映画データ
8月のTOHOシネマズデイ3本目。
ホントは見る気無かったんですけど、2本目の『スパイダーマン:ホームカミング』がどうも消化不良気味だったので、気になっていたこちらを鑑賞。
本作は2017年7月7日(金)公開で上映から6週目なんですけど、まだシャンテでは1日3回上映してて、お盆休み中のTOHOシネマズデイということもあると思うんですが、最前列の席以外は埋まっていてなかなかの盛況ぶりでした。
観客も年配の女性の方が多く、テーマと客層がシャンテで上映するのにピッタリなんだと思います。
監督はエレノア・コッポラ
フランシス・フォード・コッポラ監督の妻で、ソフィア・コッポラ監督の母です。
元々は『ディメンシャ13』という作品の美術監督のアシスタントを務めて知り合ったようです。
主演はダイアン・レイン
1980年代前半は日本でも大人気の人で、この時期にコッポラ監督のヤング・アダルト三部作『アウトサイダー』『ランブルフィッシュ』『コットンクラブ』に出演しています。
近作は『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を観てます。
共演にアルノー・ヴィアール
フランスの俳優、脚本家、監督さんみたいですが、日本だとほとんど情報ありませんね。
2004年に『メトロで恋して』という監督デビュー作が公開されたときの記事があるくらいです。
共演にアレック・ボールドウィン
近作は『ロック・オブ・エイジズ』『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
アン・ロックウッド役:ダイアン・レイン
ジャック・クレマン役:アルノー・ヴィアール
マイケル・ロックウッド役:アレック・ボールドウィン
マルティン役:リーズ・ティエルローイ
キャロル役:エロディー・ナヴァール
修理工役:セルジュ・オンテニエンテ
フィリップ役:ピエール・キュック
織物博物館警備員役:セドリック・モネ
管理人役:オーロール・クレマン
スザンヌ役:ダヴィア・ネルソン
アレクサンドラ役:エレノア・ランバート
あらすじ
アン(ダイアン・レイン)は、少しがっかりしていた。映画プロデューサーの夫のマイケル(アレック・ボールドウィン)と、カンヌ国際映画祭にやって来たのだが、そのままバカンスを楽しむはずが、新作の撮影で急遽ブダペストへ飛ぶことになったのだ。とはいえ、そんなことはいつものこと。荷造りはすべて妻任せ、服のサイズも読みかけの本の置き場所も、アンがいなければ何ひとつわからないのもいつものことだった。
マイケルの仕事仲間のジャック(アルノー・ヴィアール)に送られて空港まで行くが、アンは耳の具合が悪く、飛行機をやめてパリの友人のアパートで休むことにする。パリに戻るジャックの車に同乗することになるのだが、「まずランチです」とレストランに誘われ、とびきり美味しいワインと生ハムにメロンを口にした時にはもう、人生を楽しむ術に長けたフランス人男性が案内する寄り道の旅が始まっていた。
サント・ヴィクトワール、プロヴァンスの古城、水道橋など、通りがかる名所を興味深いエピソードを織り交ぜながら紹介するジャック。早くパリへ着きたいと焦っていたアンだったが、ジャックのユーモアとインテリジェンスに富んだ会話が加わると、世界が色と輝きを取り戻したように見え始め、いつの間にか夢中で趣味のカメラのシャッターを切っていた。
最高のレストラン付きのホテルがあるからと、ジャックの提案で1泊することになる。電話をかけてきたマイケルは、「用心しろ、フランス人だぞ」と口では心配してみせるが、本当の用件は自分の背中の痛み止めのありかを聞きたいだけだった。
ホテルのレストランでディナーを共にする二人。料理もワインもジャックの見立ては完璧だった。そのうえ聞き上手で、経営していたブティックを閉めたこと、娘が高校を卒業したことなどを問われるまま話すうちに、アンは「今までは仕事と子育て。このさき、どうすべきか」という悩みまでこぼしてしまう。するとジャックは、「あなたなら何でもできる。チャンスだ」と心を込めて励ましてくれるのだった。一方でジャックは、自分のプライベートは全く語らない。なぜ今でも独身なのかとアンに聞かれても、「いろいろ事情があって──」と言葉を濁す。
翌日も、遺跡見学、ローヌ川のほとりでのワインとチーズのピクニック、さらにリュミエール研究所をジャックの案内で巡るアン。ランチは研究所の女性所長と3人で、リヨンの人気レストランへ行くのだが、どうやら所長はジャックとかつて関係があったらしい。所長にすすめられた織物博物館の展示物に、すっかり心を奪われたアンは、自分が本当に好きなものを再発見するのだった。
