ウィッチ 評価と感想/清教徒一家が崩壊するまで

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北の国から+シャイニング ☆5点

予告編はこんな感じです

映画データはこちらからどうぞ

(シネマトゥデイ)

映画『ウィッチ』の作品情報:サンダンス映画祭監督賞のほか、世界各地の映画祭を席巻したファンタジーホラー。17世紀のアメリカを舞台に、信心深いキリスト教徒の一家が、赤ん坊が行方不明になったことをきっかけに狂気に陥っていくさまを描く。父親から魔女だと疑われる娘には、『スプリット』などのアニヤ・テイラー=ジョイ。
(ぴあ映画生活)
『ウィッチ』は2015年の映画。『ウィッチ』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。
1630年のニューイングランドを舞台にした魔女映画で第31回サンダンス映画祭で監督賞を受賞したダーク・ファンタジー・ホラー。
監督は複数の短編で美術監督や衣装デザインを務めたロバート・エガース。主演に『スプリット』のアニヤ・テイラー=ジョイ

以前に新宿武蔵野館で予告編を見て「あっ、スプリットのアニヤ・テイラー=ジョイ出てる」と思い鑑賞。
魔女モノはあまり詳しくありません。

監督はロバート・エガース
全く知らない初めましての監督さんで、美術畑出身の監督さんのようですね。
公式サイトのイントロダクション

ヘンゼルとグレーテル、赤ずきんちゃんを彷彿させる―グリム童話のダークな部分が永遠の悪夢になったような怖さ!

とありますが、2007年に短編でヘンゼルとグレーテルを撮ってるのでこういう世界観が好きなんでしょう。

主演はアニヤ・テイラー=ジョイ
『スプリット』で初めて知った女優さんです。

登場人物少ないが広がりがあってよい ☆4.5点 『シックス・センス』のM・ナイト・シャマラン監督の最新作で、多重人格者が女子高生を誘拐・監禁するお話です。
それもそのはずで、シャマラン監督も本作を見て起用を決めたようで、今後はX-MENのスピンオフ作品などが控えています。

他に共演と配役は以下の通りです。

トマシン役:アニヤ・テイラー=ジョイ
ウィリアム役:ラルフ・アイネソン
キャサリン役:ケイト・ディッキー
ケイレブ役:ハービー・スクリムショウ
マーシー役:エリー・グレーンジャー
ジョナス役:ルーカス・ドーソン

冒頭に街の人が出てくるだけで、ほぼ家族だけの密室劇で話が進むので、登場人物も少ないです。

あらすじ

1630年、ニューイングランド。
街を追い出された父ウィリアム(ラルフ・アイネソン)と母キャサリン(ケイト・ディッキー)は、5人の子供たちと共に森の近くの荒れ地にやって来た。
しかし、赤子のサムが何者かに連れ去られ、行方不明に。
連れ去ったのは森の魔女か、それとも狼か。
悲しみに沈む家族だったが、父ウィリアムは、美しく成長した愛娘トマシン(アニヤ・テイラー=ジョイ)が魔女ではないかと疑いはじめる。
疑心暗鬼となった家族は、やがて狂気の淵に陥っていく・・・

公式サイトより引用)

以下ネタバレ感想になります。

オープニングは裁判みたいなシーンで始まります。
父であるウィリアムが自分の宗教観を滔々と述べていて皆は堕落していると批判しています。
厳格過ぎるキリスト教徒なのでしょう、皆と合わないってことで街から追放されます。

一家は父のウィリアムと母のキャサリン、長女のトマシンと長男のケイレブ、双子で次女のマーシーと次男のジョナス、赤ちゃんのサムの計7人です。

一家は街からだいぶ離れた森の近くで、馬、白ヤギ、黒ヤギを飼って自給自足の生活を始めます。

ある日、外でトマシンがサムをあやして、いないいないばぁをしてると、3回目で突然サムが消えてしまいます。

母のキャサリンはひどく落ち込みますが、父のウィリアムは一応探すものの、見つからないだろうと諦めてて、この辺は夫婦でも温度差があります。
父は子供たちだけで森へ入ってはいけないと言います。

