午後8時の訪問者 評価と感想/ドクターXの事件簿~内科医・ジェニー・ダヴァン~

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自分に厳しく他人に優しく ☆4点

予告編はこんな感じです


映画データはこちらからどうぞ
映画『午後8時の訪問者』の作品情報:パルムドールの常連ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ兄弟が手掛けた社会派ドラマ。時間外の応対を拒んだ少女が亡くなったことをきっかけに、正義や良心について葛藤する若き女性医師の姿を描く。
『午後8時の訪問者』は2016年の映画。『午後8時の訪問者』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。
コーエン兄弟やウォシャウスキー姉妹なら知ってるんですが、ダルデンヌ兄弟は初めて聞きました。カンヌ方面疎いもので。
ベルギーの監督さんだそうで、初めましての監督さんでしたが、ヒューマントラストシネマで予告編を観たとき、面白そうだなぁと思い鑑賞しました。

舞台はベルギーなのかフランスなのか、どっちか分からないんですけど、特に地名とかは限定してなかったです。

あらすじは

あの時、ドアを開けていれば――。
診療所近くで見つかった身元不明の少女の遺体。
少女は誰なのか。なぜベルを押したのか。

若き女医ジェニー。まもなく、大きな病院に好待遇で迎えられる予定だ。今は知人の老医者の代わりに小さな診療所を診ている。今度、勤める病院から歓迎パーティーの連絡電話を受けているときに鳴ったドアベル。しかし、時間は午後8時過ぎ、診療時間はとっくに過ぎていた。応じようとする研修医をジェニーは止める。

翌日、警察がやってきて、診療所の近くで身元不明の少女の遺体が見つかったと聞く。午後8時過ぎにドアホンを押している姿が監視カメラに収められた少女こそ、遺体となって発見された少女だった。ジェニーは罪悪感から少女の顔写真を携帯のカメラに残し、時間を見つけては少女の名前を聞いてまわる。彼女の名前は何? 何のためにドアホンを押したのか? なぜ死んでしまったのか?……あふれかえる疑問の中、少女のかけらを拾い集めるジェニー。ある日、患者のひとりを診察中に少女の写真を見せると、脈が急激に早まったことに気づく。そこから少女の目撃情報を得ていくジェニー。少しずつ少女に迫っていけるように思えたその時、ジェニーは襲われ「この件に近づくな」と脅される。そして、警察からは名前がわかった、という連絡が入る。

すべては解決し、これから元の生活に戻るかに思われたその時、意外な真実が発覚する――。

公式サイトより引用)
という感じです。

あらすじにはジェニー(アデル・エネル)って書いてありますけど、劇中はダヴァン医師と呼ばれてました。
このダヴァン医師は見たところ30歳前後と若いんですけど、なかなか優秀な医師で人格者でもあります。
ただ、医師なのにタバコ吸うんですよね。欧米の方がうるさそうなのにあれ?と思いました。

ダヴァンは現在、川向で高速道路沿いにある小さな医院を代理で診療してます。
そこを開業している知人の老人男性医師アブラン(イヴ・ラレク)が入院してるためですが、週明けには大きい病院に移る予定で、そこでは個室も与えられる高待遇ぶりです。

診療所には受付や看護師が居ないので、なかなかに忙しく、研修医のジュリアン(オリヴィエ・ボノー)をOJTしながら診療してます。
その週末、診療してると、待合室で待ってる患者の男の子が泡吹いて痙攣して倒れます。
落ち着いて対処するダヴァンがジュリアンに指示を出すも、ジュリアンは呆然として動けません。
幸い、その男の子は大したこと無かったんですが、ダヴァンはジュリアンに患者の症状にいちいち驚いてたらダメだ、みたいなことを言います。もっと医師として毅然としてないと、って。
そしたらジュリアンが拗ねちゃって(まあ、これは後で理由が分かるんですが)、ダヴァンに反抗的になります。

