やや分かり辛いところもあった ☆3.5点
予告編
映画データ
1980年代、コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルを壊滅させるべく、主に資金洗浄の面から5年間の潜入捜査にあたった捜査官ロバート・メイザーによる回顧録の映画化です。
監督は『ランナーランナー』のブラッド・ファーマン
思い出すと雰囲気似てましたね。
この監督、ストーリーテリングの部分で難あるかも。
主演は「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストン
元々、ブレイキングバッドはアンソニー・ホプキンスが絶賛したのを知り、見たドラマなので演技力は確かなものがあります。
昨年は『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を観ました。
共演はジョン・レグイザモ
この人大好きです。
コロンビア出身なんで麻薬戦争系の映画、御用達俳優。
マフィアの手下のおっかないチンピラ役からコメディまで何でもござれ。
映画いっぱい出てますけど、最近観たのだと『エージェント・ウルトラ』や『ジョン・ウィック』
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』での相棒のシェフ役よかったな。
他に共演はダイアン・クルーガー
名前は聞き覚えのある感じですけど、観たことあるのは『アンノウン』だけかもしれない。
あとベンジャミン・ブラット
この方も名前に聞き覚えがあります。
『ドクター・ストレンジ』に出てました。
他に共演と配役は以下の通りです。
ロバート・メイザー: ブライアン・クランストン
キャシー・アーツ: ダイアン・クルーガー
エミール・アブレヴ: ジョン・レグイザモ
ボニー・ティシュラー: エイミー・ライアン
ヴィッキーおばさん: オリンピア・デュカキス
ロベルト・アルケイノ: ベンジャミン・ブラット
ハビエル・オコナー: ユル・ヴァスケス
グロリア・アルケイノ: エレナ・アナヤ
あらすじ
1980年代、史上最大規模とも言われる犯罪帝国を築いたコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバル。当時アメリカに流入するドラッグのほとんどが、彼の組織を経由したものだと言われていた。そんな事態を重く見たアメリカ政府は、エスコバルの息の根を止めるため、大規模な潜入捜査作戦を計画する。それはベテラン捜査官のロバート・メイザーを架空の大富豪に仕立てあげ、その財力を持って組織に取り入り、内側から組織を崩壊させるという大胆不敵なものだった−−。
(公式サイトhttp://sennyusha.com/より引用)
ネタバレ感想
ブライアン・クランストンが演じたロバート・メイザー捜査官なんですが、連邦捜査官ではあるもののFBIでは無いようなんですよね。
DEA(麻薬取締局)とも違う(日本版のウィキペディアには書いてあるけど)ようで、色々見ると「United States Customs Service」の特別捜査官て書いてあるんですけど、それだど税関関係です。
ただこの記事によるとIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)というところみたいで聞きなれないんですが、まあたぶん色んなところから集まってチーム作ったんだと思います。
最初のシーンは小口の麻薬取引の潜入捜査。
ボーリング場で相手とやり取りしてたら、胸に付けてた盗聴器がショートしてバレそうになるっていうハラハラドキドキ。
胸もヤケドしちゃって痛そうです。
メイザーは潜入捜査が終わると、捜査で使っていた身分証を自宅で焼却するんですが、奥さんは何ていう偽名で潜入捜査してるかは知ってるみたいです。
最初の捜査を終えると退職する道もあったみたいなんですが続けます。
メイザーの叔母さんはニューヨークで事業をやってるようで羽振りがいいんですが、何で続けるか理解できないようで潜入捜査ってそんなに給料いいのかと聞いてきたりします。
ある日メイザーは、麻薬捜査するのに俺たちは麻薬ばっかり追いかけてきたけど、金の流れを掴んだ方が早いんじゃないか?ってことに気付いて作戦が立てられます。
その名も「Operation C-Chase」
たぶん、キャッシュを追うって意味で付けられたと思うんですけど、再び潜入捜査の道に戻ります。
同じ捜査官のエミール・アブレヴ(ジョン・レグイザモ)が使ってる情報屋がコロンビアのカルテルと繋がりそうってことで、そこを足掛かりにして進められます。
まず偽名作るのにアブレヴと墓場に行って、同じくらいの年齢でそれらしい名前(南米系なら南米系とか)を見つけて、それを元に身分証とか作成して、経歴とか設定を色々考えます。
メイザーはボブ・ムセラっていう富豪に化け、乗る車はロールス・ロイスになります。