サムがいなくなると、夜の森の中のイメージが描かれ、裸の老婆が殺した赤ん坊の血を体に塗りたくってるシーンなどが描かれますが、暗くてロウソクの明かりで照らされたような映像なので、ハッキリとは見えません。

母はサムがいなくなると双子に接するより、トマシンには厳しくあたるようになります。

ある日の早朝、ウィリアムはケイレブを連れて森の中に入っていきます。
もうすぐ冬を迎えるため食料を確保しておかねばならず、トラバサミを仕掛けていたので捕まってるか見に行ったのでした。

罠に獲物はかかってなかったのですが、ケイレブはトラバサミをどうやって手に入れたのかを父に聞きます。
父は母が使っていた銀のコップを、母には黙ってインディアンが使っていたトラバサミと交換したとのことで、ケイレブにも口止めします。

すると罠にはかかってませんでしたが、一匹の黒ウサギがこちらをじっと見ています。
父はライフルで仕留めようしましたが、顔の前で暴発して逃げられてしまいます。

朝食時になっても夫とケイレブが居ないので母は心配しています。
夫とケイレブが帰ってくると何をしてたか聞きますが、罠に獲物がかかったらサプライズで妻を喜ばそうとしていたのでハッキリとは答えません。
ケイレブが気を利かして、谷にあったリンゴを取りに行こうとしたけど無かったと言います。

イラついてる母は、暴発した銃で顔に怪我をして、血がついてる夫の服を洗うようにトマシンに言います。
また双子はその間中も騒いでいて、黒ヤギに関する気味の悪い歌を歌っているので、家に入れるようにトマシンに言います。

トマシンが川で服を洗ってるとケイレブがやってきます。
ケイレブは膨らみ始めたトマシンの胸が気になるようでチラチラ見てます。

双子ばかりをひいきする母と、その母に頭が上がらない父、ケイレブだけがトマシンを心配してくれて姉弟でじゃれてると、草むらから音がします。
見ると家に入れたはずのマーシーで、サムが魔女に森に連れていかれたのを見たと言い、トマシンは魔女だと騒ぎます。

母が双子を甘やかすせいで、全く聞き分けの無い子に育っているのに頭にきたトマシンは、売り言葉に買い言葉で自分は魔女だと言うと、いい子にしてないと食べてしまうぞと脅すのでした。

その日の夕食時、配膳をしているトマシンに母が銀のコップをどこにやったか聞きます。
トマシンは知らないと答えますが、母はトマシンを疑います。
父はお茶を濁そうとするばかりで自分だと名乗りでません。
マーシーは昼間、トマシンに魔女だと脅されたのをバラすと、トマシンをますます不利にします。

その日の夜、冬を越すだけの食料が確保出来なそうということで父と母が話をしています。
父は母の突き上げを食らうばかりで、口減らしとお金獲得のため、トマシンを奉公に出そうということになります。
トマシンとケイレブは起きていてその話が聞こえていました。

翌日の早朝、ケイレブが家を出て行こうとするのにトマシンが気づきます。
ケイレブが引く馬に乗ってトマシンもついていくと、ケイレブは仕掛けた罠を見に行くのでした。
罠には獲物がかかっていて喜ぶ2人でしたが、森の中でガサガサと音がします。

音のする方を見ると、前日の黒うさぎでケイレブはライフルで仕留めようと森の奥へ入っていってしまいます。
トマシンは待ってるように言われましたがケイレブが戻ってきません。
ケイレブを探しに行くとトマシンも迷ってしまいます。

ケイレブはその頃、黒ウサギを見失うと完全に森の中で迷っていました。
森の中で小さな小屋を見つけると、赤ずきんのような魔女が座っています。
ケイレブはその魔女に引き寄せられるとキスします。

