キレキレのダンスもよい ☆5点
19世紀にアメリカで活躍した実在の興行師P・T・バーナムをモデルに『ラ・ラ・ランド』の音楽チームが手掛けたオリジナルミュージカル映画で監督はマイケル・グレイシー。主演はヒュー・ジャックマン、共演にザック・エフロン、ミシェル・ウィリアムズ、レベッカ・ファーガソン
予告編
映画データ
本作は2018年2月16日(金)公開で、全国376館での公開です。
めちゃめちゃ公開館数多くてビックリしたんですが、ほぼ『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』と同じですね。
昨年『ラ・ラ・ランド』が興収44.2億円とヒットしたのと、スターウォーズもちょうど公開から2か月経って上映館が空いてきたことから、この公開規模になったんでしょうかね?
予告編は今年の洋画では一番見ました。
監督はマイケル・グレイシー
VFX映像の第一人者だそうで本作が初監督作品なんだそうですが、8400万ドルの製作費を任せられるんだからハリウッドって凄いですね。
ハリウッド版『NARUTO』の監督にも予定されてるそうです。
主演はヒュー・ジャックマン
ウルヴァリンシリーズを見てないので昨年の『LOGAN/ローガン』も見逃したんですが、『レ・ミゼラブル』も見てないので、何気に劇場で見てない感じです。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『プリズナーズ』はめちゃめちゃ面白かったですね。
来日時は恒例のすきやばし次郎、今回は行ったんでしょうかね?
有楽町(ヒューマントラストシネマのとこ)には居たみたいですが。
Spectacular morning in #Tokyo !!! @GreatestShowman pic.twitter.com/wuJLzyfb3U
— Hugh Jackman (@RealHughJackman) 2018年2月13日
共演にザック・エフロン
近作は『ダーティ・グランパ』を観てます。
共演にミシェル・ウィリアムズ
近作は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を観てます。
共演にレベッカ・ファーガソン
近作は『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『ガール・オン・ザ・トレイン』『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』『ライフ』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
P・T・バーナム: ヒュー・ジャックマン
フィリップ・カーライル: ザック・エフロン
チャリティ・バーナム: ミシェル・ウィリアムズ
ジェニー・リンド: レベッカ・ファーガソン
アン・ウィーラー: ゼンデイヤ
レティ・ルッツ: キアラ・セトル
W・D・ウィーラー: ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世
あらすじ
19世紀半ばのアメリカ。
幼なじみの妻チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)を幸せにすることを願い、挑戦と失敗を繰り返してきたP.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、オンリーワンの個性を持つ人々を集めたショーをヒットさせ、成功をつかむ。
しかしバーナムの型破りなショーには根強い反対派もいた。
裕福になっても社会に認めてもらえない状況に頭を悩ませるバーナムだったが、若き相棒フィリップ(ザック・エフロン)の協力により、イギリスのヴィクトリア女王に謁見するチャンスを手にする。
レティ(キアラ・セトル)たちパフォーマーを連れて女王に謁見したバーナムは、そこで美貌のオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)と出会う。
彼女のアメリカ公演を成功させれば、一流のプロモーターとして世間から一目置かれる存在になれる。
そう考えたバーナムは、ジェニーのアメリカ・ツアーに全精力を注ぎ込むと決め、フィリップに団長の座を譲る。
そのフィリップは、一座の花形アン(ゼンデイヤ)との障害の多い恋に悩みながらも、ショーを成功させようと懸命に取り組んだ。
しかし、彼らの行く手には、これまで築き上げてきたものすべてを失いかねない危険が待ち受けていた。(公式サイトhttp://www.foxmovies-jp.com/greatest-showman/より引用)
ネタバレ感想
20世紀フォックスのオープニングが古いタイプのやつで始まる本作。
どの年代のかは分かりませんが1980年代以前のカラーのやつです。
20世紀フォックスの前身の20世紀ピクチャーズが1934年に『曲芸団』というバーナムの伝記映画を制作してるからでしょうかね?
