警察の腐敗ぶりが凄いが黒人殴打事件などで納得 ☆3.5点
予告編
映画データ
あらすじ
ジョージア州アトランタで5人組の武装グループが銀行を襲撃する凶悪事件が発生した。特殊部隊の元兵士と悪徳警官から成る一味のリーダー、マイケル(キウェテル・イジョフォー)は、この仕事を最後にロシアン・マフィアとのしがらみを絶つつもりだったが、非情な女ボスのイリーナ(ケイト・ウィンスレット)はそれを許さない。最愛のひとり息子を人質にされて窮地に陥ったマイケルは、警戒厳重な国土安全保障省の施設を襲うという実行不可能なミッションに挑むため、ある計略を練り上げる。それは警官が撃たれたことを意味する緊急コード〈トリプル9〉を発動させ、アトランタ警察の目をくらます作戦だった。しかし射殺する標的の実直な警官クリス(ケイシー・アフレック)、重大犯罪課の刑事アレン(ウディ・ハレルソン)を巻き込んだその犯罪計画は、マイケルの一味の内部対立や裏切りも絡み、想定外の事態へと発展するのだった……。
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
ジョン・ヒルコート監督作品は初めて見ました。
『悪の法則』と『ノー・カントリー』のコーマック・マッカーシーの原作物が好きなので同監督が手がけた『ザ・ロード』も見てみたいのですが、まだ未見です。
本作はオリジナル脚本だそうで、脚本家が友人との会話で知った警察コード「999 トリプルナイン」を軸に構築していったクライムアクションスリラーです。
ヒルコート監督の演出は、骨太でとてもパワフルな反面、脚本や映像の光量面(全体的に画面が暗くて顔が把握しづらい)でやや不親切な感じで、序盤で役名と顔とそれぞれの関係性を把握するのは難しいと思います。
公式サイトのキャラクターマップで関係性を把握しておくとスムーズに見られると思います。
映像的には、結構エグくて、最近のメキシコ麻薬戦争を描いた映画に準じる感じで最近のでは『ボーダーライン』に近いです。
銀行強盗などのクライムアクション部分はマイケル・マン監督の『ヒート』を連想させて、物凄く骨太な感じです。
それでネタバレになるので詳しく書きませんが、発動させるトリプルナインは、副題に「裏切り」のと付いてる所がミソで、ああそうなるのか!と思う感じは『レザボア・ドッグス』といったところでした。
この映画、前述したように骨太でとてもパワフルで題材としても面白いと思うんですが、致命的なのは登場人物の誰にも感情移入出来ないことです。
傍観者的立ち位置でしか物語を見ることが出来ないので、115分の上映時間のわりには少し長く感じてしまいました。
ラストの展開(ウディ・ハレルソンはなぜやられてるの?)もやや分かり辛く、回収されてない伏線もあったりで惜しい気がしました。
それから、舞台がアメリカ随一の犯罪都市アトランタって表現にも驚いたんですけど、1996年にアトランタ五輪開いた所ですよね。
その後、五輪行政のツケが回ってきたということでしょうか?
それを考えるとリオのことも東京のことも暗澹たる気持ちになります。
鑑賞データ
ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
2016年 79作品目 累計91900円 1作品単価1163円
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