マリリン・マンソンvsグレート・カブキ ☆3.5点
ジェームズ・ワン製作の死霊館・アナベルシリーズの5作目で、1950年代のルーマニアの修道院を舞台にシリーズの元凶(悪魔)であるヴァラクを描いたプリクエル(前日譚)のスピンオフ作品。
監督は長編2作目となるコリン・ハーディ、主演は死霊館シリーズの主演ヴェラ・ファーミガの妹タイッサ・ファーミガとデミアン・ビチル、共演にジョナ・ブロケ
予告編
映画データ
本作は2018年9月21日(金)公開で、全国87館での公開です。
配給はワーナーブラザース、製作はニュー・ライン・シネマ
全米での公開は2018年9月7日(金)公開で、9月公開作としては昨年の『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』に次ぐ、歴代2位の5350万ドルのオープニング興収を記録してます。
劇場では予告編を目にしませんでしたが、前作の『死霊館 エンフィールド事件』だけは観てて、またマリリン・マンソン風の怖い奴出てくるみたいなので観に行ってきました。
監督はコリン・ハーディ
初めましての監督です。
2015年公開の『ザ・ハロウ/浸蝕』が長編デビュー作で、本作が長編2作目となります。
主演にタイッサ・ファーミガ
『死霊館』『死霊館 エンフィールド事件』の主演ヴェラ・ファーミガの妹さんだそうです。
7人兄弟姉妹の末っ子で、2番目のヴェラとは21歳差だそうですが、御両親凄いな(笑)
出演作は『ブリングリング』を観てます。
主演にデミアン・ビチル
2011年公開の『明日を継ぐために』で第84回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。
近作は『マチェーテ・キルズ』『ヘイトフル・エイト』を観てます。
共演にジョナ・ブロケ
近作は『エル ELLE』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
修道女アイリーン: タイッサ・ファーミガ
バーク神父: デミアン・ビチル
フレンチ―: ジョナ・ブロケ
ヴァラク: ボニー・アーロンズ
修道女ヴィクトリア: シャーロット・ホープ
修道女オアナ: イングリット・ビス
グレゴロ: ジョニー・コイン
修道女クリスチャン: マニュエラ・チューカー
マークィス: ジャレッド・モーガン
あらすじ
1952年のルーマニアの修道院でひとりのシスターが自らの命を絶つ。不可解な点の多い自殺に教会はバーク神父と見習いシスターのアイリーンを修道院へと派遣する。二人はこの事件を追うにつれ、修道院に隠された秘密とともにいまだかつてない恐怖“悪魔のシスター・ヴァラク”と対峙することになる。果たして、この修道院に隠された想像を超える秘密とは?そして悪魔のシスターの目的とは一体何なのか!?
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
最初に書いたように死霊館・アナベルシリーズは前作の『死霊館 エンフィールド事件』しか観てないのですが、いわゆるビギニングものなので本作だけ観ても全く問題ないと思います。
いちおう公式に振り返り映像があったので貼っときます。
前作『死霊館 エンフィールド事件』は、最近のアメリカドラマでよくある1話の中で2つの話が進んでいくタイプで、エンフィールドでのポルターガイスト現象とウォーレン夫妻に付き纏うヴァラクを描いていて上映時間は133分とちょっと長めだったんですけれども、本作は修道院だけでのシンプルな話で上映時間も96分と短めで、その点では見やすかったと思います。
ただ本作は興収ではロケットスタートをかましたわりに、評価はいまいちでロッテントマトだとトマトメーター25%、オーディエンススコア40%とかなり低くなってます。
自分も前作より評価は落ちますが、このシリーズに特に思い入れがある訳ではないので、まぁまぁ面白かったです。
自分が観に行った回は女性の観客の方が多くて、わりとヒィーヒィーと怖がってる声が聞こえたせいもあります(笑)
設定は怖いですよね。
人里離れた山の古城のような修道院で、しかも場所はドラキュラ伝説のルーマニア。
『ホステル』のスロバキアなんかと同じで東欧ってだけで怖いイメージです。
ここにバチカンから派遣されたバーク神父と見習いシスターのアイリーンが、自殺したシスターの遺体を発見した地元の食料配達人の青年フレンチ―の馬車に乗せてもらってやってきます。
フレンチ―の「地元の人は修道院に近づきたがらない」というのもすでに怪しく、首吊り遺体のあった場所の下の血溜まりがなぜか新しいのも奇妙です。