映画はそのまま予告編でも流れてる、サーカス小屋のバックステージの「オー、オオ、オー」(曲名ザ・グレイテスト・ショー)というやつで始まります。
歌が終わると、それはバーナム少年の夢見る未来で、極貧の少年時代がテンポよく描かれます。
ウィキペディアでP・T・バーナムの項目を見ると、彼の父親は「宿屋兼商店の主人」だったと書かれているので、映画で描かれてた洋服の仕立屋は脚色でしょうか。
とにかくこの時の仕立先で上流階級の家の娘チャリティと出会い、彼女は全寮制の学校へ行ったので文通するようになり、その間にバーナムの父は死に、父子生活だったバーナムは極貧生活を極めることになります。
学校を卒業したチャリティが戻ってくると、彼女の両親には反対されながらも、バーナムは結婚します。
都会(ニューヨーク)に移り住み、娘も2人出来て、海運会社に勤めてましたが、船の大量転覆による業績の悪化で会社をクビになると、元来の興行主としての夢が頭をもたげるようになります。
銀行を回り、自身の夢である「バーナムの博物館」の事業計画を話しますが、担保が無いと融資出来ないと言われます。
バーナムは銀行を騙して、海運会社の廃棄書類であった転覆した船の登録証を担保に1万ドルの融資を受けると、潰れた博物館跡のビルを買います。
家族の協力を得て改装し、受付の人を雇い、動物の剥製やイギリスから仕入れた蠟人形など、バーナムにとっての珍しい物を並べますが、客が全く入りません。
バーナムが頭を抱えていたところ、娘がボソッと「お父さんの博物館は死んだ動物しかいない。ユニコーンとかいればいいのに」と言われます。
それで閃いたバーナムは銀行に融資を受けに行ったときに、小人症の人が追い返されていたのを思い出します。
バーナムはその人の家に行き応対してくれた母親に会わせてくれるように頼みますが、家にはそんな子はいないと誤魔化されます。
バーナムは必ずスターにしてみせると説得するとその小人が出てきて契約を結びます。
その後もバーナムはスカウトや募集をかけて珍しい特徴や特技を持った人を集めると、フリークスの集団でショーを開始します。
このショーはすぐに評判になり、連日多くの人が押し寄せると、瞬く間にバーナムは金持ちになります。
チャリティの両親を見返すように豪邸を買い、娘をバレエ教室に通わせると上流社会の仲間入りをします。
連日満員のショーでしたが、舞台批評家からはキワモノ扱いで酷評され、上流社会からは成り上がりとして煙たがられると、彼らも見返そうとムキになるバーナムでした。
ある日バーナムは上流社会のパーティーで、新進の劇作家のフィリップを知ります。
上流階級出身のフィリップは批評家受けもよくバーナムが求める物を持っていました。
バーナムが訪れたバーでフィリップが1人で飲んでいたことから声を掛けると、フィリップも話題の興行師としてバーナムのことを知っていました。
バーナムはフィリップに「君のように批評家や上流社会から評価されたい」と言うと、フィリップは「堅苦しいだけで、そんなにいいもんじゃない」と言い「新しいことにチャレンジしてるあなたの方が立派だ」と言われます。
しかし、どうしても上流社会に認められたいバーナムはフィリップを説得してパートナーとして加わってもらうのでした。
フィリップが加わってもバーナムのショーは相変わらず、批評家や上流社会からは受け入れられませんでした。
また地元住民の差別主義者からは、こんなショーをやるなと抗議を受けていました。
しかしショーの評判は海を渡り、イギリスのヴィクトリア女王の耳にまで届いていて、フィリップのつてでパフォーマー達と一緒に女王と謁見する機会を得ます。
女王お気に入りの小人の毒舌でパーティー参加者の心を掴むと、イギリスの上流社会では一気に認められるバーナムでした。
そのパーティーにはヨーロッパで大評判になっている歌手のジェニー・リンドも招待されていました。
バーナムはジェニー・リンドを知りませんでしたがフィリップからそのことを聞かされると紹介してくれと言います。
フィリップもジェニーと面識は無かったので躊躇してると、バーナムは自ら近寄り挨拶を始めます。
バーナムは「自分の耳には自信が無いが、周囲の評判は信じる」と言うと、まだ歌声を聞いたことの無いジェニー・リンドのアメリカ公演を持ち掛けます。
フィリップのときと同じように熱く語ると、ジェニーからも了解を取り付けるのでした。
ジェニー・リンドのニューヨーク公演の日。
舞台袖にいるバーナムはその歌声に感動の涙を流すと、観客からもスタンディングオベーションを受け、大成功に終わります。
アフターパーティーにチャリティの両親が来ると、バーナムはその成功を鼻にかけ嫌味を言います。
またジェニーの素晴らしい歌声に感動したパフォーマーたちもパーティに出席しようとしますがバーナムはやんわりと拒否するのでした。
公演が批評家からも絶賛されると、家族やフィリップの反対を押し切って41公演目から利益が出るアメリカツアーを発表します。
バーナムはジェニーのツアーに集中するため、ショーの方はフィリップに任せっきりにするとパフォーマー達からもバーナムは変わってしまったと思われるようになります。
妾の子だったジェニーはバーナムと境遇が似ておりシンパシーを寄せていて、そのことがまた圧倒的なパフォーマンスに繋がっていましたが、バーナムはツアーを回るうちに家族をないがしろにしてることに気づくと、6公演目からは帯同しないとジェニーに告げます。
ジェニーは「自分もバーナムの商品でしかなかったのか」と言うと、もうツアーを回らないと言います。
5公演目のステージの最後、檀上に登場したバーナムにジェニーがお別れのキスをすると、後日、新聞の一面記事になりますが、そのことを知らずにバーナムはニューヨークに戻ります。