「寄り道は、もう十分」と宣言したアンが、ヴェズレーの標識を見て、「あの大聖堂に寄りましょう」と、声を弾ませる。静かな大聖堂に入り、赤子のイエスを抱いた聖母マリア像の前に立ち、思わず涙を流すアン。「何か悲しい想いが?」と優しく問いかけるジャックに、アンは今も胸に秘め続ける、ある出来事を打ち明ける──。(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
映画はカンヌ映画祭が終わった翌日の朝から始まります。
アンとマイケルのロックウッド夫妻は映画祭中、日本の映画関係者と関わっていたのでしょうか、日本人関係者の名前が出てきたり、期間中、ずっと日本食で辛かったと、軽く日本ディスから入ります。
アンはずっと耳が痛くて、飛行場にくるとプライベートジェットの客室乗務員から気圧差があるからやめた方がいいと助言されます。
そこでアンはパリの友人女性の家で休むことにし、電車でパリに向かおうとしますが、ジャックにカンヌ帰りの人で予約が満席で電車は取れないよと言われます。
ジャックは翌日パリで会議があるので車で戻るから送ってくとなります。
アンにもマイケルにも、噛みついたりしない(手を出したりしない)、というのを強調してました。
カンヌからパリまで電車で戻るとTGVで5時間強ですね。
東海道新幹線だと一番早いのぞみで東京から博多まで行けます。
車だとカンヌからパリまでは900kmくらいあります。
ルート検索すると9時間くらいで着くようですが、日本の感覚だと早いですよね。
日本だと東京から山口県光市くらいまでがだいたい900kmですが、高速使っても11時間弱かかります。
日本の高速道路の最高速度が100kmなのに対し、フランスは130kmだからですね。
と言ってもジャックの車はプジョーの504カブリオレという70年代の古い車で、1時間に1回はラジエーターに水を差して冷ましてあげなければならない状態で、最初からのんびり旅です。
出発してすぐに、まずはランチからってなります。
ルートは公式サイトにロードマップが載ってたのでこちらをご参照ください。
もうね、だいたいにして「深夜食堂」とか「孤独のグルメ」とかに「路線バスの旅」を組み合わせたみたいな感じなので、面白いに決まってるんですよね。
ジャックはワイン通であり、食通であり、蘊蓄がハンパないんで尚更です。
しかも料理も、あれも美味しいよ、これも美味しいよ、って自分はあんまり食べないくせにじゃんじゃん頼むので美味しそうなのですが、あれ2人だと絶対残す量ですね。
なんか昔、こんな感じのグルメなロードムービー?を見たことあって、ワインとチーズを摂り過ぎて死ぬぞって言われて、ワインとチーズで死ねるなら本望だ、みたいなやり取りする映画があったんですが、それを思い出しました。
ジャックが独身なのは、昔、共同経営者だった兄が事業に失敗したとき自殺して、その子供の面倒をみていたからとか何とかでしたが、リュミエール研究所の女性所長とは明らかに一発ヤッた雰囲気でしたし、フランス婚とかもあるのであまりアテにならないかな。
アンが胸に秘めてた出来事は、前夫との間にできた子が生後間もなく亡くなったことで、水子への悲しみといいましょうか、そういうのです。
噛みつかないと言っていたジャックでしたが、アンをパリまで送り届けると、気持ちが抑えきれなくなります。
情熱的なキスをしますが、分別のある大人のアンは流されることなくそこまで。
ジャックは後日、ロサンゼルスに行くので会おうと言いますが、2人の今後はいかに…、って感じで終わります。
日本語字幕は戸田奈津子さんなんですが、ジャックがお店の人などとフランス語で話すシーンは日本語訳が付いてないので、劇中のアンと同様、観客も何を言ってるか分かりません。
フランス語で何を言ってるか分かると、また違う見方ができる映画かもしれません。
劇中アンがエスカルゴ捨てるシーンがあるんですが、一般的なアメリカ人てエスカルゴ苦手なんですかね?美味いじゃん!と思って観てました。
まぁ、特に深く感動するとか、人生観変わる!とかは無いですが、面白いですし、美味しいですし、主婦仲間で午前中に観て、そのあと一緒にちょっといい店でランチ(高級店でもランチだと安かったりするので)したりすると楽しいんじゃないかと思います。
PS:ここ最近観た美味しそうな映画をただ貼っていきます。
鑑賞データ
TOHOシネマズシャンテ TOHOシネマズデイ 1100円
2017年 134作品目 累計141900円 1作品単価1059円
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