ゲット・アウト 評価と感想/ベティ・ガブリエルの不気味さに1億ドル

ゲット・アウト 評価と感想
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面白いけどさすがにヒットし過ぎ(笑) ☆4点

『パラノーマル・アクティビティ』シリーズの製作などを手掛けたジェイソン・プラム製作のホラースリラーで監督はコメディアン出身のジョーダン・ピール
主演は『ボーダーライン』のダニエル・カルーヤ

予告編

『ゲット・アウト』予告編

映画データ

ゲット・アウト (2017) - シネマトゥデイ
『パラノーマル・アクティビティ』シリーズなどを手掛けてきたプロデューサー、ジェイソン・ブラムが製作に名を連ねたスリラー。恋人の実家を訪ねた黒人の青年が、そこで想像を絶する恐怖を体験する。
ゲット・アウト|映画情報のぴあ映画生活
『ゲット・アウト』は2017年の映画。『ゲット・アウト』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。

本作は2017年10月27日(金)公開で全国で33館程での上映です。
予告編はTOHOシネマズシャンテでわりと早い時期から見てました。

予告編は「直角方向転換走り」と「ノー、ノー、ノー、ノー」と「ゲットアウト」のいい声のナレーションがインパクトがあり、それでいて内容が分からない編集で上手かったと思います。

アメリカでは2017年2月24日(金)に公開されるとオープニング興収3300万ドルの1位スタートで3週目に1億ドルを突破すると最終興収1億7千万ドル超の大ヒットとなりました。
これは2017年の全米興収で11位(2017年11月9日現在)の成績です。

上位の製作費が軒並み1億ドル超えの大作がひしめく中、本作は450万ドルの製作費なので特大ヒットだと思います。

監督はジョーダン・ピール
アメリカのコメディ・セントラルっていうケーブルテレビのチャンネルでキーガン=マイケル・キーという方と「キー&ピール」という冠番組を持ってるコメディアンだそうです。

キー・アンド・ピール (アメリカのコント)

たしかに面白い(笑)

日本では劇場未公開の猫ちゃん映画『キアヌ』という作品にキー&ピールで主演してるみたいです。

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主演はダニエル・カルーヤ
近作は『ボーダーライン』を観てます。
どこに出てたかな?と思いましたがエミリー・ブラント演じるケイトのFBIの相棒役ですね。

共演にアリソン・ウィリアムズ
初めましての女優さんです。
テレビシリーズの『GIRLS/ガールズ』というので有名みたいです。

共演にケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
現在公開中の『バリー・シール/アメリカをはめた男』に出ています。

共演にキャサリン・キーナー
近作は『ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中』を観てます。
見たことある顔だなと思ったんですが『40歳の童貞男』の相手役の方でした。

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他に共演と配役は以下の通りです。

クリス・ワシントン(主人公): ダニエル・カルーヤ
ローズ・アーミテージ(彼女): アリソン・ウィリアムズ
ディーン・アーミテージ(彼女の父): ブラッドリー・ウィットフォード
ジェレミー・アーミテージ(彼女の弟): ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
ミッシー・アーミテージ(彼女の母): キャサリン・キーナー
ロッド・ウィリアムズ(主人公の友人): リル・レル・ハウリー
アンドリュー・ローガン・キング(パーティーで会う黒人): キース・スタンフィールド
ジョージーナ(使用人): ベティ・ガブリエル
ウォルター(管理人): マーカス・ヘンダーソン
ジム・ハドソン(盲人の画商): スティーヴン・ルート

あらすじ

ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家へ招待される。
若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。
その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。
翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで気が滅入ってしまう。
そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、フラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変し、「出ていけ!」と襲い掛かってくる。
“何かがおかしい”と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが・・・。

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

詳しいあらすじは途中までウィキペディアに載っているのでそちらを読んで頂くとして、ネタバレしてしまえばいわゆるボディスナッチ物です。

観終わってから話を通してみると、結構B級映画な感じがして、興収も上手くいっても7000万ドルくらいの作品じゃないかと思うんですが、ユニバーサルというメジャー配給で予告編が上手く、プロモーションも嵌った感じで、役者さんの演技、特に使用人役のベティ・ガブリエルの何とも言えない気味の悪さ、あの「ノー、ノー、ノー、ノー」予告で興収1億ドルくらいプラスされたんじゃないかと思います(笑)

ウィキペディアに載ってるストーリーの続きでいうと、クリスは電話でロッドにアーミテージ家で会う黒人は何かおかしいと相談するんですね。
ローガンが鼻血を出すきっかけになったスマホで撮った写真をロッドに送ると、ロッドは誰々(クリスとロッドの知人女性)の彼氏じゃないか?と言います。
クリスもローガンを初めて見たとき、見覚えのある顔で思い出せなかったのですが、ブロンクス出身であるはずのローガンのイメージがガラッと変わっていたためで、ロッドに言われてようやく思い出したのでした。

そこでロッドがローガンのことをネットで調べると、半年前に失踪してるのが分かり2人は驚きます。
半年経って別人のような雰囲気で現れて、しかもずっと年上の白人女性と結婚してることから、ロッドはローガンが洗脳されて性奴隷(セックススレイブ)にされてるんだ!と言うのでした。

すっかり怖くなったクリスはパーティが終わり招待客が帰ると、飼い犬の具合が悪いと言ってローズと一緒に帰ろうとします。
ローズの部屋で帰り支度をしてると納戸から小さな箱を見つけます。
箱を開けると中には様々な黒人男性と2ショットで写ってるローズの写真が入ってましたが、ローズはクリスに黒人男性と付き合うのは初めてと言ってました。

