音量調整間違って無い? ☆3.5点
元・東映アニメーションの細田守監督の独立後5作品目の作品でスタジオ地図3作品目のオリジナル長編アニメ映画。
甘えん坊の4歳男児くんちゃんと未来から来た妹のミライちゃんとの冒険譚を通して横浜に住むある家族の成長を描く。
声の出演に上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子
予告編
映画データ
本作は2018年7月20日(金)公開で、全国369館での公開です。
配給は東宝、制作はスタジオ地図で日テレ映画です。
劇場での予告編はたいへんよく見ましたね。
安定の山下達郎という感じで、どんな話かは頭に入ってこなかったんですが、音楽は非常に印象に残りました。
監督は細田守さん
前作の『バケモノの子』は何で映画館に見に行かなかったかは忘れましたけど(たぶん見たいのがたくさんあって手が回らなかった)、細田作品を劇場で見るのは初めてです。
金曜ロードショーで『サマーウォーズ』と 『バケモノの子』を見てます。
『サマーウォーズ』が好きですかね。
声の出演に上白石萌歌さん
お姉さんは2年前に『君の名は。』をやってましたけど、狙ってキャスティングしたんでしょうかね?
近作は『ハルチカ』『羊と鋼の森』を観てます。
声の出演に黒木華さん
近作は『銀の匙 Silver Spoon』『リップヴァンウィンクルの花嫁』『海辺のリア』を観てます。
声の出演に星野源さん
ドラマはよく見てるんですけど、映画館で見る(といっても声だけですけど)のは初めてです。
『地獄でなぜ悪い』と『夜は短し歩けよ乙女(声の出演)』はWOWOWで見ました。
声の出演に麻生久美子さん
麻生さんて声だけ聞いてると鶴田真由さんに似てますね。
近作は『ばしゃ馬さんとビッグマウス』『ニシノユキヒコの恋と冒険』『グラスホッパー』を観てます。
キャラクターと声の出演は以下の通りです。
くんちゃん: 上白石萌歌
ミライちゃん: 黒木華
おとうさん: 星野源
おかあさん: 麻生久美子
謎の男: 吉原光夫
ばあば: 宮崎美子
じいじ: 役所広司
青年: 福山雅治
あらすじ
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。
ある日、甘えん坊の“くんちゃん”に、生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うばかり。
そんな時、“くんちゃん”はその庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、不思議な少女“ミライちゃん”と出会います。
“ミライちゃん”に導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つ“くんちゃん”。
それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。
待ち受ける見たこともない世界。
むかし王子だったと名乗る謎の男。
幼い頃の母との不思議な体験。
父の面影を宿す青年との出会い。
そして、初めて知る「家族の愛」の形。
さまざまな冒険を経て、ささやかな成長を遂げていく“くんちゃん”。
果たして、“くんちゃん”が最後にたどり着いた場所とは?
