人間、振り子理論 ☆4点
2014年10月週刊文春に「日経新聞記者はAV女優だった!」と報道された社会学者・鈴木涼美の同名書籍の映画化で監督は『下衆の愛』の内田英治。主演に『恋の渦』の柴田千紘
予告編
映画データ
ちょうど書籍が発売された頃にトークイベントに行っていたのと、『恋の渦』で注目していた柴田千紘さんが出演されるとあって観てきました。
監督は内田英治さん
昨年の『下衆の愛』と先月公開された『ダブルミンツ』を観てます。
主演は柴田千紘さん
『恋の渦』は2013年のマイベストテンの2位にしてます。
『リアル鬼ごっこ』にも出演されてました。
あと『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』も観てるんですけど感想書いてません。
共演に小西キスさん
存じ上げなかった方なんですが、引退されたみたいです。
https://twitter.com/konikiss/status/881478781231284225(リンク切れ確認)
共演に冨手麻妙さんと筒井真理子さん
お2人は今年話題になった『アンチポルノ』でW主演されてますね。
他、共演に久保田悠来さん、内田慈さん、原田篤さん、川上奈々美さん、品川祐さん
あらすじ
鈴木リョウコ(柴田千紘)、29歳。
有名大学から東大大学院修士課程を経て、大手新聞社で記者を務めた、いわゆるエリート。
そんなハイスペックな彼女には、大学在学中にAVに出演したという過去があった―。
そんなに頑張らなくたって有名大学に入れる知能とコンプレックスなしで十分生きられる美貌を持って生まれ、日本を代表する新聞社に勤め、昼の世界の私は間違いなく幸せ。
でもそれだけじゃ退屈で、友人のケイコ(内田慈)、ユカ(冨手麻妙)と、権力と金力を持つ彼氏・光ちゃん(原田篤)とホスト通いに明け暮れる日々を過ごしていた。
それでも何故か満たされなくて、売れないミュージシャンの彼氏・玲(久保田悠来)と爽やかな恋もする。
女の身体は何度でも売れると呟きながら、心の拠り所を求めて、どこか手探りする自分がいる。
昼と夜の世界で矛盾しまくりながら、それでも幸せになりたいと願う、一人の女の物語。(公式サイトhttp://www.exf.info/karasayo/より引用)
ネタバレ感想
本作の原作は、元は幻冬舎plusで連載されていたコラム「お乳は生きるための筋肉です~夜のおねえさんの超恋愛論~」を大幅加筆して書籍化されたものです。
連載中に文春にすっぱ抜かれる訳ですね。
で、そこから名前と経歴が顔写真と共にパパパッと広がっていく訳ですけれど、もうその頃には社会学者と活動されていてすごいなと。
「日経記者はAV女優だった!」 私が受けた文春砲の洗礼 – iRONNA
映画の内容の方は、原作者・鈴木さんの20代のほぼ自伝的内容になってるんだと思います。
主に、いわゆる夜の社会見学といいましょうか、社会活動といいましょうか、ハプバーなどのアングラ含めて歌舞伎町で完結する感じです。
ていうかほぼホストですね。
そこに一服の清涼剤のように下北系ミュージシャンを目指す彼がいるんですが、ヴィジュアル系のバンギャでは無いというだけで、あまり大差ないと思います。
実際、後輩のナナに『イヴの総て』みたいに彼氏とられてましたからね。
主演の柴田さんは、ヌーディストかっていうくらい脱ぎっぷりよくて、スレンダーな体と相まってカッコよかったです。
財布失くして交番に行って元カレのところへ行って、っていう一連のくだりは軽妙な演技で面白かったです。
ピンチのときは電話かけまくって誰が出るかってところは、闇金ウシジマくんのギャル汚くん思い出しました。
映画はラスト、ケイコはDVの彼に金策に走らされ友達のところに金の無心にくるし、ハプバー経営してたユカは結婚して妊娠して郊外の家に住んでますし、気付くとリョウコの周りには誰もいなくなってたんですが、田舎に帰ったと思われた元カレのタクヤ(五十嵐麻朝)だけが戻ってきてくれるので、彼でいいんじゃないかな?と思うんですが、安定を求めることは無いんだろうなぁ。
こういう人は常に刺激を求めて生きてるんで、他人のモノサシじゃ測れないと思いますね。
本人もコラムで書いてますし。
私たち、「幸せ」になるのが嫌いなんだと思った夜 | 幻冬舎plus
岩井志麻子先生みたいな方もいるんで、こういう風になればいいんじゃないかな?と思いました。
あと、映画内ではAV関係者のインタビューが挟まれるので、興味ある方は『セックスの向こう側 AV男優という生き方』とかも面白いです。
近年は結構、こういう本出てきてますね。
あー、あと感想書いてて最後、東電OL事件なんかを思い出しましたね。
鑑賞データ
K’s cinema 一般料金 1800円
2017年 109作品目 累計117800円 1作品単価1081円
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