タイトルに意味はないのです ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
若い女性ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は目を覚ますと、自分がシェルターの中にいることに気付く。見知らぬ男ハワード(ジョン・グッドマン)は「君を救うためにここへ連れてきた」と告げ、共同生活が始まる。しかしミシェルは、彼が信用できるのか、他の目的があるのか、疑念を持ち続ける。やがて、何とか脱出を試みたミシェルがシェルターのドア越しに見た世界とは……。
(MovieWalkerより引用)
ネタバレ感想
『クローバーフィールド/HAKAISHA』は未見です。
前作(といっても今作が続編にあたる訳でもない)は、POV主観の疑似ドキュメンタリーで描いた怪獣映画という、アイデア勝負の作品でした。
今作はエイリアン侵略のマクロを最後の方まで見せず、核シェルターに退避できた3人の人類の密室劇というミクロの方に焦点を当てた、アイデア勝負の作品です。
前作のタイトル『クローバーフィールド』はプロジェクトコードみたいなもので意味はなく、J・J・エイブラムス率いるバッド・ロボット・プロダクションズがある地域の、以前の行政区画名だそうで今作もタイトルにさして意味はなく、劇中、ジョン・グッドマン演じるハワードが持つ家(核シェルター)の前の道or住所の名前が「10-クローバーフィールド・レーン」というだけで、タイトルとアイデアだけで両作品を結び付けてる感じです。
ただ前作がプロモーションとアイデアが上手くいって、ハリウッド映画としては低予算(といっても2500万ドルですが)ながら、北米では8000万ドル以上の興収を上げヒットしたため、続編が企画されていましたが結局中止になってしまいました。
で、そんなところに出来た今作は、撮影中「Valencia(ヴァレンシア)」というタイトルで、「クローバーフィールド」のタイトルは出演者にも隠されて極秘裏に進められてたそうです。
そして公開日の2ヶ月前に予告と共に「クローバーフィールド」のタイトルが解禁。
結果、今作も製作費1500万ドルで北米では興収7000万ドル以上のヒットとなり、またしてもプロモーションとアイデアが上手くいきました。
実際、物語を密室劇のアイデアにするのは上手くいっていて、ジョン・グッドマン演じるハワードは誘拐監禁するだけのただのサイコ野郎なのか、或いはハワードが言うようにホントに外で何かが起きてるのか分からない(予告編でネタバレしてますが)ので物語がスリリングに進むのです。
今年の監禁モノとして『ルーム』がありましたが、あれは監禁されるも地獄、外に出ても地獄でしたが、今作も結果として、中にいるも地獄、外に出ても地獄で同じでした。
この映画、脚本がデイミアン・チャゼルという人で去年公開された『セッション』の監督です。
セッションのJ・K・シモンズ演じるフレッチャーも、今作のハワードも、キャラとしてのタイプは似ていて、高圧的・説明不足・キレやすい、という誤解されやすい要素満載の人を描くので、それが軋轢を生み物語がキリキリと進みます。
エイリアンと戦う前に、ハワードと戦うことになるミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)はタンクトップ姿ということもあり『エイリアン』のシガニー・ウィーバーを彷彿させました。顔つきも似てたと思います。狙ってキャスティングしたのはないかと思いました。
細かい所で回収されない伏線(娘ではないミーガンの写真など)があるのが気になりますが、密室サスペンススリラーとしては良く出来ていてアメリカでも高評価なのは頷けます。
アメリカでコケてしまっている『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』を見るならこちらの方が面白いと思います。
鑑賞データ
TOHOシネマズ日劇 TOHOシネマズデイ 1100円
2016年 80作品目 累計93000円 1作品単価1163円
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