“ミライちゃん”がやってきた本当の理由とは―(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
どんな内容で誰が声優をやってるかも分からずに観に行ったんですけど、オープニングは山下達郎のキャッチ―なナンバー(古い表現)と年代毎の空撮の街並みでいい感じです。
東京だと最近は、以前に一戸建てだったところの敷地(50~60坪)が3分割くらい(15~20坪)になって一戸建てが建てられてることが多いですけど、本作では敷地の広さはそのまま(周辺に比べ狭いというのもあるが)で建物がおしゃれに新しくなってます。
星野源さん演じるおとうさんが建築士だからですが、渡辺篤史さんが出てきてもおかしくなさそうな感じです。
ビフォーアフター的な雰囲気も含めテレビ朝日案件な気もしますが日テレ映画です。
場所はどこかなぁ?と思ったんですが、横浜市磯子区が想定されてるそうで、確かに横浜ランドマークタワーが遠くに見えましたね。
タイトルは『未来のミライ』なんですが、出てくるのは「くんちゃん」です。
くんちゃんかぁ、男の子でくんちゃんかぁ。
どうしてもクン〇をイメージしてしまうんですけど、ごめんなさい。
で、本作はそのくんちゃんがお兄ちゃんになる話なんですね。
おかあさんが赤ちゃん連れて帰ってくるんですけど、最初、声は鶴田真由さんだと思ったんですよね。
でも聞いてるうちに違うなと、麻生久美子さんだなと気づきました。
それで赤ちゃんが家に来て、「可愛い、可愛い」ってなる話かと思ったら、4歳のくんちゃんが赤ちゃん返りする話でした。
しかも、この家では、くんちゃんのときはおかあさんが家にいて育てたんですが今回は仕事復帰するそうで、おとうさんがフリーの建築士なので自宅でも仕事が出来るってことで、主夫をすることになるんですが、所謂イクメンじゃないので、おかあさんが仕事復帰するまでの家にいる間、主夫とイクメンのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)もすることになります。
それで、おかあさんは赤ちゃんに授乳したり、くんちゃんの赤ちゃん返りに対処したり、夫にOJT(ダメ出し)したりする様子が描かれるんですけど、ここでイラっとした人も多いのではないかと思います。
このシーン、ただでさえ皆がわちゃわちゃしてるのに、バックに流れる劇伴の音量が大きめで、そこに被せるように声優陣の声も大きいので非常にうるさいんですよね。
あまりにもうるさいんで映画館の音量調整間違えてるんじゃないかと思いましたけど、途中ではたと気づきました。
この方式は『クリーピー 偽りの隣人』方式じゃないか?と。
観客にわざと不快感を与えることで疑似体験させると言いますか、子育てはこんなに大変なんですよー、ということを伝えたかったのかな?と思いましたがどうでしょう?
自分は子供を育てたことがないので、「こんなに大変なんだなぁ」と思って観てましたけど、実際にお子さんを育てたことがあって映画を楽しみに観に来た人にはしんどいだろうなと。
だってリアルで経験してる訳ですから、楽しみに観に来た映画でわざわざそれを体験する必要もないでしょうから。
なので、その辺のこともあって評価が低いのかな?と思いました。
ヤフー映画 2.6
映画.com 2.5
フィルマークス 3.1
あと、このわちゃわちゃしてるシーンで気になったんですが、この家の洗濯機ミーレじゃないですか?
でおとうさんが皿洗いに四苦八苦してるシーンがあるんですけど、ミーレの洗濯機を入れてたら、食洗器も入れないですかね?
そこ、すごい気になりました。
それでこの映画、未来ちゃんがなかなか登場しません。
半紙に「命名 未来」って書いて壁に貼ってたんでお七夜に決めたと思うんですけど、実際に生まれる前と後に決める人の割合どれくらいなんでしょうかね?
生まれてから決めるのは36%でした。
そんなこんなで本作はたったと進みます。
未来ちゃんクリスマス近くの生まれでしたが、ひな祭りの頃にはおかあさん仕事復帰してました。
未来のミライちゃんはようやくここで出てきます。
おかあさんは仕事で出張のため、おとうさんに「ひな人形片付けといてね」と言うんですが、仕事に集中してるおとうさんはすっかり忘れてます。
おとうさん、小さい赤ちゃんいるのに大丈夫なんでしょうかね?
とにかくおとうさんとおかあさんがひな人形片付けるのが遅れると婚期が遅れると話してたのを聞いてた未来ちゃんが、早く片付けて欲しいとくんちゃんの前に現れます。
擬人化した飼い犬のゆっこと未来のミライちゃんとくんちゃんとで、ひな人形片付け作戦が実行されるんですが、このくだり少々長くないですかね?
