黒澤明・ジョン・スタージェス両監督にありがとう ☆4.5点
予告編
映画データ
あらすじ
冷酷非道な悪漢バーソロミュー・ボーグに支配された町で、彼に家族を殺されたエマは賞金稼ぎのサム、ギャンブラーのジョシュなど荒れ果てた大地にやってきた<ワケありのアウトロー7人>を雇って正義のための復讐を依頼する。
最初は小遣い稼ぎのために集められたプロフェッショナルな即席集団だったが、圧倒的な人数と武器を誇る敵を前に一歩もひるむことなく拳銃、斧、ナイフ、弓矢などそれぞれの武器を手に命がけの戦いに挑んでいく―。(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
本作は映画館ではあまり予告編見た記憶が無くて、タイトルだけ聞いた時もクエンティン・タランティーノ作品かな?なんて思ってたんですが、完全に去年観た『ヘイトフル・エイト』のタイトルに引っ張られていました。
それで最近になって『荒野の七人』のリメイクと知ったんですけど、そりゃ面白いでしょうと思いましたし、監督が去年観たロッキーチックなボクシング映画『サウスポー』を無難にまとめあげたアントワーン・フークワ監督ということで、これは観たいと思いました。
映画を好きになると、過去の名作を観るようになると思うんですが、ご多分に漏れず私もそのクチで『大脱走』と『荒野の七人』を観て、おもしれーと驚嘆し、スティーブ・マックイーンにハマるっていうパターンです。
そしてまた両方に出てるジェームズ・コバーンやチャールズ・ブロンソンに興味が湧き、そこからまた観る映画が広がっていくんですが、それはまた別の機会に。
それで『七人の侍』は『荒野の七人』のオリジナルだとは知ってたんですが、白黒映画ですし3時間超と長いこともあってなかなか見ずにいて、『荒野の七人』を観て結構経ってから観たんですが、これが本当に素晴らしく非常に面白かった!
1954年って昭和29年に作られたとは思えないくらい、近年のエンタメハリウッド大作にもひけをとらない感じで、脚本よし、映像よし、音響よし、の作品で、後の様々な作品や監督に影響を与えてるのは伊達じゃないと思いましたし、黒澤明監督スゲー!ってなって他の白黒の黒澤作品や同年代の日本人監督の作品を観るに至る、って感じです。
で、マグニフィセント・セブンに話しが戻ります。
主役はデンゼル・ワシントンなんですね。荒野の七人ならユル・ブリンナー、七人の侍なら三船敏郎の役です。
イ・ビョンホンも出てるんですね。西部劇にアジア人?と最初、違和感ありましたが、観てるうちに気にならなくなりましたし、イーサン・ホークとのやおい的イチャチャもあって、人種の多様性+イチャイチャで『スタートレック』かよっ、と思いましたがいい役でしたし、ハリウッドで活躍するアジア人俳優の中でも頭ひとつ抜きん出た存在になったと思いましたよ(ジョン・ローンとかどうしてるんだろ?)。
イーサン・ホークは私が最近観た映画では久々です。『6才のボク』も『パージ』も観てないので。
クリス・プラットはスティーブ・マックイーンの役ですね。最後カッコよかった。スターロード!って叫びたくなりました。
あと、マタギみたいな人やメキシコ人やインディアンと、オリジナルに比べて人種が広がりまして、まあこの点が今リメイクをやる意義かなと思いました。
物語の方はやっぱり知ってるんで、7人が集まって街へ行くっていうくだりは、あんまり面白くなかったんです。
村人との交流もあまり描かれなかったですし。
その代わり、村人の代表を女性のキャラクター・エマ(ヘイリー・ベネット)にしたのはよかったですし、それを伏線にして物語のオチを付けるというのも上手くいってたと思います。
それにしてもエマを演じたヘイリー・ベネットがよかったんですが、『ガール・オン・ザ・トレイン』でもやっぱりよかったって書いてました。タイプなんだな(笑)
はい。それで敵が攻めてくるラスト30分なんですが、敵のボスの名前はバーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)。
バーソロミューといえばくま(ワンピース)なんですが、バーソロミュー・ロバーツっていう大海賊が実在してたみたいで、それくらい憎らしいんですが、雰囲気としては『レオン』のゲイリー・オールドマンみたいでした。
ガンアクションは凄かったですねー。あれ7人対200~300人でしょうか。一気にギアチェンジした感じでノンストップのアクション。命を懸ける義理は無いのに死ぬの分かってて突撃していく感じはアクションシーンなのに泣けましたね。
インディアンに恐れられたマタギのおっちゃんがインディアンにやられるシーン。
イ・ビョンホンとイーサン・ホークのやおい死。
スター・ロード(クリス・プラット)の自爆。
それでラスト、エルマー・バーンスタインの荒野の七人のテーマ曲でしょう。もうやられましたよ。テーマ曲だけで涙出そうでした。
それでマグニフィセントってどういう意味だろうと思ったんですけど、辞書で見ると壮大なとか崇高なって意味みたいですが『荒野の七人』の原題がマグニフィセント・セブンなんですね。「荒野の七人」は「荒野の七人」だろうって刷り込まれてました…。
ラスト30分のアクションやアイデアは西部劇だけじゃなく他のアクション映画を含めても面白いと思いますし、鑑賞後感も非常によかったので☆4.5点です。
鑑賞データ
新宿ピカデリー 次回割引鑑賞クーポン 1200円
2017年 20作品目 累計17000円 1作品単価850円
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