フラットライナーズ 評価と感想/医大生たちの失神ゲームの代償

フラットライナーズ 評価と感想
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B級ホラー寄りのサスペンススリラー ☆3.5点

1990年にジュリア・ロバーツやケヴィン・ベーコンらが主演したジョエル・シュマッカー監督作のリメイクで、監督はニールス・アルデン・オプレヴ、主演にエレン・ペイジ、ディエゴ・ルナ、ニーナ・ドブレフ、共演にオリジナルキャストのキーファー・サザーランド

予告編

映画データ

フラットライナーズ (2017):作品情報|シネマトゥデイ
映画『フラットライナーズ』のあらすじ・キャスト・評価・動画など作品情報:ジュリア・ロバーツやケヴィン・ベーコンらが出演した1990年代のサスペンスをリメイク。臨死実験に挑む医学生たちの運命を映す。
フラットライナーズ : 作品情報 - 映画.com
フラットライナーズの作品情報。上映スケジュール、映画レビュー、予告動画。1990年に製作され、ジュリア・ロバーツら当時の若手スターが臨死体験に挑んだ医大生を演じた同名サスペンスホラーを、...

本作は2017年12月22日(金)公開で全国45館での公開です。
公式サイトを見ると50館程での公開になるようです。

映画館で予告編を見たときは、どうして今頃リメイクやるんだろ?需要あるのかな?と思いました。

監督はニールス・アルデン・オプレヴ
監督作は『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』を見たことがあります。

主演にエレン・ペイジ
近作は『スイッチ・オフ』を観てます。

主演にディエゴ・ルナ
近作は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を観てます。

主演にニーナ・ドブレフ
近作は『ウォールフラワー』『トリプルX:再起動』を観てます。

共演にキーファー・サザーランド

オリジナルではネルソン・ライトという医学生の役で、本作だとコートニーの立場ですかね。
本作では主人公たちを指導する教授役です

他に共演と配役は以下の通りです。

コートニー: エレン・ペイジ
レイ: ディエゴ・ルナ
マーロー: ニーナ・ドブレフ
ジェイミー: ジェームズ・ノートン
ソフィア: カーシー・クレモンズ
ウルフソン教授: キーファー・サザーランド
テッサ: マディソン・ブリッジス
アリシア: アンナ・アーデン
イリーナ: ジェニー・レイヴン
サイラス: ミゲル・アンソニー

あらすじ

医学生のコートニーは、“人は死んだらどうなるのか?”という好奇心で<禁断の臨死実験>に挑む。「私の心臓を止めて1分後に蘇生してほしい。」死後の世界を垣間見た彼女は、突然ピアノを弾けるようになるなど不思議な能力が覚醒する。その驚くべき光景を目の当たりにした仲間たちは3分…5分…と臨死時間を競い合うかのように延ばしエスカレートしていくが、臨死《7分》が過ぎた時、そこには想像もつかない恐ろしい代償が待っていた――。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

1990年のオリジナル版は本作同様マイケル・ダグラス製作で、『セント・エルモス・ファイアー』のジョエル・シュマッカー監督、いわゆるブラット・パックのキーファー・サザーランドとケヴィン・ベーコン、それから大ヒットした『プリティ・ウーマン』でブレイクしたジュリア・ロバーツが直後に出演したこともあって、それなりに話題になったと記憶しています。

ブラット・パック映画としての側面もあったと思いますが、上の予告編を見ても見覚えが無かったのでオリジナル版は見てないと思います。
医学生が死後の世界を知りたくて臨死体験する、ということぐらいまでしか知らない中での本作の鑑賞です。

主人公のコートニーは8年前、車の運転中に携帯電話のわき見操作で事故を起こし、妹のテッサを死なせてしまってトラウマになってるのがプロローグで描かれ、8年後の医学生になっている現在が描かれます。

コートニーは臨死体験者が語る「大切な人に会った」などに興味を持ち、インターネットなどで調べて興味を深めていくと自身で試したくなります。

死ぬってどんな感じ?6人の臨死体験者が語る死んだ直後に見えたビジョン : カラパイア
生きている者は死の恐怖から逃れられない。  人は太古の昔から死に強い関心を払い、儀式を執り行なったり、”あの世”を理解しようとあれこれイメージを膨らませたりしてきた。  死は人類に残された最後の謎であり、いかに科学が発達しようとも、そのほと...