この話で映画終わっちゃうんじゃないかと思いましたよ。
だいたいこの話そんなに慌てて片付ける必要ないんですよね。
「ひなまつりが終わってすぐに雛人形をしまわないと婚期が遅くなる」という言い伝えがありますが、それはあくまでも俗説。お節句が過ぎたのにいつまでも雛人形を出しておくようなだらしなさを戒めるための警告に近いものだとされています。
なのでおとうさんが片付けないと意味ないんですよね。
おかあさんが出張から帰ってくると「お雛様片付けてくれたんだ」と言われ、おとうさんはひな人形が片付いてるのに気づきますが、自分が片付けた訳じゃないのに大して疑問を持たずに話は進みます。
いや、ポルターガイスト現象やで。
映画をここまで観てて思ったのは命名式や桃の節句を描いていることで、伝統や保守って言葉が頭に浮かびました。
あとそれから、未来のミライちゃんがくんちゃんをツンツンするとクン〇ちゃんの癖になってしまうんですが、あそこは凄く性的なものを感じましたね。
このあとはくんちゃんが赤ちゃん返りして駄々をこねて癇癪を起すと、おかあさんの子供時代やひいじいじの青年時代にタイムリープして、ファミリーヒストリーが描かれます。
(さだまさしさんのおじいちゃんスパイだったのか、スゲー)
ここでは、おかあさんも昔はくんちゃんみたいに散らかし屋さんだったことや、ひいじいじとの乗馬を通して自立や勇気を学び、補助輪無しで自転車が乗れる話に繋がっていきます。
観てて、共感ポイントあったのは個人的にはここだけですかね。
子供の頃の記憶って殆ど無いんですが、補助輪無しで自転車に乗れるようになるのに苦労したのを覚えてます。
ただ、昔と今じゃ情報量の差は段違いで、今では1日もあれば大抵の子は乗れるんですよね。
おとうさん、在宅ワークだから当然ネット使うと思うんですけど、何か色々残念過ぎます。
その後、キャンプに行くのにズボンの色で愚図ると一人で電車に乗って東京駅に行く流れになりますが、デジタル版犬のおまわりさんみたいな話で、東京駅のビジュアルやホラーチックな新幹線と併せて楽しめました。
迷子寸前のところで未来のミライちゃんに助け出されると、家の庭の木に繋がる家系樹の旅に出ます。
このシーンは葉っぱがインデックスになってるので完全にアガスティアの葉なんですが、あのブームは一体何だったのか(笑)
こんなんがベストセラーになりました。
懐かしいサイババ(笑)
そんなんで最後はファミリーヒストリーダイジェストみたいで楽しめました。
まあ確かに途中イラっとするところもありますが、明らかに狙ってそうな気もしますし、途中からは気にならなくなりました。
自分も弟がいたので、あんなに赤ちゃん返りしたのか考えましたが、自分のことは覚えてないですね。
『未来のミライ』というより『癇癪持ちのくんちゃん』の方がタイトルがしっくりくると思いますし、評判も悪くならなかった気がするんですけど、前半を乗り切れば、タイムリープ、東京駅と面白くなってきますし、おとうさんもそれなりにイクメンに成長しますし、くんちゃんもお兄ちゃんの自覚が芽生えてハッピーエンドなんで、そんなに悪くないんじゃないかと思いますが、中学生くらいになったら反抗期もありますし、まだまだこれからも子育て大変ですよねって感じでした。
マイ、ベイビー、ガール!
鑑賞データ
新宿ピカデリー SMTメンバーズ割引クーポン 1200円
2018年 125作品目 累計121700円 1作品単価974円
コメント
面白くなかったわけではないけど、感動も無かったです。ここのコメント見てから行けばよかった……
多分、テレビでやってたら観るけど、映画館に出向くまでは……的な。
仕事柄考えさせられる事は多かったのですが、子ども放置しすぎじゃない?と思ってしまいました。
わたるさん、コメントありがとうございます。
そうですね、映画的スケールがなかったので金曜ロードショーで十分かな?という感じでしたね。
お盆のタイミングに合わせて、ご先祖様に思いを馳せるといった感じでしょうか。