積極的安楽死 ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
天涯孤独の身になったヤーコブ(イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ)は、待望の自殺計画を開始! 巨額の資産は慈善団体へ寄付して、あとはさっさと死ぬだけだ。彼が幼い頃から家に仕える庭師のムラー(ヤン・デクレール)は普段と違う様子をいぶかしむが、ご主人様の密かな願いは見抜けなかった。
自殺にピッタリの断崖絶壁を訪れたヤーコブは、とんでもない光景を目撃する。霊柩車が現れ、運転手の男と車いすの老人が崖の向こうに行くのだが、数分後、崖から戻ってきた運転手の押す車いすは空だったのだ…。
現場に残されたマッチを手に、ヤーコブはブリュッセルにある謎の会社「エリュシオン」をアポなし訪問する。そこは、葬儀屋が裏稼業として営む《顧客のあの世への“旅立ち”を手助けする》代理店だった。社長のジョーンズ氏(ヘンリー・グッドマン) は彼の願望を察して、いつ、どのように“旅立つ”かはおまかせの〈サプライズ〉コースを提案。
ヤーコブはすぐに契約を交わすが、その直後に同じサプライズを待つアンネ(ジョルジナ・フェルバーン)と運命的に出会ってしまう。解約不可、成功率100%の〈サプライズ〉からふたりは逃げ切れる…!?(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
まず映画を観ての感想は設定というか脚本が上手いなぁと思いました。
表向きは葬儀会社であるが、裏では自然な死(自殺幇助)を演出してくれる会社。
こんな設定をよく考え付くなぁと思ったのですが、調べてみたら、日本と違いベルギーは安楽死が合法で、合法な国の中でもさらに積極的安楽死を認めている国のようです。
昨年も24歳の健康体で自殺願望のある女性が「生きるのに向いていない」からという理由で、安楽死が認められたのがニュースになったようで、現実の方が映画より先にいってるんだなと思いました(この女性は間際で自死するのをやめたようです)。
本作の主人公も、幼い時に船の事故で目の前で父親を亡くし、それ以来、一切の喜怒哀楽を無くして自殺願望に取りつかれている大富豪の独身中年男性。
この主人公も現実のベルギーでは、医師の十分なカウンセリングを受けた上で認められる可能性がある訳です。
まあ実際、自殺未遂を繰り返す人は、それによって生きているのを実感してるところがあるのかな?とも思う(死んじゃう人はとっとと死んじゃうので)のですが、本作もそんな作りになってると思いました。
葬儀会社に命の期限を委ねることによって、逆に生き生きとしていく主人公。
平凡な日常が、スパイ映画のようなドラマチックなものになっていきます。
深刻に考えると結構重いテーマなんですが、映画はコメディ調なのでサラッと観れます。
まあコメディ調とはいえ、そんなに笑うところも無いんですけどね。
少しクスッとするくらいです。
ハッピーエンドで終わるのもよいです。
映画は映像が綺麗でした。
迎賓館のような豪邸とその庭、名車の数々を見れただけでも結構満足しました。
オランダの映画なので主役の二人も知らなかったですが男性の方(イェルーン・ファン・コーニングスブリュッヘ)はなんとなくジョナサン・リース=マイヤーズに似てるかなぁと思って見てました。
女性の方(ジョルジナ・フェルバーン)も独特の顔立ちでなんとなく松雪泰子さんに似てて可愛かったです。
雰囲気もあるし、なかなか素敵な映画だと思います。
こういうのを観るとブリュッセルにも行きたくなっちゃいますね。
鑑賞データ
ヒューマントラストシネマ有楽町 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
2016年 60作品目 累計70200円 1作品単価1170円
コメント