青春映画としてなかなかの佳作 ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
チャーリー(ローガン・ラーマン)は、小説家を志望する16歳の少年。高校入学初日にスクールカースト最下層に位置付けられ、ひっそりと息を潜めて日々をやり過ごすことに注力していた。ところが、彼の生活は、陽気でクレイジーなパトリック(エズラ・ミラー)、美しく奔放なサム(エマ・ワトソン)という兄妹との出逢いにより、一変する。
初めて知る“友情”、そして“恋”―。世界は無限に広がっていくように思えたが、チャーリーがひた隠しにする、過去のある事件をきっかけに、彼らの青春の日々は思わぬ方向へ転がり始める―。
(公式サイトhttp://wallflower.gaga.ne.jp/story/より引用)
ネタバレ感想
ハリー・ポッターシリーズ終了後、数あるオファーの中からエマ・ワトソンが選んだ作品だそうです。
公開前も公開されてからも全くのノーマークでしたが、なにやら評判が良さそうなので鑑賞しました。
事前の知識としてジョン・マルコヴィッチが製作に名を連ねてることや、「ライ麦畑でつかまえて」の再来と言われたほどの原作小説の映画化ということで期待が膨らみました。
物語は幼いころのトラウマで友達が作れずにいる主人公チャーリー(ローガン・ラーマン)の高校入学からのお話。
ヤフー映画の作品トップもそうですが、いろんな媒体で「スクールカーストを描き」ってありましたがちょっと違うかな?と思いました。
チャーリーは心の傷が原因で壁際の花、傍観者ではありましたが、決してスクールカースト最下層ではなかったと思います。
冒頭の国語の先生とのやりとりで『いまを生きる』や『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』をイメージしましたが、先生は要所要所でチャーリーを導いてくれるものの映画全体の中では扱いが小さかった気がします。
話の核になるのはやっぱり、サム(エマ・ワトソン)とパトリック(エズラ・ミラー)との恋と友情です。
主役の3人はそれぞれに心に傷を抱えていますが、サムとパトリックはチャリーより上級生のお姉さんお兄さんなので、チャリーを心地よく導いてくれます。
パトリックたちは学校では異端的なグループですが、チャーリーはそこに魅了され二人を介して様々な人や音楽(あとドラッグ)と出会い、人気者になっていきます。
なので劇中、音楽がよくかかるのですが、サムが完璧な曲と言っていたデビッド・ボウイのヒーローズをはじめ、全体的に音楽が凄くよかったです。
パトリック役のエズラ・ミラーは凄い美少年で、ゲイという難しい役どころを見事に演じていて、今後、要注目の俳優さんになりました。
サム役のエマ・ワトソンはハリー・ポッターシリーズ終盤でも大人の魅力が出てきましたが、この映画で完全に脱皮した感じで、劇中に出てくる妖しいエロチックなショー(ロッキーホラーショー)をこなしたりしていて、新たな魅力全開でした。
映画は最後、主人公チャーリーも忘れていた(というより封印していた)心の傷を吐き出すことで救われます。
と同時に観客もチャーリーを苦しめていた事実を知ります。
これは重く辛い事実ですが、これを吐き出すことによってチャーリーの第二章が始まるんだなぁと思いました。
誰もが通過する十代の頃の恋や夢、心の傷。
その時は辛く重いものですが、吐き出して過ぎてしまえば軽くなってる。
こうやって段々大人になってたんだなぁと、そんなことを思い出させてくれた映画でした。
鑑賞データ
ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
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