ローズの部屋を出て玄関から出ようとするとアーミテージ家の父・母・息子が行く手を塞いでます。
クリスはローズに車のキーを出すように言いますが、ローズは見つからないと言ってずっとカバンの中を探してます。
クリスがいい加減ローズにキレると、ローズも正体を現してアーミテージ家に捕まるのでした。

捕まったクリスはアーミテージ家の地下の書斎に監禁されます。
地下室はクリスが初日にアーミテージ家を訪れたときに、父親から「黒カビが生えてるから行かない方がいい」と言われてた場所でした。
監禁された書斎にはテレビがあり、クリスはビデオを見せられます。
そこには亡くなっているローズの祖父が映っていて、これから行うことが説明されます。

ここからは激しくネタバレになります。

アーミテージ家ではローズの祖父の代から老人の脳を若い黒人の肉体に移植することに成功していて、白人老人の脳は若い黒人の肉体を借りて生き続けていたのでした。
娘のローズがその美貌で獲物となる黒人男性を取り込むと、精神科医である母親が催眠で洗脳し、脳神経外科医である父親が移植手術を行い、地下には手術室もありました。
弟は荒っぽい方法で黒人男性を調達したり、父親の手術の助手などをしてます。

いつも庭掃除などをしている管理人のウォルターは祖父で、使用人のジョージーナは祖母というオチです。
アーミテージ家で行われてたパーティーは黒人をオークションするための品評会のようなもので、クリスは出席者から品定めされていて盲人の画商ジムに落札されていたのでした。

クリスは監禁されていたソファ椅子の肘掛から、綿がほつれ出ていたのを利用して耳栓を作り、耳を塞いで催眠術にかからないようにします。
手術のために弟が現れて手術室に連れていこうとすると、弟を殺して逃げます。
手術の準備をしてる父親を書斎にあった剥製の鹿の角で殺し(父親が鹿を嫌いと言っていたため)、1階にいた母親も殺すと、弟が普段使ってる車で逃げスマホで110番します。

すると家の敷地内から出る途中で、使用人のジョージーナが飛び出してきて轢いてしまいます。
家の2階では新たな黒人男性をネットで物色していたローズが騒ぎに気づいてライフルを持ってクリスを追ってきます。
轢き逃げで母親を失ったトラウマからジョージーナを見捨てることが出来ないクリスは助手席に乗せ助けますが、ジョージーナが祖母であると気づいたのはそのときでした。
祖母はクリスの運転の邪魔をして車を木に激突させます。

車が木に激突して停まるとローズがライフルを撃ってきます。
クリスが車を出て逃げようとすると今度は全速力で管理人のウォルターが追ってきました。
クリスはウォルターに追いつかれて倒されると、とっさにスマホのフラッシュを当てウォルターを幻惑させます。
肉体を乗っ取られる前の意識に戻ったウォルターは自分が止めを刺すと言ってローズからライフルを受け取ると、ローズを撃って自分も自殺します。

まだ死んでないローズはなおもクリスを殺そうとライフルに手を伸ばします。
クリスはライフルを手にしたローズに馬乗りになると、首に手を掛けて絞め殺そうとしますがパトカーがやってきます。
状況からはクリスが犯人に見えましたが、パトカーから降りてきたのはロッドでTSA(運輸保安庁)のパトカーでした。
ロッドは「だから行くなって言ったろ」とクリスに言ってハッピーエンドで映画は終わります。

やっぱりこの手の映画は、最後のどんでん返しが肝なので致し方ないんですが、違和感の正体が脳移植と分かると途端にB級臭くなります。
この手のボディスナッチ物の場合、エイリアンであることが殆どですが、脳移植というのは新しいかもしれません。

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ただ脳移植ともなると父親1人で手術を行うにはリアリティが無くて、ドクターXばりのバックアップ体制が必要だと思うのですが、そうでは無いのでどうしてもB級臭くなってしまいます。

逆に序盤の入り口こそB級臭く、ラストに向かってスケールが大きくなった『キャビン』みたいだったらリアリティがあったかもしれません。

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アーミテージ一家4人が揃った奇妙さは『悪魔のいけにえ』みたいな家族の雰囲気がありました。

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ストーリーの運び方が上手いなと思うのは、黒人差別(特に主人公のクリス自身が気にしている描写)の方に目を向けさせ、ボディスナッチ物であるというのを巧妙に隠してる点で、これはホラーやスリラー物でありながら終盤まで直接的な表現が無くても飽きさせないようにしてて上手いと思います。

ぶっちゃけパーティに集まった参加者が黒人の身体を手に入れたいのは、白人には無い屈強な身体であるからで、動機としては黒人差別とはやや違います。
またボディスナッチ物としても、クリスが着いた晩の夕食時かなんかに食べ物に睡眠薬を混ぜてしまえば事足りるわけですが、翌日パーティを開いて違和感を覚えさせるのも、観客に黒人差別の方に注視させる手段になっています。

なので正直、ちょっとヒットし過ぎかな?と思うのですが、全米で公開したのがトランプ大統領が就任してから1ヶ月後くらいだったので、タイミング的にも凄く嵌ったんだと思います。

面白いは面白いんですけど、ジョーダン・ピール監督が今後も、もし監督業を続けていくのなら次作のハードルが上がっちゃった気もします。

鑑賞データ

TOHOシネマズ日本橋 シネマイレージデイ 1400円
2017年 184作品目 累計197100円 1作品単価1071円

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