面白いが、やや長く感じました ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
ヒトラーの姿をした男が突如街に現れたら?「不謹慎なコスプレ男?」顔が似ていれば、「モノマネ芸人?」。
リストラされたテレビマンに発掘され、復帰の足がかりにテレビ出演させられた男は、長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者のドギモを抜く。
自信に満ちた演説は、かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と認識され、過激な毒演は、ユーモラスで真理をついていると話題になり、大衆の心を掴み始める。
しかし、皆気づいていなかった。
彼がタイムスリップしてきた〈ホンモノ〉で、70年前と全く変わっていないことを。
そして、天才扇動者である彼にとって、現代のネット社会は願ってもない環境であることを―。(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
ドイツでベストセラーになったティムール・ヴェルメシュの同名小説の映画化です。
原作は未読です。
映画はオリヴァー・マスッチ演じるヒトラーが街頭インタビューを行うドキュメント部分と台本があるドラマ部分を混ぜこぜにした内容です。
作りとしてはアメリカ版ドッキリの『ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中』に近いと思いました。
はっきり言ってドラマ部分は凡庸だと思いましたが、ヒトラーになりきったオリヴァーが街の人と絡んでるシーンは面白かったです。
オリヴァーは映画の設定同様、主義思想含めてヒトラーになりきって人々と絡んでるのですが、街の人は物まねだろうとか、テレビの企画だろうと思って近づいてくるのですが、まず好意的。
そしてヒトラーが「あなたの不満は何ですか?」と街の人に問いかけると様々な答えが返ってきます。
オリヴァー演じるヒトラーは、人々の様々な答えを汲み上げながら、ヒトラーの主義思想に沿った形で説明するんですが、妙に説得力があるし、一理あるところが面白いのですが、同時にとても恐ろしくもあります。
歴史的に見れば、ヒトラーは大量虐殺を行った怪物で、みんな自分とは違うと思うんですが、その怪物を作り出したのは、街の人々の小さな不満なんだよなぁと。
「保育園落ちた、日本死ね」というひとりごとのような匿名のブログが、大きく取り上げられる現在の日本も中々恐ろしいものがあるなと感じた『帰ってきたヒトラー』を観ての感想でした。
鑑賞データ
TOHOシネマズシャンテ シネマイレージウィーク 1100円
2016年 70作品目 累計82100円 1作品単価1173円
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