奄美群島が舞台でした ☆3点
小栗康平監督のカンヌ国際映画祭審査員グランプリ受賞作『死の棘』の原作者・島尾敏雄の「島の果て」と、その妻である作家の島尾ミホの「海辺の生と死」をベースにしたラブストーリーで監督は越川道夫、主演に満島ひかりと永山絢斗
予告編
映画データ
昨年のベッキーさんのゲス不倫を皮切りに週刊誌やワイドショーを賑わせ続けてる不倫ですが、その度に『死の棘』のことを思い出してたんですよね。
覚せい剤とかやってる人は麻薬映画見た方がいいと思いますし、不倫してる人は、一旦、『死の棘』を見るのもいいんじゃないかと思って。
本作に関してはテアトル新宿で予告編を見てたんですけど、戦時中の恋愛映画ということで正直あまりそそられなかったのと、平日仕事終わりのちょうどいい時間にやって無かったこともあって諦めてたんですけど、お盆休みで時間合ったので観てきました。
ただ、原作は未読ですが、内容が何となく想像できるのと、上映時間155分に尻込みしましたが…。
監督は越川道夫さん
プロデュース作品が多いようですが未見です。
監督は前作の『アレノ』からで2作目のようです。
主演に満島ひかりさん
若手演技派ナンバーワンだと思います。
民放連ドラ初主演作だった「Woman」が素晴らしく、「若者たち2014」「ごめんね青春」も面白かったですし、「ど根性ガエル」のピョン吉の声だけってのも上手かったですし、「トットてれび」で存命中の黒柳さんを演じるのも凄いです。
映画は劇場で観てるのは今年公開された『愚行録』と『メアリと魔女の花』(声の出演)だけです。
主演に永山絢斗さん
WOWOWの連続ドラマ「モザイクジャパン」が面白かったです。
満島さんとは「ごめんね青春」で共演してますね。
映画は『みなさん、さようなら』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
大平トエ:満島ひかり
朔中尉:永山絢斗
大坪:井之脇海
隼人少尉:川瀬陽太
トエの父:津嘉山正種
あらすじ
昭和19年(1944年)12月、奄美 カゲロウ島(加計呂麻島がモデル)。国民学校教員として働く大平トエは、新しく駐屯してきた海軍特攻艇の隊長 朔中尉と出会う。朔が兵隊の教育用に本を借りたいと言ってきたことから知り合い、互いに好意を抱き合う。島の子供たちに慕われ、軍歌よりも島唄を歌いたがる軍人らしくない朔にトエは惹かれていく。やがて、トエは朔と逢瀬を重ねるようになる。しかし、時の経過と共に敵襲は激しくなり、沖縄は陥落、広島に新型爆弾が落とされる。そして、ついに朔が出撃する日がやってきた。母の遺品の喪服を着て、短刀を胸に抱いたトエは家を飛び出し、いつもの浜辺へと無我夢中で駆けるのだった・・・。
(公式サイトhttp://www.umibenoseitoshi.net/より引用)
ネタバレ感想
ハッピーチューズデーを利用したらたまたま終戦記念日だったんですが、上映も3週目に入るというのに、初回から満席立ち見での上映でお客さん入ってましたね。
映画はですね、ワンシーン、ワンシーンが長いんで、お話的には60分くらいで終わっちゃう内容だと思います。
先月『ハクソー・リッジ』を観たんで、本作も沖縄諸島が舞台だと思って、ゆったり撮ってるのはウチナータイムを体感させるためかな?と思いましたが、奄美大島の隣の加計呂麻島が舞台でした。
ただ奄美群島にも島時間というのがあるみたいなので一緒かな。
映画を観終わったあと、テアトル新宿なのでインタビュー記事の切り抜きなどが貼ってあるのを読んだんですけど、沖縄出身の満島さんの祖母が奄美大島の方みたいで、満島さん自身のルーツを探る映画にもなってたみたいです。
ただインタビューで語られてるような思いは映画を観てる最中は気が付きませんでしたね。
島の映像も『哭声/コクソン』の冒頭に比べると、それほど美しいとは感じなかったですし、朔中尉とトエが逢瀬を重ねるのは夜のシーンが多かったのですが、夜の海のシーンは『バンコクナイツ』の方が綺麗でしたし、4Kとかで撮ればよかったんじゃないかと思いました。
物語は朔中尉が赴任しても、最初は特攻艇の隊員だとは分からないんですが、ベニヤ板製の特攻艇震洋が秘匿壕に隠されているのが分かると特攻隊員なんだなと分かります。
特攻隊員は指示があるまで待機してるだけで、敵の機銃掃射にも応戦出来ないんで、基本的には静かです。
映画では空襲があると島民が防空壕に入る描写と、予告編にある機銃掃射の1シーンで飛行機が出てくるだけです。
朔中尉は隼人少尉に「夜中にこっそり出ていって、女と乳繰り合って」と揶揄されますが、基本、暇なんだと思います。
朔中尉は朔中尉で部下の大坪に手紙(恋文)を届けさせたりして、ああいうの公私混同じゃないの?と思ってしまいました。
インタビューにあるように島の方言にはこだわっていて、そういうシーンでは字幕が付きますが、お父さんと喋ってるときなんかでも、普通の言葉で喋ってるときもあって言葉がちゃんぽんしていて一貫性がないので戸惑いました。
それからやっぱり島を撮ることにこだわってるでしょうから1シーンが長いんですが、物語が劇的に進んだり台詞がたくさんある訳じゃないのでどうしても眠くなるんですよね。
で、その眠くなったところでビックリしたのが満島さんのヌードです。
そこまででもシミーズ姿のラブシーンは1シーンありましたが、まさか脱ぐと思ってなかったのであそこは目が覚めました。
予告編では最後の方、上半身裸に見えるシーンです。
劇中、広島に原爆が落とされたことが分かるので、8月6日以降だなと分かるのですが、舞台が沖縄だと思ってたので、もう沖縄戦は終了してるので朔中尉の出撃は無いなと安心しきって観てたのですが、結果的に出撃せずハッピーエンドで終わります。
ただ、あのような状況下で結ばれた2人でも、後に『死の棘』が待っている訳で、男女の愛は難しいと思うばかりです。
映画の内容云々よりも、奄美の文化に触れる、雰囲気を味わう、島時間を過ごす、みたいな感覚で観ると楽しめる映画だと思います。
鑑賞データ
テアトル新宿 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
2017年 135作品目 累計142900円 1作品単価1059円
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