コートニーは自身の研究に協力して欲しいと言って、普段は使われない病院の災害時用のバックアップ棟にソフィアとジェイミーを呼び出すと心停止後の脳波を記録して欲しいとお願いします。
驚く2人でしたがコートニーの説得に折れたジェイミーは協力すると言い、ソフィアは渋ってると、コートニーは自ら薬剤を打ち実験を始めてしまいソフィアも協力することになります。

コートニーに言われた手順で心停止から1分後に蘇生させるはずでしたが意識を取り戻しません。
焦った2人は仲間内で一番優秀なレイに連絡すると病院内にいたレイは1分で駆け付けます。
レイの指示の元、蘇生措置を開始するとコートニーは意識を取り戻します。
実験に成功したコートニーたちが、記録した脳波を調べると心停止後も脳が活動していることが分かるのでした。

コートニーには翌日から変化が現れ始めます。
ウルフソン教授のカンファレンスで患者の症状が読み上げられると、次々と的確な診断名を上げていきます。
仲間たちの前では12年前に止めたピアノを流暢に弾き、能力が覚醒したようでした。

コートニーの様子を見て羨ましく思ったジェイミーも臨死体験(フラットライナー)を申し出ると、今度はコートニー、レイ、マーロー、ソフィアも実験に協力します。
ジェイミーはコートニーの1分を上回る2分の心停止を希望し成功すると、翌日から勘が鋭くなります。

臨死体験をしたコートニーもジェイミーも表面上はドラッグをキメたかのような万能感で能力が覚醒したかのようなハイの状態でしたが、身の回りでは不思議なことが起きてました。
コートニーには常に人の気配がし、死んだはずの妹テッサの姿を見ます。
ジェイミーも昔付き合ってた彼女アリシアの幻影や中絶に付き添うはずだった赤ちゃんの泣き声を聞きますが、みんなには話していませんでした。

その頃、お互いに好意を寄せていたレイとマーローは、実験を通してお互いの気持ちを知り付き合うことになります。
そしてマーローは3か月前にクラゲに刺されて運ばれてきたサイラスという患者に既往症が有り、薬が処方されていたのを確認せずに薬を投与してしまい、副作用で死亡させてしまう医療ミスを犯したことをレイに話します。
マーローがその時は36時間働き詰めで判断力が鈍っていたと話すと、レイは仕方ないと言って慰めてくれます。
日々、医学生として忙殺されているマーローはキャリア志向が強く、自分も臨死体験で覚醒したいと言い実験に臨みます。

実験はまた全員で協力するはずでしたが、ソフィアだけ現れなくソフィア抜きで始めます。
マーローはジェイミーの2分を超える3分の心停止を希望します。
3分の心停止後、蘇生措置を試みるもなかなか戻ってこないマーローに皆は焦り始めますが、懸命に蘇生処置してると息を吹き返し皆で安堵します。

ソフィアが実験に来れなかったのは夜、家を抜け出そうとしたところ、母親に止められたからでした。
ソフィアの母も医師で娘を優秀な医師にすることに躍起になっていて、娘の行動や成績を監視していました。
母親に反旗を翻したソフィアは家を飛び出すと、マーローが生還したばかりの皆と合流し、自分も臨死体験したいと申し出ます。

コートニーは次の警備員の見回りまで30分しかないことから別の日にしようといいますが、ソフィアが強引に始めてしまいます。
警備員が見回りを開始したギリギリのタイミングでソフィアを蘇生させると5人はマーローの車で一目散に逃げるのでした。

マーローは日課となってる早朝の水泳が気付くと4時間も泳いでおり、集中力が増して時間の感覚が無くなりますが、それと同時にサイラスの亡霊に悩まされるようになります。

ソフィアは母親からのプレッシャーで、高校時代に秀才だった同級生のイリーナへの嫉妬から、イリーナの携帯電話をハッキングしてヌード写真を拡散させた過去に悩まされるようになります。

ある日、コートニーを除く4人が学校へ行くとウルフソン教授に呼び出されます。
実験のことがバレたかとビクビクして行くと、コートニーがアパートの階段から落ちて亡くなったことを聞かされます。
ジェイミーは前日の夜、コートニーから電話で呼び出されていましたが、アパートを訪ねると応答が無かったため寝てしまったと思い帰ってしまいましたが、ちょうどそのときコートニーはテッサの亡霊に追い回されアパートの外階段から転落していたのでした。

