何だもうこの語彙力崩壊する感じ ☆5点
『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』などのエドガー・ライト監督によるオリジナル脚本で強盗の逃がし屋を主人公にしたカークライムアクション+ミュージカル
主演はアンセル・エルゴート、共演にリリー・ジェームズ、ケヴィン・スペイシー、ジェイミー・フォックス
予告編
映画データ
いやー、劇場でも予告編を見たことなくて全くノーマークだった本作ですが、すこぶる評判良さそうなので観てまいりました。
でもそういえば、ボックスオフィスをチェックしたときに『怪盗グルーのミニオン大脱走』に次いで2位にランクインしてたの思い出しました。
このときはベイビーとか付くんで『ベイビートーク』みたいなやつかと思ってたんですが、全然違いました。
監督はエドガー・ライト
恥ずかしながら名前知らなかったんですが、監督作の『ショーン・オブ・ザ・デッド』と『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』という作品のタイトルは知ってました。
どんな監督さんかと思って調べたら、ちょうどアマゾンプライムビデオで『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』という作品が見れたので前日に鑑賞してみました。
イギリスの監督さんということで、ダニー・ボイル監督とマシュー・ヴォーン監督を併せたみたいな作品だなと思いました。
そして面白かった!
主演はアンセル・エルゴート
マイルズ・テラーと一緒で、この方も『ダイバージェント』シリーズの方なんですね。
未見ですので初めましての方です。
共演にリリー・ジェームズ
『シンデレラ』を見てないので初めましての方かと思ったんですが、『二ツ星の料理人』に出てました。どの役だったかな?
共演にケヴィン・スペイシー
近作は『メン・イン・キャット』を観てます。
ひと頃に比べ映画館で見ないですが、「ハウス・オブ・カード」とかテレビシリーズの方に忙しいのかもしれませんね。
共演にジェイミー・フォックス
あれ?何気に近作を映画館で見てないです。
WOWOWでやった『ジャンゴ 繋がれざる者』を見たくらいです。
他に共演と配役は以下の通りです。
ベイビー: アンセル・エルゴート
ドク: ケヴィン・スペイシー
デボラ: リリー・ジェームズ
ダーリン: エイザ・ゴンザレス
バディ: ジョン・ハム
バッツ: ジェイミー・フォックス
あらすじ
ベイビー(アンセル・エルゴート)。その天才的なドライビング・センスが買われ、組織の運転手として彼に課せられた仕事―それは、銀行、現金輸送車を襲ったメンバーを確実に「逃がす」こと。子供の頃の交通事故が原因で耳鳴りに悩まされ続けているベイビー。しかし、音楽を聴くことで、耳鳴りがかき消され、そのドライビング・テクニックがさらに覚醒する。そして誰も止めることができない、追いつくことすらできない、イカれたドライバーへと変貌する―。
組織のボスで作戦担当のドク(ケヴィン・スペイシー)、すぐにブチ切れ銃をブッ放すバッツ(ジェイミー・フォックス)、凶暴すぎる夫婦、バディ(ジョン・ハム)とダーリン(エイザ・ゴンザレス)。彼らとの仕事にスリルを覚え、才能を活かしてきたベイビー。しかし、このクレイジーな環境から抜け出す決意をする―それは、恋人デボラ(リリー・ジェームズ)の存在を組織に嗅ぎつけられたからだ。自ら決めた“最後の仕事”=“合衆国郵便局の襲撃”がベイビーと恋人と組織を道連れに暴走を始める―。(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
いや、もう冒頭からノリノリですね。
ニコラス・ウィンディング・レフン監督の『ドライヴ』が公開されたときのように、公式から冒頭6分の映像が公開されてるので、そちらを見た方が早いと思います。
冒頭から逃走シーンに入るところは『ドライヴ』と全く一緒なんですが、ドライヴが「静」だとしたら、本作は「動」で逃走シーンでバックから入るのなんて初めて観た気がします。
『ドライヴ』も冒頭の映像があったので貼っておきますね。
最後、駐車場に入れるとこは一緒ですね。
一応予備知識としてカーチェイス版『ラ・ラ・ランド』と呼ばれているのは目にしていて、一体どういうことなの?と思いましたが、もう冒頭10分くらいで確かにラ・ラ・ランドです。
人もそうですが、車もラ・ラ・ランドしてる気がして、一世を風靡したジェミニのCMを思い浮かべました。
冒頭の車もスバル「インプレッサ WRX」というのが日本人には嬉しいですが、ベイビーのテクニックでよくドリフトすること!
