丁寧に撮ってるけどつまらない ☆2.5点
予告編
映画データ
日本テレビ製作で松竹配給作品です。
本作はあまり予告編を観た記憶が無くて、タイトルだけ見て『PとJK』ってどういう意味だろ?と思ってたら、ポリス(警察官)のPと女子高生のJKってことで、犯罪臭しかしないだろと思って興味湧いた次第です。
漫画原作ということですが、設定は石立鉄男さんと岡崎友紀さん主演の往年のTBSドラマ「おくさまは18歳」とほぼ同じで、本作では年齢が16歳と更に下がってます。
この当時は淫行条例はまだ無かった訳ですが、それでも世間の目というものはありますし、生徒と教師という設定もあって本作と同じように秘密の愛を描いてるのですが、それによって起こるドタバタコメディというおおらかなものでした。
T.M.Revolution(西川貴教)版もあったのか…
えー、本作の主演は交番のお巡りさん役に亀梨和也さんで26歳の設定でした。
高倉健さんみたいな「自分、不器用ですから」という実直で真面目で、やや堅物な警察官という役柄でした。
映画は『ジョーカー・ゲーム』以来かな
16歳のJK役に土屋太鳳さん。
最初の頃は字面だけ見て男か女か分からないし、何て読むんだろうと思ってましたが、もうすっかり有名ですね。
最初に注目したのはドラマ「鈴木先生」の小川蘇美役でしょうか。鈴木先生はここ10年くらいのドラマの中でベストだと思っております。
「あまちゃん」以降の朝ドラは連続して見てましたが、「まれ」は途中で脱落した口です。
本作では、どこにでもいる普通の16歳の女子高生という役柄でした。
監督は廣木隆一監督。
元はピンク映画の監督さんでしたけど、最近はスイーツ映画が続いてますね。
監督の作品で一番、最近観たのは『さよなら歌舞伎町』です。
あらすじ
女子高生(JK)で恋愛初心者のカコは、ある日、警察官(Police)の功太と出会う。
カコは男らしい功太に惹かれ、2人の恋愛がスタートするかに思えたが、功太はカコが実は女子高生だと知り、戸惑う…。
功太は職務上、女子高生と軽々しく付き合うことはできない。そこで功太はいきなり「結婚しよう」とプロポーズ!!
突然のことにカコはビックリしたが、うれしくて功太との結婚を決める。そしてふたりの内緒の結婚生活が始まった。
楽しくてラブラブな新婚生活を夢見るカコは、大人な功太にドキドキさせられっぱなし。
しかし、警察官と女子高生という立場の違いから、気持ちのすれ違いも出てきてしまう…。そんな中、2人を巻き込む大事件が発生!
果たしてふたりは、困難を乗り越え、本当の幸せを掴むことができるのか?(公式サイトhttp://ptojk.jp/about/story.htmlより引用)
ネタバレ感想
映画内でも、色んな映画紹介サイトのあらすじでも、カコ(土屋太鳳)と功太(亀梨和也)は合コンで出会うとなってますが、どちらかというと街コンて感じでした。
カコの同級生で親友のミカド(玉城ティナ)と一緒に、ミカドのいとこだか親戚(高橋メアリージュン)との食事会だと思って行ったら人数合わせの街コンで、22歳の女子大生って設定で参加しろと言われます。もちろん未成年なのでアルコールは厳禁と釘をさされます。
望んで来た街コンではないので暇そうにしてると、男性グループからフリードリンクなんだからお酒もっと飲まなきゃ損じゃんと言われて、ウイスキーをグラスで注がれて困っていると、功太くんの登場です。
「君たち飲まないならもったいないから俺が飲むよ」って言って3杯くらい飲み干してくれたので、ビビッて男性グループは離れていきました。ときめくカコ。
街コン終了して、カコが店の外に出ると仲間とたむろしてる功太クン。
「お酒は飲めないんでさっきは助かりました」とお礼を言って帰ろうとすると、功太クンが「もう帰るの?」と。
「22時20分の終電に間に合うんで帰ります」っていうと、じゃ俺も帰るって言って仲間と別れ一緒に駅に向かいます。
あ、駅と言っても函館なので路面電車の停留所なんですが、劇中でとくに函館の地名がクローズアップされることはありませんでした。(函館の風景は綺麗でしたよ。フィルムコミッションがあるので、最近は映画のロケに使われることが多いですね)
で青春映画のように2人で走るんですが、ギリギリ間に合いませんでした。
功太クンがタクシーで送るから、ちょっと歩こうと言ってくれて話します。
「カコちゃんはずっとここなの?(函館なの?って聞けば分かり易いんですけどなぜか地名は出さない)」って聞くと、「16年間ずっとここです!」と言ってしまいます。
頭の中で計算する功太クン。22歳じゃないの?16歳なの?って聞くと、ごめんなさい嘘ついてましたと。
すると豹変する功太クン。「このクソガキが、アルコール飲んでねえだろうな(ギロッ)」
「はい、アルコールは飲んでません、ごめんなさい、ひえーーーー。」
「とっとと帰れこのクソガキが!」
「ご、ごめんなさい、ひえー、ぴゅーー」と走り出すと、不良がたむろしてる通りに入ってしまいます。
ああ、功太クン、そこは青少年保護育成条例の元、保護しようよと思いましたけど、23時までは出歩いてていいんでしたっけ?
