コメディとして単純に面白い ☆3.5点
2010年にオサマ・ビンラディンを捕まえようとしてパキスタン当局に拘束されたアメリカ人の実話をコメディにして映画化。
監督は『ブルーノ』のラリー・チャールズ、主演はニコラス・ケイジ
予告編
映画データ
本作は2017年12月16日(土)公開で東京と大阪の2館での上映です。
今後順次公開され最終的に19館での上映となるようです。
本作の予告編は目にしなかったんですが、うまい棒で話題になりましたね。
そして今年は何気にニコラス・ケイジ出演作が公開されるのは5本目になります。
監督はラリー・チャールズ
テレビの演出を手掛けることが多いようで初めましての監督さんです。
映画は6作目でコメディばっかり撮ってますね。
『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』という作品が北米で1億ドル超え、全世界で2億6千万ドル稼いでます。
主演はニコラス・ケイジ
近作は『スノーデン』『ドッグ・イート・ドッグ』『ヴェンジェンス』を観てます。
共演にラッセル・ブランド
近作は『ロック・オブ・エイジズ』を観てます。
共演にマシュー・モディーン
近作は『海底47m』を観てます。
他に共演と配役は以下の通りです。
ゲイリー・フォークナー: ニコラス・ケイジ
神: ラッセル・ブランド
マーシ・ミッチェル: ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ
リジー: チェノア・モリソン
CIA職員 シモンズ: レイン・ウィルソン
CIA職員 ドス: デニス・オヘア
ロス医師: マシュー・モディーン
アメール・チャダ・パテル
ピクルス: ポール・シェアー
ロイ: ウィル・サッソ
あらすじ
コロラド州の片田舎。
愛国心にあふれた中年男のゲイリーは、米同時多発テロ事件の首謀者とされるテロリスト、オサマ・ビンラディンの居場所を政府がいつまでも見つけられないことに業を煮やしていた。ある時、日課の人工透析中にゲイリーは神から啓示を受ける。
「パキスタンに行って、オサマ・ビンラディンを捕まえるのだ」
アメリカを救えるのは、オレしかいない!
使命感と愛国心を燃え立たせ、ゲイリーはビンラディン捕獲作戦を開始する。まず向かったのはラスベガスのカジノ。目的は資金集めだ。次にサンディエゴへと飛んで渡航手段のヨットを探し、武器には日本刀を調達する……。突飛な行動続きのゲイリーを周囲は心配するが、当の本人はそんなことなどどこ吹く風。
あらゆる波乱を乗り越えて、ようやく辿りついたパキスタン。ところが、そこで彼を待ち受けていたのは、意外にも陽気でフレンドリーな現地の人々だった!
見知らぬ土地での異文化交流をついつい楽しんでしまうゲイリー。
そうしているうちに、いつしかCIAにも目をつけられてしまって――!?
どうなる、独りぼっちのビンラディン捕獲作戦。政府をも悩ますターゲットを探し出し、自身の信じる〈正義〉を達成できるのか?(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
事件を報じた記事ですが、当時、目にしたかは忘れました。
本作は上映時間92分の映画ですが、冒頭にさらっと主人公の幼少期が描かれます。
12歳のゲイリー少年は苛められてますが、神の声が聞こえます。姿は見えません。
神の声は「いじめっ子は5年後にはヤクの売人になって抗争に巻き込まれて死ぬからほっとけ」というものでした。
この描写を見るにゲイリーは子供の頃からもう一つの声を作り出し、それによって気持ちを安定させていたのが伺えます。
時間飛んで35年後。
これまで軽犯罪で幾度かの入獄経験もあるアラフィフの便利屋ゲイリーは、友人のピクルスに現場作業の仕事を回してもらいながら、ピクルスの家に泊めてもらったり、作業現場に泊まって生活してます。
そして腎臓の病気のため、週3回の人工透析が欠かせません。
透析中は1人でマシンガントークをかましてて、街で見たら友達にはなりたくないタイプです。
