わたしは、幸福(フェリシテ) 評価と感想/酒場歌手の肝っ玉かあさん

わたしはフェリシテ 映画感想
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わたしは、ダニエル・ブレイクに近い ☆4点

第67回(2017)ベルリン国際映画祭銀熊賞審査員グランプリ及び2017年FESPACO(全アフリカ映画祭)グランプリ受賞作で監督はセネガル系フランス人のアラン・ゴミス、主演はコンゴ生まれのヴェロ・ツァンダ・ベヤ。コンゴの首都キンシャサを舞台にしたヒューマンドラマ

予告編

映画データ

(シネマトゥデイ)

わたしは、幸福(フェリシテ) (2017) - シネマトゥデイ
セネガル系フランス人監督アラン・ゴミスがメガホンを取り、歌で生計を立てながらシングルマザーとして生き抜く女性の姿に迫る人間ドラマ。コンゴの街を舞台に、懸命に生きる主人公の日々を描く。

(ぴあ映画生活)

わたしは、幸福(フェリシテ)|映画情報のぴあ映画生活
『わたしは、幸福(フェリシテ)』は2017年の映画。『わたしは、幸福(フェリシテ)』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2017年12月16日(土)公開で全国2館での公開です。
今後順次全国されて最終的には24館での公開となるようです。

本作はヒューマントラストシネマ系列で流してた岡村靖幸さんの映画館限定マナーCMが印象的でよく目にしましたね。

『わたしは、幸福(フェリシテ)』×岡村靖幸さん マナーCM放映劇場情報

観よう観ようと思ってたんですが、なかなかタイミング合わず公開から3週経っての鑑賞です。

監督はアラン・ゴミス
セネガル系フランス人で長編監督作は4作目だそうです。
2013年にもFESPACOグランプリを受賞してて同映画祭で2度受賞してるのは初めてだそうです。

主演はヴェロ・ツァンダ・ベヤ
コンゴ民主共和国キンシャサ出身の女優で本作が映画初出演だそうです。

他に共演と配役は以下の通りです。

フェリシテ: ヴェロ・ツァンダ・ベヤ
サモ: ガエタン・クラウディア
タブー: パピ・ムパカ
バンド: カサイ・オールスターズ

あらすじ

コンゴ民主共和国の首都キンシャサ。この街は優しいだけじゃ生きていけない。バーで歌いながら、女手ひとつで息子を育てている歌手フェリシテ。その名前はフランス語で“幸福”の意味。人生は彼女に優しくないけれど、歌うときだけ彼女は輝く。そんな彼女に気があるのは、バーの常連のタブーだ。ある日、フェリシテが目を覚ますと直したばかりの冷蔵庫が壊れていた。同じ日、一人息子サモが交通事故で重傷を負う。連絡を受け病院に急ぐが、医者は彼女に告げる。「前払いでないと手術はできない」。手術代を集めるため、フェリシテは、親族や別れた夫、以前お金を貸した男女、最後には見ず知らずの金持ちのボスを訪ねるのだった。誇り高く、自分を折ることができない彼女の中で何かが壊れていく。絶望から歌さえ歌えなくなるフェリシテ。夜の森を彷徨うフェリシテが見つける幸福とは . . . 。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

予告編を見ても分かるように主人公のフェリシテはバーっていうより酒場で歌うバンド歌手なんですけど、アフリカ音楽っていうんですかね?は、パワーがあります。

たぶん夜の仕事だから朝起きるの遅いと思うんですけど、朝起きると冷蔵庫が壊れてるんで家の表で遊んでる近所の子に修理屋を連れてくるように頼みます。

現れた修理屋はタブーという男でバーの常連で、バーではうんちく垂れたり詩的なこと言ったりして女口説いたり、泥酔して他の客と喧嘩したりする迷惑な奴なんですけど、冷蔵庫を見るとファンが壊れてるって言います。

フェリシテはファンは別の修理屋が前に直したばっかりなのにと言って、修理屋を一括りにしてタブーに怒ります。
タブーはファンを交換すれば直ると言って1万コンゴフラン(700円くらい?)で済むって言うんですけど、フェリシテはこないだも新しい冷蔵庫買うって言ったのにそう言われたから新品が欲しいと言います。
タブーは新品の冷蔵庫だと250ドルすると言い、フェリシテは100ドルで見つけてきてと言い、タブーが間を取って150ドルで見つけてくるというとフェリシテは金を渡します。