で、お約束通り、不良グループにお姉ちゃんかわいいねー、遊ぼうよって絡まれて、拉致られそうになってるところに功太クンが駆けつけます。
「また、お前ら悪さしてるのか、逮捕するぞコノヤロー」とアウトレイジの小日向さんみたいなことは言いませんでしたが、不良グループは功太クンに以前から目を付けられたんで、今度補導されたら少年院送りだと考え反撃しようとスケボーを振りかざしたら、カコの頭に当たって怪我をさせてしまいます。
警察の応援と救急車の手配をする功太クンを見て、警察官と知るカコなのでした。
カコのお父さんは村上淳さん。ムラジュンさんです。
お母さんはともさかりえさん(観に行った日に離婚を発表されてました)。
両親に謝る功太クン。「ボク(警察官)がついていながらすみません。」
「いや、気にしないで下さいよ。ところで功太クンはうちの娘と付き合ってるの?」
否定する功太クン。
両親「カコも眠ってるみたいで朝まで目が覚めないだろうから帰るね」と。
功太クンは(責任を感じて)「僕はまだいます。明日休みですし」って言って、両親は先に帰ります。
カコが目を覚ますと功太クンが。
謝る功太クンでしたが、警察官で正義感の強い功太クンにメロメロになるカコ。
16歳と聞いてあんな態度をとってしまったが、街コンでいいなと思ったのは事実。
ただ自分の立場上、安易な気持ちで付き合えないし、色々問題もあるってことで結婚しようと。
カコはあんまりよく分かってないので、さすがに結婚にはビックリしてましたが、一緒にいれるならいいやーって感じで半分OK。
OKが半分なのはちゃんとしたシチュエーションでプロポーズして欲しいから。
退院して、カコの両親に結婚したい旨を告げると、当然の如くお父さんに反対されますが、お母さんはちょっと理解ありそう。
後日、お父さんと酒を酌み交わし、1発殴られ(へなちょこパンチ)てOKとなりますが、高校卒業するまでは、そういう行為は禁止。
一応、功太は交番の上司、巡査部長の山本部長(田口トモロヲ)には報告してあります。
山本部長はいい人で、上にはうまく言っといてくれるとのことでした。
あと同僚の先輩お巡りさんに大政絢さん。
男勝りな性格で恋愛のこととか疎いんですけど、私だったらこっちいくのにと思って観てました。
大政絢ちゃんめちゃめちゃ美人じゃないですか?
