海辺の生と死 評価と感想/沖縄時間が流れてる。と思ったら

海辺の生と死 評価と感想
スポンサーリンク

奄美群島が舞台でした ☆3点

小栗康平監督のカンヌ国際映画祭審査員グランプリ受賞作『死の棘』の原作者・島尾敏雄の「島の果て」と、その妻である作家の島尾ミホの「海辺の生と死」をベースにしたラブストーリーで監督は越川道夫、主演に満島ひかりと永山絢斗

予告編

映画データ

海辺の生と死 (2017):作品情報|シネマトゥデイ
映画『海辺の生と死』のあらすじ・キャスト・動画など作品情報:「死の棘」などで知られる作家・島尾敏雄の「島の果て」と、自身も作家である妻・島尾ミホの「海辺の生と死」を基にしたラブストーリー。
http://cinema.pia.co.jp/title/172491/

昨年のベッキーさんのゲス不倫を皮切りに週刊誌やワイドショーを賑わせ続けてる不倫ですが、その度に『死の棘』のことを思い出してたんですよね。

『死の棘』 島尾敏雄 | 新潮社
思いやりの深かった妻が、夫の〈情事〉のために突然神経に異常を来たした。狂気のとりことなって憑かれたように夫の過去をあばきたてる妻。ひたすら詫び、許しを求める夫。日常の平穏な刻は止まり、現実は砕け散る。狂乱の果てに妻はどこ

覚せい剤とかやってる人は麻薬映画見た方がいいと思いますし、不倫してる人は、一旦、『死の棘』を見るのもいいんじゃないかと思って。

ボーダーライン 評価と感想/麻薬をやってる人は麻薬映画を見た方がいい
絶望しかない世界  ☆4点 予告編 映画データ あらすじ FBIの誘拐即応班を指揮する捜査官ケイト・メイサー(エミリー・ブラント)は、アリゾナ州の荒野にたたずむ一軒家で信じがたい光景を目の当たりにした。誘拐事件の人質を救出するために強行突入...

本作に関してはテアトル新宿で予告編を見てたんですけど、戦時中の恋愛映画ということで正直あまりそそられなかったのと、平日仕事終わりのちょうどいい時間にやって無かったこともあって諦めてたんですけど、お盆休みで時間合ったので観てきました。

ただ、原作は未読ですが、内容が何となく想像できるのと、上映時間155分に尻込みしましたが…。

監督は越川道夫さん
プロデュース作品が多いようですが未見です。
監督は前作の『アレノ』からで2作目のようです。

主演に満島ひかりさん
若手演技派ナンバーワンだと思います。
民放連ドラ初主演作だった「Woman」が素晴らしく、「若者たち2014」「ごめんね青春」も面白かったですし、「ど根性ガエル」のピョン吉の声だけってのも上手かったですし、「トットてれび」で存命中の黒柳さんを演じるのも凄いです。
映画は劇場で観てるのは今年公開された『愚行録』と『メアリと魔女の花』(声の出演)だけです。

愚行録 評価と感想/どいつもこいつもゲス過ぎる
2017年現時点で邦画ナンバーワン ☆5点 予告編 映画データ この映画は、あんまり映画館で予告編を見なかった気がします。 内容も殆ど知らなくて、事件モノっぽいことと、オフィス北野の製作で珍しいなと思いました。 北野武監督作品以外のオフィス...

主演に永山絢斗さん
WOWOWの連続ドラマ「モザイクジャパン」が面白かったです。
満島さんとは「ごめんね青春」で共演してますね。
映画は『みなさん、さようなら』を観てます。

みなさん、さようなら 評価と感想/田中圭さんの悪役!
田中圭さんがよかった、ゾクゾクしました ☆4点 予告編 映画データ あらすじ 1981年―渡会悟(濱田岳)が通っていた芙六小学校の子供たち=107人も、かつては全員団地暮らし。 小学校を卒業した12歳の悟(濱田岳)は、担任の必死の説得も虚し...

他に共演と配役は以下の通りです。

大平トエ:満島ひかり
朔中尉:永山絢斗
大坪:井之脇海
隼人少尉:川瀬陽太
トエの父:津嘉山正種

あらすじ

昭和19年(1944年)12月、奄美 カゲロウ島(加計呂麻島がモデル)。国民学校教員として働く大平トエは、新しく駐屯してきた海軍特攻艇の隊長 朔中尉と出会う。朔が兵隊の教育用に本を借りたいと言ってきたことから知り合い、互いに好意を抱き合う。島の子供たちに慕われ、軍歌よりも島唄を歌いたがる軍人らしくない朔にトエは惹かれていく。やがて、トエは朔と逢瀬を重ねるようになる。しかし、時の経過と共に敵襲は激しくなり、沖縄は陥落、広島に新型爆弾が落とされる。そして、ついに朔が出撃する日がやってきた。母の遺品の喪服を着て、短刀を胸に抱いたトエは家を飛び出し、いつもの浜辺へと無我夢中で駆けるのだった・・・。

(公式サイトhttp://www.umibenoseitoshi.net/より引用)

ネタバレ感想

ハッピーチューズデーを利用したらたまたま終戦記念日だったんですが、上映も3週目に入るというのに、初回から満席立ち見での上映でお客さん入ってましたね。

映画はですね、ワンシーン、ワンシーンが長いんで、お話的には60分くらいで終わっちゃう内容だと思います。
先月『ハクソー・リッジ』を観たんで、本作も沖縄諸島が舞台だと思って、ゆったり撮ってるのはウチナータイムを体感させるためかな?と思いましたが、奄美大島の隣の加計呂麻島が舞台でした。
ただ奄美群島にも島時間というのがあるみたいなので一緒かな。

ハクソー・リッジ 評価と感想/今までの戦争映画で一番凄まじい
戦地に赴いた良心的兵役拒否者の信念 ☆5点 銃を持たない兵士として第二次世界大戦での沖縄戦で75人の命を救った衛生兵デズモンド・ドスの実話を映画化。 監督はメル・ギブソン、主役のデズモンド役にアンドリュー・ガーフィールド 予告編 映画データ...

