重い、重いなぁ… ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
どこにでもありそうな郊外の住宅地。ボソボソと「バラが咲いた」を歌いながら、葛城清(三浦友和)は、古びた自宅の外壁に大量に落書きされた「人殺し」「死刑」などの誹謗中傷をペンキで消している。やがて庭へと移動し庭木にホースで水を撒きながら、ふと、この家を建てた時に植えた、みかんの木に生(な)る青い実に手を延ばす―――。
親が始めた金物屋を引き継いだ清は、美しい妻・伸子(南果歩)との間に2人の息子も生まれ、念願のマイホームを建てた。思い描いた理想の家庭を作れたはずだった。しかし、清の思いの強さは、気づかぬうちに家族を抑圧的に支配するようになる。 長男・保(新井浩文)は、子供のころから従順でよくできた子供だったが、対人関係に悩み、会社からのリストラを誰にも言い出せずにいた。堪え性がなく、アルバイトも長続きしない次男・稔(若葉竜也)は、ことあるごとに清にそれを責められ、理不尽な思いを募らせている。清に言動を抑圧され、思考停止のまま過ごしていた妻の伸子は、ある日、清への不満が爆発してしまい、稔を連れて家出する。そして、迎えた家族の修羅場…。葛城家は一気に崩壊へと向かっていく。
(公式サイトhttp://katsuragi-jiken.com/story/より引用)
ネタバレ感想
最近の邦画でよく見る黒田大輔さんという方がいて、その方が劇団THE SHAMPOO HAT出身ということで劇団の名前は聞いたことがあります。
その劇団の旗揚げメンバーの赤堀雅秋さん作・演出による同名舞台の映画化で、黒田さんも葬儀屋役で出演されてました。
映画はやはり全編を通して舞台を映画化した雰囲気がしましたが、先日観た入江悠監督の『太陽』よりは上手くいっていた気がします。
派手な展開も無く、重いテーマでじっくりと進みますが、役者さん(特に三浦友和さん)の演技で集中してみることができました。
ただ、唐突な台詞がやや舞台調なのと、テーマも詰め込み過ぎた感じもしましたが、監督の言わんとしていることは、何となくわかりました。
父親(三浦友和)にしろ、次男(若葉竜也)にしろ、社会への憎悪からあのような態度や行動をとることに理解はできませんが、ああいう人はいる、と思いました。
共感できたのは長男(新井浩文)で、年間自殺者3万人を超える日本では、あのタイプが一番多いかなと思いました。
ベースになってるお話が大阪の附属池田小事件なので、もう本当に救いがないんですよね。
犯人に関しては、鶏が先か卵が先か(先天的か後天的か)という部分もあると思うので何とも言えませんが、あのような子を持ってしまったときの育て方というのはあったんだろうな、とは思いました。
ただ、ラストがいただけなかったです。
わざわざ死刑囚の次男と獄中結婚した奇特な嫁に手を出そうとするなんて。
『ニンフォマニアックVol.2』のラストじゃないですけど「ブルータスお前もか」と思いました。
とにかく重く、暗い雰囲気にさせられる映画でどんよりしたい人にはおすすめです。
鑑賞データ
池袋シネマ・ロサ レイト割引 1300円
2016年 71作品目 累計83400円 1作品単価1175円
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