ブルックリン 評価と感想/彼女に選択できる自由があることが大事

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妹を思う姉の気持ちに涙 ☆4.5点

予告編はこんな感じです


映画データはこちらからどうぞ
映画『ブルックリン』の作品情報:『わたしは生きていける』などのシアーシャ・ローナンを主演に迎え、アイルランドからニューヨークに移住した女性の青春の日々を映すドラマ。アイルランドの片田舎から大都会のニューヨークにやって来たヒロインが、戸惑いながらも自らの宿命と愛に身を任せる姿に迫る。
『ブルックリン』は2015年の映画。『ブルックリン』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。
今年のアカデミー賞作品賞候補だった本作。
『ブリッジ・オブ・スパイ』以外は観ましたが、今年の作品賞候補はどれもよかったです。
今作は物語の舞台が1950年代のニューヨークで主人公がデパートの店員ということで『キャロル』と似たような設定でした。

主演のシアーシャ・ローナンは主演女優賞にもノミネートされていましたが、オスカーを獲得した『ルーム』のブリー・ラーソンよりよかったかもしれません。
凄い美人という訳ではないですが、彼女の強い眼差しや聡明な雰囲気など、今作の高評価は彼女の演技によるところが大きいと思います。ほわっとした中にもしっかりと芯がある感じは、日本だと黒木華さんのイメージですかね。

この映画、前半が特によかったです。
まずお姉さん(フィオナ・グラスコット)が凄く美人で聡明。
お姉さんだけは妹の可能性を理解していて、閉鎖的で旧態依然としたアイルランドに留まるよりも、ニューヨークへ行くことを後押ししてくれる。
勤めている食品雑貨店のケリーのババアは嫌なやつでしたが、言ってることは半分当たってて、お姉さんは自分を犠牲にして妹を送り出してくれる。お姉さんは妹よりアイルランドの社会に適応するのが少し上手くて、表面的には上手くやっていたけど、彼女も自分の人生を謳歌したかったはず。自分の思いを妹に託してた部分もあったと思います。

そして主人公のエイリシュが本当にいい子。前半は本当にいい子でそれだけで涙が出そう。
アイルランドで親友とダンスクラブに行ったとき、その容姿から親友だけは男子からダンスに誘われるけど、エイリシュは誰からも誘われない。あのエイリッシュの遠くを見る目、あれだけで泣いてしまいました。

ニューヨークへ行く船の中で、同室になった女性もよかったです。あの人も凄い美人で凄く優しい。ちょうど『イヴの総て』と同じような構造で、最後はエイリッシュがあの立場になります。

ニューヨークでの生活が始まって、デパートでの勤務前に更衣室で同僚とかわす会話も好きなシーンです。前日のお休みに映画を観てたらアイルランドの話が出てきたからと話題を振ってくれるのです。エイリシュは上手く返せませんでしたが、周りのみんながとても優しい。

寮での生活も、少しいじわるな先輩がいましたが、基本みんな優しい。特に寮母のキーオ夫人よかったですね。演じるのはジュリー・ウォルターズ。ハリーポッターシリーズではロンの母親役でした。

ブルックリンではあらゆる可能性が開けていて、仕事に学業に恋に、と全てが順調に進んでいました。エイリシュが努力してるシーンはあまり描かれなかったですけど、もちろん主人公の努力があってのことです。

前半が特によかったのと比べると、尊敬するお姉さんが亡くなってアイルランドに一時帰国する後半は少し落ちますが、それでもアイルランドを出る前は見向きもされなかったエイリシュがアメリカから戻ってきた途端、ちやほやされることに戸惑う様子はしっかりと描かれていたと思います。

エイリシュが結婚を隠していたことに怒る意見もありますが、あれは流れからそうなっただけで、葛藤する様子は描かれていましたし、監督も言ってるように重要なのはこの時代に女性に選択する余地が出来たということです。

皮肉にもそのきっかけを作ったのはまたしても食品雑貨店のケリーのババアですが、周囲から嫌われようが何しようが自身の偏屈を通す姿は一本筋が通っていて、相容れない価値観ではありますが象徴的なものがあるな、と思いました。

たぶん男性の観客には、アイルランドに帰国してからの展開は不満だと思うのですが、ラストの展開は男性(男社会)が色々なことをやってきたと思えば、エイリシュの選択はどちらでもいいんだと思います。彼女が自分で選択したことに意味がある訳で、そういう点で女性の観客の方が共感しやすい映画かなと思いました。

角川シネマ新宿 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
2016年 75作品目 累計87900円 1作品単価1172円

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