ウディ・アレンのナレーションがかなり多い ☆3.5点
予告編
映画データ
ニューヨーク派の巨匠ウディ・アレン監督の最新作は1930年代のハリウッドとニューヨークを舞台にしたラ・ラ・ランド的な恋愛回顧映画でした。
ウディ・アレン監督は1970年代からほぼ毎年のように作品出し続けてて凄いんですけど、殆ど観ていないか観てても忘れてるかなんですが、一番最初にいいなと思ったのは『カイロの紫のバラ』ですかね。
一番最近のでちゃんと観たのは『マッチポイント』なんですけど、これはスカーレット・ヨハンソンがエロくてよかったです。
ウディ・アレンが出演でジョン・タトゥーロが監督の『ジゴロ・イン・ニューヨーク』は3年前に劇場で観ました。
この作品はウディ・アレンが撮ったと言われても分からないくらいで、テーマ的にも内容的にもウディ・アレンな映画だったと思います。
前作は昨年公開された『教授のおかしな妄想殺人』なんですが、これは観ようかな?と思って結局スルーしちゃいましたけど、『ラ・ラ・ランド』で大ブレイクしたエマ・ストーンだったのですね。
本作の主演はジェシー・アイゼンバーグ
Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグを演じた『ソーシャルネットワーク』でブレイクを果たしましたが未見です。
彼の出演作品は『グランド・イリュージョン』シリーズを配信で、『エージェント・ウルトラ』を劇場で観ました。
ポスターにもあるふたりのヴェロニカのうちのひとりヴォニー役にクリステン・スチュワート
『トワイライト』シリーズを観てないので、初めましての方かな?と思ったらエージェント・ウルトラの彼女役でした。
ジェシー・アイゼンバーグとは再度の共演になるんですね。
もうひとりのヴェロニカにブレイク・ライヴリー
人気ドラマ「ゴシップガール」は見てないので、初めて観たのは『ロスト・バケーション』です。
実は彼女、ふたりのヴェロニカと謳ってるわりにあまり出てきません。
ブレイク・ライヴリーを堪能したい方はロスト・バケーション一択じゃないかと思います。
あと、ジェシー・アイゼンバーグの叔父さんでハリウッドの大物エージェント役にスティーヴ・カレル
『フォックスキャッチャー』での素晴らしい演技でその存在を知りました。
ですが、元々は『40歳の童貞男』なるタイトルの映画でブレイクをしたコメディアンだそうで後から観ましたら面白くてシリアスな演技とコメディのギャップにやられたんですが、亡くなったロビン・ウィリアムズのポジションに入りそうかなぁなんて思ってます。
ネタバレ感想
ニューヨークに住むドーフマン家の次男ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)は父母と暮らしていて父の仕事を手伝っています。
ボビーにはギャング的な仕事をしてる兄ベン(コリー・ストール)と嫁にいった姉イブリン(サリ・レニック)がいます。
父(ケン・ストット)の仕事を手伝っていても先はないと考えたボビーは、母(ジーニー・バーリン)の弟でハリウッドの大物エージェントであるフィルを頼ってロサンゼルスに渡ります。
ロサンゼルスに渡りホテルに宿をとるボビー。
母を通して話は通っていてアポも取り付けていたボビーでしたが、忙しいフィルに中々会えません。
実家の母に電話して中々会えない旨を告げると、兄からは女を買うならロサンゼルスならここがいいぞと余計な情報を教えてくれます。
なんとなく魔が差して女を買うボビー。
派遣されてきたのはキャンディー(アンナ・キャンプ)という女優志望の女の子。
バイトだけじゃ食えないってことでこの日が初めての仕事でした。
もっとプロの娼婦みたいのが来ると思ったボビーは、ハリウッドに夢を抱いてきた子がそういう事もしていると知ってショックを受けます。
なのでお金だけ渡して帰ってもらいます。
上映時間96分なんで、このエピソード全くいらない気がするんですが、ボビーが純粋な心の持ち主だということを描きたかったのだと思います。
ただ、本作はウディ・アレン監督自身がナレーションを務めているのですが、それが非常に多くて早口なので付いてくのが大変です。
ボヤボヤしてると置いてけぼりを食らので字幕を注視です。
ボビーは3週間くらい待たされてようやくフィルに会えます。
ボビーは仕事を紹介してくれるよう頼みます。
やりたいことがあるのか聞かれますが、何でもやると言うと、フィルの会社の郵便係も埋まってるし、空きが出たら連絡すると言われますが、フィルの気が変わって自分にくっついて雑用するか?って話になり次の日から行くことになります。
ボビーはフィルからロサンゼルスを知らないだろうからと秘書のヴォニー(クリステン・スチュワート)を紹介されて、週末ごとにロサンゼルスを案内してもらううちに、ヴォニーの人柄に魅了されてすっかり好きになってしまいます。
ヴォニーもハリウッドに憧れてオクラホマから女優になりたくて来ましたが、ハリウッドの現実を知ると夢は覚めフィルの元で堅実に働いていたのでした。
ボビーはヴォニーにどんどん惹かれていきましたが、ヴォニーには中々会えない彼氏がいました。
ボビーが雑用や付き人から脚本を読む係にステップアップすると、お祝いを兼ねてボビーの家でヴォニーが食事を作ってくれることになりましたが、ヴォニーに急用が出来てドタキャンされてしまいます。