タブーがいなくなって昼寝してると電話がかかってきて、息子のサモがバイクに轢かれて病院に運ばれたと連絡があり、フェリシテは急いで病院に向かいます。

病院に着くとサモは野戦病院の部屋みたいなところに収容されててフェリシアは「何でこんな酷い所に収容されてるの」と怒ってるんですが、2つ隣のベッドの患者を看病してたおばちゃんが「看護士さんそこにいるよ」と教えてくれます。
フェリシテは看護士を捉まえて「何でこんな酷い部屋に収容してるの?」と文句を言うのですが、看護師は他の部屋だと料金がかかると言い、まず医師から説明があるから聞いてと言います。

医師の説明ではサモの左足が開放骨折していて命に別状はないけど手術が必要だと言います。
フェリシテはじゃあすぐ手術してと言いますが、医師は手術は100万コンゴフラン(7万円くらい?)くらいかかると言って、入金が確認できないと手術出来ないと言います。
焦るフェリシテに医師はまずは薬を買うように言い、看護師から処方箋をもらうように言います。

サモの部屋に戻ったフェリシテは看護士から処方箋を貰うと薬を買いに行こうとしますが、最初に声を掛けてきたおばちゃんが「私も薬局行くから、疲れてるだろうから買ってきてあげる」と言います。
フェリシテは「じゃあお願い」と言って処方箋を渡すと、おばちゃんはそのまま買いに行こうとするので、フェリシテは「お金は?」と聞くとおばちゃんは「いい」と言います。
改めてフェリシテが「お金持ってるの?」とお金を見せると、おばちゃんは「じゃあ」と受け取って部屋を出て行きます。

フェリシテはサモの食べ物や飲み物を買ったり、受付で内金を入れて手術してくれるよう頼むも断られ病室に戻ると看護士は薬は用意できたかと聞いてきます。
フェリシテは2つ隣のベッドの患者におばちゃんのことを聞きますが、知らない人だと言われ騙されたと気づくのでした。

バーで稼ぐしかないフェリシテですが、バンドの皆が客に呼び掛けて寄付を募ったり、タブーに肉体関係を結ぶと匂わせると自主的に寄付を募ってお金を持ってきてくれます。
しかし全然お金が足りないフェリシテは金策に走ります。

以前歌っていた支払いの悪いバーのオーナーに取り立てに行くと、ちょっと待ってくれと言われ追い返されます。
フェリシテは再度、警察官を連れて行くとすったもんだの末払ってくれます。

また街中では以前お金を貸していた子持ちの女性に取り立てて行きます。
ここでも警察官を連れて行き非情に取り立てると、警察官に賄賂を渡すのでした。

それでも足りないフェリシテはバイクをヒッチハイクして親戚にお金を借りに行くと、フェリシテと名付けられた由来を聞かされます。
サモの父親で再婚してる元夫には悪態をつかれながらもお金をもぎ取っていくと病院に向かいます。

フェリシテは病院の受付でまとまったお金を支払い手術して欲しいと言いますが、あと12万コンゴフラン足りないと言われ、今日中に持ってくると言って再び金策に走ります。

フェリシテは街に出ると、ある豪邸の前で足を止め、呼び鈴を押します。
出てきたのはお手伝いさんでしたが、フェリシテはボスに呼ばれてやってきたと言います。
しかしお手伝いさんは訪問者が来るとは聞いてなくボスには会えないと言います、
フェリシテは私はボスの妹で呼ばれたから来たのよと言ってずんずん入っていきます。
お手伝いさんも根負けして玄関先でボスを呼ぶとボスは妹なんて知らないと言います。
ボスが出てくるとフェリシテは自己紹介して事情を話すとお金を貸して欲しいと言います。
フェリシテは全く見ず知らずの金持ちの家に押し掛けて行ったのでした。

ボスはボスの息子に命じてフェリシテを追い払おうとしますが、フェリシテは動きません。
倒されて引きずられて軽く怪我もしますが、テコでも動かないフェリシテに根負けしてボスはお金を渡すのでした。