19時までの診療時間が終わってダヴァンが書類整理中、紹介する患者のカルテを送ったかジュリアンに確認すると、返事しないんですね。
険悪な空気が流れる中、ドアのブザー音が1回だけ鳴ります。ジュリアンが出ようとするんですが、ダヴァンは診療時間も1時間以上過ぎてるし出なくていいと言います。
ダヴァンはその日、週明けに移る予定の病院での顔合わせを兼ねた歓迎会に呼ばれてたというのもあります。
そして、また、そこで、ジュリアンに医師としての心構えを説こうとすると、ジュリアンは怒ってぷぃーと帰ってしまいます。

ダヴァンは診療所を閉めて歓迎会に行くと、往診してる患者の家族から電話が入ります。時間外だけど体調が悪く来て欲しいって。
歓迎会を抜けて患者の家に向かうと、ダヴァン先生が移動して診察が最後になっちゃうから、お別れのサプライズと言って歌を歌ってくれます。それだけ患者にも信頼されてるダヴァン先生。でもダヴァン先生、マジで忙しいです。

翌朝、診療所の鍵を開けようとしてると、近くで身元不明の女性の遺体が見つかったので、防犯カメラに写ってるかもしれないから、見せてほしいと警察に言われます。
警察にテープを渡して診療してると、電話がかかってきて防犯カメラに写ってたと言われます。
診療の合間に警察に行って映像を確認すると、まさしくあのブザーが押された時間に、黒人少女が写ってました。
それを見てひどく後悔するダヴァン。
警察に顔を見たことは無いか、患者やその家族で心当たりある人はいないかを聞かれますが、代理の医師であることなど事情を説明します。
インターホンに出なかったのも、それは当然ですよと警察からも慰められ、誰もダヴァンを責める人はいないんですが、本人は酷く後悔します。

というのも、普段のダヴァンなら出てるんですね。
ただあの日はジュリアンに毅然としたところを見せるためもあって、らしくないことをしてしまいました。
事故なのか事件なのか、どういう経緯で亡くなったのかは分かりませんが、あの時ドアを開けてれば助かったかもしれないという後悔の念が消えません。
おまけに所持品が無く、身元が分からないというのも、後悔の念を強くさせていました。

ダヴァンは診療所のアブラン医師なら患者の中に心当たりがあるかもしれないと考え、入院中のアブラン医師の元を訪れます。
警察で写メらせてもらった写真を見せますが、患者の中にアフリカ系は40家族ぐらいいるが、見たことないと言われます。
アブラン医師からは非難する口ぶりでは無かったですが、開けるべきだったと言われてしまいます。
それからアブラン医師は開業医募集のチラシを今度の病院に貼っといてくれるようダヴァンにお願いします。
もうアブラン医師は診療出来ないので譲り渡すつもりなんですね。
アブラン医師も赤ひげ先生のような人格者なのでしょう。ダヴァンは今回の件もあって自分が医院を継ぐと言います。
移転先の病院に断りの連絡を入れると、考え直すよう説得され、後任の募集も1週間待つからと言われますが、今回の件で人生観が変わったダヴァンは診療所をやることに決めます。

ジュリアンはぷぃーっと出て行ってから診療所に来ません。心配した(事件のこともあって)ダヴァンが訪ねると、医師を諦めて田舎に帰ると言います。自分のせいだと思ったダヴァンは説得しますが、今回の件は関係ないと言います。
これ、普通のミステリーでしたら、急に田舎戻るジュリアンが怪しいってなるんですが、このお話はそういう風にはなりません。人間ドラマですから。

ダヴァンは身元だけでも分からないかと、患者さんとかに写真を見せるんですが、新聞でも見たけど分からないと言われます。
警察には葬儀の日時を知らせてくれるよう頼んでましたが、警察は忘れてて葬儀後連絡があります。
お墓の場所を聞いて霊園に行くと、無縁墓に葬られるのは忍びないってことで10年分420ユーロの供養料を払います。ここまでするなんてホントいい人です。

