リングサイド・ストーリー 評価と感想/現場飛ばす役者にもうノレず

リングサイドストーリー 評価と感想
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そもそも上がる舞台が違うと思う ☆3点

『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞や最優秀脚本賞に輝いた武正晴監督の最新作でオリジナル脚本のファイト・ラブコメディ。主演に佐藤江梨子と瑛太

予告編

映画データ

リングサイド・ストーリー (2017):作品情報|シネマトゥデイ
映画『リングサイド・ストーリー』のあらすじ・キャスト・動画など作品情報:さまざまな映画賞を受賞した『百円の恋』の武正晴監督が、佐藤江梨子、瑛太と組んだラブコメディー。
http://cinema.pia.co.jp/title/172532/

本作は2017年10月14日(土)公開で、全国で16館ほどでの上映です。
今後順次全国で公開されるみたいで最終的には29館での上映となるようです。

本作は映画館で予告編は見たことなくてポスターを見たくらいです。
『百円の恋』の武正晴監督ということで観てきました。

監督は武正晴さん
今回初めてウィキペディアで経歴を見てみたんですが助監督歴が長い方なんですね。
監督作は前作の『百円の恋』しか観たことがありません。

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主演に佐藤江梨子さん
近作は『R100』を観てます。

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映画終わった後、劇場に貼ってある雑誌のインタビュー記事読んでたら、夫って言葉が出てきたので結婚したんだっけ?と思いましたがそういえば結婚されたの思い出しました。

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主演に瑛太さん
近作は『まほろ駅前狂騒曲』『殿、利息でござる!』を観てます。

他に共演と配役は以下の通りです。

江ノ島カナコ: 佐藤江梨子
村上ヒデオ: 瑛太
敦賀淳一: 有薗芳記
杉田新三: 田中要次
伊藤俊輔
レッスル1事務員: 奈緒
村上和成
ロベルト・ホンダ: 高橋和也
K-1社長: 峯村リエ
武藤敬司: 武藤敬司
カズキ: 武尊
梅宮健太: 黒潮“イケメン”二郎
弁当屋社長: 菅原大吉
小宮孝泰
俳優仲間: 前野朋哉
岩井監督: 岩井俊二
恭子の友人: 角替和枝
百木清太郎: 近藤芳正
江ノ島恭子: 余貴美子

あらすじ

10年付き合い同棲中の江ノ島カナコ(佐藤江梨子)の彼は、ヒモ?同然の売れない役者“村上ヒデオ”(瑛太)。
出会った頃、舞台袖で見たヒデオは輝いていて、7年前大河ドラマに出た時は、カンヌ映画祭に連れていってくれると信じていた。最近は、相変わらずオーディションに落ち続け、マネージャー百木(近藤芳正)が決めたエロVシネの大役さえ、撮影当日にドタキャンする始末。
ある日、カナコは勤め先の弁当工場を突然クビになり生活は大ピンチ!
プロレス好きだったヒデオは、武藤敬司率いるプロレス団体「WRESTLE-1(レッスルワン)」の広報が人員募集している事を知り、彼女の職探しをアシストする。
しかし新天地でイキイキと働きだし、自分を構わないカナコを、浮気していると勘違いして嫉妬に狂ったヒデオは、とんでもない事件を起こしてしまう。
事件のケリをつけるため、K-1チャンピオン和希(武尊)との一騎討ちを命じられたヒデオ。果たして、愛するカナコのために、ヒデオは一世一代のリングという大舞台に上がるのか!?

(公式サイトhttp://ringside.jpより引用)

ネタバレ感想

瑛太さん演じる村上ヒデオは『ばしゃ馬さんとビッグマウス』で安田章大さんが演じた天童義美みたいにビッグマウス連発で、天童と違うのはカナコの完全なヒモであるくらいで、ほとんど似てます。

ばしゃ馬さんでも居酒屋に有名監督がくると脚本家志望の人たちが群がって天童だけが背をそむけてましたが、本作でも役者仲間でいち早く売れっ子になった前野朋哉さん演じる役者が岩井俊二監督(本人役)を居酒屋に連れてくると、ヒデオの役者仲間は群がりますが、ヒデオはただ一人背を向けてます。

ヒデオは就職情報誌でレッスルワンが契約社員を募集してるのを見つけると、カナコにここがいいと勧めます。
ヒデオがプロレス好きで関係者特典で試合が見れたりするんじゃないか?と思うからなんですが、カナコに内緒でプロレスへの熱い思いをしたためた手紙を勝手に出すと、勘違いした常務の杉田に「君のような人を待っていた」と言ってカナコは採用されます。

カナコはプロレスのことなど何も知らず戸惑いますが、選手の洗濯物の雑務からチケット販売の営業補助まで、持ち前の真面目さや酒が強いことが幸いしてチケットが売れたりして、選手や社員からも慕われるようになります。

ある日、カナコは試合の手伝いで札幌に行くことになります。
元々はヒデオと同じ役者仲間だったカナコは舞台の公演で仙台に行ったのが人生最北の地だと言って喜んでます。

カナコが札幌遠征から帰ってくると、梅宮選手の実家が札幌の水産会社でスポンサーに付いてくれたことから、大量の毛ガニをもらってきます。
ヒデオはレイトショー上映されるエロVシネの2番手の役の撮影現場を飛ばしパチンコに行って勝つと、カニ缶を用意してカナコの帰りを待ってたのですが面白くありません。

