東出昌大でもない ☆4.5点
2016年の第69回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニングで上映され評判になった韓国製ゾンビパニック映画。
監督はヨン・サンホ、主演はコン・ユ、共演にチョン・ユミ、マ・ドンソク
予告編
映画データ
韓国では2016年7月20日に公開されたので1年以上前の作品になりますね。
様々な映画祭で評判になっていたので、日本でもわりと早くから劇場で予告編を目にした気がします。
日本では2017年9月1日公開で全国で120館弱の公開規模です。
2000年頃の韓国映画ブームの『シュリ』や『JSA』などの公開規模には及びませんが、初週の動員ランキングも11位ということでなかなかのスタートなんじゃないかと思います。
評判もいいみたいですし。
監督はヨン・サンホ
「三百六十五歩のマーチ」みたいなお名前の方ですが、初めましての監督さんです。
複数の短編アニメ映画と長編アニメ3作を監督したのち本作が実写長編デビュー作となるそうです。
長編アニメ3作目が本作の前日譚となる『ソウル・ステーション/パンデミック』という作品で、こちらも2017年9月30日から公開となります。
主演はコン・ユ
ドラマ『コーヒープリンス1号店』や映画『トガニ 幼き瞳の告発』に出演されてたようですが未見ですので初めましてです。
2013年の第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された、三池崇史監督『藁の楯』の新幹線内の大沢たかおさんとダブるのは私だけじゃないと思います。
東出昌大さんも入ってると思います。
共演にマ・ドンソク
この方は『殺されたミンジュ』で主演されてたので見たことがあります。
他に共演と配役は以下の通りです。
ソグ役: コン・ユ
スアン役: キム・スアン
ソンギョン役: チョン・ユミ
サンファ役: マ・ドンソク
ヨングク役: チェ・ウシク
ジニ役: アン・ソヒ
ヨンソク役: キム・ウィソン
ホームレス役: チェ・グィファ
ジョンギル役: パク・ミョンシン
感染者の女役: シム・ウンギョン
インギル役: イェ・スジョン
あらすじ
ソウル発プサン行きの高速鉄道KTXの車内で突如起こった感染爆発。疾走する密室と化した列車の中で凶暴化する感染者たち。感染すなわち、死ー。そんな列車に偶然乗り合わせたのは、妻のもとへ向かう父と幼い娘、出産間近の妻とその夫、そして高校生の恋人同士・・・果たして彼らは安全な終着駅にたどり着くことができるのか―?目的地まではあと2時間、時速300km、絶体絶命のサバイバル。愛するものを守るため、決死の闘いが今はじまる。彼らの運命の行き先は・・・。
(公式サイトhttp://shin-kansen.com/about/より引用)
ネタバレ感想
公式サイトの作品情報http://shin-kansen.com/about/index.htmlに「KTX車内での出来事」と「主要駅での出来事」として、かなり詳しくストーリーが書かれてるのでそちらを参照していただくとして、ざっくり感想から入りたいと思います。
まず面白いは面白いです。
ハリウッドでのリメイクが決まっているそうですが、いい意味でハリウッド的だなと思いました。
日本の新幹線に相当する高速鉄道を舞台にしたスケール感ですとか、『ワールド・ウォーZ』とも比較されてるみたいですけどゾンビ雪崩を起こすための数ですとか、そういう物量は単純に凄いなーと思いました。
2016年のカンヌ映画祭には他に韓国映画として、パク・チャヌク監督の『お嬢さん』とナ・ホンジン監督の『哭声/コクソン』が出品されていて、どちらも今年日本公開され鑑賞したのですが、両作とも韓国の何とも言えない土着的なパワーを感じたのですが、本作はそれらに比べるとスマートだったのでハリウッド的だなと思いました。
本作は凄く絶賛されてて、自分はそこまでじゃなかったんですが、昨年、日本でもスマッシュヒットになった『アイアムアヒーロー』を先に観ちゃってるからだと思います。
まだ余韻というか耐性が付いてるというか。
端的に言うと自分にはちょっとグロさが足りなかったかな。
本作が映倫区分Gで留まってるのに対しアイアムアヒーローはR15+だったので。
ストーリー的な部分でいうと、主人公たちがゾンビの特性に気付くところがあります。
引き戸が開けらないとか、トンネルで暗くなると襲ってこないだとか。
これは自分は面白いと思ったんですけど、評判の悪かった品川ヒロシ監督『Zアイランド』で、風間俊介さん演じる警官にゾンビ分析させるのに似てるなぁと思って、その既視感もあるのでそこまでの絶賛にはならないのかもしれません。
身内がゾンビになっちゃう悲しみも『Zアイランド』で描かれてたんですよね。
本作がシリアスなのに比べ、『Zアイランド』はコメディ調ということもあって悲しみが刺さらなかったのかもしれませんが、私には両作とも同じくらいの悲しみでした(つまり泣くほどでは無かったんですが、当の本人は号泣されておる(笑))。
『新感染〜ファイナル・エクスプレス』
スリル、アクション、感染系映画の好きな要素が全て詰まっている。あるあるネタも満載。それでいて良い韓国の泣ける映画になっている。僕は3回も号泣しました‼︎大好きな映画‼︎
ただ、タイトルは変えない方が良かったと思う。— 品川祐 (@shinahiro426) 2017年3月4日
あと何カ所かモヤっとしたところもあって、例えばあのホームレス。
登場の仕方からして何かカギを握ってるんじゃないと思って観てたんですが、結局何もなくて他の人と同じように自分が犠牲になって死んでいくだけでした。
それから電車内ではモニターのニュース映像と携帯電話で外部と話すくらいで情報を入手する手段が限られていること。
スマホ持ってるんだからもう少し情報収集してもよさそうなものですが、ホームレスのことが何も無かったのと同様、パンデミックに関することは言及されずじまいでした(キム代理から自分たちが製薬会社を救ったせいでという電話はありましたが)。
まぁ、その辺のことはアニメ版の前日譚で出てくるのかも知れませんね。
ところで、序盤で主人公のソグがキム代理に昼前までには戻ると言っていたので、ソウルから釜山までどれくらいなのかな?と思ったら2時間半弱なんですね。
東京~大阪くらいだ。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』ってタイトル上手いなと思ったのですが、これが日本で作れなかったのが残念なところです。
かつては『新幹線大爆破』とかあったのになぁ。
ネガティブ寄りの感想になっちゃいましたけど、かなり評判いいんで見て損はないと思います。
あと一句浮かんだんで読みます。
「ゾンビは引き戸を開けれない」
『ソウル・ステーション/パンデミック』の感想はこちら
鑑賞データ
新宿ピカデリー 1000円鑑賞クーポン 1000円
2017年 145作品目 累計153800円 1作品単価1061円
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