イレブン・ミニッツ 評価と感想/一点に収束する何か

イレブン・ミニッツ 評価と感想
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風が吹けば桶屋が儲かる的な ☆4.5点

予告編

映画データ

イレブン・ミニッツ (2015):作品情報|シネマトゥデイ
映画『イレブン・ミニッツ』のあらすじ・キャスト・評価など作品情報:『ムーンライティング』などで知られ、カンヌ、ベネチア、ベルリン国際映画祭で受賞経験のあるポーランドの巨匠イエジー・スコリモフスキが放つ群像サスペンス。
http://cinema.pia.co.jp/title/170031/

あらすじ

午後5時前。顔に殴られた跡を残して、警察から自宅に戻ってきたヘルマン(ヴォイチェフ・メツファルドフスキ)。嫉妬深い彼は、妻で女優のアニャ(パウリナ・ハプコ)と諍いになるが、やがて睡眠薬を入れたシャンパンを喉に流し込み、寝てしまう。その間に、映画監督(リチャード・ドーマー)との面接のためにホテルへ向かうアニャ。午後5時。慌てて飛び起きたヘルマンは、アニャを追ってホテルへ向かう。そのホテルの前では、最近、刑務所から出たばかりの男(アンジェイ・ヒラ)が、ホットドッグの屋台を開いていた。一方、人妻とドラッグをやりながら情事に耽っていたバイク便の配達員(ダヴィド・オグロドニク)は、彼女の夫が帰宅したため、慌てて逃げ出す。やがて、父親であるホットドッグ屋台の主人に電話で呼ばれ、ホテルへ向かう。そのホテルの一室で、ポルノ映画を見ている一組の男女。そして彼らの頭上には、着陸態勢に入ろうとする旅客機の姿があった……。午後5時から5時11分までの11分間、様々な人々の運命が絡み合い、やがて迎える結末は……。

MovieWalkerより引用)

ネタバレ感想

短い特報予告編を見て面白そうと思い鑑賞。

イエジー・スコリモフスキ監督
ポーランドの巨匠なんですね。
知らなかった監督なのですが初めて観ました。

予告にあるように5時から5時11分までの間に起こる群像劇。
冒頭は5時より少し前も描いてます。
場面が頻繁に切り替わるのと、時間が少し戻ったりするので、誰が誰だか分からなくなるかな?と思いましたが、そんなことは無かったです。

複数の話が同時進行する群像的な話は最近だと2014年にポール・ハギス監督の『サード・パーソン』を思い浮かべました。

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同じシーンを別の登場人物の視点で描く感じは、最近ですと『桐島、部活やめるってよ』がありました。

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全く繋がりそうにない、それぞれのエピソードはどれも不穏な空気を生み出しています。
独特の音楽や効果音は黒沢清監督作品を想起させます。
画面に漲る緊張感と不穏さは並々ならぬものを感じさせます。

本当に繋がりそうにない話が、どう収束していくのか、興味はそこ一点に集中するのですが、ラストの展開には本当にビックリ、口あんぐりです。

ここからは詳しくは書きませんがネタバレになります。

 

ラストの感じはファイナル・デスティネーションを彷彿させて、それまでの群像劇はそれをアカデミックに格調高く描いていた感じもします。

ラストのラスト、黒点に収束していく感じは、太陽の黒点をイメージしましたし、観た人がどのように解釈してもよいと思います。

ちょっと松本人志監督の『しんぼる』のラストを思い浮かべたりもしました。

とにかく色々書くとネタバレになってしまうので細かく書きませんが、観た人同士で色々語りたくなる映画で、予告編で登場人物だけ予習して見に行って欲しいです。

鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー鑑賞 1000円
2016年 99作品目 累計111200円 1作品単価1123円

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