一方、父と母はトマシンとケイレブが居ないのに気づくと、父が森の中へ探しに行きます。
トマシンは見つかりましたが、ケイレブは見つからず戻ると、母から激しくなじられるのでした。

サムもケイレブも失ったキャサリンがいよいよ半狂乱になってくると、これ以上怒りの矛先がトマシンに向かうのはよくないと考え、ウィリアムはようやく妻に白状します。
銀のコップをトラバサミと交換したこと、キャサリンを喜ばそうと思って罠を仕掛けたことをケイレブに口止めしていたこと、ケイレブが森に入ったのは自分のせいだと言います。

すると深夜、ケイレブが裸で帰ってきます。
気づいたのはトマシンでした。

ケイレブを寝かせますが、うわごとのように何か喋っていて、時折、悪魔が憑いたように体を波打たせます。
キャサリンは魔女の仕業だと考え、トマシンが呪いをかけてるのではないかと疑いますが、トマシンは違うと言います。
父は家族で祈りの言葉を奉げようとしますが、双子だけ祈りの言葉が出てきません。
双子はトマシンが祈りの言葉が出ないように呪いをかけてると言いますが、トマシンは祈りの言葉を奉げてました。

ケイレブはムクっと起き上がって、口から血だらけのリンゴを吐き出し、神への言葉を述べると、再び横になりそのまま死んでしまいます。

目の前でケイレブを失ったウィリアムは完全にトマシンを疑うと、トマシンを外に連れ出し悪魔といつ契約したのかと詰問します。
トマシンは魔女じゃないというと、父への不満も爆発させます。
偉そうなこと言ってるが畑にしても猟にしても全く上手くいってないこと、キャサリンに全然頭が上がらないこと、銀のコップが無くなったときに本当のことを言ってくれなかったことなどを言ってなじります。

そして悪魔と契約してるのは双子だと言います。
双子が黒ヤギと喋ってるのを見たと言い、悪魔が黒ヤギに移ってると。

ウィリアムはトマシンにそれをキャサリンに説明するように言います。
キャサリンはにわかには信じられないようでしたが、怒ったウィリアムは祈りの最中に気を失った双子を起こすと、黒ヤギと白ヤギがいる家畜小屋へトマシンと一緒に閉じ込めてしまいます。

トマシンは双子にいつ悪魔と契約したのか尋ねますが返答がありません。

深夜になって大きな音でトマシンが目を覚ますと裸の老婆が白ヤギの乳から血を啜っていました。

翌朝、ウィリアムが外へ出ると家畜小屋の屋根は吹き飛び半壊してます。
白ヤギは半分に切断され、トマシンが倒れています。

ウィリアムがトマシンに近づこうとすると何者かに刺されます。
物音に気付いたトマシンが目を覚ますと黒ヤギがウィリアムを襲っていました。
二度、黒ヤギの角で刺されてウィリアムは絶命します。

母キャサリンも外に出てくると、血だらけで死んでいるウィリアムのそばにいるトマシンを確認します。
ウィリアムを殺したのは魔女であるトマシンだと確信したキャサリンはトマシンを殺そうとします。
トマシンはキャサリンに馬乗りになられて首を絞められると、そばにあったハサミでキャサリンの首を刺して殺します。

エピローグ
部屋に入ったトマシンは椅子に座って机に突っ伏すと泥のように眠ってしまいます。
目覚めると深夜で部屋の中に黒ヤギがいます。

黒ヤギが喋ってるのを聞いたと言って黒ヤギに話しかけますが沈黙したままです。
諦めて部屋から出ようとすると「お前は何が望みだ」と黒ヤギが喋ってきます。
トマシンが何が出来るのかと聞くと、望むままに何でも出来ると黒ヤギは答えます。
契約するならその本にサインしろと黒ヤギは言いますが、トマシンは字が書けないと言います。
黒ヤギは俺が手伝ってやると言います。

