完全にアル中映画であった ☆4点
予告編
映画データ
映画館で予告編を見てNYタイムズ21週ベストセラー第1位に釣られて鑑賞しました。
原作は未読です。
あらすじ
レイチェル(エミリー・ブラント)は愛する夫と離婚し、傷心の日々を送っていた。
落ち込む彼女にとって、通勤電車の窓から見える“理想の夫婦”だけが慰めだった。
その二人は、かつてレイチェルが夫のトム(ジャスティン・セロー)と暮していた家の近くに住んでいる。
その家で今は、トムと妻のアナ(レベッカ・ファーガソン)が、生まれたばかりの娘と新しい生活を始めている。
ある朝、レイチェルはいつもの車窓から、“理想の妻”が不倫している現場を目撃する。
翌日、夫婦の様子が気になったレイチェルは、確認するため駅を降りる。
しかし、彼らの家へ向かったところから記憶がなくなり、気がつくとレイチェルは自分の部屋で大けがをして倒れていた。
そして間もなく、“理想の妻”の死体が発見される。
レイチェルは、あの日の空白の時間のおかげで、周囲から疑惑の目を向けられる。
レイチェルが記憶を取り戻そうとすると、関係者たちの思わぬ秘密が明らかになっていく……。(MovieWalkerより引用)
ネタバレ感想
イギリス版『ゴーンガール』(アメリカのお話ですが作者がイギリスなんですね)とも呼ばれているそうで期待が高まりましたが、よく考えたら世間の評価ほど自分的には『ゴーンガール』の評価は高くなかったのでした(;´д`)トホホ(主人公の女性がお金を盗まれてからが行き当たりばったりに感じられて)
テーマとしては、抑圧された男性社会からの解放?みたいのがあるのでしょうかね。
キャッチコピーにある「初めて体験する衝撃のラストに激震」とか「衝撃過ぎる結末に、全米騒然!!」とかを期待していくと肩透かしを喰らうと思います。
というのもミステリーとしては警察が無能過ぎたり、原作にしてもそうなのでしょうけど、読者や観客へのミスリードが多いので、ミステリーを解くには正直フェアじゃないんですよね。
それというのも主人公の一人であるレイチェルがアル中で常に酩酊していて意識がハッキリしてないからです。
映画を観終えてみると、意識さえハッキリしていれば大した事件では無いのですが、では、この映画の見どころはどこにあるのかというと、レイチェルのアル中描写だと思います。
レイチェルのフラッシュバックする記憶だったり、酩酊して前の晩のことを覚えていない様子。
常にまどろみの中にいるような雰囲気や電車で感じる視線など、観客の目線はレイチェルのものであるので、アル中のそれを追体験してるかのようです。
以前、中島らもさんの「今夜、すべてのバーで」を読んだことがあるのですが、その時に感じた、「アル中にだけはなるまい」という思いを、改めて強くさせてくれる映画でもあります。
他の見どころとしては、共演の女優陣が圧巻でした。
メガン役のヘイリー・ベネットの妖艶さは、『ジョニー・ハンサム』や『シー・オブ・ラブ』の頃のエレン・バーキンを彷彿させて、この愛憎ミステリに深みを与えていたと思います。
また不倫愛人の立場から正妻の座を勝ち取ったアナ役のレベッカ・ファーガソンの強さと美しさは、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に続き、次作のMIシリーズへの出演が早々に決まっているのも納得でございまして、完全に心を鷲掴みにされました。
この映画を見ていると、如何に自分勝手な男に女性は振り回されているかがよく分かる次第で、今年流行ったゲス不倫した男性方には是非見て欲しい映画となっています。
鑑賞データ
TOHOシネマズスカラ座 シネマイレージ会員 6ポイント無料鑑賞 0円
2016年 130作品目 累計145300円 1作品単価1118円
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