映画を観終わったあと、テアトル新宿なのでインタビュー記事の切り抜きなどが貼ってあるのを読んだんですけど、沖縄出身の満島さんの祖母が奄美大島の方みたいで、満島さん自身のルーツを探る映画にもなってたみたいです。

満島ひかりインタビュー「ルーツ・奄美大島が教えてくれたこと」
7月29日公開の映画『海辺の生と死』(越川道夫監督)に主演する女優・満島ひかり。島尾ミホ(作中ではトエ)と敏雄(同・朔隊長)の出会いから終戦までを描く本作の撮影は、自身のルーツでもある奄美大島で行われ…
女優・満島ひかりインタビュー
みずみずしくて、野性味があって、壊れてしまいそうなほどの繊細さも見せる。俳優、満島ひかりが持つ魅力をいかんなく発揮するのが4年ぶりの単独主演映画『海辺の生と死』だ。小説家の島尾敏雄、ミホ夫妻の出会いを描いた作品をベースに越川道夫が脚本、監督...

ただインタビューで語られてるような思いは映画を観てる最中は気が付きませんでしたね。

島の映像も『哭声/コクソン』の冒頭に比べると、それほど美しいとは感じなかったですし、朔中尉とトエが逢瀬を重ねるのは夜のシーンが多かったのですが、夜の海のシーンは『バンコクナイツ』の方が綺麗でしたし、4Kとかで撮ればよかったんじゃないかと思いました。

哭声/コクソン 評価と感想/ぐるっと回って考えるとツインピークスか?
カメラがとにかく素晴らしい ☆5点 予告編 映画データ ツイッターとか見てたら、何やら評判が良さそうなので鑑賞。 全国で12館くらいの上映で、東京ではシネマート新宿と楽天地シネマズ錦糸町の2館での上映です。 楽天地シネマズ錦糸町は全然行った...
バンコクナイツ 評価と感想/東南アジアの歴史を勉強せねばと思いました
理解するのに自分の知識が足りてませんでした ☆4点 予告編 映画データ TCGメンバーズ会員サービスデーなので、何かないかなぁと思い、鑑賞。 本作は予告編を観たことはなかったですが、映画館でポスターを見て気にはなっていました。 テアトルシネ...

物語は朔中尉が赴任しても、最初は特攻艇の隊員だとは分からないんですが、ベニヤ板製の特攻艇震洋が秘匿壕に隠されているのが分かると特攻隊員なんだなと分かります。

特攻隊員は指示があるまで待機してるだけで、敵の機銃掃射にも応戦出来ないんで、基本的には静かです。
映画では空襲があると島民が防空壕に入る描写と、予告編にある機銃掃射の1シーンで飛行機が出てくるだけです。

朔中尉は隼人少尉に「夜中にこっそり出ていって、女と乳繰り合って」と揶揄されますが、基本、暇なんだと思います。
朔中尉は朔中尉で部下の大坪に手紙(恋文)を届けさせたりして、ああいうの公私混同じゃないの?と思ってしまいました。

インタビューにあるように島の方言にはこだわっていて、そういうシーンでは字幕が付きますが、お父さんと喋ってるときなんかでも、普通の言葉で喋ってるときもあって言葉がちゃんぽんしていて一貫性がないので戸惑いました。

それからやっぱり島を撮ることにこだわってるでしょうから1シーンが長いんですが、物語が劇的に進んだり台詞がたくさんある訳じゃないのでどうしても眠くなるんですよね。

で、その眠くなったところでビックリしたのが満島さんのヌードです。

そこまででもシミーズ姿のラブシーンは1シーンありましたが、まさか脱ぐと思ってなかったのであそこは目が覚めました。
予告編では最後の方、上半身裸に見えるシーンです。

満島ひかり 主演映画「海辺の生と死」で上半身裸の姿を披露 - ライブドアニュース
29日公開の満島ひかり主演映画「海辺の生と死」についてサイゾーが報じた。同作では、満島が上半身裸の姿を披露する場面があるという。映画ライターは「彼女の女優としての覚悟を感じました」と語っている

劇中、広島に原爆が落とされたことが分かるので、8月6日以降だなと分かるのですが、舞台が沖縄だと思ってたので、もう沖縄戦は終了してるので朔中尉の出撃は無いなと安心しきって観てたのですが、結果的に出撃せずハッピーエンドで終わります。

ただ、あのような状況下で結ばれた2人でも、後に『死の棘』が待っている訳で、男女の愛は難しいと思うばかりです。

海辺の愛と死 ~ミホとトシオの物語~ | 奄美なひととき
1945(昭和20)年8月13日、26歳のミホは、奄美・加計呂麻島の闇夜の浜辺をトシオに会うために特攻基地へと向かっていました。この島に基地をもつ海上特攻・震洋隊の隊長である…

映画の内容云々よりも、奄美の文化に触れる、雰囲気を味わう、島時間を過ごす、みたいな感覚で観ると楽しめる映画だと思います。

鑑賞データ

テアトル新宿 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
2017年 135作品目 累計142900円 1作品単価1059円

コメント