つまらなくはないが面白くもなく ☆3.5点
予告編
映画データ
週刊ヤングジャンプに連載中の石田スイの漫画の実写映画化で監督は萩原健太郎
主演に窪田正孝、共演に清水富美加と鈴木伸之
例によって例のごとく原作は未読です。
清水富美加さんの幸福の科学への出家に伴い、わりと早い時期から注目を集めた本作。
一瞬、公開が危ぶまれましたがすぐに公開が決定されると、松竹系の映画館では早い時期から頻繁に予告編が流れてました。
予告編を観てても『銀魂』と同様にあんまり興味無かったので観る気無かったんですけど、銀魂を観に行ったときに、illion「BANKA」×「東京喰種」特別映像、っていうPVみたいのが流れてて、これちょっといいかも!と思って観に行った次第です。
ていうか、これで完成してるじゃん!と思ってしまいました…。
監督は萩原健太郎さん
劇場長編作は初監督のようで主にCMやPVを中心に活動されてきたようです。
マイケル・ベイ監督やザック・スナイダー監督を輩出しているカリフォルニアのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで映画を学んだ方で、今年『愚行録』で劇場長編を初監督した石川慶さんと同じように海外で学ばれて、っていうパターンですね。
主演は窪田正孝さん
映画は近作ですと『予告犯』『ヒーローマニア -生活-』『ラストコップ THE MOVIE』を観てます。
演技派だと思うんですけど、ヒーローマニアとラストコップは昨年と今年のマイ・ワースト級の作品なので、作品に恵まれてない気もします。
共演に清水富美加さん
近作は『龍三と七人の子分たち』『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』を観てます。
今後は幸福の科学製作の映画に出演されるんでしょうけど、きっと観ないと思いますね。
共演に鈴木伸之さん
『HiGH&LOW』シリーズ観てないんで、映画出演作観てないかな?と思ったら『桐島、部活やめるってよ』に出演されてました。
キャプテンだった桐島がいたバレー部の副キャプテンで、そういえばイケメンでした。
「おっまた~」の前野朋哉さんとは桐島で一緒だったんですね。
TBSのドラマ『あなたのことはそれほど』で完全にお茶の間にもブレイクした感があります。
他に共演と配役は以下の通りです。
金木研:窪田正孝
霧島董香:清水富美加
亜門鋼太朗:鈴木伸之
笛口雛実:桜田ひより
神代利世:蒼井優
真戸呉緒:大泉洋
芳村:村井國夫
永近英良:小笠原海
西尾錦:白石隼也
笛口リョーコ:相田翔子
四方蓮示:柳俊太郎
ウタ:坂東巳之助
入見カヤ:佐々木希
古間円児:浜野謙太
小坂依子:古畑星夏
草場一平:前野朋哉
小倉久志:ダンカン
嘉納明博:岩松了
あらすじ
人の姿をしながらも人を喰らう怪人【喰種(グール)】。
水とコーヒー以外で摂取できるのは「人体」のみという正体不明の怪物たちが、人間と同じように暮らしている街、東京。
ごく普通のさえない大学生の金木研(カネキ)は、ある日、事件に遭い重傷を負ってしまう。
病院に運び込まれたカネキは、事故の時一緒にいた喰種の女性・リゼ(蒼井優)の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。
自分が喰種化したことで苦悩するカネキは、以前から通い詰めていた喫茶店あんていくで働き始め、そこでアルバイトをしている女子高生・霧嶋董香(トーカ)と出会う。
あんていくは喰種が集まる店で、トーカもまた喰種なのだった。
トーカはぶっきらぼうな態度を取りつつも、やがてカネキを助ける存在となっていく。
そんな中、喰種にも人間と同じように、守るべき家族や大切な友人がいること、愛する気持ちや哀しみ、憎しみといった感情があることを知り、カネキは人間と喰種、二つの世界の価値観の中で葛藤する。
一方、喰種を駆逐しようとする人間側の組織・CCG(Commission of Counter Ghoul)の捜査官・亜門(鈴木伸之)、真戸(大泉洋)が現れ、熾烈な戦いに巻き込まれていくのだった…。(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
作品の印象としては、非常に丁寧に撮られているなぁと思いました。
石川慶監督同様、海外の映画学校で学ばれた上手さが出てるとも思いました。
ただお話としては想像の範囲内の展開で収まるので、つまらなくは無いですが面白くも無いという感じでしたね。
松竹は結構前からPRしてたので、勝手に大作をイメージしてたのですが、作品としてはわりと小ぶりな感じで、主人公の葛藤を描いて、情緒に訴えかけてくるようなタイプの映画でした。
なんか観てると、古いというか懐かしい感じもして、微妙にグロキモい感じとか怪物の悲哀とかが「ウルトラQ」っぽいなと思ったり、ベースとなるのが喫茶店なので喫茶店といえばおやっさんで本作では村井國夫さんなんですが、「仮面ライダー」感あるといいますか、そういうのが、こう、ぐわーっと世界観が広がってかない感じで、こじんまりとまとまったのかな?と思います。
