害獣としてのうさぎを描く ☆3.5点
20世紀初頭にビアトリクス・ポターによって書かれ累計発行部数2億5千万部を超える同名児童書の初実写映画化。
監督はウィル・グラック、主演にローズ・バーンとドーナル・グリーソン、ピーターラビットの声にジェームズ・コーデン
予告編
映画データ
本作は2018年5月18日(金)公開で、全国311館での公開です。
配給はソニー・ピクチャーズ
劇場での予告編はそれほど目にしなかった気がするんですが、たまたまミュージカル風のやつを見たとき、可愛いと思って見たいと思いました。
ピーターラビットは名前しか知らず、どんな話かも知りません。
当然の如く原作は未読で、字幕版で鑑賞しました。
監督はウィル・グラック
名前を聞いたことが無く初めましてですが『ANNIE/アニー』の監督でした。
主演にローズ・バーン
『インシディアス』とか『X-MEN』とか『ネイバーズ』に2作ずつ出演してますけど、悉く見たこと無いので初めましてです。
『ANNIE/アニー』にも出演しています。
主演にドーナル・グリーソン
近作は『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』『不屈の男 アンブロークン』『エクス・マキナ』『ブルックリン』『レヴェナント:蘇えりし者』『バリー・シール/アメリカをはめた男』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
ビア: ローズ・バーン
トーマス・マクレガー: ドーナル・グリーソン
マグレガーおじさん: サム・ニール
(声の出演)
ピーターラビット: ジェームズ・コーデン
カトンテール: デイジー・リドリー
フロプシー: マーゴット・ロビー
モプシー: エリザベス・デビッキ
ベンジャミン・バニー: コリン・ムーディ
かえるのジェレミー・フィッシャー: ドーナル・グリーソン
あひるのジマイマ・パドルダック: ローズ・バーン
フェイサル・バッジ: ミスター・ドット
ティギーおばさん: シーア
トミー・ブロック: サム・ニール
あらすじ
ピーターは世界で一番幸せなウサギ。たくさんの仲間に囲まれ、画家のビアという心優しい大親友もいる。亡き両親のことを想うと寂しいけれど、ビアの存在がすべてを吹き飛ばしてくれる。ところがある日、大都会ロンドンから潔癖症で動物嫌いのマグレガーが隣に引っ越してきたことで、ピーターの生活は一変!今までの幸せを守りたいピーターと、あの手この手で動物たちを追い払おうとするマグレガーとの争いはエスカレート。さらにビアへの“恋心”も絡まって思わぬ大事件に発展!ピーターはあるミッションを秘めて、初めてのロンドンへ向かうのだが——。
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
「可愛いイメージで観ると大やけどする映画」っていう記事を読んだんですけど、感想はまさにそんな感じでした。
もっとほっこりした映画かと思ったんですけど、ほぼバトルに終始する映画です。
でも実はビアトリクス・ポターの原作がそうらしいのです。
(そういえば数年前にハリーポッターの親戚かなんかと勘違いして『ミス・ポター』のタイトルに惹かれ、見に行こうかと思いましたが未だ見ていません…。もう10年前でした)
ピーターラビットとトーマスのバトルシーンは『プライベート・ライアン』を参考にしたそうなんで、そうなってくると戦争映画ですよね。
あらすじを箇条書き気味にざっと書くと
ピーターラビットはマクレガーに父親をミートパイにされ食べられた因縁があります。
ピーターが着てる青シャツは父親の形見です。
マクレガーは庭の畑で野菜を作っていて、ピーターはそれを盗むことに執着しています。
マクレガーの家の向かいには、ビアという画家が住んでいてピーターたちに餌をくれたり友好的です。
ある日、ピーターはマクレガーの庭の野菜を盗むことに成功しますが、逃げる際に青シャツを畑に置いてきてしまいます。
ピーターは翌日、庭の畑を見に行くと、青シャツが干されていたので、取り返しに庭に入りますが、それは罠でマクレガーに捕まってしまいます。
