その男キレッキレにつき ☆4.5点
予告編
映画データ
やって参りましたキングスマン
観て参りましたキングスマン
2月の全米公開時の初週には『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』に圧倒的な興収の差を付けられたものの、フィフティが一気に減速したのに対し、こちらは息の長いヒットとなった作品です。
きっと口コミで面白さが広まったのでしょう。
そんな全米公開から遅れること7ヶ月、日本でもやっと公開になりました。
あらすじ
17年前に父を亡くし、無職のままロンドンで母と暮らすエグジー。彼の前に現れたハリーは、普段は高級テイラー「キングスマン」の仕立て職人、だが裏の顔は秘密裏に活動する国際諜報機関のスパイだった。同僚だったエグジーの父にかつて命を救われたハリーは、エグジーをキングスマンの新人候補としてスカウトする。並みいるライバルたちの中、新スパイの座を賭けて熾烈な競争を繰り広げるエグジー。一方、ハリーは世界規模のテロ計画を進めるIT富豪、ヴァレンタインの行方を追っていた。果たしてエグジーは、ハリーの助けを得ながら新たなスパイとなることができるのか?そしてハリーはヴァレンタインの恐ろしい計画を阻止することができるのか?
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
なんといってもこの映画、やっぱりキャスティングの妙だと思います。
『英国王のスピーチ』でアカデミー主演男優賞を受賞したコリン・ファース
演技派のイメージの殻を突き破るキレッキレのアクションにR15+指定を受ける残酷描写。
アクションシーンの撮り方は『キック・アス』を更に進化させたような撮り方で、新たな映像表現に仕上がっていると言ってよいと思います。
この映画、ストーリー的にはスパイ映画としても荒唐無稽な部類に入ると思うのですが、R15+指定の描写があるので、そこは逆にリアルな世界に寄らずに正解だったと思います。
明らかに『007』シリーズを意識していますが、その007シリーズの中でも一番荒唐無稽な『ムーンレイカー』に近い感じで、その逆に『オースティン・パワーズ』を真面目にした感じでもありました。
それと本作の見所でもある教会での殺戮シーン。
ハリー(コリン・ファース)がかなり傷付きながら敵を全滅させたあと、敵ボス・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)と対峙するのですが、主人公ハリーが物語の途中であっさり殺されてビックリしたんですが(『15ミニッツ』のロバート・デニーロを彷彿とさせる)、エグジー(新人タロン・エガートン)がキングスマンに合格しなかったことでこの展開が読めるというか、ストーリーに整合性が出るというか、非常に上手い脚本だなぁと思いました。
それでハリーが死んで、エグジーがキングスマンとなってクライマックスに突入するという上手い流れです。
ラスト、基地に乗り込んで、首に埋め込まれたチップを爆発させる描写はもう完全にマシュー・ヴォーン監督、石井輝男監督の『恐怖奇形人間』を見てるだろ(笑)って感じで、人間花火上がっちゃってて非常によろしかったです、はい。
今夏の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』は序盤から中盤過ぎまで一気に畳み掛ける感じは凄かったので、それには及びませんが、本作もスパイアクションとしてなかなかの出来で個人的には☆4.5くらい付けたいと思います。
12月には『007スペクター』も公開されますし、今年のスパイ映画は層が厚そうで楽しみです。
鑑賞データ
TOHOシネマズ新宿 シネマイレージデイ 1400円
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