ダヴァンが一家で診てる患者にブライアン(ルカ・ミネラ)という少年がいます。
その少年の家に往診に行ったときに母親(クリゼット・コルニル)からブライアンは顔が広いということを聞いて写真を見せますがブライアンは知らないと言います。
ダヴァンは往診を終えてブライアンの家を出ると、母親がパートに出かけるのを見計らって、体温計を忘れたとブライアンの家に取りに戻ります。
ダヴァンはブライアンの脈をとった際、写真を見せた前と後では違うのに気づいて、ブライアンが何か知っていると思ったのでした。
体温計を忘れたフリして、ブライアンに何か知ってるのでは無いかと聞きますが、知らないと言われてしまいます。
医者には守秘義務があって口外しないからと説得するも変わりませんでした。

あくる日、診療してると学校の先生に伴われてブライアンがやってきます。
授業中に具合が悪くなったそうで主治医がダヴァンとのことで連れてきてくれたのでした。
ダヴァンはブライアンが話したいのでは無いかと思い水を向けると、ブライアンはその黒人少女が高架下のトレーラーハウスで老人にフェラしてたのを見たと言います。立ち入り禁止のとこで覗いてたのがバレると思って言えなかったとのことでした。

ダヴァンはその情報を元にトレーラーハウスの所有者にトレーラーハウスを買いたいと連絡して会います。
トレーラーハウスで所有者のランベール(オリヴィエ・グルメ)に会うと、買いたいというのは嘘でこの写真の女性を知らないかと尋ねます。このトレーラーハウスで老人相手にフェラしてるのを見た人がいるから、何か知ってるんじゃないかと。
ランベールはブチ切れてダヴァンを追い返します。

ダヴァンは近所の人にトレーラーハウスのことを聞くと、所有者である息子の他に老人ホームに入ってる父親が時々利用してることを突き止めます。

老人ホームに行ってランベールの父親(ピエール・シュムケ)に話を聞くと、息子に口止めされてると言いながらも、良心の呵責からか話してくれます。
女性のことは名前は知らなくて、フランス語で会話は出来るとのこと。息子が用意してくれる女性で詳しいことは分からないが、道端に立っているようなタイプではなく、店舗派遣型のようだと。おそらくネカフェとかで待機してるのはないかと。
説明してくれてるとランベールが入ってきて、ブチ切れて追い出されます。

ダヴァンはとりあえずあてもなく市内のネカフェを回ります。
1軒目に入ったネカフェで電話を利用して、田舎に帰ったジュリアンに電話します。留守録だったのでそっちに行っていいかとメッセージを残します。
受付で電話料を払うと国内なら携帯電話の方が安いのにと言われます。受付が黒人女性だったのでダメ元で写真を見せますが知らないとのことでした。2人ほど客がいたので写真を見せていいか聞くとOKとのことで、2人組の黒人男性と白人男性に見せますが知らないとのこと。

別の日、診療所で寝てると、朝早くにブザーが鳴る音が。出るとブライアンの父親(ジェレミー・レニエ)で、息子が先生に話せたおかげで胸のつかえがとれたようで体調がいいとお礼を言いに来ました。仕事が早いせいでこんな時間に申し訳ないと。

別の日、留守電に入れたジュリアンから連絡が無いので、勝手にジュリアンの家に行きます。
祖父と暮らしてるらしく訪ねると、近くに現場仕事に出てるようで、コーヒー持ってってと頼まれます。
コーヒー持ってジュリアンのとこへ行くと、コーヒー飲む?と聞かれコーヒー貰います。
ハムサンドだかチーズサンドだか食べるか聞かれ、一緒に食べて話をします。
医者を諦めたのは、父親が厳しくて、泡吹いて痙攣した子供を見たとき子供の頃を思い出したから。
自分もああいう症状で病院に運ばれたけど、折檻されてたのに医者は気づかなかったから、そういう子を救いたいと思って医者になろうとしたけど無理だったと。

