『ルック・オブ・サイレンス』評価と感想/悲しき事実

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アクト・オブ・キリングは壮大な前フリ ☆4点

あらすじとかは映画.comさんでどぞ

アクト・オブ・キリングのときのレビューです。

『アクト・オブ・キリング』評価と感想/勝者の歴史を紐解く
ゆきゆきて神軍 ☆4点 (あらすじとかは映画.comさんでどぞ)『ゆきゆきて神軍』くらい面白いのかと、少し自分で期待値を上...
当初撮りたかった、被害者側の視点から撮影したのが今作『ルック・オブ・サイレンス』となります。
戦争犯罪(内戦犯罪)を認めさせるという点でこちらの方が『ゆきゆきて、神軍』に近いですが、奥崎謙三氏と違って、暴力的でなかったのがよかったです。

今作の主役のアディさんの、タイトル通りの「静かな眼差し」は、被害者側といえども決して感情的にならず、理知的な姿勢で、お互いの理解を深めていこうとする姿勢は、私たちも見習わなければいけないと思いました。

今作で興味深かったのは、この撮影の中で加害者側・被害者側、どちらの家族にも知らなかった事実が明らかになる点です。

加害者側では大量殺人を犯した者の中には、良心の呵責からか気が触れる者もいて、それを克服するために被害者の血を飲んだことを告白するのですが、さすがに加害者側の家族も、英雄だと思っていた父がまさかそんなことをしていたのかと知り、若干引くのです。
というか、家族は、父親は悪い共産主義者たちをやっつけた英雄、というくらいの、ざっくりとしたことしか知らないのです。もう大量虐殺以降続いている現政権の教育がそうなっているから知らないんですね。

それから被害者側のアディさんにも知らなかった事実が明らかになります。
殺されることになるお兄さんが収容された施設で看守をしていたのが、叔父(母親の弟)さんだったのです。これはアディさんもアディさんの母も知らなかった事実で、間接的とはいえ加害者家族の立場にもなる訳で、ここにも争いごと(戦争・内紛)の悲しさが表れています。

オッペンハイマー監督は元々、被害者側の視点からのドキュメントを撮りたかったのですが、現政権下では難しく、結果的に前作の『アクト・オブ・キリング』の形となった訳ですが、今作は無事撮影、上映出来ましたが、主役のアディさんは現在、故郷から遠く離れた街で転々としながら暮らさなければならないようで、まだまだ民主主義には遠い現実に愕然とさせられます。

シアター・イメージフォーラム 一般料金 1800円

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