久しぶりにニューヨークに戻ったバーナムは娘のバレエ発表会に出席し家族を安心させましたが、その裏では大変なことが起こっていました。
フィリップが行ってるショーの終演後、居残った差別主義者たちと対立すると、ビルが放火され火事になってしまいます。
バレエ発表会の帰り道に火事を知ったバーナムが駆け付けると、フィリップが恋心を寄せる空中ブランコのパフォーマーのアンの姿が見えなかったためビルの中に救出に入ったところでした。
しかし、アンは別の所から出てきてパフォーマーは全員無事でした。
バーナムは燃え盛るビルの中に入っていくとフィリップを救出します。
悪いことは続きます。
バーナムが家に帰ると新聞があり、バーナムとジェニーがキスしてる写真が一面に掲載されツアーが中止になったことが報じられていました。
実家に帰ると言うチャリティに写真の誤解を解こうとするバーナムですが、チャリティはそのことで帰るのでは無いと言います。
バーナムはジェニーのツアーのために家を抵当に入れて費用を捻出していましたが、そのことをチャリティに相談しておらず、そのことを怒っていました。
そしてツアーが中止になって赤字になったため既に家を取り上げられていたのでした。
何もかもを失ったバーナムがバーで酒に溺れていると、パフォーマーたちがやってきます。
意気消沈してるバーナムに、あのショーは自分たちの居場所だったと言って再建しようと励まします。
いつしか変わってしまったバーナムは最初の気持ちを取り戻し再建に向けて動き出すと、体調が回復したフィリップも合流します。
焼け落ちたビルの前で再建を思案するバーナムですが、銀行はもう融資してくれなかったと言います。
すると、無駄遣いをするバーナムを危惧して、今までの取り分を貯金してたとフィリップが言い、それを使ってくれと言います。
バーナムはフィリップの好意に甘え、再び思案しますが建物を建てるにはお金が足りません。
すると子供の頃に夢見た大テントでの興行を思い出し準備に取り掛かります。
バーナムはチャリティの実家を訪れると、理想を追い求め過ぎるあまり家族をないがしろにしてしまったことを謝り、再びニューヨークに呼び寄せます。
冒頭のシーンに戻ると、広くなったステージでパワーアップしたショーが繰り広げられます。
バーナムは踊りの隊列の中央に加わると、フィリップを呼び寄せます。
「自分はこれから家族サービスに戻る。主役は君だ」と言って、フィリップに中央の座を譲るとフィリップが踊って映画は終わります。
話のあらすじとしては昨年公開された『SING/シング』に近いと思います。
『SING/シング』では主役の劇場主のコアラのバスター・ムーンが「クソ過ぎる」の声があったのと同様に、本作のバーナムも「クソ過ぎる」の声があるようですが、自分はSINGでもそんなに気にならなかったので、本作でも気になりませんでしたね。
というかウィキペディアを見る限り、実際のバーナムの方が山師で映画の方が美化されてる感じだと思います。
これ知らなかったんですが、「バーナム効果」の語源になってる人だったんですね。
だから実際のバーナムはかなり胡散臭い感じだったんじゃないかと思います。
調べてみると1986年にバート・ランカスター主演でテレビ映画になってるようですね。
なのであんまりP・T・バーナムの実話を描いたとして見ないで、本作は本作で切り離して見た方がいい感じがしますね。
ミュージカル映画ですし、子供時代も1曲の間で終わらせてましたし(笑)
ただバーナムがちょっとあれでも、フィリップとチャリティがいい人だったので救われました。
成り上がる方がギラギラしてて、上流社会にいた方の人が「金持ち喧嘩せず」というかおっとりしてるっていいますか。
テーマは『ズートピア』なんかでも描かれていた偏見や差別。
19世紀のお話に現代アメリカ社会の問題を投影させるのはありきたりの声もありますが、『フリークス』が1932年に作られていることを考えるとテーマは普遍なんじゃないかと思います。
サントラがオリコンチャートで1位になってるように、『ラ・ラ・ランド』の音楽を手掛けたベンジ・パセックとジャスティン・ポールの楽曲が何よりいいですよね。
「This is Me」もいいですが
自分はトム・クルーズが『ミッション:インポッシブル』シリーズのヒロインとしては唯一、2作連続で起用するに至ったレベッカ・ファーガソンの美しさも相まって「Never Enough」が好きですね。
と思いましたけど、やっぱり「This is Me」もいいですね。
本作はどういう訳か、ロッテントマトのトマトメーター55%をはじめ、批評家の評価が低いんですが心が捻じ曲がってるんでしょうか(笑)
なんだろ?バーナムの伝記映画が見たいんですかね?
ただ作品の良さは観客の行動に現れてて、全米でのオープニング興収(約800万ドル)を見る限り、1億ドル超えは絶望的だったんですけど、2週目以降に驚異の粘り腰を見せて、5週目に1億ドルを突破しています。
全米では2018年2月19日現在、9週目に入ってて1億5千万ドルを突破してます。
日本ではオープニング土日2日間で4億円弱、金曜日からの3日間で5億円を超えているので洋画実写としてはかなりいい方だと思います。
普通にいい作品ですので、どなたにもおすすめ出来るんですが、この作品は音が命だと思いますので是非映画館で観ていただきたい作品だと思います。
鑑賞データ
新宿ピカデリー SMTメンバーズ割引クーポン 1200円
2018年 32作品目 累計22500円 1作品単価703円
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