飛び出すエロ ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
一月一日、早朝。電話が鳴る。マーフィーは目覚める。傍には若い妻オミと二歳の息子ギャスパー。
彼は留守番電話を聞く。エレクトラの母だ。心労で声がやつれ、娘から連絡はなかったか知りたがっている。
エレクトラはずっと行方不明なのだ。母は、娘に何かあったのではないかと心配している。
いつまでも雨のやまない一日、マーフィーはアパートにいて、彼の生涯最大の愛を思い返す。エレクトラとの二年間を。
いつまでも続くはずだった、駆け引きに満ち、時に行き過ぎた、過ちだらけの、焼けつくような情熱の日々を…。これは青年マーフィーがかつての恋人エレクトラとの2年にわたる蜜月を振り返るスタイルを取りながら 愛しあう若いカップルの情熱を、肉体的に精神的に完全に再現する映画であり、愛と性を分けて考えるのではなく、すべてを包容する【LOVE】を3Dで描いた究極の物語。
(公式サイトhttp://love-3d-love.com/introduction_story.htmlより引用)
ネタバレ感想
「飛び出すエロ」と見出し付けましたけど、ギャスパー・ノエ監督はいたって真面目だったようで、これはポルノ映画ではないと仰っております。
人間本来の「愛」というものを描いてるので、モザイクをしてしまうのも残念と書いてありました。
物語的には、望まない妊娠で結婚せざるを得なくなった男が、その前に付き合っていた彼女のことが忘れられなくて回想していくという話です。
自分も男ですが、この主人公の男マーフィーには1ミリも同情できませんでしたが、監督が「愛」を描こうとしているのは分かりました。
自分が同情できないのは、ここまで激しく人を愛したことがないからかもしれません。
理性なんか吹っ飛んでああいう行為にも及ぶかもしれませんし、愛し過ぎるがゆえに相手を傷つけるかもしれません。
見ているときに『アデル、ブルーは熱い色』っぽいなと思いましたが、監督も同作は意識していたようで、個人的には『アデル、ブルーは熱い色』と並ぶかやや落ちるかといった感じの本作で、『ニンフォマニアック』や『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』よりはよかったです。
物語は回想して時間軸は逆行していくので、最初の方はケンカばかりしてウンザリなんですけど、最後の方は出会った頃のシーンになるので、映画として切なさは残ります。
映画を見終わってから読んだ映画館の壁に貼ってあった雑誌のインタビュー記事が面白かったです。
3Dで撮るとフランス政府から助成金が出て、2Dと製作費が変わらないから撮ったとか、最初は主役の二人をヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチにしようとしてNGが出たけど、この二人の名前で企画は通ったからOKとか、赤ちゃんの役名をギャスパーにしたのは自分の父親を泣かせようとしたからだとか、監督おちゃめです(笑)
乱交パーティーのシーンでは、欧米ではスワッピングでも1対1が基本なんだそうですけど、歌舞伎町に来たときにハプニングバーに行ったら複数人で組んず解れつしてて驚いたらしく、それが反映されてるみたいで、日本のエロは結構影響を与えてるみたいです。
でもコンビニでもエロ雑誌が売られてる日本なのに、映画にモザイクがかかってるのには憤ってるご様子で、私もモザイク無しで見たかったです。
3Dの方は肝心なところでモザイクがかかっているので、飛び出る感はあまりありませんでした。
少し奥行きを感じられるくらいですかね。
音楽は色々凝ってて、パンフレットとか読んで解説見るのも楽しいんじゃないかと思います。
映像も凝っててなかなか面白い映画でした。
鑑賞データ
ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円+3D料金400円
2016年 33作品目 累計40400円 1作品単価1224円
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