あー、相田翔子さん演じるリョーコの触手(「赫子」かぐねって言うんですね)のグロキモい感じもウルトラマンとか仮面ライダーの怪獣・怪人っぽいのかな。
トーカの感じはデビルマンとか。
あとロケ地ですかね。
怪人と対決するのが、ガード下とか河川敷の高架下とかで昔の特撮を思わせます。
立教大学と池袋のロサ会館前(金木が呆然と彷徨ってる)とかも昭和感ありました。
お話としてモヤっとするのは、金木が人肉を食べれるのか葛藤するのに終始してたわりに、そこには決着をつけないところですかね。
亜門たちと対決するために『ロッキー4』ばりのトレーニングシーンが描かれますが、腹が減っててあんな激しいトレーニングは無理だと思うんですよね。
お腹がグーグー鳴ってる描写があるわりに、あれをどうやって解決したのかは描かれずじまいで消化不良でしたので、ヴァンパイアカフェ行きたいと思います。
最初、人肉しか食えないとなって、人肉以外のものを食べたときに吐いてて、水で口をゆすいでたので、どんな生物も等しく水は必要なんだなぁと思ったりしたんですが、コーヒーだけは唯一飲めるっていう設定なんですが、それもあんまり主人公には上手く効いてるとも思えず。
笛口母娘には夫が好きだったコーヒーとしてピックアップされますが、それよりかは自分で人肉を取れない喰種のために、喫茶店で包装してたのが生々しかったので、三大和牛みたいに、松阪人とか神戸人とか近江人とか、どこの肉が美味いぞ、とかやってくれた方がグルメだったかなと思います。
あとよく分からなったのが、金木が亜門に勝って、食おうとする描写の前に、壊れたように笑うシーンがあるんですけど、金木のキャラからいって不自然でないですかね?
喰種にも色んな奴がいて、利世や西尾みたいに悪い奴もいるし、マスターや笛口母娘みたいに理性的な喰種もいる。
金木は後者だと思うんですけど、あそこは急に西尾みたいになるのでモヤっとしました。
あと、入見カヤ役の佐々木のぞみん空気だったよね。
小坂依子役の古畑星夏さんの肉じゃがエピソードも霧島董香とのレズ展開を想像させますが、無くてもいいかな。
本作は2017年7月29日(土)公開で全国で309スクリーンでの公開だったんですけど、初週の週末動員ランキングは3週目の銀魂にも負けてしまって5位スタートでした。
松竹としてはもっと上を目指してたと思うんですけど、テーマ的には致し方ないかなと思います。
同じ週刊ヤングジャンプ連載でワーナーによって実写化された『テラフォーマーズ』(興収7億8千万)のゴキブリみたいに、好き好んで映画館の大画面で人肉食らうのを見に行く人は限られちゃうかなと。
ただ本作はこのテーマにしては映倫区分がPG12で収まっていて不思議なんですが、逆に対象年齢が広がってしまったことで、R15+ながら興収16億円超のスマッシュヒットとなった『アイアムアヒーロー』なんかを見る層を取りこぼしてるのかなぁ?と思いましたけど初日2日間の成績はほぼ同じでした。
アイアムアヒーロー 全国284スクリーン 動員15万9964人 興収2億2568万8700円
トーキョーグール 全国309スクリーン 動員16万6000人 興収2億3200万円
だから最終興収15億くらいはいくのか。
テーマ的にも『寄生獣』や『進撃の巨人』と被ってくる感じなのでストーリー的には目新しさはありません。
自分的には、もう少しストーリーを詰め込んでもいい気がしますが、脚本を詰め込まなかった分、丁寧に撮られているのは好感が持てました。
萩原健太郎監督は上手いと思いましたので、オリジナル脚本の長編作品を観てみたいと思いました。
ストーリー的にいったら☆3点くらいなんですけど、監督の技術で見せてたと思うので0.5点プラスして☆3.5点としました。
(2017年8月3日追記)
本作に関しては感想を書くのに調べてたら、漫画原作全14巻(reは12巻)のうちの3巻くらいまでの内容とのことで、続編や続々編とかでグッとよくなってくるんだろうなという気は致しました。
本作で影が薄く、中途半端な登場で終わってるキャラクターも、後々生きてくるんだろうとも思いました。
ただ清水さんがああなって続編の可能性が完全に断たれたため、このような仕上がりになってるのだろうなぁと思いました。
あの騒動があって、監督は再編集してるんじゃないか?とも思いました。
なんていうんですかね、ストーリー的な盛り上がりがある前に終わってしまってるんだと思いますが、映画としての出来はいいと思いましたよ。
鑑賞データ
丸の内ピカデリー SMTメンバーズ割引料金 1200円
2017年 125作品目 累計132900円 1作品単価1063円
コメント
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