ドリキン土屋圭市さんもビックリですが、ちょうど土屋圭市さんが新旧のWRXを比較試乗した記事があったので貼っときます。
ベイビーの設定が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のスターロードに近いのも胸熱ですよね。
GotGがカセットテープに対して、本作はiPod。
しかも気分に合わせて複数所持している。
次にヒロインであるデボラ役のリリー・ジェームズのメッチェン・アミック感!
(この写真はあんまり似てないけど)
You cannot tell me that Lily James’s entire EVERYTHING in the Baby Driver trailer isn’t a reference to Madchen Amick in Twin Peaks. pic.twitter.com/pucY6rtchp
— “Vacation Meghan” (@megsokay) 2017年3月12日
『ツイン・ピークス』のシェリーを想像するなという方が無理でしょう。
I mean. pic.twitter.com/rCxj21NCrc
— “Vacation Meghan” (@megsokay) 2017年3月12日
もうあのヒロインに完全に心を鷲掴みにされてしまいました。
それから冒頭からイチャついているバディ(ジョン・ハム)とダーリン(エイザ・ゴンザレス)の凶暴夫婦。
一般人が電車でやってたら張り倒されるレベルですが、ジョン・ハムはかっこいいし、エイザ・ゴンザレスは美人ですから絵になります。
そんな2人がラストに向かって効いてくるなんて!
刹那的な展開の口火を切るなんて思いもよらなかったです。
劇中でも言ってましたがボニー&クライド『俺たちに明日はない』ですね。
ドク(ケヴィン・スペイシー)は最後いい奴でしたけど、郵便局を襲う作戦は立案から失敗でした。
もうあれですかね、借金抜きにしてベイビーと離れ難くなっていたのかもしれません。
ドク役のケヴィン・スペイシーにしてもバッツ役のジェイミー・フォックスにしても大御所俳優が『ファイナル・デスティネーション』みたいに無残に死ぬのもこの映画のポイントかもしれません。
ラストは『バニシング・ポイント』になるかなぁ?と思いましたが、現代の若者は現実的に生きます。
裁判になりますが、そのための伏線も張られていて見事でした。
いや、もう終わったときは面白過ぎてビックリしたんですが、東京都で4館の上映って少なすぎます。
新宿バルト9はシアター6という2番目に座席数の多いスクリーンを割り当てられてましたけど、9割方埋まってましたよ。
全国でも40館規模の公開で少なすぎと思って300館規模でいけるでしょ!と思ったんですけど、立川シネマシティの方が書いた記事を読んだらなるほどと思いました。
ところで公式サイトの一番下の方を見てたら、裁判所通訳:ウォルター・ヒルって書いてあるんで、あのウォルター・ヒル?と思って調べてみたら、やっぱりウォルター・ヒル監督みたいです。
ベイビーと同居してた養父が裁判所で証言に立った際、手話を通訳した人で声だけの出演みたいです。
何でかな?と思ったらエドガー・ライト監督がウォルター・ヒル監督大好きなんですねー。
エドガー・ライト監督のカーチェイスと強盗映画のトップテンを見ると本作が好きな映画で溢れてるのが分かります。
犯罪映画でミュージカル風なのも珍しいと思いましけど、思い浮かんだのは『ストリート・オブ・ファイヤー』でこれもウォルター・ヒル監督ですね。
なのでこの映画はウォルター・ヒル監督の『ゲッタウェイ(脚本)』と『ザ・ドライバー』と『ストリート・オブ・ファイヤー』を混ぜこぜにした感じなんだと思います。
ウィキペディアを見ると本作の構想は1994年からあったみたいで23年物ですね。
2003年にミント・ロワイヤルの「Blue Song」という曲のMVで本作の構想を取り入れたみたいなんですけど確かに同じです。
この作品は、『ラ・ラ・ランド』に負けないくらいのポテンシャル秘めてると思うので、息の長いヒットになって欲しいなぁと思います。
鑑賞データ
新宿バルト9 夕方割 1300円
2017年 138作品目 累計145500円 1作品単価1054円
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