危ないの苦手なんでハラハラドキドキしました ☆4点
予告編
映画データ
予告編の鉄骨渡りを見て『カイジ』みたいで面白そう!と思い鑑賞。
雰囲気としては『カイジ』や『ガンツ』、『ライアーゲーム』や『インシテミル』みたいな感じでしょうか。
思えば今から8~10年前って、こういうアイデアの映画やドラマってわりとあった(きっと『ソウ』から派生してると思うんですが)と思うんですけど、スマホで気軽にリアル配信出来る現在、これを組み合わせたのは無かったなと。
テレビ番組の『サバイバー』を更に過激に進化させた感じもありますし、危険なことをやって注目を集めた『ジャッカス』なんかも含んでいると思います。
日本でも、人気のニコ生配信者なんかは、過去に過激なことをして視聴者を集めて有名になったり、視聴者の落とすお金で生活してる人とかもいて、これに近いのかな?と思いました。
昨年末の「おでんツンツン男」や、新年早々の「チェーンソー男」とは表裏一体で、有名配信者になるか逮捕されるかはホント紙一重だと思います(一昨年はドローン少年とかスーパー異物混入とか)。
ネタバレ感想
本作はNERVE(ナーヴ)と呼ばれるオープンソースのオンライン視聴者参加型ゲームが舞台です。
主人公ヴィー(エマ・ロバーツ)は大学進学を控えた女の子で、高校では写真部かな?に所属し、華やかなチアリーダー部なんかと比べると地味で目立たない感じの存在です。
大学進学に際し、自宅のあるスタテン島の母親(ジュリエット・ルイス)の元を離れて、一人暮らしをしたいと思ってますが、母親を説得しきれず、結局は自分が我慢して、自分を抑えつけてしまうタイプです。
ナーヴにはチアリーダー部で目立つ存在の友人シドニー(エミリー・リード)に、半ば強引に煽られる形で参加を決意します。
「自分の殻を破れる」ってことを見せるために参加した最初のミッションは、知らない男と5秒間キスすれば100ドル貰えるというものでした。
ヴィーはダイナーで自分の好きな小説を読んでいた男性へのキスに成功します。
イアン(デイブ・フランコ)という名のその男性もナーヴの参加者で、その後はなぜか二人でクリアしていくミッションが続き、イアンとだんだんと過激なミッションにトライしていくが…というお話です。
ミッションのハードルが上がっていくのを受け入れる感じは、いわゆる心理学のフット・イン・ザ・ドアのテクニックですよね。
小さな要求から始まって徐々に大きくなっていく。
この映画ではキス→二人でNY市街まで行く→(一旦別れて)高級ドレスを着る→(また、たまたま一緒になって)ドレスに見合った靴を履く→そのデパートから出る、となるんですが、ここでトラブルが起こってドレスを着た試着室に戻ると着てきた服や財布が無くなってます。
イアンは試着したスーツとドレスのままデパートを出ようと提案しますが、それだと万引きになってしまいます。
犯罪を犯したくないヴィーはここで一休さんみたいなトンチを働かせて、デパートから出ればいいんでしょ、ってことで2人して下着姿で出ます。
ここからはネタバレなんですが、実は、イアンと行動を共にするのは仕組まれたものだったことが分かります。
イアンは前回のナーヴの参加者でどんどん勝ち進んでいって決勝に残った3人のうちの1人だったのですが、シアトルで行われた決勝戦でビルの屋上の鉄骨にぶら下がるというミッションで1人が失敗して落下し死亡したので怖くなって、もう1人の参加者のタイ(モヒカン男)と警察に駆け込んだ経緯があります。
しかし、ナーヴは裏サイトで秘密を暴露してはいけないというルールがあったため、それを破った2人は制裁を受けることになります。
仕事や私生活を全て調べ上げられ2人はズタズタにされます。
この辺りはネット炎上した人が鬼女版で特定されて晒されるのに似ています。
ナーヴには「視聴者」「参加者」の他に「囚人」というカテゴリーがあり、そこに入れられたイアンとタイは次回優勝することでその制裁から逃れることができるというものでした。
なので、試着室に戻ったときに服が無かったのはタイの仕業で、試着室から服を盗めというミッションのせいでした。
ナーヴには明確な管理人みたいなものは居なくて、視聴者の悪意が具現化するといいますか、2ちゃんなんかでも削除人と呼ばれる人たちが自治を行っていたわけでそれと似ています。
だんだん過激になっていくミッションや、友人のシドニーと仲違いしたのがイアンに仕組まれたものだと知ったヴィーは怖くなってパトカーのお巡りさんに駆け込みますが、これで囚人カテゴリーに入れられてしまいます。
イアンは全ての事情をヴィーに話し、決勝では自分が負けるからヴィーが囚人から脱出しろと言います。
ヴィーはこのゲームを終わらせるべく、シドニーとヴィーの幼馴染的な男子でPCに詳しいハッカー的な友達トミー(マイルズ・ハイザー)にあるお願いごとをして最終ゲームに臨みます。
自分はシドニーとヴィーがやったマンションの間に渡した脚立はしご渡りと、イアンのビルの屋上クレーン片手ぶら下がりにハラハラドキドキしました。
なんでしょう?撮り方ですかね?