驚いた4人はコートニーの死や自分の身の回りに起きていることに恐怖を感じると共に、実験がバレないようにコートニーのパソコンや携帯の記録を抹消しようとします。
パソコンはすぐに見つかりましたが携帯が無く、死体安置室に保管されているとあたりを付けると、マーローが侵入してコートニーの携帯を回収します。

4人が携帯をチェックしてるとコートニーがビデオメッセージを残していました。
何者かに怯えながら自撮りするコートニーは、研究の為の臨死体験ではなく妹に会いたかったと告白すると、叫び声をあげながら携帯のカメラからフレームアウトする様子が写っていました。

4人はコートニーが自殺ではなく事故死だと考えると、臨死体験後に起きてることを話します。
ジェイミーはウェイトレスだったアリシアを妊娠させると中絶手術に立ち会う約束をしてましたが、そのまま逃げてしまった過去を明かします。
ソフィアはイリーナへのリベンジポルノを明かすと、それぞれの過去の罪が影響してると考え、己の罪と向き合うべきだという思いに至ります。

ジェイミーはアリシアの元を訪ねるとジェイミーに似た小さな男の子を連れていました。
ジェイミーがアリシアに謝罪すると少年はあの人誰?と言うのでした。

ソフィアはイリーナの職場を訪れ謝罪すると受け入れられます。

マーローはレイ以外に医療ミスを打ち明けられませんでしたが、レイはマーローが死体検案書を偽装していたことに気づくと病院に報告すべきだと言います。
キャリアを失うことが怖いマーローはそれを拒否しますが、容赦なくサイラスの亡霊が襲ってきます。
追い詰められたマーローは再び臨死体験して、直接サイラスに謝罪すべく1人で機械に入るのでした。

マーローの臨死体験に気づいた3人は蘇生を試みるも意識を取り戻しません。
それもそのはずで臨死体験中のマーローのサイラスへの謝罪は失敗していました。
するとマーローの元にコートニーが現れ、自分を許すことだと諭すとマーローは意識を取り戻します。

マーローは医療ミスをウルフソン教授に告白し、4人はコートニーのパソコンを橋の上から海に廃棄して映画は終わります。

 

オリジナル版を見たことないからあれなんですが、臨死体験後に起きる恐怖体験は医学生たちによって脳科学的に解明されるのかな?と思ったのですが、そっちの方には話が進まずに、「キャンプ場でバカ騒ぎした大学生たちが殺人鬼の恐怖に怯える」みたいなB級ホラーの方に話しが進んでいったので意外でした。
なので本作はB級ホラー寄りのサスペンススリラーだと思います。

主役のコートニーも途中で死んじゃってエレン・ペイジが途中退場しちゃうのも意外でした。

コートニーはテッサと会いたいわりには、テッサの亡霊にビビってたので物語が破綻してると思いましたが、恐怖に怯えて自撮りで告白するシーンは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』っぽいと思いました。

導入部こそ、医学生が臨死体験に臨むということで医学用語などが出てきてアカデミックな感じがしますが、お話としてはとても単純で悪いことした人は謝ろうというもので、それを恐怖で気づかせるというものです。
秋田のなまはげみたいなもんです、「悪い子はいねがー」って。

なのでストーリー的には面白くないのですが、臨死体験中の映像表現と『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』的なホラー演出は楽しめました。

あと見どころは『トリプルX:再起動』のときに可愛いなぁと思っていたニーナ・ドブレフですかね。
臨死体験中のスポーツブラ姿ですとか、水着姿が堪能できます。
オリジナルがブラット・パック的な映画ということで、若いころのデミ・ムーアのイメージとダブりました。

朝加真由美さん感もあるのか。

それからディエゴ・ルナの金子ノブアキ感が凄いなと思ってずっと観てました。

レイが出てくるたびに「金子ノブアキ、金子ノブアキ」と思って観てました。

本作はアメリカでは1900万ドルの製作費に対し興収1700万ドル弱とコケちゃったですけど、オリジナル版も6100万ドルの興収なので、なぜこれを今リメイクしようと思ったのかは謎です。
ITも1990年版のリメイクでしたけど、90年代のリバイバルブームが来てるんですかね?
テレビでもバブル、バブル言ってますし。

ストーリーはあれですけど、映像表現は現代的になってるのでそれなりに見れますが、わざわざ劇場で観なくてもいいかなと思います。

鑑賞データ

TOHOシネマズシャンテ 1か月フリーパスポート 0円
2018年 3作品目 累計2100円 1作品単価700円

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