騒がれているほど面白いかなぁ? ☆3点
予告編
映画データ
あらすじ
ゴーストライター騒動で話題になった佐村河内守氏の自宅で森達也がカメラを回し、その素顔に迫る。メディア関係者たちが取材の申し込みに訪れ、外国人ジャーナリストはことの真偽を取材に来る。市場原理によってメディアが社会の合わせ鏡となるなら、このゴーストライター騒動は、社会全体が安易な二極化を求めていることの兆候と見ることもできる。はたして本当のことは何なのか? 誰が誰を騙しているのか? 映画はこの社会にはびこる時代の病をあぶり出しながら、12分間の衝撃のラストへとなだれ込む。
(MovieWalkerより引用)
ネタバレ感想
結構、業界関係者を中心に話題になっているようですが、そんなに面白いかなぁ?と思いました。
森達也監督作は初めて見ましたが、本作は自分の中ではドキュメンタリーとして優れているかというと何となく疑問符?な感じがしました。
取材対象者に迫って、打ち解ける能力は高いのかな?とは思いましたが。
まぁ元々、自分がこの話題にあまり関心が無く(じゃあ何で見たんだというツッコミはさておき)、騒動の発端となった文春報道の記事は読んでないですし、NHKスペシャルのドキュメントも見てないですし、『交響曲第1番』(HIROSHIMA)も聴いたことが無いので、特に「裏切られた感」とかが無いというのもありますが、このドキュメンタリーを楽しむためには、騒動の背景に詳しければ詳しいほど楽しめるのかなぁ?という気はしました。
実際、本作を見ていて、一番鋭い質問をしてるのは、外国人ジャーナリストのところなんですが、そこのところをしっかり見せるわけではないですし(それやってたら尺足りないので仕方ないですが)、森達也監督も騒動の白黒をつけるために鋭い質問をする、というよりかは興味の視点は別のところにあるように感じました。
ドキュメントの大半で手話通訳をする奥さんの声が入るのですが、白黒をはっきりつけるために佐村河内さんに色々聞きたければ、筆談や質問内容を文書にまとめておく方が合理的だと思いましたし、佐村河内さんのいないところで奥さんにインタビューすることも必要だったと思うのですが、そうする気は無かったんだなぁと思いました。
監督はあの夫婦を撮りたかったんだと思いました。
実際、「愛してます」みたいのをお互いに言わせるのですが、ゲスいなと思いました。
よくAVで「何が入ってるの?」とか「どこに入ってるの?」とか「誰のどこに何が入ってるの?」とかやりますが、完全にあれのイメージです。
確かに画面的には面白いシーンがあります。
取材のたびに必ずケーキが出てきたり、食事の前に豆乳を飲み干したり。
でも豆乳が好きなら食事の前にわざわざ1本飲み切ってしまうのではなくて「普段から飲むだろうし」とか考えるとタイトルの『FAKE』と相まって、ああいうシーンも本当なのかなぁ?と思ってしまうんですよね。
何か掘り下げ方が浅いというか…。
見どころとしては「猫が可愛かったなぁ」というところぐらいでしょうか。
鑑賞データ
ユーロスペース 一般料金 1800円
2016年 69作品目 累計81000円 1作品単価1174円
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