森の中を裸で歩くトマシン。
森の奥へ進んでいくと裸の魔女が輪になって儀式をしています。
中には浮いてる魔女もいます。
トマシンもその輪に入って儀式をすると体が宙に浮いて映画は終わります。

上映時間93分の映画ですが、終盤まではわりと退屈で眠くなります。
当時の状況そのままに、自然光やろうそくの明かりで撮られたような映像は目を見張るものがあり、緊張感を高める音楽や音響も独特でいいのですが、きっと初見より2回、3回と観た方が色々ハッキリしてくる映画だと思います。

お父さんは厳格なクリスチャンであるために街を出ていくはめになるのですが、悪く言えば意固地で偏屈で家族を巻き込む訳です。
家での生活はお父さんが薪割りをしてるシーンはちょくちょく挟まれるのですが、畑からは十分な作物がとれなかったり、猟にも失敗したりして自給自足してくのには何とも心細い人です。

一番の問題はお母さんに嘘をついてることで、娘が疑われてるのにそれを明かさないとか、厳格なわりにすごく矛盾してるんですね。
赤ちゃんがいなくなったことによって、母親の精神のバランスが崩れていくんですが、この、街と離れてポツンと暮らしてる構造とか、薪を割る斧のイメージとか、双子のイメージとかで『シャイニング』を想起したんですよね。

醜い裸のおばあさんとかも出てきますし。

トマシンが父への不満を爆発させるところは『北の国から』っぽいなと思いました。
最初の頃の黒板五郎は偉そうなことをいうわりにはブレまくってて純が反発するんですが、何とも頼りないウィリアムは五郎のイメージとダブります。
結局、おやじのエゴで街を飛び出してきちゃったけど、自分の理想を追い求めるばかりで、家族には苦労をかけるばかりじゃないかと。

あとウィリアムは、ビジュアルをイエス・キリストに似せてきてるのかな?と思いました。

魔女に関しては詳しくないんですが、疑心暗鬼が生む恐怖ってことで、今年観た『哭声/コクソン』にも近い気がします。

カメラがとにかく素晴らしい ☆5点 ツイッターとか見てたら、何やら評判が良さそうなので鑑賞。 全国で12館くらいの上映で、東京ではシネマート新宿と楽天地シネマズ錦糸町の2館の上映です。 楽天地シネマズ錦糸町は全然行ったことが無く、シネマート新宿(TCGメンバーズカード加入は嬉しい)もたまに行くくらいなので予告編も全く知らずでの鑑賞です。
物語は1630年のニューイングランドということで、ピューリタン(清教徒)の話なんですが、キリスト教のことはいまいちよく分かりません。

その後1692年にセイラム魔女裁判が起こるわけですが、それをモチーフにしたのは先月観た『ジェーン・ドウの解剖』でした。

リングのようなシリーズ化へのポテンシャル有り ☆5点 シッチェス映画祭審査員特別賞の他各国のホラー映画祭で賞を受賞した作品。 松竹が様々なジャンルの究極ムービーを贈る松竹エクストリームセレクションの第1弾。 監督は『トロールハンター』のアンドレ・ウーヴレダル 美しい死体ジェーン・ドゥ役にオルウェン・キャサリン・ケリー
本作は上記エンタメホラーとは違って、おとぎ話や民話、文献を丁寧にあたって当時の人の暮らしの中にある恐怖を描き出そうとしている作品で、非常に丁寧に作られていると思います。
そのため、派手さが無いので初見では眠くなってくると思うのですが、先ほども述べたように2回、3回と観て気づくことが多い映画だとも思いますし、シャイニングのような様式美もあり、なかなか侮れない映画に仕上がってると思います。

鑑賞データ

新宿武蔵野館 水曜サービスデー 1000円
2017年 123作品目 累計130700円 1作品単価1063円

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