ヴォニーの急用は中々会えない彼と会えることになったからですが、その彼というのはフィルでした。
フィルは結婚して25年になる妻子ある男でしたが、採用面接で会ったヴォニーに心惹かれてその日から1年ずるずると付き合っていました。
妻と離婚してヴォニーと結婚すると言ってましたが実行できずにいました。
結局フィルは離婚出来ないといい、お互いの為に別れようと言います。
傷ついたヴォニーはドタキャンした約束に遅れてボビーの家を訪れると、それからだんだんと親密になり付き合うようになります。
ボビーはヴォニーとの交際が安定してくると、元々のニューヨーカー気質とハリウッドの世界に居心地の悪さを感じ、ヴォニーとニューヨークで結婚して生活したいと考えるようになります。
ボビーはある夜、フィルに呼び出されて行くと、それは恋愛相談でした。
妻と離婚出来なくて別れてしまった彼女がいるけど、諦められないという話でしたが、ボビーに話してすっきりすると、フィルは妻と別れてヴォニーに再びアタックするようになります。
この頃にはフィルはヴォニーがボビーと付き合っているのを知りますが、彼女がどちらを選ぶかは任せています。
そんなことは全く知らないボビーでしたが、フィルのオフィスに行くとヴァレンチノ直筆の手紙が飾ってあるのに気づきます。
ヴォニーから以前、ヴァレンチノ直筆の手紙を彼に贈ったと聞いていたボビーは、元彼がフィルだと気づきます。
フィルとボビー、両方からプロポーズを受けてたヴォニーはフィルを選んだのでした。
ニューヨークに戻ったボビーは兄が経営してるナイトクラブを手伝います。
ボビーがハリウッドにいる間にも、実家のことが挟み込まれるのですが、兄が経営してるナイトクラブは前の権利者を殺して手に入れたものでしたが、そういうのは拳銃で撃つ、コンクリートで埋めると、あくまで軽くサラッと描いてます。
ニューヨークに戻ったら連絡してと言われていたハリウッドのパーティーで知り合ったニューヨークのモデルエージェンシーの女性社長ラッド(パーカー・ポージー)に連絡するとそこのモデルたちが頻繁に使うようになります。
美人の集まる店と評判になると繁盛し、政財界から裏社会まで様々な人が集まるようになり、ボビーもその店の支配人として名士となります。
ある日、ラッドがボビーに引き合わせるためにヴェロニカ(ブレイク・ライヴリー)という離婚したばかりの女性を連れてきます。
ヴェロニカに魅了されたボビーはその日から口説きにかかり交際を重ねると、やがて妊娠が判明し結婚出産とハッピーロードを歩みます。
出産したヴェロニカは家で子育てに専念してるので、あまり画面に登場しません。
その間、姉の家では隣人との騒音トラブルが描かれます。
苦慮した結果イブリンがベンに相談すると、騒音はピタッと治まりましたが、例によって例の手口でした。
ある日、ロンドン帰りでニューヨークに長期滞在することになったフィル夫妻がクラブを訪れます。
ヴォニーがハリウッドの毒気にすっかり毒されていて幻滅したのと、二人への気まずさからか、挨拶もそこそこに逃げるボビーでしたが、ヴォニーはニューヨーク滞在中もフィルは忙しいから日中はニューヨーク案内してほしいと言ってきます。
ボビーは承諾しニューヨークを案内してると、かつてロサンゼルスを案内してもらったときの気持ちが蘇ってくるのでした。
店の経営は順調でしたが、常連客である政界の大物から、兄に司法の手が伸びてきてることを知らされます。
兄が数々の事件で逮捕されると優秀な弁護士を2組付けましたが判決は死刑でした。
刑務所の中でキリスト教に改宗する兄。
ユダヤ教では生まれ変わらないからってことでしたが、この辺はアレン監督お得意のユダヤネタです。
兄の死刑が執行されると、それもまた逆に話題になり、ハリウッドに支店をだそうかという話が出てきます。
ハリウッドに出張したボビーはヴォニーと昔行ったレストランで会います。
ハリウッドには競合するお店が多いから簡単にはいかないみたいな話をして別れます。
ハリウッドでの出店は無いのでしょう。
ハリウッドからニューヨークの自宅に戻ると、ヴェロニカがボビーがハリウッドで浮気してる夢を見たと言われます。
大晦日、ボビーの店でのカウントダウンパーティー。
ニューヨークで新年を迎えたボビー。
一方ハリウッドで新年を迎えたヴォニー。
お互い、別々の道を歩む感じで映画は終わります。
感想としては、96分で色々詰め込まれてるので忙しいのと、ナレーションで説明されることが多いので映画的な情緒さは無いのかなと。
年を取ると昔のことを思い出すと言われますけど、そういうのが走馬燈のように描かれる感じ?
二人のヴェロニカといっても、殆どがヴォニーの方に占められているので、やっぱり手に入れられなかった方に執着するのかな?とか思ったりしました。
まあ元々がドラマ的なので、わざわざ映画館で観なくてもいいかなと思いました。
鑑賞データ
TOHOシネマズみゆき座 TOHOシネマズデイ 1100円
2017年 76作品目 累計79400円 1作品単価1045円
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