パンクとニュー・ウェーヴ ☆3点
ニール・ゲイマンによる同名短編小説を『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェル監督が映画化。
1977年のロンドンを舞台に宇宙から来た美少女と内気な少年との運命の恋を描く。
主演はエル・ファニングとアレックス・シャープ、共演にニコール・キッドマン
予告編
映画データ
本作は2017年12月1日(金)公開で全国13館での公開です。
今後も順次公開されて最終的には33館での公開となるようです。
監督はジョン・キャメロン・ミッチェル
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が非常に有名ですが見たことありません。
主演にエル・ファニング
近作は『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』『ネオン・デーモン』『夜に生きる』『20センチュリー・ウーマン』を観てます。
主演にアレックス・シャープ
ブロードウェイの舞台「夜中に犬に起こった奇妙な事件」で第69回(2015年)のトニー賞主演男優賞を受賞してます。
映画はあとネットフリックスオリジナルの『心のカルテ』という作品に出てるみたいです。
共演にニコール・キッドマン
近作は『パディントン』『シークレット・アイズ』『LION/ライオン ~25年目のただいま~』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
ザン: エル・ファニング
エン: アレックス・シャープ
ボディシーア: ニコール・キッドマン
PTステラ: ルース・ウィルソン
PTウェイン: マット・ルーカス
あらすじ
セックス・ピストルズ、ラモーンズ、ヴィヴィアン・ウエストウッド・・・
1977年、ロンドン郊外。音楽だけに夢中だったぼくは、48時間後に別れなければならない相手と恋におちてしまったパンクなのに内気な少年エンは、偶然もぐりこんだパーティで、反抗的な瞳が美しい少女ザンと出会う。大好きなセックス・ピストルズやパンク・ファッションの話に共感してくれるザンと、たちまち恋におちるエン。だが、ふたりに許された自由時間は48時間。彼女は遠い惑星へと帰らなければならないのだ。大人たちが決めたルールに反発したふたりは、危険で大胆な逃避行に出るのだが──
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
地元のライブハウスに潜り込んで打ち上げパーティに参加しようとしたエンたち3人は、パーティ会場が分からず公園に出ます。
公園にいると奇妙な音楽が聞こえてきて、その方に行くと空き家の看板がある一軒家でパーティが開かれてます。
パーティはカラフルでサイケデリックな服を着た人たちがヘンなダンスを踊ってたり、新興宗教のようなミーティングやってたり、ヨガみたいなポーズとってたりと奇妙です。
そのパーティでエンは、グループに反発してハサミでスカートを切ってるザンを見かけ、「それ、パンクだね」と声をかけます。
「パンクって何?」と聞き返すザンに、パンクについて熱く語りライブに誘うとザンも行きたいと言ったことから2人は仲良くなります。
エンの友人が別の部屋でPTステラにアナルマッサージされてると、ステラの体の中から別の男が現れたことから「ここはおかしい、逃げよう」となり3人は逃げます。
するとザンだけが追ってきて、48時間後には帰らなければならないと言ったことから、エンは家に連れていき行動を共にします。
2人はお互いのことを話し、ザンはちょいちょい宇宙人的なことを話しますが、エンはアメリカからの旅行者だと思ってます。
ザンがパンクを見たいというので地元のライブハウスに連れて行くと、地元のバンドを仕切っているボディシーアの目に留まり、ザンが歌うことになります。
ザンが境遇や自分たちのグループへの不満を歌にすると会場はノッてきます。
エンも参加し2人でセッションすると会場は盛り上がります。
会場にはザンのグループもやってきていて、そろそろ戻らないといけないと言います。
ザンは戻りたくないと言い、PTに食べられると言うんですが、この辺がちょっとよく分からなかったです。
ただザンは妊娠したのが分かり、食べられなくて済むようになりますが、地球では子供を産めないと言われます。
ザンは迷った末に宇宙に帰ります。
時間が飛んで1992年。
コミック作家になっているエンは書店でサイン会を開いています。
すると15年前に見たパーティの一団のようなグループがいます。
彼らは遠くから社会見学に来たと言います。
エンは全員にサインすると言って名前を聞き順番にサインをしてるとエンと名乗る青年の番になります。
母親に言われて来たというその青年が自分の息子だと分かると、エンが涙して映画は終わります。
ラストは息子が宇宙から訪ねてきてくれる話なんで鑑賞後感はよかったんですけど、途中ちょっと眠くなっちゃったりして話があんまり頭に入ってきませんでした。
PT,PTとよく言ってて何のことか分からなかったんですけど、ペアレンタル・ティーチャーの略なんですね。
先生的な親ってことかしら?
ザンが街中で知らない人と目が合うと、その人の体を借りてPTが話かけてくるんですけど、ここも最初分かり辛かったですね。
ボディスナッチの能力があるということでしょうか?
宇宙人たちが子を食べるっていうのは、戦争や環境破壊で資源が枯渇してしまったため、親が子を食べて、そのまた親が親を食べて、人口を減らすというのが目的にあって、最終的にはリーダーが自分を食べて種を終わらすっていう、レミングの集団自殺的な群選択(本当は誤り)、個体数調節であることが老女のリーダーから語られます。
ザンはそのことを疑問に思ってPTたちに反発してるのですが、6人いるPTたちにはその制度を変えられる投票権があります。
最初の投票では3対3で現状のままとなりますが、ザンに子が出来たことから投票権を得ます。
ただ子を産んでからでないと投票権を得られないので、ザンは宇宙に帰るわけです。
観てる最中は気づかなかったのですが、こうして感想を書いてると、こういう一連のことは比喩なのかな?と思いました。
参政権を得られたら投票に行くことですとか、子孫へ残す地球の未来のこととか、ある種のアンチテーゼなのかな?と思いました。
6人いるPTに地球人とのハーフを産む予定のザンが加わって7人になるのは「週」みたいな気もしました。
観てる途中で思ったのは、異性が異星人のように思えた思春期や異質なものの象徴なのは当然として、宇宙人がポストパンク/ニュー・ウェーヴの比喩なのかな?とも思いました。
エル・ファニングは毎度のことながら魅力的ですね。
決して物凄い美人というわけではないんですが、不思議な魅力があります。
アレックス・シャープは最初見たときはパッとしませんでしたが、歌うシーンではキリっとしててカッコよかったですね。
ラストも年齢を重ねた違った雰囲気を出していて好演してたと思います。
個人的にはそんなに面白くは無かったんですが、ちょっと変わった雰囲気の映画が見たいなという人にはおすすめです。
鑑賞データ
ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2017年 202作品目 累計217400円 1作品単価1076円
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