別の日、ダヴァンが車で走ってると車が並走してきて強引に止められます。
車から降りてきた2人組の男が写真を持ってウロウロ嗅ぎ回るんじゃねぇと脅してきます。
2人組はネカフェにいた男たちでした。
2人組が去ると反対側からブライアンが友達とスクーターで走り去っていきます。
ブライアンが友達をかばってるんじゃないかと考えたダヴァンはブライアンの後を追います。
廃屋から出てきたブライアンに声をかけて真相を聞き出そうとしますが、庭先にあった穴に突き落とされて、ブライアンたちは行ってしまいます。
診療所に帰ってシャワーを浴び終わるとブライアンの父母が訪ねてきて、息子にもう構わないでくれと言われます。

その後、警察から身元が分かったと連絡があって、名前を教えてもらいます。大使館に確認中だと。
それと危ないことしないように注意されます。それから死因としては殺人より事故の可能性が高いことも。

それから、ブライアンの父が訪ねてきて、真相を話し始めます。
ブライアンの父は、その日たまたま高架下で黒人少女を見て売春婦だと直感したので、声をかけて買おうとしますが、逃げられたので追いかけます。
それをブライアンが見ていたのでした。
ブライアンの父に追いかけられた少女は誤って転倒して死んだようですが、そのことを警察に届け出ませんでした。
ブライアンの父はトイレを借りると言ってトイレに入るとなかなか出てきません。
ガタっとした音がしたのでダヴァンが行くと、ネクタイでの首吊りに失敗したとこで、自首を促すダヴァンでした。

その後はジュリアンから連絡あって医師試験を受けたとのこと。ダヴァンと話したことによってトラウマは薄れたようでした。

そして診療所に黒人女性が訪ねてきます。
ネカフェの受付の女性で、実は被害者の姉でした。
姉は男(脅してきた奴)と住んでいましたが、男が妹に心変わりしていたため、妹に嫉妬していました。
男が妹に売春させてたのも知っていましたが、嫉妬から見て見ぬふりをしたことを後悔してました。
ダヴァンにお礼を言って診療所をあとにする際、ダヴァンがハグしていいかと聞いてハグします。
お互い後悔した者同士でした。

とにかく、あの時、こうしていればという後悔しかない映画です。
後悔といえばニューオーダーの後悔しか思いつかないので貼っときますね。


まあ、このタヴァン医師が真面目で本当にいい人っていうのがあるんですが、他人から責められるようなことではないし、普通の人ならここまで気にしないかもしれません。
ただ、このダヴァン医師、ちょっと完璧主義なところがあるかもしれません。
移転する予定だった病院ではここ30年でも一番いい医師みたいに言われてましたし、診療所や往診での対応も完璧です。
唯一、ミスしたのがこのドアブザーでの対応で、自分を許せなかったとも見ることできます。
特に序盤は自分に厳しい分、ジュリアンにも厳しく接してしまった感じもします。

そして、この映画、そこまで絶対的に悪い人(売春させてた男は物語の外ってことで)というのは出てきません。
ランベールにしろ、ブライアンにしろ、父をかばって口をつぐんだ訳で事情としては理解できます。

この映画、監督のメッセージ付き予告編ではサスペンスと言ってますが、ミステリーやサスペンスというよりは人間ドラマです。
ただ、やっぱり、身元不明の少女は何物なのかという興味が、物語に推進力を生むので面白く観れます。

観てる最中は、日本なら主演:田中麗奈、監督:西川美和で作りそうだな、とか思って観てまして、なかなか面白い映画でした。


ヒューマントラストシネマ有楽町 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
2017年 60作品目 累計60600円 1作品単価1010円

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