アブレヴの情報屋を使って、資金洗浄をやると持ち掛けてると、エスコバルの下の方の人間が掛かって取引が始まります。
取引が始まると、当然接待みたいのがあるのですが、ショークラブみたいなところで女性をあてがわれます。
「据え膳食わぬは男の恥」と言いますが、メイザーの悩みどころで、潜入捜査とはいえ奥さんがいますし裏切れないわけです。
抱かないと怪しまれると思うんですけど「実は前に浮気がバレて離婚したことがあるんだけど、今、婚約者がいるから裏切れないんだ」とか言って誤魔化します。
設定がズレちゃうんで、アブレヴは「覚悟決めてちゃんとヤレよー」と怒るんですが、本部に戻ると婚約者役のキャシー(ダイアン・クルーガー)が用意されてます。
メイザーは大丈夫だよ要らないと言うんですが、どこで綻びをみせるか分からないので、万全の体制を敷きます。
キャシーは潜入捜査は初めてで、メイザーは大丈夫かなぁ?と思ってるんですが、キャシーはめちゃめちゃ出来る子だったりします。
超絶美人だし。
着々と取引を広げていると大物が出てくる雰囲気(プライベートジェットで来たり、アジトの奥の方に連れられていったり)になるのですが、そのたびにパプロ・エスコバルが出てくるのかな?と思うんですけど、これがまだ手下で、この辺がちょっとややこしかったです。
特にトラックの荷台に目隠しで乗せられて、アジトと思われる奥の方に連れられたときは、何か儀式みたいな祈祷して、隣の人は殺されたのに、メイザーは助かったりしてよく分からなかったのですが、それでも会えたのはロベルト・アルカイノ(ベンジャミン・ブラット)という人物でした。
メイザーがちょくちょく付け狙われるのも分からなくて、一つはCIAというのは分かりました。
血塗られた小さい棺桶(中に何が入っていたんだろう)が送られてきたのは謎で、警告って言ってましたが、あれは自宅で受け取ったか持って帰ってきたか忘れましたが、自宅だったら自宅バレてるじゃんと思いまして、家でも録音したテープ聞いてたりしたので、自宅に潜入捜査の仕事持ち込まない方がいいなと思いました。
潜入捜査中でもたまに自宅に帰ったりするので大丈夫かいな?と思うんですが、妻の誕生日祝いでレストランに行ったら潜入捜査中の相手と出くわし、妻のことを秘書だと言って誤魔化すのですが、もうバレてそうに思うんですけど、バレないで話は進みます。
凄いなと思ったのはアルカイノを信用させるために叔母さん(リアル金持ちなので)に登場してもらうんですが、こちらも身内使って大丈夫かいな?と思うんですが叔母さんは割とノリノリ。
潜入捜査官のモチベーションてどこにあるのだろう?と思いました(自分には絶対出来ないので)。
色々調べてるとBCCI(国際商業信用銀行)ってところが怪しいってことで、録音したり証拠集めに走ります。
実際、ここは1991年に破綻するのですが、CIAの作戦を資金面で支えたりしていて、イラン・コントラ事件やアフガニスタンのムジャヒディンへの資金融通に関わっていたことが分かっています。
ちなみにこのBCCIの不正をモデルにしたトム・ティクバ監督の映画で『ザ・バンク 堕ちた巨像』というのがあるみたいです。
潜入捜査中はヨーロッパにも行くんですが、パリでエスコバルの側近に挨拶できたときに、エスコバルを見かけたのが唯一、最接近出来た瞬間でした。
メイザーは婚約中の設定のキャシーとの結婚式を捜査のタイムリミットとし、そこに捜査対象者を招待し一斉に逮捕する計画を立てるのですが、アルカイノによる大きな取引の現場を押さえる方に上司が舵を切ってしまいます。
現場は押さえましたが、アルカイノには逃げられ姿を隠してしまいます。
結婚式の日、BCCIの幹部やエスコバルの資金洗浄に関わってる者たちが続々と集まる中に、姿を隠していたアルカイノが現れます。
アルカイノとは潜入捜査とはいえ、かなり親密な関係を築けていたからなんですが、ミイラ取りがミイラにならない信念は凄いなぁと思いました。
チームが突入し一斉に逮捕されて映画は終わります。
エンドロールで実際に逮捕された幹部の写真と量刑が出るんですが、だいたい皆、懲役10年~15年でした。
「メイザーはその後も潜入捜査を続けた」って出るんでビックリしたんですが、出所した後、報復とかされたりしないのかなぁと思いました。
やっぱり自分だったら怖くて出来ない。
日本では潜入捜査は認められてないですが、唯一、厚労省の麻薬取締官だけはおとり捜査が認められてるので、ドラマや映画でフィクションのは見たことありますが、実話ベースのやつ観てみたいなと思いました。
鑑賞データ
ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2017年 79作品目 累計83000円 1作品単価1051円
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