めちゃめちゃよかった ☆5点
予告編
映画データ
あらすじ
IT関連企業のCEOを務める中原祐馬(竹野内豊)は、他人に興味を持たず、会社を拡大させること以外には目もくれなかった。そんな彼の携帯電話に、一緒に会社を立ち上げ苦楽を共にしながらも会社から追い出したかつての親友・塩谷航平から何度もかかってくる。疎ましく思い電話には出なかったが胸騒ぎを覚え、祐馬は仕事をキャンセルして彼の故郷である富山県新湊の四十物町(あいものちょう)に向かったところ、航平の死を知る。町内会長の西村玄太郎(西田敏行)によると、病のために余命わずかとなった航平は最後に曳山につながりたいという思いから15年ぶりに故郷に戻っていた。頭の整理がつかないままに祐馬は線香をあげようとするが、航平の義兄・鉄也(江口洋介)は会社から航平を追い出し最期の電話にも出ようとしなかった祐馬が腹に据えかね手を上げようとする。航平の娘・瞳(高橋ひかる)の落ち着いた対応によりその場はおさまったものの、航平に子どもがいたことを初めて知った祐馬は驚かざるを得なかった。自分にできることはないか瞳に聞くと、西町から四十物町の曳山を取り返してほしいという答えが返ってくる。四十物町から若者が流出し曳き手が足りない上に曳山の維持費を捻出できずにいる中、潤沢な資金のある新興の西町から今年の祭りは四十物町に曳かせることを条件に、曳山を譲ってほしいとの打診を受ける。曳山は売り買いするようなものではないものの状況が状況なだけにやむなく決断するものの、西町の会長・武田善二(柄本明)は譲渡式が終わるとあっさりと約束を反故。町に戻っていた航平は、今わの際まで武田のもとに足を運び抗議をしていた。一方、東京にある祐馬の会社が不正取引の疑いで強制捜査を受ける。築き上げたものすべてを失った祐馬は、一度口にしたことは実行するとかつて航平と交わした約束を思い出し、東京地検の依頼を受けた富山県警の刑事・岩瀬厚一郎(ビートたけし)の捜査が迫る中、瞳との約束を守るために祭りが間近に迫る新湊に再び向かう。
(MovieWalkerより引用)
ネタバレ感想
劇場で予告編を見て、お祭りの提灯が綺麗だったのと、出演陣が豪華なわりに大作感が無さそう気がして、気になっていたので鑑賞しました。
予備知識はあまり入れずにあらすじだけパッと読んでいたので、都会で夢破れた主人公が田舎へ帰ってきて、祭りと関わる的な話なのかな?くらいに思って観始めましたが、ちょっと違いました。
主人公は某球団の買収騒ぎなどで有名になった某元IT企業社長をモデルにしたような人物で、ルックスは全然違いますが竹野内豊さん演じる中原祐馬 。
最初出てきた時は「竹野内かっこいい!」と思うのですが、キャラ的には市場原理主義の塊みたいな男で嫌なやつです。
そこに塩谷航平という人物から何度も着信電話が入る。
序盤はこの塩谷航平が如何なる人物か観客には明かされず、いわばマクガフィンとなって物語を推進します。
これが非常に上手くて、こういうアクション映画でもないヒューマンドラマが、お話を進めようとすると序盤は退屈になることが多いですが、このおかげで序盤から前のめりになって見ることができました。
結果的に塩谷は登場しないので『桐島、部活やめるってよ』でいえば桐島にあたります。
映画を観終わってみればストーリー的にはよくある話だと思います。
仕事ひとすじで突っ走ってきた男が人間性をも失いかけたときに立ち止まる話。
好きな洋画で『ローカル・ヒーロー/夢に生きた男』というのがあるんですが、その映画に近いです。
それと2,3年前にマット・デイモン主演で『プロミスト・ランド』という映画もリメイク的な感じで作られたのですが、それにも近いです。
なのでテーマ的には珍しくないのですが、その塩谷をマクガフィン的に置いた構造の上手さと、あとやっぱり新湊の自然・曳山祭りの荘厳さに圧倒されました。
この映画、映像がとても綺麗でした。
キャメラがすごくよかったです(淀川長治さん風に)。
石橋冠監督80歳にして劇場映画デビューですが、やっぱりドラマを撮ってるだけあって上手いですね。
「池中玄太80キロ」ですか。
子供心に80キロって距離のことだと思ってて体重のことだと知ったのはずっと後でしたけど…
主演の竹野内さんはいいですよね。
かっこいいですし、声がいいです。
『ニシノユキヒコの恋と冒険』もよかったんで、竹野内さん主演の映画は押さえといた方がいいと思います。
脇に回る人も豪華でたけしさん、竹野内さん、江口さんの3ショットは痺れました。
北陸新幹線も開業してタイムリーな映画で、ロケ地めぐりとかも楽しそうな気がしました。
鑑賞データ
新宿ピカデリー ファーストデイ 1100円
2016年 10作品目 累計14100円 1作品単価1410円
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