アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち 評価と感想/誰にでもなる危険はある

アイヒマン・ショー 評価と感想
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ミルグラム(アイヒマン)実験  ☆3点

予告編

映画データ

アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち (2015):作品情報|シネマトゥデイ
映画『アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち』のあらすじ・キャスト・評価・動画など作品情報:ナチス・ドイツの戦犯アドルフ・アイヒマンの裁判を通して世界中にホロコーストの実態を知らしめようと奮闘した、テレビマンたちの姿に迫る感動の人間ドラマ。
http://cinema.pia.co.jp/title/169599/

あらすじ

1945年9月2日、人類史上最大の犠牲者を出した第二次世界大戦が終戦を迎えた。死者5千万人、その内の600万人がユダヤ人であった。

ヒトラー政権下のナチスが行った残虐行為が明らかになるにつれて、重要な戦犯として、浮かび上がってきたひとつの名前があった――アドルフ・アイヒマン。“ユダヤ人問題の最終的解決”、すなわちユダヤ人絶滅計画を推し進めたナチ親衛隊の将校である。戦後、一旦は米国軍によって拘束されるが、偽名を使い、捕虜収容所から脱出。ドイツ、イタリアなどを点々とし、1950年、親ナチだったファン・ペロン政権下のアルゼンチンに密かに渡っていた。家族を呼び寄せ、リカルド・クレメントの名前で生活していたが、1960年、ついにイスラエル諜報機関は、そんなアイヒマンを追いつめ、ブエノスアイレス市内で身柄を拘束した。終戦から15年後のことである。イスラエルへ移送されたアイヒマンは、エルサレムの法廷で裁かれることになった。

1961年、エルサレム。革新派の敏腕TVプロデューサー、ミルトン・フルックマンは、アドルフ・アイヒマンの裁判を世界中にテレビ中継するという前代未聞の計画の実現に向けて、全力を注いでいた。
「ナチスがユダヤ人になにをしたのか、世界に見せよう。そのためにテレビを使おう。これはテレビ史上、最も重要な事件となるだろう。過去、現在、そして未来においても」

この“世紀の裁判”の撮影にあたって、フルックマンは、最高のスタッフを集めたいと考えた。監督として白羽の矢が立てられたのは、米国のドキュメンタリー監督レオ・フルヴィッツである。ロシア移民としてブルックリンで育ったフルヴィッツは、マルチカメラを用いたスタジオ放送の草分け的存在だ。その仕事は高く評価されていたが、反共産主義に基づくマッカーシズムの煽りを受け、ブラックリストにあげられたため、10年以上も満足に仕事ができていなかった。彼にとっても、このアイヒマン裁判は、大きな賭けだった。

エルサレムに着いたフルヴィッツは、フルックマンが編成した撮影チームとともに急ピッチで準備を始める。フルックマンは、裁判を撮影できるように判事たちに根回しを始めた。だが、存在感のあるテレビカメラが裁判の妨げになる。法廷の壁を改造して、隠しカメラを設置するアイデアによって、なんとか撮影許可を得るが、一方で、フルックマンの元には、ナチスシンパなどから脅迫状がくるなど圧力は増す一方だった。

また、フルヴィッツは、アイヒマンをマスメディアが騒ぎ立てるような“モンスター”ではなく、ひとりの人間としての彼の姿をカメラで暴き出したいと考えていた。

「“モンスター”などいない。だが、人間は、自分が行った怪物的な行為に対して責任をとる必要がある。なにが子煩悩な我々と同じようなありふれた男を、何千人もの子供を死に追いやる人間に変えたのか。我々は、状況下によっては誰でもファシストになる可能性があるのだ」 スタッフの中には、そうしたフルヴィッツのリベラルな考え方に反発を唱えるものもいた。
「アイヒマンは、私たちと同じ人間ではない。私は、アイヒマンのようには決してならない」

それぞれの思惑と野心、信念が交錯するなか、裁判は始まった。
4ヶ月に渡る裁判の間、撮影された映像は、すぐに編集され、世界37カ国で放映された。
衝撃的な証言や映像は、世界中の視聴者を驚かせた。だが、アイヒマンは、来る日も来る日も悔恨どころか顔色ひとつ変えずに、淡々と罪状を否定し続けた。そんな中、フルヴィッツのいら立ちは最高潮に達していった……。

(公式サイトhttp://eichmann-show.jp/story/index.htmlより引用)

ネタバレ感想

ミルグラム(アイヒマン)実験で有名なアドルフ・アイヒマンです。

アイヒマンもヒトラーみたいに自殺したか、ニュルンベルク裁判で戦犯として裁かれたのだろうと思ってたら、戦後15年も潜伏生活を送ってたとは驚きでした。

アルゼンチンで潜伏してたところをイスラエルのモサド(諜報機関)に捕らえられて、イスラエルで裁判をかけられることになる訳ですが、これが全世界にテレビ配信されていたのも知りませんでした。

劇中でも触れられてますが裁判の期間中、アメリカのキューバ侵攻があったり、ガガーリンの有人宇宙飛行があったりで、そちらもテレビ配信されていたのでビッグニュースがかち合ってしまってたんですね。

日本のテレビ番組で、映像の歴史を振り返る特番なんかでも、ガガーリンの宇宙飛行とかキューバ侵攻は何回もやりますが(定番はアポロの月面着陸とケネディ暗殺)、この裁判の中継が取り上げられることが無いので知らなかったんだと思いました。

映画はちょっと劇中の監督レオのこだわり(アイヒマンが崩れるところを撮りたい)が邪魔かなと思いましたが、あの辺のところも実話なんでしょうかね?

上映時間96分のわりに、やや長く感じられました。

可もなく不可もなく☆3点といったところです。

ミルグラム実験を扱った映画では『コンプライアンス 服従の心理』が面白いと思います。

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鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ有楽町 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2016年 44作品目 累計52200円 1作品単価1186円

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