ノー・エスケープ 自由への国境 評価と感想/排外主義の先

ノー・エスケープ 自由への国境 評価と感想
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現実に起こりうる世界 ☆4.5

予告編

映画データ

ノー・エスケープ 自由への国境 (2015):作品情報|シネマトゥデイ
映画『ノー・エスケープ 自由への国境』のあらすじ・キャスト・評価・動画など作品情報:『ゼロ・グラビティ』などのアルフォンソ・キュアロンがプロデューサー、息子のホナス・キュアロンが監督を務めたサバイバルスリラー。
http://cinema.pia.co.jp/title/168872/

『ゼロ・グラビティ』で父親であるアルフォンソ・キュアロン監督と共同脚本を務め、本作が初長編監督作となる息子のホナス・キュアロンによるソリッドシチュエーションスリラーです。

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ホナス・キュアロン監督は『ゼロ・グラビティ』のときに7分弱のスピンオフ作品『Aningaaq』(アニンガ)を監督してます。

これを観ておくとゼロ・グラビティがさらによく分かるようになってます。

本作の原題はDESIERTOでスペイン語で荒野って意味のようです。

あらすじ

息子に会うためにメキシコからアメリカへの不法入国を試みるモイセス(ガエル・ガルシア・ベルナル)と15人の移民たち。
車のエンジントラブルにより、荒れ果てた砂漠を抜けて徒歩で国境を超える事になった彼らに、突然、銃弾が襲い掛かる!
襲撃者(ジェフリー・ディーン・モーガン)は正体不明。
逃げ込んだのは身を隠す場所も無い、摂氏50度の砂漠。
水なし、武器なし、通信手段なし。
自由の国を目指す命懸けの逃走劇が今、始まる‐!

(公式サイトhttp://desierto.asmik-ace.co.jp/より引用)

ネタバレ感想

モイセス達は車の故障で国境を超えるために1日半くらい歩かなきゃならない羽目になるのですが、1人遅れ始めた人がいたんですね。
それで、その人を手伝いながら歩いてたんですけど、手引きしてる引率者はどんどん行っちゃうんです。
待ってって言っても待ってくれなくて。
そして引率者含めて10人が岩場を抜けて、見通しのよい広い場所を歩いてると、突然、ライフルで撃たれ10人全員死にます。
モイセス達5人はまだ岩場にいたので隠れてて、襲撃者は気付いてなかったのですが、怖くなってそこから立ち去ろうとしたら襲撃者が飼っている猟犬が気付いて追われる羽目になります。

襲撃者のサムはうさぎ狩りに来てたのですが、途中で国境警備隊に会います。
サムは、4km先で不法入国者の集団と思われる足跡を見つけ通報したが、国境警備隊は対処してるのかと聞きます。
国境警備隊はまだ連絡が来てないと言ったので、サムは呆れます。
逆に、国境警備隊はサムにここで何してるのかと聞きます。
サムが狩りに来てると言うと、免許は持ってるのかと聞かれますが、うさぎ狩りは免許いらないってことでスルーされます。

昨年観た、メキシコの麻薬戦争とその国境地帯を描いたドキュメンタリー『カルテル・ランド』で知ったのですが、アメリカ側の国境付近では極右思考の排外主義者で退役軍人などが武装して自警団を結成しており、本作のサムもそういう自警団だと思いました。

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なので、サムは自分の考える正義を実行してるので躊躇が無いんですよね。
ライフルの腕も確かなので10人を射殺すると、犬にモイセス達を追わせます。
うさぎ狩りならぬ人間狩り、マンハントです。

1人は犬に喉を喰いちぎられ、歩くのが遅かった人は犬から逃げるのに岩場に飛び降りた際に狙撃され、もう1人は岩壁沿いを伝って歩いてたところ、手をかけてた石が崩れたため地面に落ちるも一命は取り留めたのですが、サムがそばに来たので命乞いするんですが、容赦なく殺されます。

結果、モイセスとアデラ(アロンドラ・イダルゴ)という女性が残るので、完全にゼロ・グラビティ状態になります。

果たして、モイセスとアデラはサムから逃れらるのか?という話です。

 

ゼロ・グラビティ状態になるので、結果は想像出来る通りです。

 

おかしいのは(おかしいと言ってはいけないが)、サムの飼ってる猟犬が殺されるんですが、それにはサムは凄く悲しむんですね。
もうそれまでに13人も殺してるのに。
それだけ狂ってるってことで恐ろしくもあります。

ソリッドシチュエーションスリラーという展開や退役軍人(サムは違うかもしれませんが)という設定で『ドント・ブリーズ』に近い感じもします。

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スリラーというエンタメ性を保持しつつ、社会問題も包括した内容は、トランプ政権となった現在観るべき映画で、なかなかの良作となっています。

鑑賞データ

シネマート新宿 TCGメンバーズ会員料金 1300円
2017年 71作品目 累計73100円 1作品単価1030円

コメント

  1. クロエ より:

    はじめまして。気になっていた作品でレビューを見つけたのでコメントしてみます。

    アメリカの国境ですがいわゆる右派ということはないです。最近は中央アメリカから数万人の難民がアメリカ国境に向かっていて、途中のメキシコからの難民ビザを拒否してアメリカに向かうなど、これを難民といえるかについて私は否定的です。大規模に移民されると次第に文化を乗っ取られるという事例は残念ながらフランス、イギリスで起きてしまっているだけに、やはり移民は絞らざるをえないかと。