てか『コスメティックウォーズ』見そびれました。
公開が2週間くらいって無理ゲーです。
かくして功太クンの家にカコが住んで(だと思う)夢の新婚生活が始まります。まあ、おままごとみたいですが。
カコは学校では新婚生活を秘密にしてます。
またカコを殴った不良は大神さん(高杉真宙)という留年してる先輩で同級生なんですが、反省してるのと思ったより悪くない人ということを知って友達になります。
カコの学校生活では文化祭が控えていて、クラスでは仮装して写真が撮れるサービスをやることになり、カコたちは衣装制作の担当になります。
カコとミカドと友達のジロウ(西畑大吾)と大神さんの4人で衣装を作りますが、大神さんは学校に来たり来なかったり。
一方、新婚生活では、功太クンが忙しいこともあってすれ違いが続いたり、功太クンのお父さんはある事件で亡くなってるんですがそのことを話してくれなかったり、功太クンは大神が荒れてた頃をよく知ってるのでカコが仲良くしてるのを快く思わなかったりして、少しギクシャクしていました。
大神さんはよく体にアザを作って学校に来ていたので、カコは心配して功太クンに大神さんのことで知ってることないかって聞きますが、功太クンは仮に知ってるとしても守秘義務があるから夫婦でも教えられないと言います。職務に忠実な功太クンです。
大神さんのお母さん(江口のりこ)はホステスでヒモみたいな夫(川瀬陽太)がいますが、実父ではなく継父で、大神さんは暴力を振るわれています。
いよいよ継父の暴力が酷くなると学校を辞めて働けと言われ、学校に来なくなります。
文化祭の前の日も酷い暴力を受けて、近所の人に通報されると功太クンがやってきます。
功太クンは大神に「何でも一人で抱え込むな、警察を頼れ」と言って、継父を任意同行で連れて行きます。
文化祭前日にも学校に来ない大神さんを心配してカコたちが駆け付けると、継父は連行されたあとで、家の中を片付けている大神さんがいました。
破壊された部屋の片づけを申し出るカコに文化祭の準備でそれどころじゃないだろと断る大神さんでしたが、カコが友達でしょと言ってみんなで片付けて心が一つになります。
文化祭の日、カコの楽しみは功太クンに学生服のコスプレをしてもらって学内デートをすることでした。
カコが学内デートを満喫し校庭で一人でいたところ、大神さんのいた不良グループが、大神さんがグループを抜けたのでヤキを入れようと学校にやってきます。
大神さんが一人になる機会が無いためカコを拉致し大神さんをおびき寄せます。
離れた校舎から見ていた功太クンと大神さんは不良グループの溜まり場に駆けつけますが、功太クンが不良グループに刺されてしまいます。
病院で意識不明の功太クンを見守るカコ。
功太クンが目を覚まし安心しますが、功太クンが警察官である限り常に危険がつきまとうことを自覚し、警察官の妻になる自信や覚悟なんて無かったことを告げます。16歳にはこの恋愛は重いと告げて実家に戻ってしまいます。
退院して職場復帰した功太クン。
功太クンたちの交番では、カコの学校で交通安全講習を行うことになりました。
講習の最後の質疑応答で、ミカドが、何で警察官という危険な職業に就いたのかを質問すると、功太クンが答えてくれました。
それはカコに聞かれても答えられなかった、父の死のことで、トラウマになっていましたが、その場でようやく話すことができ、カコも功太クンの思いを知ることになります。
講習を終えて帰ろうとしたら、山本部長が功太クンに忘れ物があるんじゃないか?と促してくれます。
功太クンが講堂に戻るとカコが待っててハッピーエンド。
ラストらしくキスをしようとしますが、用務員さんが講堂を閉めまーすと入ってきて出来ず。
その後講堂を出るとなぜかミュージカル風になって、生徒たちに祝福されながら校門を出ると、ミニパトのウェディングカーがあって、それに乗って出発し終わります。
うーん、最近の邦画のラストでミュージカル風になるのは流行りなんですかね?
『ハルチカ』の場合は伏線の回収になってるからいいんですけど
『恋妻家宮本』なんて、ラストで登場人物全員が吉田拓郎の歌、歌い出して全く意味不明でした。
フラッシュモブとか流行りだから、安易にこういうことやりたくなっちゃうのかなぁ。
映画は展開や脚本にやや疑問符が付くものの、わりとしっかりと撮られていて、いわゆるスイーツ映画のようなテンポ感は無かったです。
お話自体も真面目で、そんなに笑かしにきてるトコもない(軽めのギャグはスベってました)ですし、主役のお二人も熱演してて、作品に対するアプローチの仕方は好感が持てるんですが、その分、引っかかりも面白味も無かったです。
まぁ、そもそもテーマからノレなかったんですが、『PとJK』のタイトルの意味を知ったときに思い浮かべた事件はこれとこれです。
と思ったら観に行った日にも事件が
うーん、漫画原作とはいえ、もうちょっと現実を見てほしいですね。
海外では『わたしは、ダニエル・ブレイク』みたいな素晴らしい映画が作られてるのに、スイーツ映画一辺倒の邦画は、ちょっと見習って欲しいと思った『PとJK』の鑑賞でした。
鑑賞データ
新宿ピカデリー SMTメンバーズ 次回割引クーポン 1200円
2017年 49作品目 累計48100円 1作品単価982円
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