『誰のせいでもない』評価と感想/心情の機微を3Dで映すチャレンジ

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巨匠ヴィム・ヴェンダース先生! ☆4点

予告編はこんな感じです


映画データはこちらからどうぞ
映画『誰のせいでもない』の作品情報:近年『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』などのドキュメンタリーを手掛けてきた、ヴィム・ヴェンダース監督によるヒューマンドラマ。ある激しい雪の日の事故をきっかけに、1人の男性と3人の女性の運命が大きく変化していく様子を描写する。
『誰のせいでもない』は2015年の映画。『誰のせいでもない』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。
7年ぶりの新作だそうで、前作『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』に引き続き3Dだそうです。前作は見てないので先生の3Dならばと観てまいりました。

先生の作品を映画館でみるのは『ミリオンダラーホテル』以来です。

といっても作品自体それほど見てなくて『パリ・テキサス』『ベルリン・天使の詩』『夢の涯てまでも』『時の翼にのって/ファラウェイ・ソークロース!』くらいです。

日本では2D版と3D版の上映があるようですが、もちろん3D版で見てまいりました。

が、結論からいうと3Dでなくてもよかったかなと。

物語が静かに流れる人間ドラマですので、何かが飛び出るとかそういうのは無くて、少し奥行きを感じられるくらい。

監督自身もそういうのは狙ってなくて、感情を、心の奥底を、3Dで描き出す。ということのようです。

たしかにちらちら降る雪のシーンや研ぎ澄まされたような風景の描写は凄く綺麗でしたが、これ4Kカメラでも狙った効果出るんじゃないかな?と思いました。

考えてみると先生は新しいテクノロジーを積極的に取り入れてるんですよね。『夢の涯てまでも』のときはNHKの全面協力でハイビジョンで撮りましたし、そのうち4Kや8Kでも撮るんじゃないかと思いました。

物語の方は、これといって何も起こらないので、つまらないです。

先生はノルウェーの作家、ビョルン・オラフ・ヨハンセンのオリジナル脚本の罪悪感と赦しというテーマに興味を惹かれたようですが、何ていうんですかね、こう業(ごう)といいますか、原因があって結果がある、といいますか、そういうのを描いていたと思います。

それまでの芽の出なかった作家トマス(ジェームズ・フランコ)は、不可抗力とはいえ、明らかに子供を轢いて死なせてしまってから、作家として大成するんですよね。

トマス自身は基本自分中心の人間で、自分はとにかく書いていれればいい、という人。事故を起こした当時付き合っていた彼女のサラ(レイチェル・マクアダムス)のことは全く思いやれず、それは別れて作家として大成して、連れ子のいる女性編集者アン(マリ=ジョゼ・クローズ)と結婚しても変わっていない。

トマス自身は変わってないんだけど、子供を死なせてしまった罪悪感や自身のスランプから自殺未遂を起こしたりことが、結果として自分の書く作品に深みを与えているけど、それには気づいてなく、自分の才能で大成したと思っている。

トマスは演奏会でたまたま10年ぶりくらいにサラと再会しますが、暫く二人で話をしてるとサラにビンタされます。これはトマスが変わってないからです。

トマスは轢いてしまった子供の家族のためなら何でもすると言っておきながら、その子供のお兄ちゃんが助けを求めてきた際には自分の原稿を優先して無碍にします。母(シャルロット・ゲンズブール)に言われて会いますが、親身になってるとは言えない。

お兄ちゃんがトマスの家に不法侵入の上、ベッドに小便をかけるという事が起こって、ようやく事態の深刻さに気付きます。

そしてお兄ちゃんにこう言われます。弟が死ぬ前と死んだ後では、あなたの小説は明らかに違うと。弟が死ぬ前のものは見るべきものは無かったと。

サラにビンタされたことや、ここに至ってようやくトマスは変われた気がします。お兄ちゃんを抱きしめて学校へ送り出し、トマスのアップで終わります。

台詞で語る映画ではないので地味なんですが、自分なんかが想像もつかないくらい、カメラの構図とかこだわってると思います。どこを切り取られても絵画的に美しくなるように計算されていたり、様々な映画的技法が使われているのだと思います。

そういう意味で映像作家を志す人には教科書的な映画な気がしましたし、詳しい解説が知りたいと思いました。

ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズカード ハッピーチューズデー鑑賞 1000円+3D料金400円
2016年 131作品目 累計146700円 1作品単価1120円

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