でも友達はいて夜は友人のピクルスとロイとでバーで飲んでます。
バーのテレビでビンラディン関連のニュースをやってると、いつまでも捕まえられない政府にやきもきしてます。
バーの客の海軍がいる前で自分なら捕まえられるとか言ってトラブルになったりするのでした。
ある日ゲイリーが透析を受けていると神様が出てきて、ビンラディンを捕まえろと啓示を受けます。
猪突猛進型のゲイリーは準備のためホームセンターに向かうと、高校の同級生マーシと再会します。
マーシは離婚して、薬のオーバードースで死亡した妹の障害のある子・リジーを引き取って、この街に戻ってきてました。
高校時代お互い好意を寄せていたことから、ゲイリーはマーシの家を頻繁に訪れるようになります。
まずゲイリーがパキスタンへ行く方法で考えたのはヨットを買ってサンディエゴから向かう方法です。
ヨットの操縦方法なんて知らないゲイリーでしたが、古代の人が出来たんだから自分でも出来るだろうという感覚です。
資金が無いゲイリーは慈善活動などに熱心な担当医のロス医師に千ドル出資してくれと言います。
ゲイリーの計画を聞いたロス医師は呆れて、そんな危険なことにお金は出せないと言います。
第一、透析はどうするのかと言います。
ちゃっかりしてるゲイリーは方針を変えて、それは嘘で本当は好きな女性が出来てプロポーズで指輪を渡したいと言い千ドルを借りることに成功します。
千ドルでは足りないゲイリーはピクルスとロイとでラスベガスに向かいます。
最初は大勝ちしていたゲイリーでしたが、最後には全部スッてしまいました。
お金の都合はどうしたか分からないですが、ゲイリーはサンディエゴで中古のおんぼろのヨットを買います。
他人の係留バースにヨットを停めてると警察官が来て注意されますが、警官が応援を呼んでる間にゲイリーは出航します。
ゲイリーは結局すぐ遭難してメキシコに漂着するのでした。
死なないところが悪運が強いです。
メキシコではちゃっかりお土産を買っていて、帰ってきてリジーとマーシに渡すと喜ばれます。
自閉症気味で喋れないリジーもゲイリーには懐いているので、ゲイリーはマーシの家で一緒に住むようになります。
メキシコの漂着で怪我をしたゲイリーはマーシの家で静養してると、テレビの通販番組に神様が現れゲイリーに日本刀を勧めてきます。
ゲイリーは日本刀を早速購入し怪我が治ると次のパキスタン行きの準備を始めます。
次にゲイリーが考えた方法は海路は諦め、空路にしますがパキスタンはビザが下りないので入国できません。
そこで飛行機でフランスからイスラエルに入り、イスラエルの山間部からハングライダーでパキスタン入りするというものでしたが、イスラエルの隣にはイラクとイランがありパキスタンまで1500kmくらいありますね。
映画観てるときは隣かと思ってました(笑)
ゲイリーは買ってきたハングライダーの支柱を飛行機にも持ち込めるように短く切ってると、マーシにそんな短く切ったら無理じゃない?と言われますが、かまへんかまへん状態です。
イスラエルの山間部に着いて早速ハングライダーで飛び立ちますが、速攻で支柱が折れて墜落すると腕を骨折するのでした。
相変わらず悪運強くて死なないダイ・ハードマンです。
イスラエルでもお土産を買ってきてゲイリーは戻ってきます。
腕が折れていることもあって大人しくしているとマーシとリジーとの生活に安らぎを覚えるようになります。
パキスタンでビンラディンを捕まえるという使命も薄らいでいきましたが、ゲイリーがバーで飲んでるとまた神様が現れ、早く実行しろと責め立ててきます。
ゲイリーは苦悩しながらもパキスタン行きを決めますが、今度はさすがにマーシに反対されます。
しかし使命に燃えるゲイリーは旅立って行きます。
今度の入国方法はオーソドックスに飛行機でパキスタンを目指します。
仕事だと言うとなぜかビザも下ります。
パキスタンに着くとホテルに部屋をとり、そこを拠点に行動しますが、当然ビンラディンがどこにいるかは分からなく、当てもなく探す毎日です。