お金が集まったフェリシテは急いで病院に向かいますが、病室に向かう途中で医師に会うと、サモは突発的な大量出血が起こりそのままだと壊死してしまうため左足を切断したと言われます。
フェリシテは泣いて取り乱しますが、医師からは切断しなければ命も危なかったと言われ、今後の注意事項を説明されるとサモと会います。
サモはフェリシテと対面しても一言も発しませんでした。

本作は上映時間129分の作品ですが、ストーリーらしいストーリーはここまでで、約90分くらいでしょうか。
このあとはサモは退院して家に戻り、フェリシテとタブーがくっつきそうになったと思ったら離れて、離れたと思ったらまたくっついて、冷蔵庫も直ってサモも喋るようになって映画は終わりますが、こちらのサイトがあらすじ詳しいと思います。

OUTSIDE IN TOKYO / アラン・ゴミス 『わたしは、幸福(フェリシテ)』レビュー
21世紀、ワイルドな現代に生きる大人が見るに値する映画を紹介。監督インタヴュー、映画レビュー、エッセイ等、個性的なオリジナルコンテンツを掲載していきます。

映画はストーリーの間と間にフェリシテが夜の森を彷徨う(暗くて何をやってるかはよく分からない)シーンや、オーケストラのクラシック演奏やバンドの演奏や合唱団の讃美歌のシーンが挟まれ、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
おそらくそれはフェリシテの内面だったり、経済発展を遂げるコンゴの混沌を表してると思うのですが、はっきりとしたことは分かりません。

サモは登場してからフェリシテが買ってきた飲食物を口にしなかったり喋らなかったので、フェリシテとは仲が悪いのかな?と思ったのですが、監督のインタビューを読むと、事故のショックで喋らなくなったというのが念頭にあるみたいです。

http://globe.asahi.com/news/2017121300002.html

基本的なストーリー部分の「シングルマザーで貧しくて、満足な治療も受けさせてあげられない」という部分は社会保障の問題を描いた『わたしは、ダニエル・ブレイク』に近いと思いました。

わたしは、ダニエル・ブレイク 評価と感想/2016年カンヌパルムドール作品
先進国が抱える閉塞感 ☆5点 わたしはダニエル・クレイグ 最初にタイトル見たときにはそう思ったんですけど、映画を観たらそんな冗談は言ってられないほどヘビーでやるせなく、心えぐられる社会派ドラマでした。 ケン・ローチ監督作品は初めて観ました。 小難しい作品が多いのかな?と思ってたんですが、とても分かりやすくて見やすかったです。

コンゴの首都キンシャサの街並みは奥に大きなビルが見えたかと思えば、フェリシテが病院まで歩く道のりはまだ舗装されてなかったりして格差を感じます。

酒場で奏でられるアフリカ音楽のエネルギッシュさは『バンコクナイツ』に通じるものがあると思いました。

バンコクナイツ 評価と感想/東南アジアの歴史を勉強せねばと思いました
理解するのに自分の知識が足りてませんでした ☆4点 TCGメンバーズ会員サービスデーなので、何かないかなぁと思い、鑑賞。 本作は予告編を観たことはなかったですが、映画館でポスターを見て気にはなっていました。 テアトルシネマグループ、角川シネマ、シネマートの各HPをチェックして、本作に決めていざポチろうとしたら、上映時間182分に躊躇。 邦画の3時間級は『リップヴァンウィンクルの花嫁』以来かな?

幻想的なシーンはあまりよく分かりませんでしたが、エネルギッシュな音楽と、子供の手術代のために重戦車のようにずんずん突き進むフェリシテの肝っ玉かあさんぶりは圧巻で面白いと思います。

肝っ玉かあさん|BS12トゥエルビ
シリーズ3作目!舞台はおなじみ、東京・原宿にあるそば屋「大正庵」。女手ひとつで店を切り盛りする、お人よしで情にもろいが頼りがいのある肝っ玉かあさん・大正五三子と、長男の嫁との暖かい人間関係を軸に描いている。

本作は第90回(2018年)アカデミー賞外国語映画賞の候補にも選ばれていて、アフリカ映画はなかなか見る機会が少ないので必見だと思います。

鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2018年 4作品目 累計3100円 1作品単価775円

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