梅宮選手とデキてるんだろと嫉妬し、カナコと喧嘩すると出ていけと言います。
家賃を払ってるのはカナコなので出ていく筋合いは無いのですが、俺の方が家に居る時間が長いっていうよく分からない理由ですが、実家が美容室で近いカナコはとりあえず退避します。

別の日、レッスルワンの試合会場で梅宮選手が試合してると「梅宮水産の商品は腐っている」という横断幕が掲げられます。
犯人はヒデオで、カナコの関係者パスをコピーして不正に入場していたのでした。
捕まった犯人を見て驚いたカナコが代わりに謝りますが、ヒデオはふてぶてしいままです。
真面目なカナコは慰留されますが、責任をとってレッスルワンを辞めます。

ここら辺までは基本コメディなので笑って観られたんですが、この後の展開が段々、雑になった気がします。

カナコはレッスルワンの選手に紹介されてK-1の広報の職を得ます。
ここでは前職の経験があるのでスムーズに仕事をこなします。

ある日、武藤ベアーの着ぐるみの中に入る人が怪我してしまって代役を探してます。


演技出来る人がいいということで、カナコがヒデオに持ち掛けます。
顔も出さなくていいし、事務所も通さなくていいし、割のいいバイトだと。
ヒデオも納得して引き受けます。

K-1の試合会場。
着ぐるみに入ったヒデオは少し仕事すると、すぐにさぼってます。

その頃、試合を前にしてナーバスになっていたカズキ選手が控室から消えてカナコたちが探してました。
空き部屋でカナコがカズキ選手を見つけると、バンデージを巻いて欲しいと言われます。
カナコがバンデージを巻き終えるとカズキ選手にハグされますが、一部始終をさぼっていたヒデオが見ていました。

カズキ選手の試合。
カズキ選手が入場口に現れると、なぜか武藤ベアーが後ろについています。
花道を歩いてリングに近づくカズキ選手の後ろから武藤ベアーが頭を叩きます。
嫉妬にかられたヒデオの仕業で取り押さえられると控室に連れていかれます。

K-1社長から叱責を受けるヒデオでしたが、相変わらず反省の色が見えません。
カズキ選手がカナコと抱き合っていたと言って、お前なんかぶちのめすと騒いでます。
カナコはレッスルワンのときと同じように「責任を取って辞めます」と言いますが、社長が一計を案じます。

次回の大会でカズキ選手と対戦し1ラウンドもたなかったらカナコと別れるというものでした。
カナコは団体にとって大事な人材、ここで頑張れないような男なら見切りをつけて別れろという社長の判断です。
売り言葉に買い言葉でヒデオは引き受けます。

うーん、ここら辺までいくと、いくらコメディ映画とはいえ、プロと素人の試合なんて無謀だよなぁと思い笑えなくなります。

この後は完全にロッキーのトレーニングシーンのパロディになります。
ロッキーでのフィラデルフィア美術館での階段シーンは、駒沢オリンピック公園の階段なんですが、無いなぁと思ったのがトレーニングに協力してくれるのが村上和成選手やレッスルワンの選手なんです。
さんざん迷惑掛けたのでそれは無いなぁと思って、物語が破綻してる、と思ったらもうノレなかったです。

マネージャーの百木やカナコの母にしてもそうですが、周囲の人がヒデオに甘すぎるんですが、何かヒデオに特別な魅力があるのが描かれる訳でもないんで説得力が無く、ご都合主義的過ぎだろうと思ってしまいました(村上ヒデオ傑作選みたいなビデオは流れますが)。

その後、試合前日にヒデオはグダって、カナコに試合には出ないと言います。
カナコは最後くらいカッコイイところを見せてよと言いますが、その声は届くのか?というラストになります。

試合会場。
カズキ選手は入場してますが、ヒデオは現れません。

レフェリーがヒデオの不戦敗を告げようとすると、音楽がかかりヒデオが現れます。

須藤元気選手みたいな入場シーン(ここまで派手じゃないけど)で派手に登場しますが、当然のように秒殺KOされます。

気絶して目を覚ましたら控室ですが、健闘したヒデオにカナコはうっとりしてます。

結局カナコはヒデオと別れずK-1の仕事を続け、ヒデオも役者を続けるっていう、何も変わらないまま映画は終わります。
以前、舞台袖で見ていたヒデオは輝いていた、ということから、今回の輝きでまた10年付き合えるのでしょう。
なので映画的なカタルシスとかそういうのは何もなかったです。

ただ『百円の恋』にしてもそうですが、監督が格闘技全般好きなんだろうなぁというのは伝わってきました。

瑛太さんは「最高の離婚」でDDTのリングに上がり、本作でK-1のリングと2つの団体のリングに上がった俳優となります。

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彩プロ30周年作品ということで主題歌をフラワーカンパニーズが務めるなどそれなりに豪華ですが、正直2時間ドラマでもいいんじゃないか?っていう内容だと思いました。

鑑賞データ

新宿武蔵野館 水曜サービスデー 1000円
2017年 172作品目 累計184100円 1作品単価1070円

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