フレンチ―によると修道院のシスターには会った事がなくて、普段は食糧庫の冷蔵室に食料を届けるだけで、発見した首吊り遺体も冷蔵室に横たわらせてあると言います。
バーク神父とアイリーンは冷蔵室に案内してもらって遺体を調べようとしますが、横たわらせたはずの遺体はなぜか座っていてフレンチ―は驚きます。
バーク神父は遺体を一通り調べますが何かの鍵を握ってるだけで不審なところは無く、修道院の中に入って調べるとのことで、フレンチ―に3,4日したら迎えに来てもらうことにして別れます。
修道院の中に入ったバーク神父とアイリーンが呼びかけても当然のように反応がありません。
観客としては冒頭で2人のシスターが聖水を手に入れようとして、逆にヴァラクの反撃に遭い1人が殺されて、もう1人が自殺するシーンを観ているので、修道院の中は全滅してると思うのですが、2人が奥の礼拝堂に行くといつの間にか修道院長と思われる老女のシスター(ヴァラク)が影のようにそこに居ます。
バーク神父は早速、院長のシスターに事情を聞こうとしますが、夜通しの礼拝があるため事情聴取は翌日に持ち越されます。
別のシスターが現れて部屋を案内されると、バーク神父とアイリーンはそれそれの部屋で一夜を明かそうとしますが、当然何も起きない訳が無く、2人に様々な恐怖が降りかかるという次第です。
バーク神父に関しては、昔、悪霊が憑いた子供を救えなかったのがトラウマになっていて、その子の幻影を追っていくと修道院の外の墓場に辿り着きます。
しかしそれは子供の幻影を見せていたヴァラクの罠で、用意してあった新しい墓の棺の中に生きたまま埋められてしまいます。
ただ墓場には鈴が付いていて、それは昔の死亡判定が甘かったときの名残りで、墓に入れられた遺体が万が一、生きてた場合に助けられるように遺体に紐が付いていて、動いた場合に鈴が鳴る仕掛けになっています。
これは『ジェーン・ドゥの解剖』で遺体の足首に鈴が付いてたのと同じなんですが、これによって異変を察知したアイリーンにバーク神父は救われます。
一方、アイリーンの方には命を脅かすような危険は描かれませんが、代わる代わる色んなシスターに出会ううちに事態の真相が見えてきます。
ただ観客としては、おそらく誰も居ないはずであろう修道院で、アイリーンが何人かのシスターと話してるんで、半分夢を見てるような感じで、その辺は『エルム街の悪夢』っぽいかなぁと思いました。
結局、バーク神父は誰にも会えずじまいで、黙々と修道院にある文献を調べてて、少しずつ真相に近づいていく感じであまり役に立ってなかったです。
村にいたフレンチ―も異変を感じて修道院に戻ると、ゾンビ化したシスターに襲われているバーク神父を救って、ヴァラクとの最終決戦に臨む形になります。
修道院の秘密というのは、中世にこのお城の所有者だった公爵が黒魔術に取り憑かれて悪魔(ヴァラク)を呼び出し、修道女たちがキリストの血(聖水)で封印した経緯があります。
以来シスターたちが城を修道院として守ってきましたが、第二次世界大戦での爆撃で封印に亀裂が入り、ヴァラクが漏れ出てきてしまったのでした。
自殺したシスターの手に握られていた鍵は、城に隠されたキリストの血を手に入れる鍵で、アイリーンは聖水を手に入れるとヴァラクに振りかけようとしますが、聖水の入ったガラスの容器が割られて万事休すとなります。
しかしアイリーンは容器が割られる前にキリストの血を口に含んでいて、ザ・グレート・カブキの毒霧殺法よろしくヴァラクに吹きかけると見事ヴァラクを倒しめでたしめでたしとなるのでした(動画はグレート・ムタですが)
(このラストの毒霧殺法だけで+0.5点した感じはあります)
ただ物語はここで終わっちゃうとシリーズに繋がらないので、ヴァラクは倒される直前にフレンチ―に乗り移っていて、フレンチ―の本名はモーリス・テリオールトという名で、『死霊館』でウォーレン夫妻に除霊されている人物とのことです。
『死霊館』のロレイン・ウォーレン役のヴェラ・ファーミガの実の妹であるタイッサ・ファーミガ 演じるアイリーンは役柄的には関連性は無いと思いますが(母親とかにならないよね?)、見習いシスターの雰囲気がよく出てて役に合ってると思いました。
ちょっとシアーシャ・ローナンっぽい雰囲気もあって可愛かったですね。
スピンオフである本作のヒットで『死霊館』の第3作が作られるっぽいですが、アイリーンのキャラクターは魅力的でしたので、タイッサの主演で「シスター」の続編が作られたら見たいかなと思いました。
鑑賞データ
新宿ピカデリー SMTメンバーズ 1000円鑑賞クーポン 1000円
2018年 152作品目 累計131600円 1作品単価866円
コメント