藤原竜也さんの『カイジ』の時はハラハラドキドキしなかったぞ、と思いましたが、よく思い返したらハラハラドキドキしました。
あの成功したと思ったら風圧で、ってトコとかハラハラした記憶が。
『ザ・ウォーク3D』見たときは吐きそうだったんですが、高所恐怖症ですね、これは。
あと、タイが線路に寝そべるのもヤバかった!
あれがもし貨物列車だったら凄い長いだろうし、いつ引っかかるだろう、引っかかるだろうと、気が気で無かったです。
この映画、先が読めなかったので、シドニーとタイはキャラ的に死亡フラグ立ってもおかしくないので、上記シーンはハラハラしましたね。
結果として死なない展開は上手いと思いました。
あと、タイのキャラ付けですね。
ヤバいミッションも軽々とこなすヤツなんで、ラストのどんでん返しが生きてきます。
ラストのどんでん返しは『チ・ン・ピ・ラ』とか『F/X 引き裂かれたトリック』でお馴染みの空砲と血糊で、シドニーにお願いしたのはタイに空砲を撃ってもらうことでした。
それで視聴者を騙すんですね。
トミーにお願いしたのは、トミーの知り合いの本格的なハッカー集団にナーヴのオープンソースのコードを変更してもらって、ナーヴを見てる視聴者のブラウザやアプリをジャックしてもらい警告を発することでした。
見てるお前も殺人の加担者だぞ、と。
いわゆるブラウザジャック的なやつですね。
急にメッセージが出てきてビビるという。
視聴者たちは続々とナーヴからログアウトしていきます。
ユーチューバーや、ツイッターで炎上して注目を集める人も見る人が居なければ成り立ちませんからね。
上手いラストだと思いました。
そもそもなぜヴィーが選ばれたのかとかを考えるとモヤっとするところはありますが、まあそこはあまり気にしないことにします。
ヴィーのお兄さんが出て行ったエピソードも宙ぶらりんな感じもしますが、面白かったからいいです。
最初の方でスタテン島を強調してたので、どんな田舎だろうと思ったのですが、ニューヨークでもフェリーじゃないといけない所だったんですね。
映画『ワーキング・ガール』の主人公があのフェリーで通勤してたやつですね。
日本でいえば尾道を舞台にした映画でよく通勤・通学フェリーが登場するやつですね。
鑑賞中、ヴィーのお母さん役は見たことある顔だけど名前を思い出せなかったんですがジュリエット・ルイスでしたか。
『ケープ・フィアー』や『ナチュラル・ボーン・キラーズ』の頃が懐かしいです。
ヴィー役の女の子も見た記憶があって思い出せなかったんですが『なんちゃって家族』の子でした。
エマ・ロバーツ
エリック・ロバーツの娘さんでジュリア・ロバーツの姪っていう。
イアンを演じたデイブ・フランコはずっと安田顕さんと思って観てました。
この映画、音楽もよかったです。
ピコピコした電子音楽でちょっとチープな感じもして。
映画全体の雰囲気もやってることは最先端なんだけど、サイバー過ぎる感じは無くてちょっとどこかノスタルジックというかイモっぽい感じでリアルに感じられましたね。
アメリカでの興収が3800万ドルくらいでロッテンでの評価もそんなに高くないですけど、なかなか面白い作品だと思いました。
鑑賞データ
TOHOシネマズシャンテ シネマイレージ特典1か月フリーパスポート 0円
2017年 3作品目 累計0円 1作品単価0円
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