ただアメリカ好きなタクシーの運転手やホテルの守衛と交流を深め仲良くなると、すっかりパキスタンが気に入るゲイリーでした。
パキスタン滞在が一か月を越えてくると、パキスタンに駐在しているCIA職員にも、日本刀を持ってビンラディンを探している変なアメリカ人がいるという話が入ってきます。
CIAが調べてもゲイリーはただの便利屋で現場作業員であることから様子を見ます。
するとゲイリーがひったくりに遭い、市場で大立ち回りを演じたことから当局に身柄を拘束されます。
CIAが面会に行くと、ビンラディンを探して捕まえると言っているので、作戦の邪魔されたら適わないということで強制送還されることになります。
しかしゲイリーが街中を歩いていると再び神様が現れます。
ビンラディンの居場所が分からないゲイリーは神様に聞きますが答えてくれません。
神様は自分で考えて行動しろと言うばかりですが、そこにちょうど1台のトラックが通りかかり、ゲイリーがヒッチハイクすると運転してたのは神様でした。
ゲイリーはトラックに揺られてパキスタンの山間部に入り、気が付くと洞窟にいて透析を受けてます。
すると目の前にはビンラディンがいて、日本刀で対決します。
ビンラディンをあと少しで捕まえられるところで目を覚ますと病院のベッドの上でした。
CIA職員によると山間部で倒れてたところを発見されたとのことでした。
部屋の荷物をまとめホテルを出ようとするとパキスタンで出来た友人たちは名残り惜しそうにします。
アメリカでの再会を誓って別れると、なぜか突然銃撃されます。
急いでタクシーに乗り込み空港に向かいパキスタンをあとにするゲイリーでした。
アメリカに戻ったゲイリーはタリバンに銃撃されたと思い込んでましたが、事実は違いました。
ホテルの守衛が人妻と不倫してて怒った人妻の夫が守衛めがけて撃ってきたのが真相でした。
帰国したゲイリーはマスコミに引っ張りだこになり、様々なテレビ番組に出演します。
そして自身の体験を映画化権として売ると、そのお金で再びビンラディン捕獲の準備を始めますが、マーシの家でくつろいでテレビを見ているとビンラディンが発見され死亡したことが伝えられます。
しかしビンラディンの遺体がイスラムの流儀に倣って水葬され、アメリカ国民が遺体を確認してないことから、ゲイリーはビンラディンがまだ生きていると考え、自分が捕まえると決意を新たにして映画は終わります。
きっとゲイリー・フォークナーの喋り方とかを真似をしてるんでしょう。
初っ端からまくし立てて喋るニコラス・ケイジに圧倒されまして(笑)映画観てるときは気付かなかったんですが、これ完全にドン・キホーテですよね。
騎士道が愛国心や刀の武士道と同じですし、周りを巻き込んで様々なトラブルを起こしますが、では完全な狂人かというとそうでもない。
本当の狂人なら誰にも相手にされないですからね。
実は観る前は、こういうので話題になる人ってどうなんだろう?と思っていいイメージはありませんでした。
これ生きて帰ってこれたからいいけど、死んでたらシャレにならないぞと思って…。
ただ、映画はコメディということもあって、どこまで事実に基づいてるのかは分かりませんが、計画の杜撰さなどを見るにそういうことは超越してると思いました。
海図も読めなく船の操縦も出来ないのに普通は海に出ようとしないですし、ハングライダーの訓練を受けたこともない人物が普通は空を飛ぼうとしません。
なのでここまでいくと逆に笑えてきて劇場では爆笑してました。
こういうの何て言うのでしょうね?ドン・キホーテ病?誇大妄想?
誇大妄想だと何らかの精神疾患ですが、ゲイリーには何らかの診断がつかないんでしょうかね?
現在のゲイリー・フォークナーがどうしているかが気になります。
鑑賞データ
シネマート新宿 TCGメンバーズ会員料金 1300円
2017年 209作品目 累計224400円 1作品単価1074円
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