しかしマクレガーは長年の不摂生が祟って運悪く(ピーターにとっては運良く)心臓発作を起こし死んでしまいます。
天敵であるマクレガーがいなくなったので、ピーターは仲間の動物たちを呼ぶと、畑を荒らし家の中に入ってどんちゃん騒ぎをします。
マクレガーが大叔父にあたるトーマスはロンドンのハロッズで働いてます。
長年昇進の機会を窺っていたトーマスは上司に呼ばれると昇進の話かと思いますが、面識のない大叔父のマクレガーが亡くなった知らせでした。
副支配人の座を狙っていたトーマスは縁故入社したぼんぼんがその座に就いたと聞かされると、ショックで取り乱し暴れてしまいます。
そしてそれによって長期休暇を余儀なくされます。
マクレガーの屋敷を相続したトーマスは、ハロッズでの昇進を諦めると屋敷を売って、自分の店を開こうと考えます。
トーマスが屋敷を初めて訪れるとどんちゃん騒ぎしたあとのピーターたちと鉢合わせします。
マクレガーと同じようにうさぎたちを害獣と考えるトーマスは、早速ピーターたちを追い出そうとしますが、そんな姿を隣人であるビアに見られます。
トーマスとビアは初めましての挨拶をしますが、ビアからは「ここでは動物たちの方が先住民である」と告げられます。
しかし屋敷を綺麗にして一刻も早く売りたいトーマスは、庭を厳重に囲いピーターたちを入れないようにしたので、マクレガーと同じようにピーターたちと対立します。
トーマスとピーターたちの争いは日々激化しますが、ピーターの意に反してトーマスとビアが仲良くなってしまいます。
それが面白くないピーターは2人の仲を引き裂こうと画策しますが、さらに対立がエスカレートするとトーマスがピーターたちの巣穴を破壊するために爆弾を仕掛けます。
ところがピーターは逆にその爆弾を利用して爆発させます。
しかし巣穴の上に生えていた大きなが木が折れてしまい、ビアのアトリエも破壊してしまいます。
ビアはトーマスの仕業と勘違いしたので、結果的に2人を引き裂き、トーマスは意気消沈してロンドンに戻ります。
ピーターは2人の仲を引き裂くことに成功しましたが、なぜか心がスッキリしません。
何よりアトリエを失ったビアもこの地を去ろうとしています。
ピーターは考えを改めるとロンドンに行きトーマスを説得して連れて帰ってきます。
ピーターはビアの前で爆弾を爆発させたのが自分であることを見せるとビアとトーマスは仲直りします。
ビアはトーマスと一緒に暮らし今まで通り絵を描き、トーマスは村の繁華街でお店を開き、ピーターとビアとトーマスの3者は共生して暮らして映画は終わります。
(詳しくはウィキペディアのあらすじどうぞ)
劇中ではビアとマクレガーは自然豊かなところに住んでいて、他に家も見当たらないので、森にいけば木の実なども落ちていそうです。
なのでピーターはわざわざマクレガーの庭の畑に盗みに入らなくてもいいような気がするんですが、まぁ餌を獲るのに楽をしたいだけですよね(笑)
ビアはピーターたちの方が先に住んでると言って尊重しますが、野生動物であるピーターたちに餌を与えていて、動物たちが自分で餌を獲る機会を奪っていて、結果的にピーターたちがマクレガーの畑を荒らす原因にもなってるんだと思います。
マクレガーやトーマスのピーターたちへの対応は、害獣としての対応です。
一方のビアは野ウサギが可愛いというだけで無責任な対応な気もします。
自分の絵が汚されたらピーターたちを締め出すのはマクレガーと変わらない気がしますし、アトリエが壊れたというだけで、その地を離れようとするのですから。
自分も動物は好きなので、餌はあげたい方ですが、グッと我慢しています。
でも単純にどれが正しいとも言えない気もします。
なので、ピーターラビットを害獣として描いてるので、なかなか難しい映画な気がしました。
鑑賞データ
TOHOシネマズ日本橋 作品限定クーポン 1100円
2018年 88作品目 累計79600円 1作品単価905円
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